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Mar./2005) |
1.起 ↓ 2.承 ↓ 3.転 ↓ 4.結 ↓ 5.所見 ↓ 6.まとめ |
1.起 | |||
今日では、携帯電話の契約台数は約 8500万台で、パソコンの一般家庭への普及率は 70%近くに達すると言われている(※注1)。 携帯電話は WEB 表示機能がますます強化され、モバイルPCも一段とスリム化・軽量化されて無線 LAN 機能の標準搭載も進み、また常時接続可能なビジネスホテルやインターネットカフェ、あるいは屋内外のホットスポット (ワイヤレスゲート) も増えてきたことなどから、かつてのような在宅時だけでなく、外出先 (含:出張先) でも気軽にネットに接続し、WEB を巡回したり掲示板に書き込みをする人々が多くなったようだ。 ネットに接続する環境やその人々が増えたということは、それだけ裾野が広がって WEB の一般化・大衆化が進んだということになるが、残念なことに、それは同時に 「ネットマナーに欠ける人々も増えた」 ということも意味している。特に、ホームページ作成ソフトが不要で、ブラウザを通じてどのパソコンからでも気軽にコメントをアップロードできる ”ブログ” が流行りだしてからは、その傾向が一段と危惧されている。 --------------------------------------------------------------- もともとは英語圏のサイトにおいて、個人が興味を持ったニュースに対して寸評をつけて HTML を知らなくてもブラウザから手軽に情報の発信
(または更新) ができるのが 実はネットマナーに関する問題は古くから存在しており、最近になって初めて湧き上がってきた話題ではない。電話などとは異なり、基本的に文字だけで相手とやりとりをするパソコン通信の時代から取り上げられてきた問題である。 --------------------------------------------------------------- だが当時は、まだ限られた世界(※注3)の中の、さらにごく一部の人々による行為が問題とされていたから、対策もそういった限られた世界の中で講じられ、また対処も辛うじて可能であったように思われる。 ところがネット利用者が爆発的に増えた今日では、PC画面の向こう側には生身の人間がいることを忘れ
(いや、そういったことを認識すらできず)、身勝手な発言を繰り返す人々の数も爆発的に増えてしまい、もはや個人レベルで簡単に対処できる状況ではなくなってしまった。ネットマナーを
”ネチケット (ネットにおけるエチケット)”
と称し、広く一般にその重要性を説くサイトも数多く開設されてはいるが、どうやら
”焼け石に水” 状態であるように思われる。 |
(※注1):PC普及率 70% 読売新聞のWEB版 (Yomiuri on Line)、2004年12月7日付け の記事による。→ こちら なお、PCの世帯普及率やインターネット利用率の推移、あるいは都道府県ごとの普及率については、次のサイトに詳しい記述がある。 ・普及率、利用率の推移 → こちら ・都道府県ごとの普及率 → こちら
(※注2):ワープロ・パソコン通信
(※注3):限られた世界 |
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2.承 | |||
「断定君」 や 「逆ギレ君」 とは、ネット上でその名前の通りの振る舞いをする人々のことを指す。たとえば、根拠や裏付けの無い断言を繰り返したり、人から間違いを指摘されると逆上したりする人々のことである。特に
「Q&A」
掲示板で多く見受けられるが、その様子が一体どんな感じであるのか・・・については、具体的な例を挙げてみると分かりやすい。 以下、スバル系の掲示板などで見受けられる例(※注4)を載せてみよう。その ”蛮行ぶり” が実感できるハズだ。 ◎「断定君」 11選 + 「逆ギレ君」 5選 = 蛮行16選 まずは 「断定君」 11選
次は 「逆ギレ君」
5選
以上、スバル系の掲示板などで見受けられる例を載せてみた。上記の例の中には、回答者だけでなく質問者本人も ”痛さ” が全開となっているものもあるのだが、もしもこれらの例を読んでも、その ”痛さ” や ”蛮行” が理解できない人がいたなら、すでに重傷なので、ネット上で人とコミュニケーションを取る際には十分に注意して下さい。 なお、別ページの 「教えて君」 と 「知ったか君」 の例 では、その発言の ”痛い” 部分に軽いツッコミ(指摘)を入れてみたが、上記の各例 (<例1>〜<例16>) は、ツッコミを入れる気力が失せるような断言 or キレ方をしているので、今回はあえて指摘をしないでおく。その ”痛さ” に空いた口がふさがらない読者諸君、あるいは笑いが止まらない読者諸君は、ぜひとも諸君ら自らで上記の 「断定君&逆ギレ君 16選」 の ”痛い部分” にツッコミを入れてみてくれたまえ。 ・・・でもほどほどにね。今の時代、ヘタにツッコミを入れると、どこで刺されるか分からない物騒な世の中だからね。そしてまた、もしも自分の今までの発言に思い当たるフシがあったと改めて気づいた人がいたなら、これを機に反省してみて欲しい。 それではこれらの例をもとに、「断定君」 や 「逆ギレ君」 の特徴をそれぞれごく簡単にまとめてみよう。 --------------------------------------------------- ◎何事も断定口調で言い切る(← これがデフォルト)。 ◎正論の指摘に対して感情的な反論をする。 このように、「断定君」 や 「逆ギレ君」 は自己中心的でマナーの配慮に欠けることから、紳士的な情報交換どころか意思の疎通さえも難しく、したがって掲示板などでは誰からも敬遠される存在となってしまうのである。 |
