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■ 新世紀レガシィ用 インテークダクトを移植 ■

BHレガシィ用の純正吸気ダクトを加工して、BGレガシィにスワップ装着しました。
吸気方式を、エンジンルーム内吸気からダイレクトインテーク方式へと変更するの
が狙いです。これはBHレガシィだけでなく、トヨタを始めとする最近のトレンドです。
 
●1999-11-17:新製、 ●1999-11-21:更新、 ●2000-03-23:更新、 ●2002-02-17:レイアウト変更


【図1/左】 BG純正ダクト(ターボ用)           
【図2/中】 BG用とBH用の各ダクト(ターボ用)     
    【図3/右】 一応の完成状態(後日、さらに導風板を追加予定)

BGレガシィ純正の吸気ダクト BHダクトとBGダクトの比較(ターボ用) 暫定状態

1.吸気方式のトレンドについて考える
 

エンジンにとって、冷えた空気を効率よく取り込むことは重要だと思います。私はかつて、初代トヨタのアリストがデビューしたときに、実車を前にボンネットを開けてみたことがあります。ツインターボの吸気の取り回し方に興味があったからです。 アリストでは、エアクリーナーからターボ、インタークーラーを経てインテークマニホールドに至るまでの吸入経路は長大(←失礼!)でしたが、吸気効率とアクセルレスポンスの悪化を補うためか、管径もやたら極太になっていたのが印象的でした(排気量を考えれば当然かも知れませんが)。

実はそのときに、極太な管径よりも真っ先に目に入ったのは、吸気ダクトの設置位置でした。 エンジンルームの真上、しかも最前列 (フロントグリルのすぐ後ろ) に位置していたのです。その形状は、ボンネットの全高を抑えるために薄っぺらく、しかし幅広となっていました。なるほど、これならば、走行中のフレッシュエア (エンジンルームの熱影響を受けない) を取り込み可能で、設置位置も高いので雨水も吸い込みにくいのだろう、と妙に納得した覚えがあります。

そのころの私の愛車は初代レガシィのセダンRS(BC5A)で、標準状態ではフェンダー内吸気方式でした。車両右側のフェンダー内に吸気ダクト (空気の取り込み口) があり、ここは確かに外乱 (雨や外気温度変化やエンジンルーム内の熱気) に対しては有利な (=つまり鈍感な) 場所です。しかし、走行中の空気を 「積極的に」 取り込める位置ではないと思っていました。

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当時すでに2輪の世界では、ホンダのCBR250RR、カワサキZXR250Rなどレーサーレプリカでは 「ダイレクトインテーク」 などという呼び名で、各車とも吸気ダクトをわざわざフロントカウルの上方左右(ちょうどハンドル位置の前方あたり)にまで延長して設置するのが 「当たり前」 の仕様となっていました。 こうすることにより、ラムエア過給効果 (走行速度に応じて、微妙に空気が自然過給される。空気を負圧でエンジン内に引っ張るというよりも、走行速度と同等の空気をエンジンルームに押し込むという考え方・・・だと思う) を得られるハズなのです。つまりこれが 「積極的に」 吸気させる意味だととらえたわけです。

先のトヨタ(アリスト)の例から、今後は四輪(クルマ)の世界でも、必ずやダイレクトインテークシステムが流行ってくるであろう、と私は心の中で予想していました。そこでまず、当時の愛車(BC5セダンRS)でこの方式を試してみました。色々考えたうえ、結局、エアクリーナーは純正そのままとし、レゾネーターを取り外した上でダクトを適当な材料でストレートに延長し、右側のフォグランプを殺してここに吸入空気の取り入れ口を設置 (先端には念のためメッシュの細かい100円茶こしフィルターを赤色塗装して装着) したのです。

その状態で3〜4年は乗ったかな? 特に不都合の現れないまま乗り続け、結局現在のBGレガシィに乗り替えとなりました。 で、BGでは特に吸気系をいじることなく今に至り、その間、時代は進み、BHレガシィでも吸気ダクトはアリストのようになり、またR34スカイラインGT−Rでも、ホンダS2000でも、やはり吸気ダクトはダイレクトタイプになっていました。こうなったら、BGレガシィも房外吸気方式に変えてみたくなるものです。幸いにも解体屋さんでBHレガシィ用の吸気ダクトを格安で購入することができたので、まずは私が人柱(?)になって、試してみようと決意したわけです。

