2011年5月

日時 2011/5/28
銘柄 ジュブレシャンベルタン・キュベ・ド・ラベイユ07(ポンソ)
感想 金曜日ということで、なにかワインを飲もうと、セラーをあけたら、一番手前にポンソのボトルが。てっきりキュベ・パンソンだと思って、こちらのジュブレ・キュベ・ラベイユを開けてしまいました。 0528wine2
最近の中では、淡めとさえいえる色調のルビー。
色調とは裏腹にトーンの低い果実、紅茶、枯葉、皮革、腐葉土、それに乳酸的な香りも。香りの中に馬小屋的な危うげなニュアンスがありますが、健全か果実香がそれをマスキングしています。逆に言えば、何かの拍子にバランスが崩れて、フルーツがスポイルされると、一気に不快なクサいワインと化してしまいそうな、そんな危うさがあります。
こうしてみると、香りって、いろいろな要素のハーモニーなんだなと改めて思います。
味わいはそれに比べるとずっと安定感のあるもので、クリーンな果実味をしなやかな酸がよく支えて、バランスよくまとまっています。また、この作り手らしい乳酸的な味わいと旨み感が感じられ、今の時点でも美味しく飲むことができます。

小瓶に残した二日目。
さてどう飲もうかと思いまして、まずは冷蔵庫で少し冷やして、ロブマイヤーのブルゴーニュグラスに注ぐことにしました。 このタイプのグラス、一部に熱烈な信奉者がいるようですが、個人的には使い道の難しいグラスだと感じています。
というのも、グラスが上に向かってあまりすぼまっていない上、ボウルの縦幅が狭く、香りをグラスに貯めにくいからです。 なので、我が家ではタイプIIIともどもめったに出番がないのですが、このポンソにはうってつけだと思いました。
というのも、前述のように、リーデルだと生臭いような要素が入ってしまうため、アロマがボウル内に滞留しにくいこちらの方がクリーンな香りをとれると思ったからです。 0528wine
この試みは成功でした。アーシーな要素はとりにくくなりましたが、果実香主体の健全な香味を楽しめました。アロマ主体の若いワインには、結構このグラスもいいかもしれません。 思いのほか早飲みでも楽しめた07ジュブレイ・ラベイユですが、本来なら、もう3〜4年ぐらい待つと、いろいろな表情が出てきてさらによかったかもしれません。

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日時 2011/5/26
銘柄

昔の職場の先輩と、久しぶりに東銀座の「カーヴ・デ・ヴィーニュ」へ。 この店はなんといっても料理がおいしい。それにボトルワインの価格が(絶対値はともかく)相対的に安い。店の雰囲気やサイズ感も心地よいです。 この日は横の席が男3女3の合コン?風の会で盛り上がっていました。隣のオヤジ二人はやや肩身の狭い思いをしましたが、仕事がカツカツになってきて、かなり精神的に参っていたところに、よいアドバイスをいろいろいただきました。 0524restaurant
(左上)ブータンノワール。
(右上) スターターで注文したアグラパール7クリュ。
(左中) ホワイトアスパラのババロアとホタルイカのサラダ
(右中) いわしとジャガイモのテリーヌ
(左下) リードヴォーの‥なんでしたっけ忘れました。
(右下) キャベツと豚肉のパスタ

感想 0524wine
さて、ワインは安く出ていた07ルーミエの裾モノとどちらにしようか迷って、結局フーリエをチョイスしてみました。ルーミエの07ブルは、一口飲んだことがあって、味わいが想像できたので、飲んだことのない04のこの銘柄にしてみた次第。
ソムリエさん曰く、「シャンボールにしては、カタいですよ。」
え?そうなんですか。

輝きのあるよい色調。果実味は赤系フルーツ、イチゴゼリー、シナモン、ダージリン、ミネラルなど、透明感のあるもの。熟成系の香りはまだあまり出ていません。
飲んでみると、う〜ん、たしかに骨太な感じのシャンボールですね。果実味がクリーンで要素がしっかりとせめぎあっていて、いかにも真面目に作られたブルゴーニュ、という印象。
06以降のフーリエはもっとキノコっぽい自然派系のニュアンスがあったり、艶やかさがあったりしますが、その点このボトルはきわめてオーソドックス。香りが閉じ気味なこともあって、やや面白みに欠ける面は否定できません。
でもシャンボールっぽさは出ているし、左脳で分析して、よくできてますねと褒めるタイプの味わいです。もっと右脳にダイレクトに訴えてくるものが欲しいところですが。
なんだか辛口の評価になってしまいましたが、いいワインであることは疑いありませんし、時期をずらせば、もっと開いて美味しく飲めたのかもしれません。
大満足とまではいきませんでしたが「やっぱ、ルーミエにしておけばよかった…」という後悔はなかったことを申し添えておきます。

