2012年3月

日時 2012/3/29
銘柄 オー・コート・ド・ニュイ09(グロ・フレール)
感想 平日真っ只中、晩酌に何か飲みたいと思うも、時刻は21時近く。のんびりとグラスを傾けるほどの時間的精神的余裕はない。でも、何かしらワインを開けたい。できれば赤。 写真 1
そんな思いでチョイスしたのが、グロフレールのこの銘柄です。上位グレードのモダンで濃厚系の造りには賛否あるようですが(ちなみに私は好きです)、2K台のこの銘柄についてはそこまでくじらをたてることもなく、気軽に楽しめて、それでいてきちんとブルゴーニュしている、貴重な銘柄だと思っています。
何より、タマ数豊富で毎年安定してそこそこ美味しいのがイイです。 先日も08年を飲んで、デイリーにはこれで十分だと思ったばかりでしたが、さて09年はどうでしょうか。
コルクを抜いて、ラ・マルヌのグラスに注ぐと、んん?硝煙くさいです。 SO2由来ですかねぇ?放っておけば飛ぶのはわかっているので、グラスで待つことしばし。黒系果実やリコリスなどの甘い香りが出てきました。
味わいは至って健全。ただ、VTを反映してか、かなり甘く感じます。やや酸が緩くてグリップも弱い。でもジューシーで瑞々しい味わいは悪くない。まあ、深みのある味わいではありませんが、2K前半の価格を思えば十分というものでしょう。
相変わらず、ピノ好きのデイリーにうってつけのワインですね。数本買って、何ヶ月かおきに飲むと、いろいろ別の表情を見せてくれそうです。
日時 2012/3/26
銘柄 モレサンドニ・ザルエット01(ポンソ)
感想

週末土曜日は親戚宅への挨拶周り、日曜日は烏山の実家訪問と、またしても慌しい土日でした。
来週は金曜日の夜が親戚の弔事、その流れで土曜日まで子供をつれて実家に宿泊。翌日曜日は休日出勤。いろいろ自宅でやりたいこともあるので、何も予定のない休日を渇望しているのですが、このところなにかと用事が入ってしまって、気持ちが落ち着かない日が続いています。

そんな中、土曜日の夜は、先日F&Rより届いた欧州直送ポンソ6本のうちの1本をチョイスしてみました。 写真 2
どうにも当たり外れの大きいポンソ。
ひとたび当たると下位グレードでもそれこそめくるめくような香味体験をできる一方で、上位グレードであっても、冴えないボトルはまるで冴えない、なかなか難しい生産者です。
国内で流通しているボトルの状態が特に酷いとも思わないのですが、SO2不使用ということもあって、ことのほか状態に敏感なのかも、という疑念を常々抱いていました。
それで、昨年末、F&Rさんからの配送ボトルの本数調整にかこつけて、ポンソばかり1級銘柄中心に6本買い付けてみました。 蔵出し直送ではないにしても、欧州で購入したボトルを冬場に空輸、ということであれば、コンディション面のリスクは相当抑えられているはずです。 というわけで、1本目のこのボトル、どんなものでしょうか。

01年ですが、色調は濃いです。赤系のコンポート状果実、ダージリン、オレンジの皮。残念ながら、ややノイジーな動物香がまざっており、最上のポンソに見られるようなめくるめく香りというわけにはいきません。 それでも、飲み進むうちに、ボトル中盤あたりからマツタケ香やアーシーな香りが優勢になってきました。味わいは酸基調ながらも、凝縮された旨み感のある果実味があり、適度な熟成感も出ていい感じです。
おみくじでいえば「小吉」ぐらいでしょうか。大当たりとは言い難いものの悪くはないボトル。
逆に言うと、ハズれではないものの、当たりと言い切るにはやや躊躇するレベル。
ワイン会に持参したら、文句を言われたり、失笑を買うことはない反面、感動してもらえるとか誉めてもらえるわけでもない、というボトルでした。

こうしてみると、香りにノイジーな要素がまざってしまうのって、流通面でなく、醸造面の問題なんですかねぇ。たしかに、まったく同じロットのボトルでも大当たりだったりハズレだったりしたこともありましたし‥。
残り何本かは定点観測的に開けていこうと思いますが、さて、このうち何本アタリといえるボトルにめぐり合えるでしょうか‥。

