99年12月6日(月)〜
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この日は、銀座のワインと和食の店「青山」に。ワインの品揃えはボルドーとブルゴーニュの著名ドメーヌものが主体。オフビンテージが多いが、価格は抑えめで良心的。店の規模のわりにソムリエの数がやたら多い、というかほとんど全員の店員がソムリエバッジをつけているのにはちょっと驚かされる。(ソムリエ6名とか…)
飲んだ日 99/12/10
銘柄 ヴォルネイ・クロ・ド・ラ・ブースドール
(ドメーヌ・ド・ラ・ブースドール)
仏>ブルゴーニュ>ヴォルネイ村1級/赤
価格 10000円程度
コメント エッジにややオレンジの入った明るめのルビー。ジョンブややしっかり。香り自体はそれほど強くなく、むしろ閉じ気味だが、ラズベリー、プラム、ジビエや革の香りが特徴的で熟成の良好さを示している。アタックはまろやか。凝縮された果実の豊かなボリューム感が口中に広がる。酸は丸く、しなやかで、最初かくれがちだったが、時間とともにやや後味に強く感じるようになってくる。タンニンは控えめでとけ込んでいる。アフターには甘みを伴った果実味を感じ、余韻は長め。【78点】
総評/
雑感
店主の井手さんは「熟成の頂点を迎える手前」と言っていたが、まさにそういう感じで、逆にいうと若干まだ堅さが残るというか、閉じている感もある。全般に優雅でやわらかなタイプなんだけど、もう少しつややさかさのようなものがあれば…って贅沢か。
飲んだ日 99/12/10
銘柄 Ch.ラトゥール・ブランシェ90
仏>ボルドー>ソーテルヌ1級/白
購入店 銀座「青山」にて
価格 グラス1000円
コメント 非常に輝きのある、やや濃い黄金色。ジョンブとてもゆっくり。
セメダイン、ビニールの特徴的な香り。ハチミツ、パイナップル、果実のシロップ漬け。アタックはまろやかで、ボリューム感のある果実。糖分極めて豊富だが、バックに酸があるため、単純でなく複雑さを感じさせる甘み。ただ、ややねっとりしすぎて重たい印象もある。【85点】
総評
/雑感
店主が「売り出そうかどうしようか迷っているので、1000円で試してみないか?」というので、言われるままに。正直なところ、私は甘口白はほとんど飲みつけていないので、善し悪しのほどはよくわからないのだけど、とにかく一緒に出されたブルーチーズとの相性は絶妙で美味しくいただいたのは事実。
99/12/11やまや赤坂店にて試飲
この日は、同店のセール日で、「カレラ・ジェンセン」が120本限定で売り出されるとうので、開店前から並ぼうと思い、9時半には赤坂に。ところが店に着いてびっくり、すでに店頭は長蛇の列で、私の整理券番号は62番。結局目当てのカレラは整理券番号15番くらいまでに完売してしまい(ということは、それまでの客がひとり10本前後買ったというわけか?)他のセール品数本を買ってと以下の試飲をして帰ってきた。
銘柄 モンラッシェエ97
(エティエンヌ・ソゼ)
仏>ブルゴーニュ>ピュリニーモンラッシェ村特級/白
価格 グラス2000円
総評
/雑感
天下のモンラッシェを飲むのは初めて。
色はかなり緑がかった、輝きのある中程度のイエロー。ジョンブはしっかり。豊かで凝縮感のある香り。はじめは熟した青リンゴ、洋ナシ。回すとバター、ナッツ、シナモン。時間とともに黄桃などより熟した果実や黄色い花の香りも。
アタックはまろやかで、豊かな果実のボリューム、酸は丸くしなやかで角がとれているが、後味にかけてしっかり残る。ボリュームはとても豊かで口中で広がる印象。アフターには上質な苦みも伴い、余韻は相当長い。
今でも十分美味だが、熟成させると、より素晴らしくなりそうで、今は、まだもったいないという気もした。あまり予備知識なしに飲んだが、価格が一本3万〜5万と聞いてびっくり。
【90】
銘柄 シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ
(アルマンルソー)
仏>ブルゴーニュ>ジュブレイシャンベルタン村特級/赤
価格 グラス1000円
総評
/雑感
御大アルマンルソー。紫を帯びた明るめのルビーで、色合いは四種水平試飲した中でもっとも薄い。イチゴ、フランボワース、回すとミネラル、革、ジビエなどすでに複雑さを感じさせる。
アタックはまろやかで、甘みを伴った分厚い果実。ボリューム豊かで後半にかけて上質だがしっかりした酸。タンニンはきめ細かく、余韻は長く、エレガントで繊細、それでいて強さもある。素晴らしい出来。今回の中でもっとも開いていて美味だった。
【88】
銘柄 シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ
(フェブレイ)
仏>ブルゴーニュ>ジュブレイシャンベルタン村特級/赤
価格 グラス1000円
総評
/雑感
紫を帯びたやや濃いルビーで、粘性やや大。
トップノーズにややスミレの花。回すと肉汁、レバー、丁字、ナツメグなどのスパイス。
アタックから非常に熟した豊かな果実。酸はしっかりしているがしなやかで、タンニンはきめ細かく、バランスが良い。果実味を中心にバランスがとれている。アフターには醤油のようなエグミをやや感じる。今回試飲した中ではアルマンルソーにつぐ出来。非常に熟した果実が印象的。
【86】
「今回の4種」と書いたのは、実は上記のほかにも、「プリューレ・ロック」「ルイ・ジャド」の同一銘柄を同時に飲んだのだが、あまりに両銘柄とも閉じていてガチガチだったので、採点不能として書き込まなかったのだ。それにしても、前回のラトゥールの時もそうだったけれど、こちらはそれなりの金を払って試飲をするのだから、店の方でも早めに抜栓するなどの配慮をしてほしいものだ。スティーブ・タンザーの「インターナショナル・ワインセラー」によれば、この二銘柄はどちらも90点以上なので、プロはこのような状態でも将来性が判断できるものなのだなあ、と妙なところに感心した。

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