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STiパーツ流用 オイルフィラーキャップの制作

今回は、STiパーツを流用したドレスアップ小技の紹介です。
 
●2002-01-26:新製、 ●2002-01-30:校正、公開

 
ノーマルのオイルフィラーキャップ

ノーマルのオイルフィラーキャップ
 

 
STiパーツ流用 オイルフィラーキャップ

STiオイルフィラーキャップ?!
 

 

1.まえがき
 

今回のお題目は、「純正オイルフィラーキャップの改修」についてである。言い換えると、「オイルフィラーキャップの見栄え向上」と言って良い。それも、STiパーツを流用していながら機能性のアップには(多分)つながらない、完璧なドレスアップ作戦(しかも小技)であることをあらかじめ宣言しておく。

正直に言うと、今回のアイディアの具現化に際してはすいぶんと迷った。というのも、単純にお金をかけてエンジンルームをドレスアップする(だけ?)にとどまるであろう改修をすることに対し、若干の抵抗感があったからだ。しかし世の中を見渡してみると、複数のアフターパーツメーカーからはファッション的な要素を重視したとも思えるオイルフィラーキャップが発売されているし、Yahoo!オークションでも個人業者が自作したとも思えるアルミ製のオイルフィラーキャップが高値で出品されているのが現実である。

よーし、それならば・・・ということで、私も私なりのオイルフィラーキャップ改修術(←チト大げさか・・・)を実際に公開してやろうじゃないか、こっちのほうが安くて、手軽に改修できて、しかもSTiパーツ流用なだけにかっこいいんだゾ! ということで、このページの制作に踏み切ったわけです。え? オイルフィラーキャップの制作とこのページの制作、どっちを先に考えたかって? う〜ん、半々かな。サイトの更新ネタ用としてSTiオイルフィラーキャップを作ってみようかな(爆)、という考えも確かにありましたよ、ハイ。
 

2.流用したSTiパーツとは?
 

今回、オイルフィラーキャップとして流用したSTiパーツとは、ズバリ、「フューエルフィラーキャップカバー」である。そう、燃料キャップの上にかぶせるカバーなのである。ただしカバーとは言っても、アルミダイカスト製で表面はバフがけされており、しかも中央部にはSTiのロゴエンブレム付きの本格派である。この商品の詳細については、STi公式サイトの中のニュースリリースのページでも正式公開されている。

<オイルフィラーキャップに流用した「STiフューエルフィラーキャップカバー」
( ※ニュースリリース→ http://www.poweraxel.com/sti/news/news2000/sti00019.html 参照のこと)
STiフューエルフィラーキャップカバー

この「フューエルフィラーキャップカバー」、部番は ST4203355000、価格は税抜きで 5,200円 だ。もちろん燃料キャップ用なのだが、適用可能な車種を見ると次のように発表されている。
 
  > New Age インプレッサ (GD、GG) 全車
  > インプレッサ (GC8、GF8) Cタイプを除く全車
  > フォレスター (SF5) 全車
  > ヴィヴィオ (KK3、KK4) 全車
  >
  > ※ 取付方法 : 標準の樹脂製フィラーキャップにかぶせて2本のビスで固定。
  > ※ 形状が異なるためレガシィには装着できません。

 
そう、先代BD・BGに限らず、レガシィは適用対象外に指定されているパーツなのである。しかし、私はこのパーツが新発売された当初から、「なになに? BGレガシィは対象外? よーし、それじゃあ、何としてでもBGレガシィに流用してやろうじゃないか! もともとは燃料キャップカバーだから、サイズ的にはオイルフィラーキャップにも使えるだろうな・・・。もしもカバーの方が小さければ、樹脂製のオイルフィラーキャップの外周を削れば良いし、逆の場合であってもボルトなどでキャップを外周から固定してやれば大丈夫なハズだ。」と、瞬考していたのである。

<純正 ”オイル” フィラーキャップの外観(表側、裏側)>
純正のオイルフィラーキャップ純正のオイルフィラーキャップ(裏側)

そしてついに昨年末、この「STiフューエルフィラーキャップカバー」を買うに至るわけである。ただし冒頭(前述の”まえがき”)に示した理由により、流用アイディアを思いついてから実際に準備に取りかかるまで実に1年以上も要してしまった。なお今回は、このカバーが常に(?)2割引で販売されている(らしい)神奈川スバルのディーラーから購入した。それでも 4,300円 ほども使ってしまった・・・(オークションで別のアフター物を買うよりは安いだろうが)。ところで、「適用外部品」と聞くと何とか適用させたいと思い、「共着不可」と聞くと何とか共着させたいと思い、まだ誰も実行していないであろうと思われるアイディアは進んで具体化したがる私は、重度のDIY派なのでしょうか?それとも・・・?
 