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日時 2012/3/24
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ2010(フィリップ・パカレ)
感想 良年といわれる09年に遜色ないとか、いや上位銘柄については09よりイイとか、08と09年を足して割ったようだとか、いろいろと取り沙汰されている10ビンテージ。
近所の信濃屋でパカレのACブルを見つけたので、どんなものなのかなと1本購入してみました。5Kはかなり強気の価格ですが、パカレ自体久しぶりに飲むこともあり、興味は募ります。 写真 1
グラスに注ぐと、裾モノとはいえしっかりした明るめのルビーの色調です。赤い果実やアセロラ、紅茶、ゴム、ハーブなどの心地よい香り。わずかにアーシーなニュアンスもあります。味わいはクリーンで、酸が伸びやか。
ただ、果実味にややキャンディチックな安っぽさを感じます。
構造や余韻の長さについては、まあクラス相応というところ。
二日に亘って飲みましたが、翌日は特に落ちるでも向上するでもなく、初日とあまり変わらない味わいでした。
育ちのよさを感じる普通にイイワインですが、これで5Kというのは、通常3K半ばで売られているポンソのキュベ・パンソンやグロフィエのルージュあたりと比べても1000円以上も高いわけで、いくらなんでも、という気がします。決して悪いワインではないのですが、ルジェやデュガ、ルーミエのACブルと同価格帯っていうのはさすがに背伸びしすぎでは‥。 ちょっとした生産者の村名にも手が届く価格ですしね。
まあ、初10VTということで、11月2週の解禁日にボジョレーヌーボー飲んだのと同じようなものだと思えば納得できないこともありませんが。
肝心な10年という年については、当たり前のことですが、裾モノ1本飲んだだけでは判断がつきませんね。
日時 2012/3/21
銘柄 ヴォーヌロマネ・レ・ボーモン98(ユドロ・ノエラ)
感想 火曜日が祝日で休みだったので、月曜日の夜はこんなワインを開けてみました。 写真 4
ユドロ・ノエラの98年。 コルクが少し緩かったようで、力をいれずとも抜けてしまいました。外周には染み出た跡も。こういうボトルって、経験的に最初の1杯がかなり酸化傾向にあることが多いのですが、案の定、グラスに注ぎたてはかなりバランスを崩していました。

ということで、最初の一杯は早々に諦めて流しに捨てたところ、2杯目から持ち直してくれて、中盤はかなり良くなってくれました。 赤黒果実のリキュール、スーボワ、紅茶、各種スパイス。当初酸が立ち気味だった味わいも落ち着いてバランスが向上し厚みも感じられるようになってきました。力強さはありませんが、しみじみ美味しい。フィニッシュにはやや枯れたフレーバーとタンニンが優勢になります。 総じて、もう少し早く飲んでやりたかったですね。グラスの中でしばらく放っておくと、目に見えて酸化していくのがわかります。
ラ・マルヌのブラン用グラスだとそれが顕著。先のすぼまったルージュグラスの方が相性がよかったですね。
98年は結婚年ということで、ボルドーを中心にストックしていますが、ブルについては結構難しいですね。
成功している生産者もあるようなのですが、このボトルといい、前回のルイ・ラトゥールといい、特に長熟タイプというわけでない生産者の村名や1級クラスはもう飲んでしまった方がよいのでしょうかねぇ?

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日時 2012/3/13
銘柄 写真 1
月曜火曜と飲みの予定が入っていたのに、日曜日あたりから風邪を引いたのか、体調が悪くて参りました。
ワイン会には「ウコンの力スーパー」と「アミノバイタルプロ」を飲んで、決死の覚悟で臨みましたが(笑)、結果的に栄養のあるものを食べて美味しいワインを飲んだのがよかったのか、翌朝には全快していました。
今回のテーマは「米仏対決」。
といっても1976年の「パリスの審判」の再現というような趣向ではなくて、あくまで楽しく飲みましょうという会です。 結果的に、バラエティに富んだ銘柄が揃って、実に面白い対比を楽しめましたよ。

