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2000年9月13日(水)
フランス旅行記 その4  Ch.ムートンロトシルト訪問
ロングヴィルの次はCh.ムートンロトシルトを訪問。これを読んでいる方々にはおそらく説明の必要もないだろうけど、栽培面積80ha、年間30万本を生産する大シャトーだ。一級格付けのムートンロトシルト以外にも、セカンドワインの「プチ・ムートン」、白ワインの「エールダルジャン」、テーブルワインの「ムートン・カデ」などを作っている。また、米ロバートモンダヴィ社との「オーパス・ワン」、チリのコンチャイトロ社との「アルマヴィーヴァ」などジョイントヴェンチャーにも積極的なことで有名だ。

ボーセジュールベコ→ロングヴィルと規模が着実に大きくなるのが実感できたが、ここではついに制服姿の広報担当?が登場。

敷地にはこれみよがしな建物はなく、結構地味。その辺は割り切りなのか。収穫は500人を動員して1週間〜10日で行うそうだ。
発酵は225ヘクトリットルの木樽で行う。木とはいってもコンピュータ制御で発酵温度を28〜30度に保っている。この発酵樽が使われるのは一年のうち6週間だけだそうだ。発酵中は一日3回ルモンタージュが行われる。かもしの期間は2〜3週間。

12月にブレンドが行われ、その後18ヶ月の樽熟成。ここで面白いのは1年目の6月までは地上にある酒蔵に置かれ、その後地下に移動されるということだ。スペースの問題と、初期のメンテをしやすいということが理由らしい。ちなみにここは奥行き100m×幅26mあり、1000樽収容できるとのこと。係の人も自慢してたけど、この酒蔵はほんとにすばらしい。みなさんぜひ拡大した写真も見てやってください。ちなみに樽熟成の期間中に6%ぐらいが蒸発してしまうため、目減り分の補充作業をしなければならかったりして(ウイアージュ)、1週間に3回程度はメンテナンスが行われているそうだ。

以前エノテカでもらったガラス細工がなんだかわからず、置物なのかと思っていたら、なんと樽の栓だということが発覚(^^;。他のシャトーはラバーのような素材を使っていたけれど、なんでもこちらの方が衛生的なんだとか。ちなみにこの栓を抜いて、樽の中を嗅がせてもらったが、これがまたすごく濃厚でくっきりしたチョコレートの香り。樽の内側をかなり焦がしているのが判った。
地下の樽熟庫は年間12〜15度、湿度80〜90%に保たれる。なお、ここには樽のほかに過去のビンテージのストックと、他のシャトーものののストックがある。(こちらでは習慣的に毎年他のシャトーと出来たワインをいくらか交換するらしい)ちなみにムートンの一番古いビンテージは1859年のものが眠っているそうだ。

ムートンといえば、アーティストによるラベルが有名だが、これらの報酬は金ではなくその年のムートン4ケースという、現物支給?だそうだ。ちなみに98年のラベルが誰の手になるかはまだ当主のバロンヌ・フィリップ女史しか知らないとのこと。
売店には全ビンテージではないが、いくつかのビンテージの絵葉書とリトグラフが売っている。リトグラフは結構なお値段だったが、いくつか買ってきたので、「キリ番プレゼント」にでも使おうかな。