2012年5月

日時 2012/5/26
感想 6月から7月中旬にかけて、仕事がスクランブル状態に入ります。すでに先週あたりから忙しくなってきてブログやツイッターの発信もままならない状況です。というわけで、しばらく「ラマダン」に入るにあたって、この会が当面「最後の」ワイン会です。
そんな会だったのにもかかわらず、この日も出掛けに急な仕事が入ってしまい、30分以上遅刻してしまいました。おかげで、私の大好きなクリスタルは飲めずじまいでした。無念。 到着するとテーブルには白2本がグラスに注がれていました。 写真 1
ムルソー97(コシュデュリ)
クリーンでミネラリー、いい感じに熟成しているのですが、残念。軽いブショネです。 お持ちになったご当人はとても気にしているご様子でしたが、わたし的にはこれぐらいのブショネなら許容範囲。グラスの最後の方はほとんど気にならなくなりました。

バタールモンラッシェ06(ポールペルノ)
06とまだ若いにもかかわらず、適度にこなれていて非常にバランスのよいシャルドネです。ややファットな体躯をキラキラした酸とミネラルが支えます。口の中での抑揚、奥行感がすばらしい。私も近年のVTを買い足したくなりました。

ピュリニーモンラッシェ・フォラティエール94(ドーヴネ)
クリームブリュレやカラメル的な香りが爆発的に広がります。粘度のある球体のような液体。同じ銘柄を10年位前に飲んだ記憶がありますが、当時よりさらに発展していて、非の付けどころのない香味です。
写真 2
シャンベルタンクロドベーズ99(グロフィエ)
99年は飲み頃が難しいなあと思っていますが、このボトルも然りでした。まだ若く、そして濃いです。とはいえ、タンニンはこなれていてそれなりに飲んで充実感はあります。少し菌の影響を受けているのか、馬小屋的要素が出すぎていたのが残念。

ミュジニー00(ヴォギュエ)
この銘柄はリリース時にRWGの試飲で飲みました。閉じた中にも花束のような香りのエッセンスと凛とした味わいが只者でない雰囲気を漂わせていたものでした。今回飲んでみると、十分こなれていてブランデー的なニュアンスも出てきてはいるのですが、まだ、早いんでしょうか?今ひとつ全貌がつかめないようなもどかしさは正直感じました。

シャルムシャンベルタン99(Jロティ)
先ほどのグロフィエと同様、あるいはそれ以上に若いですね。状態もよいのでしょう。スーボワ的な要素はほとんど出ておらず、飲んでみるとアロマチックでさまざまなアロマチックな含み香が口中を満たします。5〜10年後に再会してみたいワイン。 写真 3
クロサンドニ86(ミシェル・マニヤン)
こんなに古いミシェルマニヤンを飲むのは初めてです。色調は相当レンガがかっています。少しばかりコルク由来の香味が感じられるものの、ボリュームのある熟成香がそれらを覆いかくしてくれています。オレンジピールやウーロン茶、スーボワ。スワリングすると壊れてしまいそうな危うさを感じつつ、古酒の醍醐味を感じさせてくれる一本。

シャンベルタンクロドベーズ80(ドルーアンラローズ)
これまた古いVTですね!運搬の影響かやや濁りがありますが、マニヤンよりはオレンジ系を感じる色合いです。赤系果実のリキュール、スーボワ、紅茶、土瓶蒸し。飲んでみると意外に太く力のある味わい。ドルーアンラローズって、もっと繊細な印象があったのですが、熟成能力も含めて見直しました。 いつものことながら、飲み足りないということで、そのあとも何本か追加に。 写真 4
モンテベルティーネ04
先日飲んだ08も悪くありませんでしたがこちらはさらにすばらしい。熟成してピノっぽい香味になっています。非常に安定感のある味わい。