(※注4):見受けられる例
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3.転 | |||
これまで述べてきたように、「断定君」 や
「逆ギレ君」 も WEB 上で他人に迷惑をかける存在である。自分自身が
「断定君」 や 「逆ギレ君」 であると気づき、その態度を自ら改めようとしない限り、迷惑をかけ続けることになる。 ところでネットの世界は、その人の性格が色濃く反映される ”舞台” であると言える。あるいは ”人生の縮図” であるとも言える。なぜならば、発言を通じてその人の考え方や振る舞い、すなわち生きざまが映し出される ”鏡” であるからだ。 とすると、ネットの世界 (オンライン) で迷惑な存在は実社会 (オフライン) においても迷惑な存在であるとも考えられるのだ。パソコンの中や外で (オンやオフで)、人の性格はそんなに容易に変わったり変えられたりするものではない。 「断定君」 や 「逆ギレ君」 は、自分自身で反省し前向きに生きようとする努力や向上心に欠けることから、実社会=すなわち、学生は学校や予備校、社会人は職場や会社内でも他人に迷惑をかけてばかりで成長の無いヤツだ、と容易に想像されることになる。 そこで実社会での例として、上司が部下に業務成果を確認するシーンを考えてみよう。職種は何でも良い。営業職(セールス)でも良いし、あるいは研究開発職でも良い。以下、仮に自動車販売の場合を例に挙げてみる。
だが 「断定君」 がヒラ社員のうちはまだいい。「断定君」 が 「断定君」 から脱却することのないまま、年功序列で上のポストにスライドし、部下でも持ってしまったら、さぁ大変だ。いや、何が大変かって? そりゃもちろん、そんな 「断定君」 の下に配属されてしまった部下が、に決まっているではないか。合掌ーーー。 ---------------------------------------------- 新入社員が上司やリーダーに向かって、業務を進める過程で生じた 「なぜ」 「どうして」 という疑問を尋ねる時には、「私は○○までは分かるのですが、△△から先が分からないのです。一体これはどういった意味でしょうか?」 などと本人に考えさせたうえで質問をするように指導するものだ。特に技術系の開発会社では、そういった社内教育が徹底されていることだろう。 さらにもう少し踏み込んで考えることができる新入社員ならば、「私はこれはきっと○○ということだと思うのですが、こうした私の考えや判断は正しいでしょうか?」 などというように、まず自分の意見を先に述べてから、次に相手の意見を求めるであろう。 つまり、「○○って何?△△を教えて!」 などというように、最初から自分で考えることもしないで、短絡的にすべてを丸ごと聞いてくるヤツは使えないヤツなのだ。もしもそういう人がいたとすれば、数年後、そういうヤツの下に新人や部下が付いた時に必ずや困るであろう。なぜかって? 理由は簡単だ。そういうヤツは、今度は逆に新人から 「なぜ?」 と聞かれても、自分で考える力がまったく無いために、その質問にマトモに答えることができないからだ。これは 「教えて君」 が 「教えて君」 から脱却できない悪い例である。 入社5〜6年も経てば、もはや新人では済まされない。立派な中堅社員と言っても良かろう。そういった中堅社員が、まだまだ他人に根ほり葉ほり何でも聞き回っているようであれば、上司や同僚ばかりでなく、後輩からも 「あの人、今頃になってそんな簡単なことを聞き回るなよなァ。ド新人じゃないんだし!」 などとカゲで言われるのがオチである。そのうち人に尋ね回ることを恥ずかしく思って避けるようになり、知ったかぶりをするようになってしまう。これは 「教えて君」 が 「知ったか君」 に変わる悪い例である。 知らないことまで知ったかぶりをするだけでなく、何でも断定口調で話すようになってしまったなら、もはや危機的状況 (棺桶) に片足を突っ込んだようなものだ。他人から敬遠されたり避けられたりする状態に陥(おちい)ってしまうのだ。さらには相手の些細(ささい)な指摘にいちいち逆ギレするようにでもなると、事態は一層深刻である。これは、「知ったか君」 が 「断定君」 を経て 「逆ギレ君」 に豹変する悪い例である。 こういった人たちは、「話し上手は聞き上手」 とか
「聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥。」
という諺(ことわざ)を知らないであろう。でも
「バカは死ななきゃ直らない。」
という慣用句くらいはさすがに知っているかな?いずれにしても、「人のふり見て我がふり直せ」