すみません、前置きが長くなってしまいました。それでは早速、移植記の始まりです・・・。
 

2.BH用ダクトを現物あわせでカットする
 

さて、実践編です。被験車は私のレガシィですから、ここで紹介することは、断りのない限り、すべてBG5B型のレガシィGT−Bベースであることをご承知置き下さい。私はBHダクトを解体屋さんで購入しました。BH/BE用の吸気ダクトにはターボ用、NA用の2系式3種類があり、意外にも新品で購入しても1700円(+税)という安さです。 ちなみに、私が移植したものはターボ用で、部番は46012AE060になります(注:価格・部番とも1999年11月現在のデータ)。なお同じBG/BDレガシィのターボモデルであっても、前期型(Aタイプ)にBHダクトを移植する場合は、ダクトの接続口の大きさがBタイプ以降とは異なることが確認されていますので、お気をつけ下さい(250T用がフィットするようです)。

【図4/左端】   BG純正ダクトの接続口(ターボ用)           
【図5/中央左】 BH純正ダクト(ターボ用)はそのまま接続OK     
【図6/中央右】 ボンネット内側の「ホネ」と干渉する部分をカットする 
  【図7/右端】   必要最小限のカット状態。ここから微調整して追加工する

純正の吸気ダクト接続口 ダクト接続口はそのままでOK 干渉部分をカットする 仮設置した状態

ダクトの接続口はそのままでボディ側とフィットしますが、天井部分をカットしないと、ボンネットが閉まりませんので加工は必要です。上の図6〜7に、ほぼ必要最低限のカット領域を示しました。 ボンネットの内側を見るとよく分かるのですが、ちょうどこの形に、補強材である骨格が張り巡らされているのです。では、どうやってこのカット領域を割り出せば良いのでしょうか? 私も最初は、いちいち 「ボンネットを微妙に開け閉めすることの繰り返し」 で割り出すつもりだったのですが、このやり方では閉じたときに位置を確認しづらいため、「どこをどこまで削れば良い」 のか、非常に分かりにくいですよね。そこでもっと効率的な方法が無いかを検討した結果、次の方法を採ることにしました。他にも方法はある(粘土を使うなど)と思いますが、参考まで。

紙とセロハンテープとハサミを用意する。
ボンネットフードの内側をよく観察する。
ボンネットフードの内側で、ダクトと干渉しそうな凸部分(例えば、骨格となっている部分や防音カバーのクリップなど)を特定する。
その特定した部分と同じ投影面積・形状となるよう、用意した紙をハサミでカタチ取る。つまり、干渉部分の型紙を作るのです(=上記の図6〜7では、主に丸いカタチの部分になります)。
カタチ取った紙を、そのボンネットの内側(=ダクトに干渉すると思われる部分の上に重ねるよう)に、弱いセロテープで貼り付ける。弱く貼り付ける理由は、すぐにはがれるようにするためです(=型紙を、位置合わせした状態で仮止めするということ)。
型紙の表側(=ボンネットを閉じたときにダクトに接する側)には、両面テープ状にしたセロハンテープを強力に貼り付けておく。
ボンネットフードをゆっくりと閉じて、またゆっくりと持ち上げる。
型紙はダクトに干渉するので、干渉した際に(ボンネット側からはがれ取れ)、今度は(より粘着力の強い)両面テープでダクト側に貼り付いて残るハズ(=つまりダクトで型紙が張り付いている領域が、ボンネットと干渉する領域、ということになる)。
型紙の外形部分に合わせてダクトを削る。最後に微調整(カットしたカドを丸めるなど)すると、一応の完成。

つまり型紙大作戦ですね。 型紙を貼る際、ボンネット側は弱いテープで貼り、ダクト側には強い両面テープを貼り付けておくのがコツです。 ボンネットを閉めると、型紙が 「置いてこい」 されるというのが、今回のコツ(工夫点)になります。まあ、もっと良い方法があるかも知れませんが、私はこの方法で手っ取り早くカット領域を決めました・・・。

【図 8/左】 さらに追加カット。ラジエーターステーの「逃げ」部分
 【図 9/中】 ダクト左足の下側部分(ボディと接する側)にも面取り
【図10/右】 カット部分の詳細図                  