コノスル・リゼルバ2010
え?ここでコノスル?と思うかもしれませんが、これが想像以上に美味しくて飲んだみなさん感心していました。デイリーにとてもよいと思います。
写真 1
なお、 しばらく休みにするのはワイン会だけで、自宅で飲むワインまで断つわけではありませんので‥。 ブログもややペースは落ちると思いますが、引き続きよろしくお願いします。
日時 2012/5/20
感想 YOLで私がPreMatureOxidationのことを書くにあたって、Charさんに簡単なアンケートをお願いしたことがきっかけになって、Charさんが96年中心のワイン会を開催してくれました。ありがとうございました>Charさん。また、無理やり難しいVTにおつきあいいただきありがとうございました。>参加者のみなさま。 写真 1
スターターはギィ・シャルルマーニュ。 写真 2
さっそく96のラフォンです。ところが、PreMatureOxidationなどどこ吹く風。若々しいです。ミネラリーで伸びやかな酸もあり、非の打ち所のような味わいでした。96白って、リスキーのひとことで片付けるのは簡単ですが、こういうものもあるから悩ましいです。 マルクコランの99コルシャル。(写真撮り忘れ) いいですね。特徴的なノワゼット香がアクセントになっています。ミネラリーでしっかりした酸もあり、これまた素晴らしい香味。マルク・コランはあまり買わない造り手ですが、喰わず嫌いはいけませんね。
写真 3
こちらも疑惑のジャドの96コルシャル。抜栓したコルクの色調がやや怪しげでしたが、飲んでみるとこちらも不健全な要素は感じられませんでした。モカやカラメルっぽい風味が満載で、ラフォンのような若々しさはないものの、順当に年を重ねた熟成シャルドネです。 続いて赤です。
写真 1
エシェゾー96(ミュニュレジブール)
hidepxさんが、クロヴジョと間違って持参されたボトルとのこと。先日私が持参してダメだったボトルと同じ銘柄だったので、興味深く飲ませてもらいましたが、結論からいえば、こちらのほうが状態よかったです。ただ、強めの酸と少しドロンとした感じの土っぽい風味は前回と同系統で、ミュニュレジブールとしては、それほど成功した年ではなかったのかもしれませんね。 写真 4
ジュブレシャンベルタン・クロサンジャック96(ルソー)
私のワイン会持参ボトルは、このところ煮え切らないものばかりでしたが、このボトルは久しぶりにアタリだったといってよいでしょう。液体の強さや凝縮感はそこそこながら、口の中での抑揚や含み香の豊かさはさすがルソーのNo.3銘柄。綺麗に熟成してスーボワ系が混ざっている一方で、凛としたたたずまいも残していました。 写真 5
シャルムシャンベルタン96(ペロミノ)
ペロ・ミノって、濃いばかりで一本調子だとか、時代遅れの造りだとか、巷間好ましくない評判が立っていますが、このボトルはそんな悪評を覆すのに十分なインパクトがありました。黒系果実がほぐれて心地よいスーボワ香が出ています。味わいはルソーのような表情の変化はない反面、かちっとしたコアと構造があって、さすが特級と思わせてくれます。自宅セラーの02年のシャルムとマゾイワイエールも飲むのが楽しみになりました。 写真 2
お店より、シャブリのマール(アルベール・ピック)。 開けてみると、どれもすばらしかったので、結果オーライでしたね。料理とのマリアージュも含めて(お世辞抜きに)非常に満足度の高いワイン会でした。
日時 2012/5/15
銘柄 メルキュレ・ル・モント09(A etPヴィレーヌ)
感想 写真 3
A etPヴィレーヌの09年。ディゴワーヌ(とアリゴテ)ばかりが話題になるヴィレーヌですが、このメルキュレはどんなものかと思いまして‥。 閉じていますね〜。
3杯目ぐらいでようやくカシスやラズベリー、スミレ、紅茶、赤身肉、スパイスなどの香りが出てきました。果実味は外向的ですが、ややキャンディチックなニュアンスもあり、タンニンは乾いていて後半に目立ちます。翌日になると、香りは華やかになりましたが、味わいはイマイチ惹かれないままでした。まあ飲むのが早すぎたということもあるのかと思います。市場にタマはありませんが、たっぷり熟成させたヴィレーヌも飲んでみたいものです。
日時 2012/5/12
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ10(ロベール・グロフィエ)
感想 写真 1
10ブルゴーニュの出来を肌で感じたくて、ついつい届いたボトルを早開けしたくなってしまうのですが、さすがにこのグロフィエは開け時を間違えました。
というのも初日はガチガチでなにやらよくわからず、翌日に期待と思って小瓶に残したら、翌日以降、急な飲み会が入ったり、弔事で帰宅が遅くなったりで、結局中3日も空いてしまったからです。

