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2.評価損(格落ち)に関する判例

 
実際の判例(裁判結果)について、市立図書館に行って検索してきました。判例については、国立国会図書館(東京都の永田町にあります)で調べるのが確実かと思われますが、市立図書館レベルでも資料が揃えられている場合があります。もし資料が見つかれば、たいていはコピーすることも可能です。あきらめずに探してみましょう。

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●1998-12-18 : 新製、 ●2001-10-18 : レイアウト&デザインなど変更、一部加筆(出展の明確化)、   
●2007-05-14 : 地裁&高裁での判例を追加 (mitsさんの事例、詳しくはこちら → 読者による事例(13)
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■ 評価損(格落ち)に関する判例 ■
以下は過去の判例です。なるべく評価損が高額(≒3割)で認められた判例をピックアップしてみました。これらの事例から判断すると、評価損は新車のみならず、中古車の場合にも認められるべきものである、ということになります。

・平成2年9月27日/岡山地裁
修理代の30%に相当する36万円を認めた事例
 →平成元年(ワ)五六五号平成二年(ワ)五〇四号
   交通民集二三巻五号一二二五頁

 
・平成7年3月16日/大阪地裁
登録から4年数ヶ月後に事故にあったクラウンワゴン
の評価損につき、修理費の3割を認めた事例
 →平成六年(ワ)七五二〇号
   交通民集二八巻二号四一二頁
 

・平成5年9月16日/岡山地裁
修理代198万6000円の30%(59万5800円)
を評価損として認めた事例
 →平成四年(ワ)一一〇号平成五年(ワ)三九三号
   交通民集二六巻五号一一八九頁

 
・平成7年7月31日/横浜地裁
修理により現状回復がなされ、機能・外観ともに事故前の状態に
復したと認められるが、事故歴ないし修理歴により価値の下落が
認められるとして、修理費の30%を評価損として認めた事例
 →平成六年(ワ)二〇五号
   交通民集二八巻四号一一二〇頁

・平成18年9月25日/東京地裁
修理費用として約40万円を要した日産ティーダに関し、
その約20%(8万円)を評価損として容認した事例
 →平成18年(ワ)第8314号 損害賠償請求事件
   (※判決原本のスキャン(pdf)は → こちら
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・平成19年4月12日/東京高裁
上記日産ティーダの判例(平成18年(ワ)第8314号)について
原告が控訴、高裁にて判断を仰いだ結果、「原審(地裁)では
修理費の20%とされた評価損の金額が、控訴審(高裁)では
30%に上方修正して認容する」 という判決となった事例
 →平成18年(ネ)第4978号 損害賠償請求控訴事件
   平成18年(ネ)第5728号 同附帯控訴事件
   (原審・東京地方裁判所平成18年(ワ)第8314号)
   (※判決原本のスキャン(pdf)は → こちら
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なお、最後に紹介させていただいた2つの判例については、原告ご本人(mits)様!より、当WEBサイト宛てに 事故や裁判の経緯について ご投稿いただきました。「読者の皆さんの事例(その13)」 に掲載させていただきましたので、興味のある方々は ぜひご覧下さい。
 
 

■ その他の判例 ■
上記は主に 「修理費の30%を評価損として認めた判例」 を紹介しましたが、もちろんこれ以外にも、「事故前後での査定額の差額を評価損として認めた判例」 もありました。一例を挙げると、次のような事例があります。

・昭和56年12月21日/東京地裁
事故前の車両の財産的価額520万円と、事故後の
同車の財産的時価400万円との差額120万円を
評価損として認めた事例(修理代150万円の他に)
 →昭和五五年(ワ)一〇七八五号
   交通民集一四巻六号一四二六頁

車種はベンツなんですが、修理代150万円+評価損120万円を賠償義務として裁判所が認めたのですから、キョーレツですね。ちなみに評価損が認められた事例としては、いわゆるクルマ(国産車・輸入車)だけでなくバイク(2輪)にもありましたから、バイクに乗っていて事故に遭われた方々にも、評価損の賠償を検討してみる余地はあると思います。
 

■ 判例の載っている資料 ■
上記に記載した判例の出展は、すべて 「不法行為判例集成/交通事故 第(4-IV)巻」 という裁判記録文献によるものです。これは、判決事例の要約集です。第一巻から順にテーマに沿って編集されているシリーズもの(1巻の厚さが10cm前後)で、第4巻のうちのIV(→分冊構成になっています)が、交通事故裁判の判決記録集です。

他には 「判例タイムズ」 という発刊物があります。もちろん、「交通民集」 にも判例が詳しく載っていると思われます。また、私が調べたところによると、保険会社では過去の主な判例を収録した 「WINDOWS版のCD-ROM判例集」 なるものを持っているところもあるようです。ただし、このCD-ROMが一般向けにも市販されているかどうかは、ちょっと分かりませんでした。
 

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