ルイナール・ブランドブラン
泡の勢いは優しめ。白い花を思わせる、爽やか系のバランスながら 十分なコクもあって、クリーミーな味わい。

ピュリニーモンラッシェ・ピュセル02(ルフレーヴ)
ファーニエンテ・ナパヴァレー・シャルドネ08
ファーニエンテ、懐かしいですね。かつてはカルピスが輸入していました。開けたてから全開の素晴らしい香り。昔のこの銘柄のようにオークを強く効かせた感じはなくて、ふくよかな果実を中心にエレガントにまとまっています。これは万人が美味しいというシャルドネですね。 対するルフレーヴは、かなりのスロースターター。金木犀と密のような甘い香りが感じられるものの、味わいは、エッジがとれていて丸いテクスチャーの 一方で、中間部がやや薄っぺらい印象。もっともこのルフレーヴ、会の終了間際まで我慢して残したグラスにはモカっぽさが加わって、丸い中にもキラキラと輝くような素晴らしい香味になっていました。
ルフレーヴのピュリニーは私の持参品。「パリスの審判」でも同銘柄が出されて下位に甘んじていたことから、今回持参してみたのですが、食事を通してならともかく、グラス単位のブラインド対決には向いていないかもしれませんね。 (ちなみに今回はブラインドではありません。)
  写真 2
2012/3/13
*フラワーズ・ムーンセレクト・ピノノワール06
*タンタラ・エヴェリン・ピノノワール07
*リュシュットシャンベルタン01(ジョルジュ・ミュニュレ)
いやあ、このピノノワール3本の対比は面白かったです。
タンタラは強い。といっても、闇雲な強さではなくて、デュジャック的なしなやかさも備えている。カリフォルニア的なベクトルは失わずに洗練度を高めたピノノワールです。
フラワーズは、ブラインドだとブルゴーニュと答えるかもしれません。タンタラほどの強さや凝縮感はありませんが、果実味と酸の出方がナチュラル。久しぶりに飲みましたが、すばらしいピノだと思いましたし、個人的に気に入りました。
私が持参したリュシュットは、かなりスーボワ香が支配的で、数年前に飲んだボトルに比べて、思いのほか老けていたのが意外でした。味わいは癒し系。それでいて目の詰まった感じはさすがジョルジュ・ミュニュレのフラッグシップです。

*ミスエーニョ・ピノノワール・ラシアンリヴァーヴァレー・ウリセス・ヴァルデスヴィンヤード・06
この日参加されていた、カリフォルニワイントラストさん扱いの一本。目が詰まっていて力強いピノです。それでいてクドさはなく、バランスがいい。後半はビターチョコやココア的フレーバー。CPよさそうですね。
写真 32012/3/13
シン・クア・ノン・ピクチャーズ
シャトー・ヌフ・デュ・パプV.V07(ジャナス)
ジャナスのVVは言うまでも無く、PP100点ワイン。アルコール度は15度超。とにかく強い、濃い。インキーで揮発性塗料のようなニュアンスを感じます。タンニンがよく熟しているので今でも飲めてしまう懐の広さはありますが、本領を発揮させようと思えば時間が必要ですね。
シン・クア・ノンもPP90点台後半銘柄ですが、こちらの方が今表情があって飲みやすいです。グルナッシュらしい、濃い目に抽出した紅茶のようなフレーバーが心地よい。

ガルジウロヴィンヤーズ・マネーロードレンチ・CS05
スクリーミングイーグルの隣に畑をもつ、家族経営のワイナリー。スケールの大きなカベルネです。ブラックチェリーやブラックベリー、プラム、スパイス。飲むと目が詰まっていて甘く、それでいてタンニンがとても滑らか。熟成させるとさらによくなりそうです。

マイナーファミリー・オラクル
オラクルのオーナーのワイナリーだそうです。この銘柄はまさしくフラッグシップ。セパージュはCS,CF,メルロ、マルヴェック、プチヴェルド。マルヴェックまで入っているんですね。濃厚でスケールの大きなワイン。 後半はカベルネやボルドーブレンドのオンパレードだったのですが、酔いが回ってしまって、個別にほとんど覚えていません。不覚‥。

Ch.パルメ94
こういうラインアップに入ると異彩を放ちますね。やや細身ながら、綺麗に熟成しています。スーボワに加えてフローラルで華やかな熟成香。

ドミナス99
十数年たっているわりには、思ったほど熟成が進んでいないというか、まだまだ保ちそうです。

オーパスワン79
オーパスワンのファーストビンテージだそうです。かつて80年代のものを飲んで失望したことがありましたが、これは素晴らしかった。心地よく熟成してエレガトになっています。

Ch.ムートンロトシルト70
オーラスにふさわしい銘柄。シャガールラベルが、破れてしまっています。飲んでみると、酸がやや出ていて、下り坂の味わい。ミッドショルダーだったこともあり、酸化が進んだ印象です。とはいえ、果実味は残っていて、許容範囲内だと思います。

