2011年1月

日時 2011/1/31
銘柄 ジュブレシャンベルタン・ジュンヌロワ2005(ジャンテ・パンシオ)
感想 110131wine
このところ、ジャンテパンシオを買うことはあっても飲む機会が全然ないので、05年はまだ早いかな、と思いつつも、セラーにあったこの銘柄を飲んでみることにしました。
中心に黒みがかった濃いめのルビーですが、決して暴力的に濃いわけではなくて、エッジにかけてピンクの鮮やかなグラデーションを形成しています。香りがすばらしい。カシスやブラックチェリーなどのコンポートや丁子、ナツメグ系のスパイス、黒土、鉄サビ、それに毛皮などの獣っぽいニュアンスも見られる豊かな芳香で、これだけで元をとった気分いなります。味わいは、かなり低めの温度で飲み始めたためか、最初やや乾いたタンニンが目立ちました。時間と共に果実味が前面に出てきますが、時期的なものもあるのか、やや果実味が迫力に欠けるのと、2005年にしてはグリップに乏しいのが気になりました。
翌日、香りはやや減衰したものの、味わいは果実味が前に出てきました。全般にもう少し果実味に旨みとか甘みとか、官能性が欲しいところですが、まあ村名ですからね。期待しすぎるのも酷というものでしょう。
ジャンテパンシオは基本的に好きな生産者ですが、ビンテージによってキャラクターがかなりブレるのがちょっと気になります。 村名級にしても、以前飲んだ00、01年などは癒し系だったかと思えば、02とか直近の08などはやたら濃厚な味わいでした。今回飲んだ05はどちらかというとエレガント路線でしたね。CP的にも村名クラスで5kを越えてしまうとちょっと厳しいかもしれません。

Burghound.com 88-90
An expressive nose of wonderfully fresh and bright red fruit nuanced by touches of underbrush, earth and wet stone leads to rich, sweet and full-bodied flavors that are obviously concentrated though supple and I like the detail and texture of the finish. This is very Gevrey in character with good ripeness to the structural elements. Worth a look.、 eRobert Parker.com 89 From a parcel just outside Brochon, the Geantet-Pansiot 2005 Gevrey-Chambertin Les Jeunes Rois offers aromas of bright cherry fruit with sauteed mushrooms and chalk dust. Concentrated and compact on the palate, with persistently tart, fresh cherry, impressively mouth-coating if a bit marked for now by both its acidity and slightly austere tannins, this seems to ask for at least 3-4 years in bottle. Vincent Geantet as usual bottled well before year’s end, and his wines seemed to be having a particularly expressive, fruit-filled day when I tasted. Interestingly, much as he bottles all of his wines together, so, Geantet’s barrel regimen is the same regardless of appellation: one-third each of new, one-year and two-year wood. He prolonged the pre-fermentative maceration to eight days, which seems to have enhanced the brightness of fruit exhibited by these wines. I must say I did not come prepared for quite such an impressive collection as that which Geantet delivered.
日時 2011/1/28
銘柄 0126bordeaux
RWG誌の08ボルドーの試飲をしてきました。 左岸ばかり15本ほど試しただけなので、総論を語ることは出来ませんが、残念な出来だった07年とはうってかわって、なかなかイケてると思いました。 来る09年の影に隠れて、値段も抑え目ですしね。 レビュー用に家に持ち帰ったダルマイヤックとソシマレは、さすがに若いだけあって、翌々日になっても元気でした。
日時 2011/1/26
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ2005(ユドロ・ノエラ)
感想 110121wine
とあるバーで、アラン・ユドロ・ノエラの05年裾モノが安くリストに載っていたので注文してみました。
それほど濃くはありませんが、透明感のある美しいルビーの色調です。香りがすばらしい。ラズベリーやカシスのコンポート、ダージリン、皮革、ほんのりスパイスや土っぽいニュアンスもあって、オーソドックスな熟成初期のブルゴーニュの香りがします。飲んでみると、クリーンな味わいに好感は持てますが、そこはACブル。濃縮感に乏しく、余韻も短めで、期待以上でも以下でもありませんでした。まあ、それでも香りはすばらしかったし、値段を考えればOKでしょう。なお、このボトルに関しては、状態も良好でした。(インポーターはヴィノラム)
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日時 2011/1/18
銘柄 ボーヌ2008(デ・クロワ)
感想 0111wine
状態のよいワインを飲みたいと思い、チョイスしたのがこれです。 07年からラシーヌさんも扱うようになったデ・クロワ。抜栓すると、コルクの染み込みはほとんどありません。 色調はまだ紫がかっています。07よりは濃いかな‥。といっても底が見えないような色合いではなく、透明感のあるルビーです。香りは還元的。ゆっくりスワリングして待っていると、赤身肉のような香りの奥から赤い果実のコンポートやダージリン、シナモンなどが出てきます。甘いイチゴキャンディっぽいようなニュアンスも感じられます。 低めの温度から始めたこともあり、味わいは当初乾いたタンニンがやや目立ちましたが、時間とともにふくよかさを増してきました。05年の出来を期待してはいけませんが、ビンテージを考えるとよく仕上げているという印象です。 それに状態のよさはさすがですね。翌日も、注ぎたての香りはまだ還元的でした。
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日時 2011/1/14
銘柄 シャブリ・グランクリュ・レクロ02(ドーヴィサ)
感想 1113wine
例年、子供の誕生日に生まれ年のワインを飲むことにしてきたのですが、子供がある程度大きくなってくると、誕生日当日は外食したりケーキを食べたりと、ゆっくりワインを飲めなくなってきました。なので、今年の上の子の誕生日は、前日からこのシャブリを開け、週末に赤を開けるという二本立てにしてみました。

