風に吹かれて

 Lucと約束した時間が迫ってきたので、再び九龍側に戻ることにする。スターフェーリ一乗場はあいかわらず賑わっている。『小乗』という看板が僕の目に映った。何となく旅のノスタルジーを感じさせる響きである。来る時乗った立派な客船より波にもまれながら進む小船の方が趣があっていいだろう。
 少し持ち時間があったので一服する。流石に『小乗』とあってかお客さんは少ない。ゲートが開いたので乗場に降りてみてビックリ!波にもまれそうな小船どころか、波をも砕く大きなカーフェリーではないか。どうなってんの!ま−いいか。小船だろうが大船だろうが九寵に戻ればいい。それにしても$1.50は高いんじゃないの。デッキの先頭に陣取って海面を渡る爽やかな潮風に吹かれる。  どの船もスターフェリー乗場の近くに着くのだろうと行先など見ずに乗り込んだけれどどうも様子がおかしい。フェリーはスターフェーリ一埠頭にはそっばを向けて西へ西へと進んで行く。さて、何処に着くのだろう?もしかして、このままマカオへ行ったりして。税関を通ってないからそんな楽しみは無いにしろ、どうせ九龍側に着くのだろうから心配はないだろう。どうしていつもこんな調子なんだろう?天気は良いし、吹く風に身を任せて行きずりの旅をするのもいいだろう。どうにかなるさ!
 着いた処は遥か西でした。露店がいっばいひしめく賑やかな街。さて、Lucに会いに行かなくては。行く手段としては夕クシーしか考えられない。とうとうタクシーに挑む時がやってきた。道脇に止まっていたタクシーに乗り込んで「Marco Polo Hotel Please!」基本料金は$5。何が心配かってチップの計算。今のままなら50cでいいけど、かなり西へ来たからそれでは済まないだろう。街の景色どころか、目は料金メーターに釘づけ。いくらづつメーターが上がるのか分からないので、10%計算の見当もつかない。ウエストバッグからジャリ銭入れを取り出して、傾向と対策を練る。タクシーは市場の連なる通りを横に見覚えのあるホテルに近付いてきた。まだメーターは$5のまま。良し良し、このまま行ってくれ。頼むぞ!タクシーの料金メーターは、マルコ・ポーロホテルの車付けに無事$5のまま到着。50cのチップを渡して大成功!
 Lucの部屋730まで行ったが、彼は不在。フロントまで下りて「Excuse me.Wher is the toilet?」「The corner 〜 you can see it!」フッー、爽快!その通りでした。「I can’t miss it!」  約束の2時までもう少し時間があったので、ウインド・ショッピングへ。土産を買おう買おうと思って歩き回っても、特別買いたい物無し。値段の差は有るにしろ、日本でも買える物がほとんど。


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