まあ4日後でも十分美味しく飲むことはできましたが、2010ヴィンテージやグロフィエの出来を伺い知るという初期の目的は果たせませんでした。 いずれにしても09のフルーツ爆弾的味わいとは明らかに異なるベクトルですね。初日はややグリップに欠けたものの、クリーンな果実と心地の良い酸によるスマートな飲み口が印象的でした。
日時 2012/5/9
銘柄 4連休明けの月曜日、4人でこじんまりとワイン会をやりました。 会場は、新橋の「ピアット・デル・ベオーネ」。豊富なグラスやワイン会向けの配慮など、愛好家には心強い味方です。 写真 4
ブリューノパイヤール・ブリュット・ロゼ・プルミエキュベ
ブリュノ・パイヤールは1975年に設立し81年に初めて市場にでてきた新しいメゾン。売上量は35万本のうち95%近くを輸出しているそうです。かのジャンシス・ロビンスン女史の結婚式にもここのシャンパーニュが振る舞われたのだとか。。 オレンジの色調が強く見えるサーモンピンク。泡立ちも豊かです。サクランボやラズベリーなどのクリーンな果実にやや肉っぽいニュアンスが混じります。 飲んでみるとみずみずしく旨みのある果実味が印象的。全般にかなり甘みを感じるものの、そこは豊かな炭酸がうまく味わいを引き締めています。スターターとしてだけでなく、これ一本で結構食事を通せてしまえそうですね。夏場に向けて我が家でも仕入れてみようかと思いました。
写真 1
シャサーニュモンラッシェ・ヴェルジェ(ベルナール・モロー)
あれ?モローって、シャブリの生産者だよね?とか頓珍漢なことを口走った記憶がありますが、クリスチャン・モローと混同してました。ベルナール・モローはシャサーニュに約10haの畑を持つ生産者。現在は20代の息子2人にワイン造りを任せていて、最近新しい空圧圧搾機を設置したそうです。ほとんどの畑がヴィエイユ・ヴィーニュで、白だけでなく赤もリリースしているようですね。 輝きのあるイエローの色調。上質なオークを思わせるバニラやトーストの香りの奥から黄色い果実やシナモン、ミネラルなどが感じられます。味わいはリッチでバタリー。09ですが、酸不足や酒質の緩さもなく、外向的ですばらしいシャルドネです。ベルナール・モロー、ノーチェックでしたが良い生産者ですね。 写真 5
マウントエデンヴィンヤード・サンタクルーズマウンテン・シャルドネ08
サンタクルーズマウンテンといえば、「リッジ・モンテベッロ」などを思い出しますが、Andyさんによると、最近シャルドネでも注目を浴びているそうです。マウントエデン・ヴィンヤードは初めて飲みましたが、歴史のあるワイナリーのようですね。ちなみにWS96点とか。黄桃やパッションフルーツなどの豊かな果実に品のよいオークや独特のハーブやミネラルなどのニュアンスが加わります。味わいはフルーティでよく熟した果実味を酸がよく下支えして、力任せなところやコッテリとしたところもなく、大変バランスのよい仕上がりになっています。
感想 写真 3
シャルムシャンベルタン2002(ポンソ) 私の持ち込み。97のロッシュとこのボトルとどちらにしようか悩んだ挙句、状態の不安の少なそうなこちらのボトルにしました。例の欧州仕入れ品のうちの1本です。 透明感があってクリーンなルビー。香りにとりあえず嫌な要素はありませんが…。いかんせん、若い。果実や紅茶、オレンジの皮、ハーブ、スパイスなどに加えて、もっとスーボワ系の香りが出てくると思っていたのですが、当てが外れました。コンディションがよいのが逆に災い?した格好です。味わいも健全。ただ、伸びやかな酸とクリーンな果実が印象的な反面、良年のグランクリュにしては酒質はやや大人しく、スケールは小さめです。。。Burghound.comの飲み頃予想は2008〜12とのことですが、これは明らかに早すぎでしょうね。他の02ボトルはもっと寝かせようと思います 写真 2
バローロ・カッシーナ・フランチャ・セッラルンガダルバ2000 (ジャコモ・コンテルノ)
バローロの香味が好きなのだけれどもなかなか飲む機会がないという話は以前も書きました。
自宅で日常飲むには高価であること、アルコール度が全般に(私にとっては)高めであること、(私が参加する)ワイン会に登場しないことが大きな理由です。
それでもボーイズ系はまだ、試飲などで飲む機会はあったのですが、ジャコモ・コンテルノやブルーノ・ジャコーザ、バルトロ・マスカレッロといった古典派御大のワインはほとんど接点がありませんでした。今回のジャコモ・コンテルノも、東急などの試飲以外で飲むのは多分初めてです。
