さっそく常温で送られてきた10フーリエを開けてみました。蝋封ということで噴きこぼれてこそいませんでしたが、抜栓してみると、コルクは真上まで全面に亘ってジットリと染みており、熱で液体が相当膨張したことがわかります。
漏れていはいませんでしたが、真上まで染みています。通常のキャップシールなら噴いていました。 
写真では判りずらいですが、コルク全面にわたってビショビショ。 グラスに注いでみると、なんとも芳醇な香りが。赤と黒の中間位の果実のコンポート、シャンピニオン、スパイス、タバコ、シナモン。口に含むととりあえず液体にザラツキ感は感じられず、よく開いていています。豊かな果実感と透明感、それに伸びやかな酸。意外なほど美味しく飲める(笑)。
とはいえ、当然、ニューリリースにしては開きすぎているわけで、通常最新VTの届きたてのものを直後に開けると、初日はガチガチに閉じていて、ようやく2日目に全体像が姿を現し、3日目あたりが一番おいしく飲めるかな、といった感じですが、今回のボトルは開けたて一杯目がまさに全開。
この先飲みすすめるとどうなるのか、はたまた小瓶に残した半分が翌日どうなっているのかが見ものだと思って飲み進めましたが、案の定、ピークは開けたてで、3杯目になると、ちょっとコアが抜けてエグミが出てきました(閉じるのとは違う。)
これはやはり早めに飲まないとダメそうですねぇ。
そういえば、ワイン飲み始めのころよく買って飲んでいた某店の若いブルゴーニュが、開けたてから開いていてこんな感じだったなぁと。
翌日:例によってペリエの小瓶に残したものを飲んでみましたが、恐れいていたほどには劣化していませんでした。香りも出ているし、それなりに飲める。
ただ、飲んだときの舌にイガイガくる感じやテクスチャーの毛羽立った感じは初日より目立ちます。 酒質のケバ立ち感、イガイガした感じ、フィニッシュのエグみ、冷やしてるのにひんやりした感触がないところなど、熱影響ワインの特徴が明確に出ている一方で、リリース直後故の果実のピチピチ感がそれらを都合よく隠していて、私自身、これをブラインドで出されたら、こういう素性の(熱をもろに浴びた)ワインだとは看破できないなぁと思いました。(10VTとは絶対に答えないと思いますが。)
同様のボトルがあと2本。いつ開けるかが悩ましい。 1本は2〜3ヵ月後、もう1本は1年後あたりでしょうか。 高い授業料でしたが、熱入りワインの検証には役立ちそうです。できれば健全な状態のボトルと飲み比べてみたいところですね。
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