2010年11月

日時 2010/11/28
感想 なんどかこのサイトでも紹介している三軒茶屋のカジュアルワインレストラン「ワインと飯ボレロ」。
先日も家族で行ってきました。 カフェのようなオープンな雰囲気の店内。客は他に1組だけで、子供たちが騒いで少し迷惑だったかもしれません。 1127restaurant
写真にはありませんが、なんといってもお通しのパンが美味しい。 左上から、シーザーサラダ、アサリの白ワイン蒸し、カスレ、牛ホホ肉の赤ワイン 煮込み、カキのリゾット、デザートのガトーショコラとヌガーグラッセ。 このほかに写真を失念しましたが、ペペロンチーニのパスタと名物のスペアリブを注文しました。 1127wine
頼んだワインはマルケス・デ・グリニョンの08年。
樽タルした甘く外向的な味わい。果実味はよく熟していて、酒質はなめらか。ワインを飲みつけない女性などにも受けがよさそうです。店の価格は3千数百円でした。 ワインリストはカジュアルなものしかありませんが、値段は概ね4K以下と安価です。 お会計は上記すべてで13K程度。都心だったら倍ぐらいとられても文句はいえないでしょう。

http://r.tabelog.com/tokyo/A1317/A131706/13106901/
食べログのポイントは3.07と低めですが、サンプル数が少ないのと、開店当初のポイントとで損をしているような。もっと高い点がついてもよい店ですけどね。
日時 2010/11/27
銘柄 クロヴジョ2002(フェブレ)
感想 1130wine
先日のエスモナンに続いて、フェブレイのクロヴジョを飲んでみました。ヴィンテージは02年です。
クロヴジョというと、畑の場所が気になりますが、ドメーヌの地図を見ると、斜面の中腹がメインで、それに加えて最下部を少しというところですね。

開けたコルクは長くて材質も上々。ほとんど染みてきておらず、コンディションのよさを物語ります。
グラスに注いで見ると、濃厚なルビーの色調で、エッジもまだオレンジのニュアンスはほとんど見られません。
香りはブラックベリーなどの黒い果実やナツメグ、丁子、オレガノなどのスパイス、ウーロン茶、腐葉土や皮革などアーシーなニュアンスもみてとれます。
飲んでみると、これが硬い!引き締まった、筋肉質な構造で、外向的な要素はみじんもなく、押し寄せるようなタンニンとしっかりした酸、それに比して奥に閉じこもった果実とで、辛い(カライ)とすら感じる味わいです。やや抽出が強いのか、後半にエグミが感じられるのもキツイですね。 そういえば、ワイン飲み始めのころに飲んだ昔ながらの若いブルって、こんなのが多かったなぁと、それはそれで懐かしく思ったりもしますが、このボトルはあと最低5年は寝かさないと話にならなそうな感じです。
エスモナンの99クロヴジョがヘタリ気味だったので、続けて開けてみたのですけれども、こちらはまだまだでした。つくづく、ワインって難しいですなぁ‥。

三日目:中一日置いて飲んでみました。相変わらず粘り気のあるタンニンが優勢ですが、ひと晩おいたカレーのように、各要素がなじんで飲みやすくなっていました。その代わりに香りがすっかり衰えてしまったのが残念。
日時 2010/11/26
銘柄 ジョゼ・ミシェル・ブリュット・ロゼ
感想 このサイトのラベルの画像が見られないものがいくつかありますが、どうやら「フォト蔵」がメンテナンスをかけているようです。
HDDがオシャカにでもなったのでしょうか。それでバックアップからの復旧をしているとか‥。クラウドサービスがこれでは困ります。
1125wine

平日真っ只中ですが、たまたま外出先から直帰のため家に早く帰れましたので、ワインを開けることにしました。チョイスしたのは4000円前後で買える数少ないまともなロゼシャンパーニュのひとつ、ジョゼ・ミシェル。購入して半年ほどセラーに入れておいておいたものですが、さて、どうでしょうか。