まずはプレ誕生日祝いにあけたシャブリ。
6本まとめ買いしたうちの3本目です。 1本目はリリース後すぐに飲んだはずなのですが、本館アーカイブを見てもデータがありません。記録漏れでしょう。 2本目は初日こそ閉じていてスッカラカンでしたが3日目になって花開きました。
http://www.asahi-net.or.jp/~mh4k-sri/0808/0808.htm

ということで、2年半ぶりのドーヴィサ、どんなものでしょうか。 色調はかなり強めのイエロー。香りは最初閉じ気味でしたが、時間と共にグレープフルーツ、レモン、黄桃、キンモクセイ、ミネラル、バター、バニラ、シナモンなどの芳香が立ち上ってきます。まだ若いなかにも、モカっぽい熟成したニュアンスも出てきて、いい感じになってきました。味わいはクリーミーな酒質ながら、酸が相変わらず強め。初日は歯茎がヒリヒリしそうな酸に果実味が押されている印象でしたが、翌日になってようやくバランスが取れてきました。強靭な酸と甘く凝縮した果実のバランスはまるでレモネード。さらに熟成すれば、深みも出てきそうですが、一方でこの強い酸は結構難物だなあという気もします。次に飲むのは3年後、いや5年後ですかねぇ ちなみにドーヴィサのこのレクロ、WA誌のポイントは95点。飲み頃は2008-18年。Burghound.comは94点、2009+年となっています。正直、どちらも点数高すぎるような‥。私がつけるとしたら、せいぜい92ぐらいです。
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日時 2011/1/8
銘柄 この日は私がもっとも古くからおつきあいしている「青葉台」の方々とのワイン会でした。場所はこれまた久しぶりの吉祥寺「ボナペティ」。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1320/A132001/13005936/ 0108restaurant3
久しぶりにオーナーの西沢さんにお会いできると楽しみに伺いましたが、あいにくこの日はご不在でした。 料理は相変わらずCP抜群。
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感想

