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2000年9月14日(木)
フランス旅行記 その5 ロワール古城めぐり

今日は一日ロワールの古城巡りで、 セーヌ河に浮かぶシュノンソー城(写真)、ジャンヌダルクゆかりのシノン城、眠れる森の美女の舞台になった城を回る予定。 前日ホテルに着いたのが23時を回っていたのに、 この日のモーニングコールは6時15分という容赦なさ。 おかげで、バスの中ではほとんどうつらうつら状態で、 ブルグイユだの、ソミュールだのアンジュだのと、ワインの本に登場する地名を次々と通ったにもかかわらず、外の景色をほとんどなにも見ずじまい。

ただ、ひとつ思ったのは、ロワールはボルドーと違って、畑といっても決してブドウ畑一色ではないということ。実際私が見た限りではブドウ畑よりもヒマワリ畑のほうが多いぐらいだった。それとこの地区はあんまり起伏がない。ブドウ畑も平地に植えられていることが多く、日照的にはやや不利な条件なんだろう。

こちらの重たい料理が4回続いたおかげで、食欲は減退の一途。 今日ももバリバリのフランス料理だったら拷問だなあ、とさえ思っていたが、幸いこの日の昼食はアンジュにある郷土料理のレストラン「ル・クロ・デ・ロッシェ」。
洞窟の中に居を構えている、まるでトルコのカッパドキアにあるようなレストランだ。

料理は釜で焼く中が空洞のパンのような「ファズ」(だったけな?)というもの(写真内右下)の中に、「リエット」という 豚肉を挽いたパテ(写真内左上)をつめて食する。これがとても素朴で美味しい。無理やり例えると炭焼きでやいたツナトーストみたいな味わいというところかな。
メインはかまどで焼いた分厚いハムで、これもまた美味。
ワインは食事についてきたカラフの赤白で、白はコトー・デュ・レイヨン、 赤は私のへなちょこブラインドでも確実にそれとわかるカベルネフラン。 どちらも正直言ってチープな味わいだったが、結構これが素朴な料理にマッチするから不思議だ。特にコトー・デュ・レイヨンは梅酒のように甘酸っぱく、 やや薄めでシャバシャバしていたが、同時に出された煮込んだ大豆の甘さによくマッチしていた。 やっぱりその地区の伝統料理と伝統的なワインは合うものだなあと再認識。 【白70点 赤68点】
夜は地元のちょっと小ジャレたビストロで。 料理は
・豚肉のテリーヌ
・白身魚のムニエル
・ティラミス
合わせたワインも地元のカジュアルなものを、ということで以下。
銘柄 ヴヴレ・セック95(ドメーヌ・ド・オルフェイユ)
産地 仏>ロワール>ヴヴレ
場所
シュベルニィ地区のビストロにて 価格 128FF(約1900円)
感想 ヴヴレはビンテージや醸造条件によって甘口にも辛口にもなってしまうという不思議なAOC。発泡性のものもある。したがって、選ぶときは甘口(モアルー)か辛口(セック)
、あるいは微発泡(ペティヤン)などラベルに注意にしないと前菜からデザートワインを飲むはめになる。
色は緑がかったややうすめのイエロー。香りは洋ナシのコンポートや白桃、白い花、ハチミツ。味わいはアタックからシャープな輪郭のクッキリした酸、凝縮感はあまりなくて、やや水っぽい印象。もう少し果実味が欲しいところだ。セックといいながら、後半からアフターにかけてはフワッと甘味が残る。白身魚のクリームソースにはよく合ったが、ワイン自体のクオリティはもうひとつ。
【76点】