クスコ・旧バカンツァ車高調 |
〜 脚廻り交換記 三部作・その2 〜
ノーマルサスペンションから車高調導入に至るまでの期間を、三部に分けて回想してみました。 ◎第一部 : デイトナΣβ200の装着(純正ビルシュタイン+ローダウンスプリング) → こちら ◎第二部 : クスコ・バカンツァ車高調(初めての車高調選びで大失敗?するの巻) → このページ ◎第三部 : 圭オフィス車高調・TD&TD-II 混成仕様(リヤダンパーをフロントに流用)の巻 → こちら ('04-04-09 公開) |
【画像1】 オークションにて落札・入手した
クスコ・旧バカンツァ車高調
(※分解清掃後に撮影。入手直後は結構汚れていました・・・。)
<もくじ> 1.まえがき 2.結論(何が失敗だったのか) 3.クスコ・バカンツァ車高調を選んだ理由(わけ) 4.バカンツァ車高調を手にして 5.バカンツァ車高調を仮装着するの巻 6.車高を上げられる範囲で上げてみるの巻 7.走行時のインプレッション by 同乗者 8.まとめ 9.あとがき |
来訪者数 ; ●2004-03-04
: 新製 |
1.まえがき |
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前節 (第一部:デイトナ・Σβ200・ローダウンスプリングの装着)
の公開からしばらく時間が経ってしまったが、このページは、その後に初めて買った中古の車高調・・・「クスコ・バカンツァ車高調」
・・・でいろいろと失敗した点について、簡単にまとめた個人的な覚え書きである。現在の車高調
(圭オフィス・タイプTD-II 混成仕様)
を装着してからもけっこうな時間が経ってしまっているため、正直なところ、クスコ・バカンツァ車高調での苦労は次第に記憶の片隅へと追いやられ・・・いや、記憶そのものが次第に薄れかかってきている。 それではマズイってことで、失敗だと判断した内容とその経緯について、備忘録を作成するべく、改めてキーボードに向かってまとめたのが、このページである。以下、なぜ私が中古のクスコ・バカンツァ車高調を選んで
「失敗した・・・。」 と思ったのか、その結論から先に述べる。次に、そう思った背景や経緯について順に述べていくことにする。しかしなにぶん、ほんの一瞬(!)で過ぎ去った過去の仕様について、当時の記憶の断片を少しずつ思い出しながらの加筆となっているため、多少読みづらい点があるかも知れないことを、あらかじめお断りしておく。 |
2.結論(何が失敗だったのか) |
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失敗と判断した最大要因は、一言で言うと
「車高が落ち過ぎた」
ということに帰着される。詳細については後述するとして、ここで注意していただきたいことは、上記はあくまでも私的な用途に対する個人的な評価だという点である。車高をベタベタに落としたい人にとっては、かえってこのような車高調が適しているかも知れないし、また同メーカーであっても他ブランドの車高調の場合は、上記評価は当てはまらないかも知れない。あくまでも私個人の感想として、そう判断しただけのことである。誤解の無いようにお願いしたい。 |
3.クスコ・バカンツァ車高調を選んだ理由(わけ) |
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まず初めに、私は脚周りに関してはまったくの素人で、しかも走りの経験も少ない者であることを宣言しておく。こんな私が、車高調を検討するに至った理由は簡単で、今までノーマルダンパーでミニサーキットを
(回数は少ないものの)
走ってきたが、連続コーナーの切り返しでロールが大きく残って収まらないとか、キャンバー角もほとんど付けられないのでタイヤ
(外ブロック)
の負担と摩耗が大きい・・・などといったことを解消したいという理由からであった。ノーマルダンパーでミニサーキットを走るたびに、まわりの人から
「キャンバー付けようよ、タイヤがもったいない(爆)。」
とか言われていたのである。 そこでまず最初に目を付けたのは、純正形状ダンパーに対応する 「キャンバー調整式ピロアッパー」 である。具体的にはクスコからリリースされているもので、ノーマルダンパーをそのまま生かすことができるものである。しかし次に挙げる理由により、結局のところ購入は見送った。 ◎(私にとって)