3.流用手順は簡単
 

事前に用意した工具類は、ドライバー(+)、カッターナイフ、細目の金属ヤスリ(板状で柄の付いたもの)、ペーパーやすり(#50)、ドリル、4mmボルト(標準添付品の代替用)である。ただし、実際に使用したものはペーパーやすり(#50)とドライバーくらいである。代替ボルトとドリルは今回は使用しなかったが、仕上げをより確実なものとするためには必要になってくるであろう(後述)。

<STi ”フューエル”フィラーキャップカバーの外観(表側、裏側)>
STiキャップカバーの外観STiキャップカバーの裏側

<純正 ”オイル”フィラーキャップとSTiカバーを並べてみたところ(表側、裏側)>
両者を並べてみたところ両者を並べてみたところ(裏側)

さて、純正の”オイル”フィラーキャップとSTiの”フューエル”フィラーキャップカバーとを並べてみたのが、上の画像である。予想通り、大きさはほぼ一緒である。キャップとカバーの高サもほぼ一緒。これなら「改修」というよりも「調整」といったレベルで流用できそうだ。試しに、何も手を加えずに、単純に両者を重ね合わせてみただけの状態を以下に示す。オイルフィラーキャップの外周を数mm追い込めば、あとは固定方法さえしっかりと検討すれば良いだろう。

<試しに無加工のまま単純に両者を重ねてみたところ(表側、裏側)>
無加工で重ね合わせた状態単純に重ねてみただけの状態(裏側)
  

4.実際の制作過程
 

純正のオイルフィラーキャップの外周を少しずつ均等に追い込んで(削って)いく。STiのキャップカバーの内壁には若干のテーパーがついていることも考慮して、現物合わせで追い込んでいく。追い込み量(削りしろ)については、純正キャップとSTiカバーを重ね合わせたときに、基本的にはキャップの外側上端がカバーの内側天井に突き当たるようになるまで削れば良い。逆にその状態にならないと、純正キャップ外周部の厚み部分(握るところ)がSTiカバーの固定ボルト穴位置まで達しない(軸方向の重ね合わせ量が足りない)ので、うまく固定できない恐れがある(下の画像参照)。

<STiカバーは、通常は両端からビスを締め上げて固定する方法となっている>
キャップとカバーの接合部固定部分の拡大図キャップの深さを計測

実は、当初はカッターナイフで樹脂製の純正キャップを削っていったのだが、意外に時間がかかりそうなことが分かった。そこで大根おろしで大根をおろすように、キャップをペーパーやすり(#50)に当ててゴシゴシと削っていったら、ものの数分で追い込み作業が完了。あっけないほどだった。その後はバリ取りをして洗浄し、STiキャップに被せてみると、イイ感じに。なお、作業にとりかかる前に、今回のSTiカバーを取り付けても何らエンジンルーム内には干渉するものが無いこと(キャップのシール性は保たれること)を確認済みである。また、作業中はキャップについているゴム製のシールリング(ガスケット)を取り外しておくことは言うまでもない。

<STiカバーを取り付けた際、エンジンルーム内で干渉するものは無いことを確認済み>
ペーパーやすりで削った方が速かった削ったあとに重ねてみたところカバーを付けても干渉する部分は無い

最後は固定方法の検討である。まず素人(オレも素人だが・・・)が陥りやすいミスとして、キャップ本体とカバー本体の固定ばかりに気を取られると、固定後の(一体となった)キャップ&カバーをオイルフィラーダクトに取り付けたときに、「STi」の文字がエンジンルームに対して正面を向かなくなる恐れがあることだ。見栄えを気にするなら、純正のキャップ本体をダクトに取り付けて(クルクル回してネジ込んで)締めていったときに、ちょうど締め終わった位置でSTiカバーがキッチリと正面を向くように、両者の相対位置を考慮したうえで固定させる必要がある。