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■コングスガード・シャルドネ”ジャッジ”2008
カリフォルニア最高峰のシャルドネ「コングスガード・ジャッジ」。のっけからこれはスゴイです。まさにモンラッシェ、それも「ル・」のつく‥。石のような凝縮感とミネラル感の一方で白花束を思わせるようなフローラルなニュアンスやキラキラとした張りのある酸があります。力強さと繊細さを高次元で両立させた実にに精妙なシャルドネです。熟成させたものも飲んでみたいですね。自分のセラー用にも欲しくなりました。
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■コルトンシャルルマーニュ90(ボノー・デュ・マルトレ)
コングスガードのあとでは、どんな銘柄をもってきてもキツイだろうなぁと思っていましたが、ところがどっこい。これがまた凄かった。モカやヘーゼルナッツ系のピュアで汚れなき芳香、グラマラスで厚みのある果実味、決して強くはなく、それでいて緩さは微塵も感じさせない酸、ツルリとした球体のようなテクスチャー。それに加えてこのボトル、とにかく状態がいい。聞けばフランスからの直送品のようで、さもありなんという香味でした。
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期せずして加仏対決となりましたが、年代もベクトルも全く異なるこの2本、早くも2011年の白ワインの年間トップの有力候補になりそうです。

■グランゼシェゾー80(DRC)0108wine4
このDRC、ビンテージは80年です。80年のブルを飲むのって何年ぶりだろうかという位久しぶり。 セオリーからいえば、泡、白と来た次はこれより若いメオの赤が来るところですが、酔っ払って味わいが判らなくなる前にこちらを開けましょうということで、この順番になりました。結果的にこの判断は正しかったと思います。 中程度もしくは現在の水準ではやや淡めといってもよい透明感のあるオレンジガーネットの色調。グラスに鼻を近づけると、赤い果実のリキュールやダージリン、バラの花、それにファンデーションなどの香水チックな芳香が漂います。決して強くはありませんが、ピントがピタリとあったすばらしい香りです。国内で流通しているオールドビンテージのボトルは動物や皮革系の香りが強く出がちですが、コンディションが最上の古酒は、この手の香りはあまり出てこないんですよね。(ちなみにこのボトルもフランス直送とのこと。)味わいはピークを少し越えたぐらいでしょうか。力強さはなく、癒し系の滋味深い味わいです。といっても老け込んだ印象ではなくて、透明感のあるリキュール的な果実味がしっかりと感じられるところはさすがです。 そんなDRCも、すっかり高嶺の花になってしまいました。。今や最新VTのエシェゾーですら50K以下では買えません。かつては、オフビンならUSのオークションで20Kぐらいで落札できたものですが‥。 我が家にはもはや「訳ありボトル」しか残っていないし、この先、買うこともたぶんないでしょう。こうしてお相伴に預かる以外、出会いの機会はないと思うと、少しばかり切ないものがあります。
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■ クロ・ヴージョ96(メオカミュゼ)
私の持参品。前の3つがスゴすぎたため、かなり影が薄くなってしまいましたが、このクロヴジョ、実は結構思い入れのあるボトルだったのです。というのも、その昔↓こんなコラムを書いたことがありまして‥。
http://www.asahi-net.or.jp/~mh4k-sri/0012/column12-1.htm