とは、良く言ったものである。 以上、「断定君」 について主に述べたが、「逆ギレ君」
についても同様である。いや、むしろ、「逆ギレ君」
の方が相手に対する加虐性が強いと考えられるから、社会に対する重傷度は大きいであろう。何人
(なんびと) も要注意である。 |
(※注5):新規に開拓 素直に 「アテはありません。」 と言えってば。虚勢張ったってダメなものはダメだろ。 (※注6):目標も達成 (※注7):来月は大丈夫
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4.結 | |||
「断定君」 や 「逆ギレ君」
が相手では、顔と顔を突き合わせての会話が可能な実社会
(リアルな世界)
においてさえ、健全なコミュニケーションを成立させることは困難である。したがって、文字
(や画像の一部) のみでの情報交換を基本とする WEB
サイトの掲示板においては、健全で建設的なコミュニケーションはますます不可能に近い、とさえ言えることになる。 それでは諸君らが WEB を巡回しているうちに、運悪く こうした 「断定君」 や 「逆ギレ君」 にバッタリと遭遇してしまったら、どうするのが良いだろうか?・・・正解は 「ひたすら ”冷静に” そして ”紳士的に” 対応する」 のが良いと考える。 これはパソコン通信 NIFTY-Serve を経てインターネットの世界に上がってきた、私自身の実感として述べさせていただくが、ネットの世界では 「怒った (キレた) 方が負け」 という不文律がある。 たとえ腹の底から煮えくり返るような憤 (いきどお) りを感じていても、文章ではあくまで冷静に、マナーをわきまえて相手と接するに限るのだ。何せ、もしもその場の雰囲気に流されて感情的なセリフを言い放ってしまったなら、自分の書いた文章そのものが ”精神的に未熟者” であることを示す動かぬ ”証拠” となって残ってしまい、結局は自分で自分の首を絞めることになるのがネットの世界であるからだ。 パソコン通信時代を含めた私自身のネット歴はたかだか10数年であるが、そのようなトラブルは過去に数多く目撃してきた。そして現在でも、そのようなトラブル例は枚挙に暇 (いとま) がない。利害関係の無い第三者から見たとき、必死になって感情的な反論を繰り返している当事者の姿ほど、荒唐無稽 (こうとうむけい) で虚 (むな) しく映るものはない。これは、2ちゃんねる掲示板で祭り上げられた者を見ていると深く理解できるだろう。掲示板は、常に不特定多数が見ていることを忘れてはならないのである。また我々自身においても、できるならば そういった 「断定君」 や 「逆ギレ君」 の非を冷静に教え諭 (さと) すことができるように振る舞いたいものである。 この件については、「ネットマナー向上運動・三部作」 の最後を締めくくる 「親(回答者)の心、子(質問者)知らず」 の巻・・・で詳しく述べているので、ぜひとも精読していただきたい。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◎掲示板 利用者 は気をつけろ! ◎掲示板 管理人 は気をつけろ! |
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5.所見 | |||
何かと時間に追われ、忙しい毎日を送る現代人は、とかくビタミンやミネラル、アミノ酸類の摂取が不足していると言われて久しい。その中でも、特に今回紹介した
「断定君」 や 「逆ギレ君」
たちこそ、身勝手に結論を急いでイライラしているという点において脳内にカルシウムが不足(※注8)しているのではないか。 そんなカルシウム不足の 「断定君」 や 「逆ギレ君」 たちの振る舞いに対し、もしもカルシウムの世界的権威である藤田拓男氏(※注9)が見ていたなら、このような状況を鑑(かんが)みて 大いに嘆(なげ)いたかもしれない。そこで私は、代わりに次のフレーズを唱えたい。 ♪ババンバ バンバン バン 「牛乳飲めよ〜!」 ・・・って、毎週毎週、自分の管理している掲示板に 「断定君」 や 「逆ギレ君」 が来られるのはイヤだぞ、オレは!!(>_<) 願わくば、このページを読んだ人々に、「断定君」 と
「逆ギレ君」
の功罪と影響について今一度考え直していただけたら、と思っている。 |
(※注8):カルシウム 成人の身体には約 1200gのカルシウムが含まれ、そのうちの約 1%が脳や神経からの命令を筋肉に伝えるなど、非常に重要な役割を司(つかさど)っていると言われている。カルシウムは、生命活動の維持に重要な役割を果たしているのだ(ちなみに残りの約 99%は歯や骨に含まれる)。詳しくは → こちら。 (※注9):藤田拓男氏 |
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6.まとめ | |||
ということで、今回のテーマの結論を述べておこう。 「断定君」
は、根拠や裏付け無しに コメントを急ぐ。 ※当サイトは独自の視点から
「ネットマナー向上運動」 を推進してまいります。 |
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