追加カット部分   追加カット部分   追加カット部分

こうして、必要最小限(と思われる)カット領域を大雑把に割り出しましたが、ボンネットのスムーズな開閉を実現させるためには、さらに追加工が必要です。 検討の結果、図8〜10にあるように、まずはラジエーターステーの 「逃げ」 の部分をカットしました。ボンネットフードの内側はこのへんで下方にスラント(傾斜)しているので、その部分との干渉を避けるためです (将来的には、いかにも抵抗になっていそうなこの部分の通路断面積を拡大(改善)させる意味もあります)。またダクト全体の 「すわり」 を改善させるため、ダクト左足の下側部分も削っておきました。

↓'99-11-21(日):加筆 ↓

私の場合、ここまでの改修でダクトの底部分には手を加えていません。BHダクトの底部分の形状は、細部こそ違えども、ちょうどBGレガシィのラジエーター&パイプ形状にもだいたいフィットする(・・・と私は判断しました)ので、底部分はカットしていないのです。なお、ダクトを削る際に利用した工具はカッターナイフです。ダクトの材質はそれほど固いものではありませんから、一般的なカッターナイフでも加工は充分OKだと思います。

この時点での固定方法は、「ダクトの左足1ヶ所止め」です。もともと備わっているダクト左足の穴に対し、約1cmほど右上に新しい穴をドリルで開けて ボディに固定させています(ボディのこの位置に利用可能なネジ穴があるため)。ボンネットを閉めると密着するので、実用上はこの左側1ヶ所止めでも問題無いようです。が、私は1ヶ所止めは気分的にイヤなので、後日向かって右側(=クルマから見ると左側ですね)にも 固定箇所を追加するつもりです(後述)。

以上の改修により、(一応は)不都合のない状態までは 仕立てることが出来た、と考えます。「不都合がない」とは、「設置状態でボンネットが閉まること」、「走行中でもぐらつかないこと」 の2点です。ただ、この状態のままでは、カットしたダクトの天井部分 (図10で「半円状にくり抜いた部分」) をふさぐのは、ボンネットフードの内張り (=防音断熱材) であり、閉じた際のボンネットそのものにも、ダクト天井壁としての機能を代理負担させていることになっています。
 

3.ハイブリッドタイプに再改修(アルミ板の追加)
 

細部の加工(※)を除けば、これまでの改修でも(機能上は)特に不都合の無いはずですが、やはりこのままでは見栄えがイマイチです。特に、大きくくりぬいた半円状の部分(図10)からダクト内部の仕切り壁が(それも2層状に)見えてしまうのは、ちょっと(私としては)興ざめ・・・。

(※)細部の加工とは : (1)ダクト内部の低床部に水抜き穴の追加
               (2)ダクト右側への固定ボルト追加
               (3)BG純正ボンネットステーの曲げ加工(※後述)

ダクト内部の仕切り壁は、奥に行くにしたがって左側へと弧を描いていることから、単なる強度確保のためではなく、整流効果を狙ったものであることが分かります。 そのため、見栄え向上のためにこの仕切り壁をカットしてしまうのは、機能の低下につながると考えます(←注:あくまで定性的なレベルでのお話し。定量的にはどれほどの差が生じるのかは不明だが、残っていた方が良いであろうことには変わりはないハズ)。 そこで、内部構造はそのままで見栄えを向上させるための方法を考えることにします。

もともと図6でダクトの天井を削った理由は、ボンネット内側の「ホネ(骨格)」との干渉を避けるためでした。また図10にあるように、ダクトの天井をカットしても、そのすぐ下にある内部の仕切り壁には(高さ方向の)カットを加えていないことから、ダクトの天井部分の肉厚(t=3mm程度)を避けていれば、スペース的にはボンネットフードをそのまま閉めることができると考えられます。つまり、見栄え向上のために新たな仕切り板を追加する場合、ダクトの内部(内側)で完結するように設置する限りは、高さ方向への干渉は発生しないハズです。

【図11/左端】   カットしたライン沿いに、ネジ止め用の穴を追加  
【図12/中央左】 ネジ止め用の穴には「座ぐり」を入れておく     
【図13/中央右】 カットしたダクト面積に近い大きさのアルミ板を用意
 【図14/右端】   ダクト天井にアルミ板(塗装前)を張り合わせた状態 