これを書いたのが00年12月。
公約?通り、10年後にHP黎明期からの友人たちと一緒に飲むことが出来たのは感慨深いものがありました。
飲んでみると、酸が突出することもなく、凝縮感のある果実味を中心にした力のある味わい。精妙な80DRCの後では、やや酒質に「作りこんだ」印象を受けないでもありませんが、15年の歳月を感じさせない力強い味わいは、「まだたそがれるような年齢じゃないだろ」とワインから叱咤激励されているようでもありました(笑)。
ちなみにBurghound.comによれば、メオの96クロヴジョの飲み頃は、「Try from 2018+」、eRobertParker.comでは「2003-2010」となっています。この銘柄に関しては、Burghound.com のAllen Meadow氏の判断の方が正しかったようです。
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0108wine6
■ メトリアーク2005
ハーランの兄弟ブレンドであるボンドは単一畑ごとにボトリングされますが、その中で唯一複数の畑をブレンドしてリリースされるのがこのメイトリアック。 ボンドは一昨年の11月のハーラン会で01年飲んだことがあります。そのときの印象は果実味の凝縮感とともにカベルネらしい峻厳さも感じました。しかしこのメイトリアックは非常になめらかで柔らかく、外向的な味わいでした。ブラックチェリーやカシス、プラム、スパイス類、黒土などの焦点の定まった香りも見事。Andyさんには、毎度ご一緒するたびにカリフォルニアの印象的なワインを飲ませていただき感謝です。
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日時 2011/1/6
銘柄 ボーヌ2005(オーディフレッド)
感想 06VTが2本続けてコルクに起因すると思われる状態不良だったオーディフレッド。今度は寺田倉庫に預けてあった05年のボーヌを開けてみました。 抜栓してみるとコルクの状態は前回よりずっとよいです。が、よくみるとほんの少し漏れた形跡があるような、ないような‥。 スクリューを誤って少し斜めに刺してしまったせいもありますが、抜いている途中でコルクがポキリと折れてしまいました。 0106wine
↑結構上の方まで染みてきてますね。今回は抜栓していてもそんなにコルクが緩い感じはしなかったのですが‥。 中身の方は無事だったようで、コルクを抜くと同時に、えもいえぬ黒系果実の芳香が。おお、これですよ、これ。 透明感のあるクリアな色合い。ブラックベリーやカシス、スパイス、紅茶、それに皮革や下草っぽいブーケも感じられます。飲んでみると、緻密でクリーンな果実を中心に酸、タンニンがバランスよくまとまっており、05年らしい密度感のある酒質がお見事です。やはり健全な状態のオーディフレッドはすばらしい。
0106wine2
‥と思ったのですが、少しばかり難を言うと、飲み始めはよかったものの、チンタラ飲んでいたら最後の方はかなり落ちてきたような‥。土っぽい濁った香味やワラのようなニュアンスなどが顔を出してきて、あまり楽しめなくなってしまいました。ここいら辺は酸化の影響があるのかもしれません。
もっとも、小瓶に残した翌日も(初日の香味こそありませんでしたが)そこそこ美味しく飲むことができましたので、今回のボトルに関しては総じて及第点といってよいでしょう。
なかなか悩ましいですね。
ここまで来たら、人柱となって最近のVTも買って飲んでみましょうかね。
日時 2011/1/5
銘柄 クロヴジョ96(フランソワ・ラマルシュ)
感想 0103wine
1月分に載せていますが、実際は年末の休みに飲んだボトルです。正月休みは体調を崩してしまったため、結果的にこのラマルシュのクロヴジョが10年最後の、そして正月休み唯一のワインとなりました。
ずいぶん前にうきうきさんで「クロヴージョ飲み比べセット」と称して、ロベール・アルヌーの95年、フランソワ・ラマルシュの96年とのセットで販売されていたのを購入したものです。購入価格は当時3本で23Kぐらいでした。 自分のホームページでチェックしてみると、04年10月にモンジャール・ミュニュレを、07年12月にアルヌーを飲んでますので、あしかけ6年をかけての飲み比べと相成りました。

グラスに注ぐと、さすがに経年を感じる、オレンジのまざったガーネットの色合いです。香りはなかなか。コンポート状の黒い果実、丁子、ナツメグ、皮革、腐葉土などのアーシーで熟成した香りが立ち上ってきます。飲んでみると、かなりタニックで重々しい中にも96年らしい力のある酸がバックにあって、味わいに立体感を与えています。果実味はリキュール的にの濃縮されており、なかなか好ましい熟成状態です。もう数年寝かせても充分保ちそうですし、さらに長く寝かせた古酒の姿をみてみたい気もします。
ラマルシュ×クロヴジョという地味な組み合わせとあって、そもそも期待はしていませんでしたが、開けてみればそれなりに満足できる香味でした。 この3種飲み比べセット、購入時はアルヌーに期待していたのですが、足掛け6年の結果としては、モンジャール・ミュニュレ>ラマルシュ>アルヌー という具合でした。
まあ、アルヌーがやや機嫌を損ねたようなボトルだったということもありますがね。それにしても、よく言われることですが、クロヴジョってホントに玉石混合ですねぇ。昨年飲んだだけでも、ユドロノエラの89年やパリゾの02年のようなぶっとびワインがあったかと思えば、エスモナンやフェブレのような冴えないボトルもあったし‥。このラマルシュはここ数年飲んだクロヴジョの中では、まあ中の上というところですかね。