グラスに注ぐと透明感があって、深みのある濃厚なガーネット。いい色合いです。鮮烈な赤い果実のリキュールや紅茶、スパイスなどに枯葉、タバコ、下草などの熟成香が加わった見事な芳香。きっと状態もよいのでしょうね。味わいもピタリと焦点が定まっていて、口の中での各要素のバランスと膨らみ、抑揚の大きさはさすが。非常に印象的な一本でした。
WAで調べてみると、飲み頃予想は2011〜2030年とのこと。今でも十分美味しいのですが、これからさらに熟成の要素が加わっていくのでしょう。自宅のコレクションに加えたくなりました。
GW明け初日からワイン会というと、そこからの一週間が辛いのではないかと不安にもなりますが、逆に連休明けの重たい気分を吹き飛ばしてくれるという効果のほうが大きかったですね。「今晩はワイン会だ」と思えば、会社に向かう足取りも軽くなろうというものです。(笑)おかげで良いスタートを切れました。
日時 2012/5/8
銘柄 モレ・サンドニ・ザルエット08(ポンソ)
感想 この日開けたのは、ポンソの08キュベ・ザルエット。
先だってイギリスのブローカーから6本購入したポンソ直送ボトルの一本です。
キュベ・ザルエットは、クロ・ド・ラ・ロッシュの若木とクロ・デ・モン・リュイ・ザンのピノから造られるといわれている1級銘柄。
あまり人気は無いようですが、Burghound.comでは、08のこの銘柄は91-93と高得点がついています。 ただし、飲み頃予想は2018+ということで、まだまだ早いであろうことは覚悟して開けてみました。 IMG_6373.JPG
この年から例の温度検知マーク用のインクが変わって黄色になっています。 コルクは合成コルク。
IMG_6372.JPG IMG_6371.JPG
赤系果実にスパイス、毛皮、出がらし紅茶。動物的ニュアンス強く、ブラインドだとジュブレと答えそうな香り。やや動物的なノイジーなフレーバーがあるのが残念。
飲んでみると、味わいは充実しています。力のある果実味が強い酸を支え、特徴的な乳酸チックなフレーバーも健在。今はまだ各要素がこなれていない印象。
小瓶に残した二日目は、初日のノイジーな感じがなくなり、クリーンな香りになりました。ただ、味わいは酸が強いですね。果実も充実しているので、熟成させるとよくなりそうです。もう一本同じものを買ってあるので、こちらはあと4〜5年寝かせてみようと思います。
日時 2012/5/4
銘柄 GWの狭間の出勤日。ブルゴーニュやシャンパーニュの達人のみなさんとのワイン会に運良く混ぜていただけました。 会場となったのは五反田のボノミーさん。個人的に最近もっとも気に入っている店のひとつです。 写真 4 写真 1
アランロベール・メニルトラディション90
蜜のような心地よい果実味に香ばしいトーストフレーバーが混ざります。持参したygさんはヒネた要素を気にしていましたが、わたし的にはまったく許容範囲内と思いました。泡は穏やかになっていますが、いい感じで味覚にアクセントを添えてくれます。素晴らしいですね。
写真 3
ムルソー・グーテドール97(ラフォン)
これはすばらしい状態のラフォン。キラキラしたミネラル感が感じられます。飲むと、厚みのある果実味を酸がダレることなく支えて、シャルムやペリエールとはまた違ったバランス感がありますね。あまりグーテドール飲む機会がないので新鮮です。最初やや堅めだった味わいも時間とともに花開き、クリームブリュレっぽい心地よい香味が口中を満たします。日頃ブログをいつも拝見しているので、あまり久しぶりという感じはしませんでしたが、F木師匠とご一緒したのって、考えてみれば数年ぶりのことでした。 写真 2
ムルソー・クロドラバール92(ラフォン)
これもいいですね。ほんの少しヒネた要素もありますが、気にならないレベル。モカフレーバー満開で、熟成シャルドネの醍醐味を味わせてくれます。クリーミーでリッチな酒躯と向き合うと、92年って、改めて白にとって良い年だったんだなと思います。最近とんと飲む機会がなく、基本若飲みの私にとってはすでに過去のビンテージになりつつありますが‥。
感想 写真 4
エシェゾー96(ジョルジュ・ミュニュレ)