調整式ピロアッパーは、それ単品でも高額である。 要するにアッパーマウント単品として見たとき、新品価格は結構な値段がするし、格安な中古品では品質と耐久性に不安が残る。また導入により、確かにノーマルダンパーのままでもキャンバー角の調整範囲を広げることが可能となるが、例えば使っていくうちにノーマルダンパーそのもの (の減衰力) に不満が出てしまった場合は如何(いかん)とも し難(がた)く、次に車高調へとステップアップすることになるであろうから、そうなるとせっかく購入しても結局はムダな (※注1) 投資になり兼ねない、と判断したためである。 (※注1)正確に言うと、決してムダとは思わないが、ごく短期間で仕様変更する そこでどうせなら、ということで、思い切って中古の車高調選びが始まった。中古とした主な理由は、次の4つである。 ◎新品は高価である。現在とは異なり、当時はオークションでも もちろん、中古の車高調選びにはリスクが付き物だ。だが、そのようなリスクがあることを自覚した上で対処していけば、最悪でも自分の経験上の 「肥やし」 にはなるだろう。失敗しても、その経験は次なる車高調選びに生かせば良いのだ。私はそう考えていた。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ さて、前述のようにフロントのアッパーマウントは固定式ではなくキャンバー調整式であることが第一条件である。今回、このページで紹介するクスコ・旧バカンツァ車高調は、Yahoo!オークションで見つけたそんな一品であった。ちなみにダンパーの減衰力は固定式で、車高の調整方法はスプリングのプリロード調整による (つまりブラケット移動式ではない) タイプである。 落札価格はここでは記さないが、出品者が思わず 「思いのほか高額で落札していただいたので、送料はこちらでサービスします。」 と私にメールを送ってきたような、そんな価格である (といっても4万円台の物件である・・・余談だが、私は中古品でそれ以上の金額を入札するつもりはあまり無かった・・・もちろん程度にもよるのだが)。なお、私が入手したバカンツァは旧タイプであるが、落札時点では新タイプがまだリリースされる前であったため、当時の ”現行品” であったことを念のため付け加えておく。 クスコのバカンツァ車高調に決めた理由は、メーカー公式サイトによると 「ワゴン専用設計」 のブランドとなっていることが大きかったが、実はそれよりも、「ちょうど欲しいときに出品されていた物件が、たまたまバカンツァだった。」 ことの方が支配的であったことは秘密である。本当は、その当時、私のまわりの人々には APEXi のN1ダンパー (99spec、2000、Proなど) ユーザーが多く、私も同じくN1ダンパーを選んでおけば、もしも何か起こったときにはお互いの情報を共有し合うことでセッティングの方向性を確認しあったりトラブルを切り抜けたりできる恩恵を受けられるかも・・・と考えていたのだが、残念ながら中古ではN1ダンパーの出品がなかなか無く、仮にあっても高額で落札されていくことが多かった。そんな状況の中で、たまたま縁あってバカンツァを落札することになった次第である。 なお、オークションでは TEIN の車高調も数多く出品されていたが、 ◎出品画像を見る限り、程度の良い
(と思われる) 物がほとんど無い。 といった理由により、結局入札対象となることは無かった。私はまず走るコースに応じたキャンバー角を付けたいのであって、車高を落とすのが第一義ではないのだ。これは前節 (第一節) でも述べたが、もともと私は車高はあまり下げたく無いと考えているのだ。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ここで、私が入手した旧バカンツァ車高調のスペックを示すと、以下の通りである。なお、現行のバカンツァ車高調とはアッパーマウントの仕様が一部異なっている。
ちなみに、前節 (第一章) でも書いたが、BG5B型レガシィGT-B (MT、’96/6月〜発売車輌) の純正サスペンションの仕様 (整備解説書 G2091A より抜粋) は以下の通り。
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4.バカンツァ車高調を手にして |
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前述のごとく、出品者から
「送料はこちらでサービスします。」
とメール連絡してきたその物件が、いよいよ私の元に届けられた。梱包を開封するや否や、「あぁ、前使用者は乱暴に扱っていたな・・・。」