70年と言えば、かれこれ40年たっているわけで、味わいどうこうよりも、40年前のブドウを搾ったものを今こうして飲んでいる、という事実にあらためて驚きを覚えますね。
ワインって、不思議な飲み物です。
日時 2012/3/10
銘柄 ヴォーヌロマネ・オーレイニョ03(コント・リジェ・ベレール)
感想 午前中胃カメラの検査でした。

ここ数年、人間ドックでは胃の検査はせずに、別の日に馴染みのクリニックでやってもらっています。
最近、胃がキリキリ痛むことが多く、多少の不安はありましたが、内視鏡の名医と名高い(らしい)クリニックの先生の診立てでは、びらんや逆流性食道炎などがみられるものの、悪性の所見はなしとのこと。特に組織検査の類もありませんでした。

仕事を終えて帰宅すると、ちょうど先日の人間ドックの結果も郵送されてきていました。
血液検査の結果は当日の結果説明で改善著しいことが判っていましたが、他の検査についても特に大きな問題はなく、胃カメラの結果とあわせて一安心というところです。
それで、金曜日ということもあって、プチ祝いに、とセラーから見繕って開けたのが表題のボトル。 コント・リジェ・ベレールがラ・ロマネの隣に所有する一級畑です。 購入後ずっと02年だとばかり思っていましたが、コルクを抜こうと手にとってみて初めて03年だとわかりました。それと、あらためて調べてみると、この銘柄、ずいぶんと高価なんですねぇ。買ったときはそれほどでなかったと思ったんですが‥。
534012207
濃厚な色調。黒い果実のコンポートや八角、丁子、リコリスなどのスパイス、ミネラル、黒土、皮革などの香り。味わいは目が詰まっていて濃いです。VTを反映してか、黒々としていて果実味にやや過熟感があり、なんとなくボルドーチックなタンニンを感じる。飲み頃にはまだ少し早い感じですね。 こういうつくりなのか、VTの悪い面が強調されているのか、ポテンシャルと素性の良さは感じるものの、正直好みの味筋ではありません。CP的な問題も含めて、リピートはないでしょうねぇ。
日時 2012/3/6
銘柄 ラミアブル・ブリュットNV
感想 写真 1
週始めにもかかわらず、土日にワインを飲まなかったこともあって、帰宅後何かしら飲みたくなり、開けてみたのがこのシャンパーニュ。
ウメムラさんでずいぶん前に購入して、セラーに放置していたボトルです。 購入してからかなり時間が経っているせいか、泡は落ち着いて穏やかです。白桃やリンゴにアカシア、イーストなどがまざるライトで心地よい香り。味わいは爽やか系で果実味が生き生きとしています。それでいて適度なコクもあり、クリーミーな酒質には好感が持てますね。
絶賛するほどではないけれども、3k台のプライスを思えば、なかなかCPのよいシャンパーニュだと思いました。

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日時 2012/3/2
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ2009(クロード・デュガ)
感想 写真 1
90年代の終わりから2000年代の初頭にかけて大人気となったにもかかわらず、ブルゴーニュ全般のエレガント系へのトレンドの変化に取り残された格好となって、なんとなく「Out of Date」な生産者という見方をされがちなクロード・デュガ。
インポーターの急激な値上げもよくなかったですね。
とはいえ、私はずっとこの生産者には好い印象を持っていました。よく熟成するし、濃厚な酒質の奥に丁寧に作りこまれたブドウ本来の素性のよさを感じるんですよね。
最近は一時期のローヌを髣髴させるようなものから、時流に乗ったエレガントなつくりへと変わってきているとも聞き及びます。

今回開けたのは、マル源さんで以前購入したフィネスもののACブル。当然まだ早かろうとは思いつつ、追加購入の是非を見極める目的もあって、開けてみました。
グラスに注ぐと、黒味がかった濃厚なルビーの色調。香りは還元的で、赤身肉やベーコンなどの奥から黒っぽい果実とスパイス類、ミネラルなどが垣間見えます。 口に含むと、伸びやかでしっかりした酸がまず印象的で、目の詰まった緻密な果実味、キメの細かいタンニンなど、各要素がそれぞれとても高い次元でバランスされています。
果実の強い年ということで、オークの突出感は皆無、濃厚な中にも透明感を失わない酒質はさすが。
ACブルのクラスをはるかに超えた仕上がりです。裾モノながらそこそこ熟成もしそうだし、余裕のあるときにどこかで追加購入しておこうと思いました。

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