<キャップを締めていった際、カバーがちょうど正面を向くように配慮する>
純正のキャップを装着した状態カバー付きのキャップを装着した状態締めたときに、正面を向くように固定

次にSTiカバーに設けられた固定ボルト用の穴位置(2ヶ所)が、ちょうど純正キャップの凸部(接合部;6ヶ所ある)に合致する場合には、STiカバーにもともと標準添付されている固定ビスでそのままキャップを締め上げれば良いだろう。そうではなく、STiカバーの固定ボルト穴位置(2ヶ所)が純正キャップの凹部(非接合部;これも6ヶ所ある)に来てしまう場合は、標準添付の固定ビスでは長サが足りないので使用せず、代わりにその位置で純正キャップ側にドリルで下穴をあけ、代替のボルト(長サが長めのもの)で固定させると良い。その際、キャップと代替ボルトの空間部分はシリコンなどで埋めた方が無難であると思われる。

・・・と言うよりも、もしそのような状態になる場合は、ゴム製のシールリングが劣化してヘタっている(軸方向のつぶれしろが少ないため、キャップが余計に回ってしまっている)ことも考えられるので、シールリングを新品に交換することを検討した方が良いであろう。ちなみに手元のパーツリストによると、このシールリング(正式名称はガスケット、部番803942010)の価格は約100円、シールリング込みのキャップ(正式名称はキャップコンプリートオイルフィラ、部番15255AA022)の価格は約620円となっている。
  

5.使ってみて
 

今回、初めてエンジンルーム内にドレスアップ系パーツ (^_^;) を装着したわけだが、「オイルフィラーキャップ&カバー」自体の仕上がり具合はもちろん、エンジンルーム内に装着した状態でのたたずまいというか、全体的なマッチングもなかなか良いように思っている。ここまで来ると、キャップのとなりに位置するオイルレベルゲージの取っ手も、何とか見栄えを向上させてみたいと自然に感じられてしまうほどである。

<このドレスアップは、さり気ないのか?いや、ハデなのか?>
装着後の全景さりげない(?)ドレスアップに・・・

さて肝心の使い勝手についてであるが、問題無しと判断する。STiのカバーを付けたことによる変化点を挙げると、手で触れる部分について、(1)形状が変更、(2)材質が変更、(3)色が変更、されたことになる。まず(1)については、大きな二面幅(握る部分)のおかげで締付性も確保されているし、実際に回してみても不便さはない。ちなみにこのような二面幅タイプの形状は、ヴィヴィオのDOHCスーパーチャージャー車でも採用されていたと記憶している。

次に(2)については、樹脂から金属に変更となったことで、エンジンルーム内の熱影響を受けて握り手が熱くなる恐れが考えられるが、今のところ素手で触れられないような高温になることは無いようである。仮に熱くなったとしても、軍手を介してカバーをつかめば済むことであるので、実用上は問題無しと判断した。そして最後に(3)について。本来は、エンジンルーム内の黄色い取っ手は「日常で点検を行うべき箇所」であることを視覚的にユーザーに示しているのだが、今回はユーザーが自ら変更を行っているので、「オイルフィラーキャップは黄色ではなくなってしまったが、ここは点検を行うべき箇所」であることを記憶していれば良いことになる。よって、この件についても実用上は問題無しと判断した。
 

6.まとめ
 

STiフューエルフィラーキャップカバーの流用に際して難しい点は無く、作業工程的にも意外にあっさりと完成させることができる点は特質モノだと思う。こんなに簡単で楽な作業は、私としては久しぶりのような気がする・・・。同様のアフター物が高価であることを考えると、ディーラーで買うことのできる純正部品(STiカバーも純正品相当)の流用により、最大限の見栄え向上と視覚的効果が得られたのではないか、と思っている。

なおスバル車の純正オイルフィラーキャップの形状は、一部の軽自動車を除き、小型車ではだいたい今回と同じ(部品も共通な)ようなので、今回の流用技法はレガシィ系に限らず、インプレッサやフォレスターなどスバル他車種でも実現可能な小技と言えそうである。エアロパーツ類の装着などとは異なり、ボンネットフードを開けないと人目につくことの無い箇所での流用小技であるが、たまにはこうした純然たるドレスアップ用にSTiパーツを奢ってやるのも良いかも・・・というのが、今の私の素直な感想である。
 

 
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