と思わせるような状況証拠が認められた。まぁ、ある程度は覚悟していたものの、ショック(アブソーバー)だけに精神的ショックは無い・・・と、おやじギャグを飛ばす気力さえも失せてしまったほどである。 梱包の仕方ひとつを取っても、前所有者は 「早く処分したくてたまらない」 といったような・・・つまり、次に使うことになる落札者への配慮が欠けたような・・・粗雑なものであった。いくら (前所有者にとっては) 不要なものだとはいえ、次の人はそれを必要とするからこそ落札したのであって、商品を ”商品” として大切に取り扱わないような発送はいかがなものか。という趣旨の苦言メールを入れたのは言うまでも無い。 粗雑に梱包された荷をほどき、まずは現状を確認してみる。 ◎車高調整ネジ部にはほこりが付着しており、また全体的にも汚れが目立つ。 次にAssy状態だったものを、各構成パーツごとに分解してみる。 ◎懸念されたショックの抜けは感じられない。 【画像2】 各構成パーツを分解して点検してみる まぁ、全体として程度は中の下、あるいは5段階評価の2〜3点といったところだろうか。自分なりに一通りのチェックを済ませたが、幸いにも致命的なものは無かった
(と思われる)
ので、まず先にフロントの2本からレガシィに組んでみることにした。早い話が、様子見するのである。 |
5.バカンツァ車高調を仮装着するの巻 |
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フロントのみに
クスコ・旧バカンツァ車高調Assy
(付属マウント+ダンパー+ヘルパースプリング+メインスプリング)
を装着してみる。 まずはレガシィのボンネットフードを開け、上からタワーバーを外し、下に潜ってスタビリンクを外し、右前輪をジャッキアップさせ、”STi 強化マウント+ノーマルビルシュタインダンパー+Σβ200” を Assy状態で 取り外す。取り外したダンパーAssyを、今回入手した バカンツァ の ダンパーAssy と隣り合わせて並べてみる。 【画像3】 純正ビルシュタインダンパーと旧バカンツァダンパーの外観比較 「・・・ううぅ、思いのほかダンパー長が短くなっているじゃねーか・・・。この短いシェル長 (筒長) の中で、ちゃんとストロークは稼げているんだろうな?!」 と、少々不安になる。しかしながら、実際に車高調を手にとってしげしげと見たり、あるいはノーマルダンパーと全長を直接比較したりするのは、これが初めてのことであるため、このダンパー長の ”短さ” が、果たして他の車高調でも同様であるのか、あるいはこのバカンツァだけが特に短いのかは、残念ながらその時の私には判断が付かなかった。 ところでバカンツァ車高調は、スプリングのプリロードを変える (ロア・スプリングシートを上下に移動させる) ことによって、車高を変えるタイプの車高調だ。いわゆる、ブラケット移動式の車高調ではない。今回は様子見ということもあって、スプリングをノンプリ (セット荷重無し) で組んでみる。プリロードを付けることで伸び側のストロークが規制されてしまうことを嫌ったためで、事実上、これ以上は (リフトアップ時はスプリングに遊びが生じるので) 車高は下げられない、という状態だ。 【画像4】 とりあえずスプリングにプリロードをかけずに組んでみることに バカンツァの車高調はダンパー長 (筒の全長) が短いので、ホイールハウスの中で楽々装着可能だ。ノーマルのビルシュタインでは、ホイールハブ (ナックル) を思い切り引き下げておかないと、アッパーマウントのスタッドボルトがフェンダー頂部に差し込みにくくなるのとは、好対照である。この作業で初めて、ダンパー長が短いことによるストラット式車高調の脱着のしやすさを実感したわけであるが、後ほどその ”ダンパーの短さ” で苦労することになろうとは、想像も付かなかった。 ダンパー Assy を無事に組み付け、車両を徐々にジャッキダウンさせていく。 タイヤが接地し、右前輪を介して伝わる荷重が増していき、スプリングが徐々に縮んでいく。それに伴い、レガシィの車体 (右前部) も次第に沈んでいく。このままもう少しジャッキダウンを続けていけば、車重 (右前輪荷重) がスプリングの圧縮反力とちょうどバランスした点で、いわゆる1G状態になるハズだ。・・・ところがその1G状態が、なかなかやって来ない。KYBのシザーズジャッキのハンドルを操作し、ジャッキアップを解除させているのだが、車高がどんどんどんどん下がっていく。結局、暫定状態ながら、BGレガシィ純正サイズの17インチタイヤがフェンダーの中にほぼ被(かぶ)さってしまうまで車高が下がってしまったところで、ようやく静的なバランス点を迎えた(汗)。 【画像5】 (参考):右前輪・1輪だけ組んだときの暫定フェンダークリアランス だがそれは、まだほんの序の口であった。なぜなら、この時点ではまだ右側1輪だけしかダンパー交換していないからだ。実は右前輪のバカンツァ車高調の
”低車高” を、反対側にある左前輪のノーマルダンパーが支えていたのだ。次に、左前輪もダンパー長の短いバカンツァに交換すれば、一体、車高が落ち着くまで、どれくらいの低さにまで低下してしまうのであろうか?