私の持ち込みだったのですが、これが失敗。菌に冒されていました。ここ数ヶ月の持ち寄りワイン会には必ず予備ワインを持参していたのですが、今回は気温が上がってきたこともあって、予備を持ち込みませんでした。そういうときに限ってこれです。マイりました。(F師匠、ブログで暖かいフォローのお言葉ありがとうございました) それにしても96のジュルジュ・ミュニュレ、未だ酸がキツイです。健全だったとしてもまだあまり楽しめなかったかもしれませんね。 写真 5
エシェゾー94(ジャイエ・ジル)
赤の本日一番でしょうか。状態がすごくイイ。透明感があってクリーンな色調そのままに、焦点の定まったリキュール的果実とスパイス、花束などのアロマチックな香り。若くして飲むと樽が強烈な作り手ですが、このぐらいの年代になるとオークはすっかり溶け込んで、ピュアな果実味が姿を現します。実にいいワインです。94年の赤というと、90年代以降でもっとも作柄のよろしくない年と言われている上にリリースからすで20年近く経過していることもあり、私自身は新たに購入する勇気はありませんが、この次のルネ・アンジェルも含め、こういうボトルを飲んでしまうと考えを改めなければいけないのかな、とさえ思いました。 写真 1
グランゼシェゾー94(ルネ・アンジェル)
興味はあれども、なかなか縁のなかったルネ・アンジェル。縁がないまま引退してしまいました。飲むのはいつ以来でしょうか。ジャイエ・ジルほど若々しくはありませんが、その分真っ当に年輪を重ねた滋味深さがあります。いかにも森の下草的スーボワ香とスパイス香が入り混じった芳香。94年って、果実が乏しくもっとギスギスして角張ったイメージがありましたが、このボトルもそんな印象を覆すすばらしいワインでした。ルネ・アンジェル、今からでも新しめのVTを仕入れようかなと思ったり‥。
写真 1
ブルゴーニュ・ルージュ09(ジョルジュ・ルーミエ)
幹事のjoe-theoさんからもう一本差し入れ。ありがとうございます。 いやこれはびっくりの若さ。香りは還元的で、味わいはまるでブドウジュースです。ACブル離れした鮮烈で凝縮感のある果実味はさすが。今の時点では、ブラインドで飲んでもルーミエとは絶対に当てられなさそうです。この先どう変化していくのか、楽しみですね。
  ボノミーさん、例によって料理もクリエティブでCP高かったです。予約がなかなかとれないのもわかります。
写真 2 写真 3 写真 5 写真 1
それにしても、今回のワイン会では、ブルゴーニュの熟成能力をあらためて見直しました。 そもそも私は基本的に若飲みなので、セラーのワインも若いビンテージばかりです。
理由はいたってシンプル、自宅で通常二日にわけて飲む関係で、新しいビンテージのほうが翌日まで美味しく飲めることが多いからです。
今まで三度もセラーの不調を経験して、あまり自宅の保存環境を信頼していないということもあります。
古めのVTをた日々消費しつつ、新たな古酒の補給をしてこなかった結果、セラーのブルゴーニュのストックはもっぱら2002年かそれ以降、90年代では99年がそこそこあるものの、それ以前になると数えるほどになってしまいます。(ボルドーは90年や82年が何本かありますが、こちらはこちらで開ける機会がなく…。)
もっとも99年だって、すでにリリースから13〜4年経過しています。十数年というスパンで振り返るとと、たとえば2000年代前半にかけて飲んだ90VTや89VTのワインは、その時点で十分熟成していたものが多かったように記憶しているのですが、同じ感覚で99年や96年を開けると結構早すぎてしまう場合が多い。
先日飲んだデュジャックの99ロッシュはまだ花開いてない感じでしたし、以前開けたルジェの99エシェゾーやJJコンフュロンの99RSVなども明らかに早すぎでした。 まあ97年や2000年などは今いい具合になっているものが多いので、この辺はビンテージの特性なのでしょうけど、かなり特殊な年といえる96年はともかく、99年に未だ堅いものが少なくないのが意外です。
ところで今回のワイン会。
自分の中では94年の赤はほとんど「終わった」年だったのですが、ルネ・アンジェルにしても、ジャイエ・ジルにしても、18年経過した今飲んで、これほどすばらしい香味を体験できるとは思いませんでした。 飲み頃に関して、私が結構信頼しているBurghound.comを調べてみると、近いところで以下のようなものがありました。
94クロヴジョ(ルネ・アンジェル) NOW+(2006年時点)
95エシェゾー(     〃   ) Try from 2009+
95エシェゾー(ジャイエ・ジル) NOW+(2001年時点)
97エシェゾー(    〃   ) 2005+