少しオレンジ色がかったサーモンピンクの色調。気泡は細かいのですが、やや弱めでしょうか。イチゴやラズベリーなどの赤い果実中心の健全で華やかな香り。
飲んでみると、決して残糖分が多いというわけではないのですが、心持ち甘く感じます。キャンディっぽいニュアンスが甘く感じさせるのかもしれません。とはいえ、ロゼにありがちな生臭いニュアンスは皆無で、クリーンな作りには好感が持てます。コクやスケール感は期待できませんが、酸も豊かでバランスよくまとまっており、4Kのロゼとしては充分な仕上がりだと思います。もっとも、この作り手、通常のブリュットがとてもよいので、あえてロゼを買う理由はあまり見当たらない気もしますが。
日時 2010/11/25
銘柄 クロ・ヴジョ99(フレデリック・エスモナン)
感想 Photo 11月 23, 17 38 00
う〜む。美味しくないワインです。 99年のフレデリック・エスモナンはRWG誌の創刊号で試飲した懐かしいアイテム。テイスティングでそのCPの良さに感激し(当時は5000円程度でした)、自分でも何本か買い込んだのですが、その後のVT、たとえば02年なども思ったほどではなくて、いつの間にか追いかけるのをやめてしまった作り手でもあります。 このクロヴジョは、2002年に東急のセールで買ってセラーに寝かせておいたものです。
一緒に買ったリュシュットシャンベルタンは06年3月に飲んでいます。
http://www.asahi-net.or.jp/~mh4k-sri/0603/0603.htm

もう少し早く飲んであげたほうがよかったのかなという感じの、生気のない、ドロンとした香味です。黒い果実や腐葉土などの鈍重な香り。口に含むとボルドーかと見紛うほどの濃さで、猛烈にタニック。
全く杯が進みません。

最初ロブマイヤーのIIIで飲んだのですが、こちらだと乾いた土っぽい香りしか感じられず、リーデルに代えたら少しはウエットな香りが立つようになりました。
といっても、グラスを代えてどうこうとうレベルではありません。

エスモナンの特級のうち、クロヴジョというアイテムだけがイマイチで、たとえばリュシュットシャンベルタンの方を寝かせていたらもっと綺麗に熟成していたのか、それともこれがフレデリック・エスモナンという生産者の限界なのか、定かではありませんが、いずれにしてもかなりガッカリさせらました。
ちなみに、抜栓したコルクは、10年経過しているにも関わらず、下の部分以外まったく染みこんでいない、すばらしい状態でしたので、熱を浴びたというようなものではないと思うのですが‥。
日時 2010/11/27
銘柄 ブルゴーニュ・キュベ・アリナール06(ベルナール・デュガピ)
感想 1122wine
以前ウメムラさんで何本か購入したうちの1本です。 濃厚なルビーの色合いですが、エッジはオレンジ色が入っています。香りはやや黒系果実やスパイス、土、毛皮、獣臭など。購入直後に飲んだものには感じられなかったやや生臭いニュアンスが入っているのが少しマイナスですね。 飲んでみると、まだまだ強く、高めの酸を凝縮感のある果実味と豊富でなめらかなタンニンが支えます。地域名銘柄にしては高額なワインですが、それに見合う内容は充分あります。単に濃いだけのACブルなら最近よく見かけますが、これだけナチュラル感があって、余韻のあるものとなると、そうはないでしょう。まあ値段も一般的な作り手の村名並みなので、CP的には価格相応というところですが。
★ベルナール・デュガピを楽天で検索。★
日時 2010/11/15
銘柄

私がホームページを始める前から活動されているへんさんにお誘いいただいて、長年(10年以上でしょうか)続いているワイン会に参加させていただきました。
この会のことは、へんさんのサイトや安師範のサイトで毎年拝見して知っていましたが、まさか自分がご一緒できる日が来るとは思っていませんでした。
ワインに手を出した(へんさんのサイト)
どう飲めばそう食う(光弘さんのサイト)
安ワイン道場(師範のサイト)

会場は、広尾の「レヴェランス」。非常に個性的な料理を出しますね。
この日は珍しく最後の皿まで写真を忘れずに撮れました。
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当日のメニュー。各皿のネーミングも個性的です。

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■ヴィルマール・グランキュベ・ブリュット
バランスのよいシャンパーニュですね。みずみずしい果実味。酸は豊かですが、エッジは丸く、味わいはなめらかです。自宅にも1本欲しくなりました。
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■ ピノグリ2009(城戸ワイナリー)
これがファーストビンテージだそうです。なぜにピノグリ?と思いますが、土壌や気候との相性とかあるのでしょうか。飲んでみると、凝縮感はさほどありませんが、かといってシャバシャバな感じもなく、どことなくオイリーな雰囲気も。ピノグリらしいかといと微妙ですが、なかなか美味しく飲めます。市場に受け入れられるかは値段次第でしょうね。