イヤな予感を残しつつ、次の作業へと進んでいった。 |
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6.車高を上げられる範囲で上げてみるの巻 |
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右前輪に続き、左前輪にも旧バカンツァ車高調を組み付けた。作業自体は何の問題も無く終了。ジャッキダウンさせていくと、あらあら、こんなにも車高が下がるとは・・・(苦笑)。タイヤが完璧にフェンダー内に潜(もぐ)ってしまっているではないか! 【画像6】 スプリングにプリロードを与えずに組み付けたときの様子 この状態 (車両停止状態) で、試しにステアリングを左右に切ってみた。すると、メリメリメリ! という音が。ものの見事にタイヤがフェンダーに干渉・・・いや、干渉という生やさしいものではなく、完全にブチ当たって直撃しているのであった。要するに、スプリングをノンプリで組むと使い物にならない、ということである。 う〜む。とすると、少なくとも、タイヤがフェンダーに干渉しないようになるまで、車高を上げなければならない。そのためにはスプリングのロアシートを上げる=初期セット段階で、あらかじめスプリングを圧縮しておく必要があるのだが、そうすると、リバウンド時にスプリングの伸び側ストロークを規制することになるわけで・・・。このように、初めての車高調は、素人の私の想像を遙かに超えたものであった。 再びタイヤを取り外し、スプリングロアシートを上げ、それを左右両輪で交互に繰り返し、ようやく (ワタシ的に) 適正 (と思われる最小限の) 範囲まで車高を上げることができた。が、それはあくまで静的な状態でのものである。実際に走ってみて何か不都合が生じた場合には、再度の車高調整が必要になる。ちなみに、この車高調整後の状態ではヘルパースプリングは完全に潰(つぶ)れ切っており、線間密着した状態である。素人の私には、これでは何のためのヘルパースプリングであるのか、意味がまったく解らない。 【画像7】 とりあえずロアシート位置を上げ、車高調整したときの様子 ようやく
まとも(?)な車高状態にすることができたので、とりあえず町内を試走してみることに。この時点では、詳細なアライメント調整はしていない。が、仮にアライメント調整をしたところで、何だが先が見えてきたような気がするのは、果たして気のせいだろうか・・・? |
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7.走行時のインプレッション by
同乗者 |
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気を取り直し、試しに町内をそろりと試走してみた。 カーブにさしかかる時など、ステアリングを切った状態でフロントに荷重がかかると、何とタイヤがフェンダーに干渉してしまうのであった。あれだけロアシート位置を上げたのに、まだ車高調整が足りなかったようである・・・。(>_<) 静的な車高から動的な必要車高を読み切れなかったことになる・・・。 再調整し、今度は家族に助手席に乗ってもらい、町内を1周してみる。先ほどは乗車人数1名だったが、今回は車高をさらに上げて乗車人数も2名とした。さすがにタイヤとフェンダーとの干渉は無くなったが、今度は助手席に座っている家族から、こんな感想(↓)が漏らされた。 「何の部品を換えたか知らないけど、このクルマ、壊れていない?」 ガーン! ガーン! ガーン! 家族はクルマに関してはまったくの素人である。そのまったくの素人から発せられた最初の言葉が、「どこか壊れているんじゃないか?」 とは、鋭いというべきか、何と言うべきか。走行中は確かにガチャガチャとスプリングの線間密着音がしていたし (← ロアシート位置を上げているので、さもありなん)、乗り心地も固いような、それでいて何だがフワフワするような感触があったのは確かである。 家族には、脚周りを交換したことを何も言わずに連れ出したので、試しに乗り心地についてどう思うか聞いてみたところ、「固くなったとかそういう感じは分からないが、何だか段差を乗り越えるたびにガチャガチャ言うし、不安定な気がするので壊れているんじゃないかと思った。」 とのことであった。う〜ん、恐るべし。 今後の対策としては、スプリングのバネレートをアップさせることが考えられる。が、仮にそのようにして、いわゆる1G状態でのスプリングの沈み込み量
(車高変化量)
を抑えたとしても、焼け石に水だろう・・・。さらには、もともとのダンパーのシェル長が短いうえに全長調整式
(ブラケット移動式) では無いので、「伸び側/縮み側」 のバランスポイントに関しても、そのセッティングがシビアになりそうだ・・・との懸念点もあると判断し、この車高調は即
却下、となった次第である。 |
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8.まとめ |
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これは個人的な意見であるが、クスコ・バカンツァ車高調のような、ロアシート移動式
(スプリングのプリロード調整式)