カットライン沿いにネジ用の穴を追加「座ぐり」を入れてスリバチ状に穴加工アルミ版を成形して穴開けアルミ板をダクトに張り合わせたところ

絶対値としては、高さわずか3mm程度の範囲内での攻防ですが、やはり(?)私としては、ここにも私なりの個性を加えたい。人とは何かが違う 「+αのスパイス」 をふりかけておきたい。・・・というわけで見栄え向上のためのアイディアは、上の図11〜図14に示すようにアルミパネルの内設によるハイブリッドダクトに決めました。 このアルミパネルの追加は、前述の「ダク トの天井壁としての機能を、ボンネットフード(の内張り)にも代理負担させる」 ことの回避も兼ねるよう、配慮しています。具体的な加工方法は、図11〜図14に示す通りです。 ダクトとアルミパネルを張り合わせるためのネジには、「皿ネジ」を用います。皿ネジとはネジの頭が平らな形状をしているネジのことで、ダクトに図12にあるようなスリバチ状の座ぐり加工を加えると、ネジの頭の出っ張りを抑えることが多少なりともできるのです。

出来上がったダクトを仮設置してみる(図14)と、なかなか良い感じになりました(←注:私としては)。・・・読者の方々の中には、どうせここまでやってしまうのなら、いっそのことダクトの天井部分全体をカバーするよう、アルミパネルを広域で張り替えても良いのでは? とお考えになる方々もいらっしゃることでしょう。が、ここまでくると、それは好みの問題。全体を単純に張り替えてしまうと、せっかく半円状にくり抜いた作業がムダ(?)になってしまうような気が・・・。また、図14のままの形状の方が、いかにも 「現物あわせで一品対応させたのじゃ〜〜!」 という雰囲気が醸し出せるので、あえてこのままの形状でいくことにしました。フッフッフ。

その後、私のまったくの勝手な判断で、アルミ部分を赤く(アルマイト調で)塗装してしまいました(ページ最初の図3を参照して下さい)。機能性以外の部分については、多少の趣味性を加えた方が満足度も上がるような気がします。
 

4.BGレガシィ純正 ボンネットステーの曲げ加工
 

次はボンネットステー(支え棒)の加工です。BHダクトを追加したので、それを避けるようにボンネットステーも改修しなければなりません。BHダクトに合わせ、ボンネットステーもBHステーを流用する(※)・・・という手もありますが、私は現物改修でなるべく安く(!)仕上げたかったので、BGレガシィの純正ステーをそのまま曲げ直して成形することにしました。

(※)BHステーの流用 : トライされた方の報告によると、基本的にはそのまま
                 使えるそうですが、ステーの先端を固定させるクリップ
                が細い(BHステーはBGステーより若干太くなっている)
                ので、クリップもBH用に替える必要があるそうです。

【図15/左】 ダクトをまたいで設置
【図16/右】 ステーの改修ポイント

ダクトをまたいで設置(BHと同様)  改修ポイント
1番    =(もともと曲がっている部分を)まっすぐにする。
2番〜4番=(もともとまっすぐだった部分を)曲げ加工する。

曲げる方法ですが、私は 「テコの原理大作戦」 を採りました。って、別に大作戦と名付けるほどのことではありませんが・・・。要するに、排水溝(金属のアミ)にステーを入れ、曲げたい部分にテコの原理で力を入れると、いとも簡単に曲がるのです。微調整もできました。改修(曲げ)ポイントは、図16の通りです。1番については、ここをまっすぐにしておかないと、ボンネットを開けたときにステーが向かって左側 (車両で言うと右側) のフェンダーに当たってしまいます。

ハッキリ言うと、ステーを設置した状態では、ボンネットとのスキマはほとんどありません。もしかすると、ステーの一部はボンネット内側の吸音材と干渉するかも知れません。が、私の場合、ボンネットを20cmほど浮かせた状態で手を離すとちゃんと自重で閉まりますし、閉まったあとでボンネット左右の(フェンダーとの)見切りラインを観察してみると、フードが盛り上がってしまうような状態も特に認められませんでした。よって、実用上は問題無しと判断しています。なお、曲げ加工の前後で実際のステーの使用感に差はありませんでした(違和感、干渉、不安定なぐらつき、その他不都合な点は無かった、ということです)。
 

5.グリルからダクトへの導風板の設置(予定)
 

さて、せっかくここまで改修したのですから、今度はグリルの裏側に導風板を設置してみたいという考えが出てきます。 特に私のKAZレガシィ号には、インプレッサのグリルが移植してありますので、グリルとダクトの間には 前後方向のスキマが(BG純正グリルよりも)あることも、そう考えた要因になっています(注;導風板については、現在制作検討中です)。

・・・ということで、続きは完成後に書きます。
 

 
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