■ ムルソー・ティレ2008(ヴェルジェ)
教科書的な、実によくできたシャルドネです。黄桃やグレープフルーツなどの果実に心地よいオークがアクセントを添えます。味わいはコッテリ系かと思いきや、思いのほか酸がスマートでミネラリーです。果実味も瑞々しく、素直に美味しいといえる味わい。ヴェルジェというと、最近はギュファンエナンのドメーヌものに目が行き勝ちですが、こちらも相変わらず手堅いですね。
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■ ピコ・マダマ 2005
本当は、もっと後の方に飲んだのですが、写真のカップリングの関係でここで紹介します。 スペインはフミーリャ産で、値段は3K前後なのにPP95点という驚きのハイCPワインです。品種はプティヴェルドとモナストレル。飲んでみると、とにかく濃い!すごい凝縮感です。アルコール度も高く、他のワインをしこたま飲んだ後には、正直ちょっと飲み疲れする強さです。それにしてもこのワイン、これで05年って‥。まだまだリリースしたてのような若さです。機会があれば、自宅で数日かけて飲んで、変化を確かめてみたいと思いました。
★楽天で検索。セラー専科さんの煽りがスゴイ(笑)★

■ドメーヌ・トレヴァロン・ルージュ99
かつて一世を風靡したトレヴァロン。最近時折バックビンテージを見かけるようになって、私も熟成したものを飲んでみたいと思っていたところでした。10年の歳月のおかげか酒躯が柔らかくなっています。鮮烈な赤系果実の含み香。たっぷりの旨みと伸びやかな酸とで、ピノっぽい透明感とトマトジュースのような独特のフレーバーがあります。これは面白いワインですね〜。たまに80年代のものも見かけますが、20年保つワインではないでしょうね。このぐらいで飲んでよかったのではと思います。
★トレヴァロンを楽天で探す。ラベルもオシャレですね。★

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■ニュイサンジョルジュ・プルミエクリュ99
(プリューレ・ロック)
おお、99年のプリューレ・ロックですよ。ラベルはまだ以前のものです。オレンジの見える色調。よく言えば松茸、悪く言えば漬物系が支配的な香りはやや疲れ気味の感がありますが、飲んでみるとまだまだ元気で、綺麗に熟成しています。タンニンは溶け込んで、酸のエッジもとれて、なめらかで丸みのあるテクスチャー。いやあ、プリューレ・ロック、好きなんですよねぇ。次回欧州から調達ときに何本か買い増そうかなどと企んでみたり‥。
★楽天のプリューレロック。タマ数ありますね★

■リュシュットシャンベルタン04(ジョルジュ・ミュニュレ)
先日欧州のショップから届いてまだ1ヶ月経っていないので、状態が落ち着いていないかも、という一抹の不安がありました。ひと口飲んでみると、木屑のようななニュアンスがトップノーズにあって、こりゃダメかな、と思いましたが、時間とともに赤い果実やミネラルやスパイス的な香りに置き換わってくれました。04年の特徴なのか、茎のような青っぽさをかなり感じますね。味わいはこの作り手のフラッグシップらしく、果実味の凝縮感と透明感を両立しており、各要素のバランスもよく、レベルの高いものでした。もう一本買ってあるので、こちらはたっぷり寝かせて見ようと思います。
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■クロヴージョ02(シャルロパン・パリゾ)
会も終盤になって、みなさんまだ飲めそうでしたので、予備に持参したワインを開けてもらうことにしました。いつもながらのパリゾ節で、パンと張った酒質の中に、甘く凝縮された果実味と豊かな酸、よく熟したタンニンがせめぎあうようにバランスをとっています。シナモンなどの含み香も豊かで、まさにピークのときに開けたということなのでしょう。持参した私自身の予想を上回るビックリワインでした。 このところ持参ワインの不調が続き、凹むことが多かったのですが、今回は2本とも喜んでもらえてホッとしました。2本目のパリゾは本当にまぐれのような当たりワインで、同じ銘柄を今開けても、おそらくこうはいかないだろうという香味でした。持ち寄り会ではいつもパリゾに助けられています。
★楽天のパリゾ。★


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■ Ch.オーバイィ90
ペサックレオニャンの目立たない格付けワインですが、これがすばらしい熟成状態でした。皮革やスーボワ系の心地よい熟成香。ふくよかで丸く甘く、それでいて目が詰まった酒質。非の打ち所のない熟成ボルドーです。あらためてパーカーさんのレビューを見てみると、
93年時点の評価は91点/飲み頃1995-2005、
97年時点の評価は92点/飲み頃1997-2012、
09年では90点/飲み頃2009-2019  になっています。
ということは、常に「飲み頃に差し掛かったところ」と感じていたということなんでしょうか?たしかに、まだ当分持ちそうですけどね。やっぱり90VTは偉大です。