の車高調がまったくダメだとは思わない。事実、モータースポーツの世界では、スバル・インプレッサに乗る新井選手も、ステージによってはプリロード調整式の車高調を装着し競技に参加している。 ただ、こうしたタイプの車高調は、そのスイートスポットがピンポイントになるような気がするし、競技の世界で特化された車高調と市販の車高調とを直接比較すること自体にも少々ムリがある。かけられているコストにまったく雲泥の差があるからだ。よって、素人の私には扱い切れないと判断し、苦労してクスコ・旧バカンツァ車高調を装着したものの、その日のうちにまたノーマルダンパーに戻したことは、正解であったと思う。 私はこのページの冒頭付近 (第三章) で、 > 中古の車高調選びにはリスクが付き物だ。 この一件があってから、私は素人なりに
「次に選ぶ車高調は、絶対、全長調整式 (ブラケット移動式)
にしよう。」
との思いを強くしたのであった。車高調のバリエーションが少ない黎明期ならいざ知らず、全長調整式が主流となって久しい現在では、わざわざその方式を選ばない積極的な理由は見あたらないのである。 |
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9.あとがき |
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このように、初めての車高調選びは見事に失敗だったと思っている。が、それは決してムダに終わったとは思っていない。結果として、次なる車高調を選ぶ際の自分なりの基準
(注意点) を得ることができた。これは貴重な体験である。 また、市販そのままの、いわゆる ”吊し” の状態で使うのであれ、そこから仕様変更するのであれ、自分の使用状況についてよく考え、選定根拠を深く掘り下げた上で構成パーツを選ぶことが重要である・・・と (恥ずかしながら) 再認識するようになった。欲しいからといってすぐに落札し、そのまま装着するようでは進歩がない。もちろん、入手したそのままの仕様が十分納得できるものである場合には、それで良いのだが。 例えば、今回の例で言うと、クスコ・バカンツァ車高調の前後スプリングレート (フロント6.0 [kg/mm]、リヤ4.0 [kg/mm] ) が自分にとってベストかどうか? 他のベターな選択肢が無いかどうか・・・といった検討である。換言すれば、車重の前後配分 (前後輪にかかる荷重分担) に合わせてスプリングレートを検討してみる必要もあるだろう、といったことである。 そういった観点に立ち、新たに縁あって選んだのが、現在装着している 「圭オフィス・タイプTD-II 車高調・混成仕様」 である。その詳細については、本節の続編となる 第三部 (2004-03-10 現在、作成中) にて紹介させていただこうと思う。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ちなみに、(フロントのみであるが) 装着したその日に取り外し、お蔵行きとなった旧バカンツァ車高調は一体どうなったのか? 機会を伺い、しばらくしたのち、オークションに出品した。もちろん、各構成パーツを全分解して清掃し、磨けるところは磨き、入手したときとは想像もつかないくらいキレイにメンテしての出品である。清掃したおかげで、出品画像が思いのほか立派なものになってしまったので、おまけ (私のせめてもの真心?) として、新品未使用の大容量パーツクリーナーも付けることにした。逆さ使用もOK、というジャンボ缶だ。 もちろん、落札者様とのトラブルは避けたいので、バンプラバーが劣化して交換が必要であること、程度はあまり良くないことなど、好ましくない (と思われる) 事実はそのまま注記した。開始値は、十分に格安からのスタートとした。ただ、ダメ元(もと)で、私が入手したときと同じ価格を希望落札価格に設定して出品した。 出品開始からウォッチ数は上昇。仕様についての確認の質問も数件続く。開始値を安く設定したこともあり、早くも複数の入札者様が現れた。まずはホッと一安心。と思ったところで、オークションマスター (システム管理者) から1通のメールが私の元に届いた。「また質問が来たのか?」 と思いながらよく見てみると、何と、希望落札価格で落札されたことをお知らせする通知メールであった。 結局、クスコ・旧バカンツァ車高調は、私が落札したときと同じ価格で、新しいご主人様のところに旅立って行った。おまけのパーツクリーナーとともに・・・。ちなみに梱包は、これでもか、というくらいにしっかりと気を遣って行った。これだけでも、新しい落札者様は、私が大切な商品として取り扱っていたということを汲(く)み取ってくれただろうと思う。 【画像8】 細心の注意を払い、丁寧に梱包している最中の画像 こうして私は、実質的な損失無し (自腹を切ったのはパーツクリーナー代のみ) で、車高調をお試し装着し、貴重な失敗経験という 「肥やし」 を手に入れたのであった。一時はどうなることやら・・・と先が思いやられたが、終わってみると、十分に ”成功 (反面教師?) ” だったと言えるかも知れない。 ・・・さらに To Be Continued である。 ◎第一部 :
デイトナΣβ200の装着(純正ビルシュタイン+ローダウンスプリング)
→ こちら |
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混成仕様)