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日時 2011/5/23
銘柄 レヴィア・グラヴィア01(カッチャ・アル・ピアーノ)
感想 0522wine
これって、そもそも何で買ったんでしたっけ?
買った動機も忘れて久しく、セラーの中でずっと寝かされていたボトルです。カッチャ・アル・ピアーノは、トスカーナの中でも名醸地として名高いボルゲリに誕生したまだ若いワイナリー(だったと思います。以前ワイナートで読みました。)
セパージュはメルロー80%、カベルネ・ソーヴィニヨン&カベルネ・フラン15%、プティ・ヴェルド5%。
ボルドーグラスに注ぐと、中心が真っ黒に近い濃厚な色調。しかしエッジはかなり緩んできています。香りは閉じ気味なのか、寡黙なものの、スワリングするうちに、ブラックベリーやカシスの火を通した感じの果実、ハーブ、墨、オーク、それにフルーツケーキのようなゴージャスな香りも出てきます。
飲んでみると、味わいはとにかく甘い。といっても残糖の甘さでなく、豊満な果実とグリセリンによる甘みです。アルコールは14%と表記されていますが、体感的にはもっと高そうな気もします。アタックのインパクトと甘さ、酒躯の大きさなど、おそらく主戦場であるアメリカを狙った味付けなんでしょう。タンニンは膨大ですが、非常になめらかでシルキー。好き嫌いが分かれそうな分、ブラインドで出題すると、ツボにはまった人は相当高額なワインと答えるかもしれません。
購入記録を調べたら、2004年10月にCantinaVinoVinoさんで買ってました。6480円。 今も8K程度で売られています。
なかなか積極的に購入しようという対象になりにくい銘柄ですが、その位の価格なら悪くないと思いますよ。
日時 2011/5/22
銘柄 クロ・デュ・マルキ95
感想 0521niku
豪勢な壱岐牛のカルビ肉をいただき、家で焼肉にしました。
あわせるワインをなににしようかということになって、乏しいセラーのバリエーションから選んだのはコレ。先だってかわばたさんのサンデーセールで買ったクロデュマルキの95年です。 最近93〜94年あたりのボルドーが破格の値段で売られていることがよくあって、今どんな味わいになっているのか、興味があります。このクロデュマルキも95年という良年ながら、5k程度で購入したものです。 0521wine
グラスに注ぐと、濃厚なガーネットの色調。かなり年代を感じる色合いですが、レンガというほどではないです。香りはドライ系で、乾燥イチジクやドライプルーン、ナツメグ、アニス類、それにホッコリとした小豆のようなニュアンスを感じます。もっと皮革や動物、あるいはスーボワ的な淫靡な香りを期待していたのですが、思いのほかあっけらかんとした香りだったのが意外でした。
味わいは大きくはありませんが、タンニンがなめらかに溶け込んで、酸が突出することもなく、各要素が無難にバランスがとれています。正直、感動するワインではありませんでしたが、値段も含め、CP的には悪くはなかったかと。
ただ、きっと蔵出しだったらかなり違った味わいだったんじゃないかな‥。若い頃から何度か旅をして疲れているのでは、とも思いました。あ、これは全く私の想像ですけどね。
日時 2011/5/20
銘柄 メルキュレ・レ・モント08(A・Pヴィレーヌ)
感想 0519wine
どうもフォルチュヌやディゴワーヌがイマイチで、あまり良い印象のない08ヴィレーヌ。このメルキュレも期待もせずに開けてみましたが‥。
ラズベリーやイチゴ、紅茶、枯葉、スミレなどのクリーンな香り。アーシーなニュアンスは皆無です。 飲んでみると、しっかりした果実味があって、酸もクッキリとしており、甘酸っぱくわかりやすい味わい。果実味にややキャンディっぽさがありますが、安っぽいというほどではなく、適度なカジュアル感とあいまって、飲みやすい仕上がりです。
これはなかなかいいですね。
ワイン会などに持参するようなものではありませんが、自宅でのんびり飲む分には満足度高いです。
ただ、ブラインドで飲むとブルとは答えないかもしれません。