■ Ch.ラフィットロツィルト86
泣く子も黙るPP100点ワイン。自分の記録を見ると、01年4月と00年11月に飲んでいますが、最近はとんとご無沙汰。というか、この頃の値段を思うと、もう飲む機会もないかもしれません。 で、このラフィット、香りが閉じもこり気味で、なかなか全貌を表わしてくれないもどかしさはありましたが、濃縮された緻密なテクスチャーはさすが1級と思わせる風格がありました。前に飲んだときにかなり木質的なニュアンスを感じたのを覚えていますが、今回も傾向は似ていて、10年分の熟成にふさわしい枯れたニュアンスが感られました。会の最後の方まで残しておいたら、香りもかなり出てきていました。 上記のオーバイィと同じく長年光弘さんが自宅で寝かせていたボトルだそうですが、手元で長年寝かせたワインというのも格別なものでしょうね。

光弘さん、へんさんはじめ、みなさんどうもありがとうございました。

日時 2010/11/10
銘柄 ブルゴーニュ05(ロベール・シュルグ)
感想 1106wine1
ロベール・シュルグって、洗練されたラベルのデザインとは裏腹に、無骨な作りをするドメーヌのような印象を持っています。
以前飲んだ06の裾モノもかなり強い作りだったので、この05ブルもすぐには飲めないだろうなと思っていたのですが、かといって、裾モノにあまりセラーのスペースを割いているのも効率が悪いし、ということで、開けることにしました。

久しぶりにロブマイヤーのブルゴーニュグラスを出してきて注ぎますと、裾モノとは思えないような濃厚な色調です。
香りはカシスやブラックチェリー、オレンジの皮、スパイス類、木質など。飲んでみると、果実味は凝縮されている一方でややエグミを伴い、案の定、酸、タンニンとも強めで、かなり手ごわい味わいです。フィニッシュに強めの収斂性を感じ、それでいて余韻は妙にあっさりとしているところに裾モノの限界を感じさせますね。
正直、感心しない味わいです。
単純に抽出が強すぎじゃないですかねぇ。
って、そんなことワイン作りに関してドシロウトの私に言われたくないでしょうけど。
日時 2010/11/8
銘柄 グレイス甲州茅ヶ竹2007
感想 1106wine2
サンマにあわせて、久しぶりに日本のワインを開けてみました。このところあまり食指の動かない国産ワインですが、このグレイスはなにを隠そう、「穂木プレゼント」企画につられて購入した赤白のうちの一本。
おかげさまで送られてきた穂木4本のうち2本が玄関のプランタで順調に育っています。

購入してから半年ほど間が開いてしまいましたが、さてどんなものかと。 色調は例によって無色に近い薄めのイエローです。 グラスに注ぐと、ソーヴィニヨンブランなどでも感じられるヒネたような香りを感じますが、イヤな香りではありません。味わいは甲州としては果実味に力があり、蜜のような甘いニュアンスすら感じられます。液体にも粘度を感じますが、酸はもう少し欲しいところかも。とはいえ、総じてエキス分のしっかり乗った、充実した甲州ワインですね。夕食が純和食のときなどのために、セラーに一本ぐらい常備しておくと重宝しそうです。 翌々日にペリエ瓶に分けた残りを飲みましたが、冷蔵庫でよく冷やしたこともあるのか、締まりが出て好感度が上がりました。初日はやや温度が高かったのかもしれません。
日時 2010/11/6
銘柄 ジュブレイシャンベルタン・レクレイ2006(カミーユ・ジルー)
感想 1107wine
ドメーヌ・デ・クロワのデヴィッド・クロワ氏が醸造責任者を務めるカミーユ・ジルー。
近年注目度を上げてきているネゴシアンです。このボトルは、いやしの酒さんで3.5Kというリーズナブルな価格で購入したもの。輸入元はBBRジャパン。ちなみに最近はラシーヌさんも扱うようになったようです。 さて、どんなものか、ということで早速飲んでみました。

落ち着いた深い色調のルビーで、エッジはかなり柔らいできています。香りは、ブラックチェリーやカシス、紅茶、スミレ、それにミルキーなニュアンスがあります。 飲んでみると、含み香が豊かで旨みがたっぷり。酸は豊かでタンニンも柔らかく、厚みのある果実味を中心にしたクリーミーな味わいは全体的にフェミニンな印象で、エッジの取れたなめらかなテクスチャーが出色です。 なんというか、ややテクニックに走っている?感じもしますが、3千円台なら全く文句のない味わいです。4K台でも問題ないですね。ラシーヌさんのものを飲むのが楽しみです。

★楽天でカミーユ・ジルーを検索。★