作り手問わずで、「94年のエシェゾー」で検索してみると、
エマニュエル・ルジェ  NOW (05年時点)
ジョルジュ・ミュニュレ 05年
ジャン・ラフェ 03年まで
ジョルジュ・ジャイエ 02年+
※ちなみに、Burghound.comの94VT評価は、全赤ワイン中最高点は91点にとどまっています。
このデータを見てしまうと、ルネ・アンジェルはともかく、ジャイエ・ジルの94年をここまで引っ張ろうという勇気はなかなかわきません。お持ちくださった minpei-chanさんや迷幹事さん(笑)の慧眼には舌を巻くばかりです。
まあ古くなれば古くなるほど、劣化のリスクは大きくなるわけで、当たったときの喜びはそのリスクとの裏返しということもできますが、自宅セラーのボトル たちについても、もう一声我慢して長めに寝かせてやったほうがいいのかなぁなんて、思い始めています。
もっともそうすると、今度は持ち寄りワイン会に持参するボトルが枯渇してしまう、という問題に突き当たるわけですが‥。
日時 2012/5/3
銘柄

それほど飲み歩いているつもりはないのですが、このところ何かにつけワインを飲む機会が多く、なかなかブログへの掲載が追いつきません。いったんツイッターで呟いてしまうと、安心してしまうというのも、ブログ運営の側から見ればよろしくないですね。棲み分けをうまく考えなければ‥。