↑と思いましたが、翌日になると無国籍感やキャンディっぽさも後退して、中庸を得た味わいになり、二日に亘って充分に愉しませてくれました。08年については(それぞれ1本ずつしか飲んでませんが)ディゴワーヌよりこちらのほうが好印象でした。

‥ということで、さっそく09年買ってしまいました。(^^;

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日時 2011/5/18
感想 職場の同僚と飲みにいこうという話になり、近場がいいよね、ということで、表記「ピアット・デル・ベオーネ」を再訪しました。

ピアット・デル・ベオーネ http://r.tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13113423/

ホームページ上でBYOを謳っているだけでなく、ワイン会用のプランなどもあり、ワイン愛好家には心強い味方です。 この日はアラカルトでいろいろ注文しました。 0518restaurant これ以外にピザとパスタも頼んだのですが、酔いが回るとどうしても写真を撮るのを忘れてしまいます。 持ち込んだワインは、ミクルスキのムルソーとユドロバイエ。 0518wine
ムルソー・ポリュゾ08(ミクルスキ)

まだ若いのを承知で持参しましたが、う〜む。若いということを差し置いても、イマイチでした。ファットな酒躯に、蜜っぽく甘い果実味。素直に美味しいともいえますが、一方で陰影に乏しく単調さは否めません。プイイフュッセやマコンあたりだったら、まあこんなものかなと思いますが、これでムルソー1級といわれると、ちょっと残念かなと。 TODAさんのセールで村名なみの価格で購入したものなので、値段相応といわれればそれまでですが‥。