以下の東急の試飲は4月29日のものです。テーマは熟成ワインということで、前日の土曜日から豪勢な銘柄がいろいろと開いていたようですが、私は日曜日当日に抜栓したものだけを飲みました。 写真 3
ハワードパーク・97リースリング
黄金色がかった濃いめのイエロー。セメダイン的な心地よい熟成香。味わいは酸味が主体で、果実は後退気味、痩せ気味な酒躯。 香りからして、もう少し遅摘みっぽいニュアンスを想像していましたが、やや当てが外れました。 写真 5
グロセット・97ピノノワール
オレンジ色がかった濃いめのルビー。オレンジピールやラズベリー、ゴム、ダージリン。やや漬物的ニュアンスも。味わいはしっかりした紅茶フレーバーで、スーボワっぽさはあまりないものの、漬物的なフレーバーに年月をかんじます。 写真 2
ルーインエステート・アートシリーズカベルネ96
15年以上経過したと思えないしっかりしたルビー。ブラックベリーや鉛筆の芯、墨汁、スパイス香。味わいはボルドー左岸チック。やや細身ながら凝縮された果実と伸びやかな酸が豊富で粉っぽいタンニンを支えています。フィニッシュはタンニン優勢。肉料理とあわせたい味わい。

写真 4
シャサーニュモンラッシェ・マルトロワ2000(ニーヨン)
麦わらがかったいい色合いのイエロー。缶詰の黄桃のような甘いシロップ系の香り。洋梨、塩ビ的ニュアンス少し。飲むと甘く外向的ながら、やや酸が緩くフラットな印象。正直、あまりピンとこない味わい。
写真 1
〆はシャンパーニュ
濃いイエローで気泡は穏やか。カリンや黄桃、トースト、キンモクセイ。飲んでみるとほんの少しランシオ的要素を感じるものの、口中での広がりと豊かなコク、余韻の豊かさ複雑さはさすが。

日時 2012/5/2
銘柄 テズさんといえば、以前西村酒店のプスドールの会で利用させていただいたレストラン。三軒茶屋の駅からかなり歩きますが、評判は良いようです。 http://r.tabelog.com/tokyo/A1317/A131706/13110133/

今回は、用賀に住む旧友夫妻と3人でワインを持ち込ませてもらいました。この日のテズさんは開店2周年ということで、メニューはすべて5000円の特別コースでした。
写真 4
ワインは持ち込みで。

ピュリニーモンラッシェ・ルフェール02(ジャド)
かわばたさんのセールで安く買ったものですが、これが想像以上にきれいに熟成していて嬉しい驚きでした。よく熟した黄色い果実、シナモン、クリームブリュレ的な熟成香。味わいはテクスチャーがなめらかで球体といわないまでもなめらかなふくらみがあります。リピートしたい一本。

ジュブレシャンベルタン・シェルボード08(フーリエ)
う〜ん、普通に美味しいのですが、この生産者で時折出会う、神がかったような香味はなかったです。そこそこの凝縮感。赤系果実や紅茶、スパイス、それに花束のようなアロマチックな香り。

ブルネロ・ディ・モンタルチーノ・レゼルバ05 (ポッジョ・ディ・ソット)
「神の雫」の第九使徒だそうです。最近ブルネロ追いかけてないので、コミックの中では、デキャンタージュすることによってよくなったとのことですが、今回は直前抜栓でそのままサーブしてもらいました。それでも思いのほか開いていて、良い意味で予想を裏切られました。なめらかで緻密。隙のないアロマチックな酒質、豊富だけれどもよく熟したタンニン。力強さとエレガントさを高い次元で両立させるすばらしいワイン。飲み頃は5年ぐらい先からでしょうかね。