ピアット・デル・ベオーネさん、この日頼んだメニューはどれも美味しくて、お値段はひとり5K弱とリーズナブル。ご一緒した方々にも好評でした。少人数なら、ワイン会プランよりも、アラカルトで注文したほうがCP高いですね。なお、月曜日ということもあってか、あまり杯が進まなかったので、もう一本持参したユドロバイエは預かってもらうことになりました。一ヶ月以内に再訪したいと思います。
日時 2011/5/14
銘柄 ペルナンヴェルジュレス・レ・ヴェルジュレス2004
(シャンドン・ド・ブリアーユ)
感想 0512wine
この日は飲み会が急遽中止になったので、帰宅して家で表記のワインを開けることにしました。このシャンドン・ド・ブリアーユはTODAさんのセールで購入したものです。インポーターはヴィノラム。抜栓すると、コルクが結構上の方まで染みてきていますが、熱のためというより、おそらく微妙に緩いのでしょう。状態は全く健全なものでした。
色調は明るめのルビーで、透明感があります。香りはモワッと下草系のアーシーなニュアンスに包まれた赤い果実やカシスなどのフルーツ。それにほっと安心するような枯葉紅茶系の香り。
飲んでみると、透明感のある果実味としなやかで高めの酸による安定感のある構成。オーキーな要素がなくて、酒質はとてもクリアですが、後半にかなり強めにタンニンが感じられます。それもやや粗野な乾いたタンニンなので、単体ではちょっと飲みずらいかもしれません。
このドメーヌ、過去何度となく熟成した素晴らしい古酒やバックビンテージに当たっており、良い作り手だと思うのですが、若いうちは結構硬くて難しいですね。翌日は香りが減衰してしまいましたが、味わいは渋みが溶け込んで飲みやすくなりました。
日時 2011/5/9
銘柄 エルバッハー・ミヘルマルク  リースリング・カビネット・トロッケン2009(ヴァインツァー・フォン・エルバッハ)
感想 5月だというのに、初夏のような陽気。こう暑いと、ワインも白に走りたくなります。セラーから選んだのはドイツのリースリング。
エルバッハ村といえば、「マルコブルン」(マルコの泉)が銘醸畑として有名ですが、このミヘルマルクというのは、「ミカエルの心」という意味だそうです。作っているのは地元の農協のようなところのようですね。
このワイン、かわばたさんのサンデーセールで、なんと100円で購入しました。100円といっても、他にワインを購入することが条件とか、一人一本限りとか、縛りはあったように思いますが、その辺の記憶は定かではありません。 検索してみると、通常は1000円台後半で売られている銘柄のようですね。 0508wine
予想以上に麦わら色がかったイエローの色調。グレープフルーツ、洋ナシ、白い花、それに塩ビ系の香りがします。味わいはカジュアルなものですが、しっかりした酸があって、食事にあわせやすいです。トロッケンというわりには果実由来の甘みもあって、外向的な味わいです。ただし、状態の問題もあるのかもしれませんが、全般に雑味感があるのがマイナスですね。 これから夏場に向かって、少しリーズナブルなドイツの銘柄も買い足しておこうかなと思います。
日時 2011/5/6
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ2008(グロフィエ)
感想 自宅で私が滅多にしない贅沢。それは、「前日以前に飲んだワインがまだ残っているのに新しいボトルを開けること」です。 しかしこの日はゴールデンウイーク。さしてよいワインを開けてない代わりとして、このぐらいの贅沢はしてもいいのかな、と前日のアグラパールと並べて赤を飲むことにしました。 0505wine2
とはいっても、開けたのはなんのことはないグロフィエの08裾モノ。それも2杯だけ飲んで、残りは小瓶と電動バキュバンとで翌日用に残しました。
0505wine
というわけでグロフィエですが‥。
ある意味、非の打ち所のないACブルじゃないでしょうか。ただ濃いだけの裾モノ銘柄だったら、いくつか思い浮かびますが、得てして抽出が強くエグミが感じられたり、余韻がまるで乏しかったり、色の割りに果実味がスカスカだったりとあまり良い思いをしたことがありません(スタードメーヌの高価格帯のものは話が別です)。
その点、この銘柄は、濃さや凝縮感こそほどほどながら、全体のまとまりがとてもよく、ACブルにも関わらず、口の中での表情やそこそこ豊かな余韻が感じられます。
造りはいわゆる「薄旨系」のベクトルではなくて、モダンなブルゴーニュ。プライス的にもそれほど安くはないし、良くも悪くも優等生的なところがあって、積極的に買い足したいかと問われれば、そこまでではないのですが、安定して値段なりの満足感を与えてくれる銘柄といえます。
初日はいかにも皮の厚そうなブドウから作ったなあというような、やや乾いたタンニンが目立ちましたが、翌日飲んだバキュバンのグラスでは、要素が溶け込んで味わいがなめらかになっていました。(本当は小瓶に移したものと味わいを比べたかったんですけど、この日は外食してきて帰宅が遅かったため、小瓶を開けるところまでいきませんでした。) ちなみに、グロフィエの場合、年によっては、このさらに下のパストゥグランがびっくりするほどのハイCPだったりします。

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日時 2011/5/5
銘柄 アグラパール・テロワール・ブランドブラン・ブリュット
感想 0504wine
この日は子供たちをつきみ野の フィールドアスレチックに連れていきまいsた。疲れ果てて帰って、家で飲んだのがこのアグラパール。最初赤ワインを開けようと思ったのですが、夜になっても思いのほか暑かったのと、喉が渇いていたので、自然に泡モノに手が伸びてしまいました。
アグラパールの普及ラインのこの銘柄、ラベルがそっけないのですが、プルミエクリュの畑も含まれる、「7クリュ」よりは、4つのグランクリュの区画から作られるこちらのほうが上ということになります。 また、7クリュには10年からとグラン・クリュの中でも比較的若樹のブドウが使われているのに対して、この銘柄は、4つのグラン・クリュの中でも樹齢の20年〜40年という古木のブドウを使用しているそうです。
正直、7クリュとそこまで明確に差があるようには思いませんが、CPのよいシャンパーニュであることは確かです。 デゴルジュマン後、間もないのか、炭酸がかなり強く感じられます。柑橘系フルーツやカリン、白い花、ナッツ、クロワッサンにくわえて、強めのミネラル感。酸もしっかりしており、ミネラルの強さとあいまって、味わいは端麗辛口。それでいて、充分なコクもあって、バランスのよさが出色。3千円台半ばのセール価格で購入しましたが、4K前後ぐらいでもなんら文句のない味わいです。