2010年10月

日時 2010/10/27
銘柄

この日は、私ごときが通常ご一緒できないような、やんごとなき取引先の方からお招きいただき、滅多に経験できないようなすばらしいワインたちをお相伴に預かりました。
1026wine1
■アムール・ド・ドゥーツ・ブランドブラン99
ドゥーツのブラン・ド・ブラン。飲むのは初めてです。 すばらしく綺麗な作りですね。エレガント。99年とかなり年数を経過しているはずなのですが、気泡も勢いがあり、味わいも若々しいものです。適度なコクとブランドブランらしい爽やかさが高い次元で両立しています。雪が溶けてゆくような静かで調和のとれたフィニッシュ。

1026wine2
■シレックス01(ディディエ・ダグノー)
久しぶりに飲むシレックスです。といっても、今までは試飲やブラインドなどの場が多く、じっくりと飲む機会はあまりありませんでした。 中程度のイエローで、かすかにグリーンがかった色調。シトラス、青リンゴ、レモン、ミネラル、それにハーブなどの清々とした香りは10年の熟成をあまり感じさせない若々しいものです。飲んでみるとミネラリーで、みずみずしく、それでいて凝縮された果実味がすばらしい。酸にはキレがありますが、エッジはどこまで丸くなめらか。繊細さと構造の大きさ、なめらかさとシャープさという一見二律背反するような要素を高い次元で両立させているのはさすが。 過去に飲んだすべてのソーヴィニヨンブランの中でも最高峰の味わいでした。 ご当主ディディエ・ダグノー氏が08年に飛行機事故で亡くなったのはまだ記憶に新しいところですが、若干21歳の息子さんがドメーヌを切り盛りしてるとのこと。がんばって欲しいですね。

私が赤白持ち込んだうちの白は、少し捻ってこのワインにしてみました。
1026wine3
■コルトンシャルルマーニュ02(ルーミエ)
コルトンシャルルマーニュ。ただ、このルーミエ、持ち込むにあたって、ちょっと心配な面もありました。 通常、ブルに関してWA誌の点数を気にすることはないのですが、たまたまこの銘柄の点数を調べてみたところ、この年だけ妙に低いのです。
2006 94-95
2003 94
2001 90-91
2000 91
1997 93
といった中で、なぜか2002年だけが88点。 もともとペルナンベルジュレス側のあまり恵まれない立地ということで、ぶっ飛ぶような点数がつく銘柄ではありませんが、そこは腐っても02ルーミエだし、試飲時のボトルがたまたま機嫌が悪かった可能性もあるだろうし、と額面どおり受け取りはしませんでした。 結論から先に言うと、このWA誌の評価はかなり的を得ている感じでした。 かなり麦わら色がかった濃いイエローの色調。シレックスの後だけに余計麦わら色っぽさが目だちます。香りは白桃や黄桃、黄色い花、ミネラル、マロン、それにほんのりモカっぽいニュアンス。飲んでみますと、酒質はなめらかですが、全般にこじんまりとしており、特に中間部の細さが顕著です。悪いワインではありませんが、ルーミエのネームバリューを背負ってしまうとかなり苦しいかな、というところ。前飲んだ別のビンテージはもっと素晴らしかったんですけどね。今回ばかりはWA誌の点数を信じるべきでした。


さて、赤白事前に持ち込んだうちの赤は、「クロサンドニ95(デュジャック)」だったのですが、これがなんとブショネ。 早めに抜栓した時点でそれと判ったのですが、それほど重度のブショネというわけでもなく、一方でデュジャックらしい絡みつくような芳香も顕著だったので、時間を置けばなんとかなるかなと思ったのですが、ダメでした。 実はこのボトルをチョイスした際、なんというか、嫌な予感はしたんですよ。もちろん外見からそれと判るものではないのですが、ボトルを手にした際に、なんともいえない不安感のようなものが拭いされなかったんです。予知能力ですかねぇ?(--; ということで、当日予備に持参したボトルを急遽抜栓してもらうことに。
1026wine4
■クロ・ド・ラ・ロッシュ02(ジャッキー・トルショー)
どなたかのブログで、トルショーの02ロッシュがよく開いていた、という記事を読んで持参してみましたが、たしかに当日運搬のハンデにもかかわらず、このボトルも健闘してくれました。
まだまだ熟成のピークにはほど遠いレベルですが、第一次飲み頃といってよいのではないでしょうか。凝縮された赤い果実のコンポートや紅茶、ミネラル、それにほんのりとスーボワや下草のニュアンスも入って、酒躯自体には硬さを残しつつ、しなやかな酸となめらかなタンニンとのバランスが絶妙で、相変わらずナチュラルで豊かな味わいです。 05年の陰でやや存在が薄いようですが、02年ってやはり良い年だと実感しました。密度感と張りがあって、05ほど筋骨隆々系でなく、外向的で近づきやすい香味。あまり閉じこもることもなく、比較的飲み頃に寛容な年という印象もあります。 といっても、トルショーさんの02特級となると、前述のように、やはりまだ飲むにはもったいないですね。寝かせることによって、きっと蛹が羽化したかのような、より官能的で複雑な姿を見せてくれると思います。何本か手元にあるならよいのですが、虎の子の1本でしたら、当分寝かせておくことをお勧めします。

■シャンボールミュジニー・レザムルーズ89
  (ジョルジュ・ルーミエ)
1026wine5
ジョルジュ(クリストフ)ルーミエを嫌いなブルゴーニュ愛好家というのはあまりいないかと思います。かくいう私もルーミエ好きのはしくれと自認しておりまして、子どもの生まれ年には結構な数のボトルを買い込んだものです。
ところが、日ごろの行いが悪いのでしょうか、スカスカで全然ダメ、というボトルこそ滅多にない代わりに、飲み頃、状態など、微妙にスイートスポットを外れているなぁと感じるボトルに当たることが少なくないのです。(単に我慢が足りないだけかもしれません。)
私の場合、単純な「打率」でいうと、アルマン・ルソーやデュジャックのほうが素直に感動できるワインにめぐり合える場面が多いように感じています。(あくまで私の経験に限っての話です)

しかし、今回飲んだ89アムルーズは、まさに完璧な1本でした。

オレンジ色のニュアンスが顕著な、艶々としたガーネットの色調。グラスに鼻を近づけると、リキュール状のカシスやラズベリー、ダージリン、ミネラル、黒蜜、皮革、スーボワなどが押し寄せるように立ち上がり、この時点で、直前まではあれだけ美味しいと感じていた02トルショーのグラスには戻れないことを悟ります。 飲んでみると、甘く旨味の乗った、エキス分タップリの果実味が口の中に広がります。状態もよいのでしょう、酒質のクリアさとミネラル感が際立っています。球体のような構造と延々と続くアフター。もはや酸がどうタンニンがどうなどといっている次元ではなく、完全にノックアウトものです。ひれ伏して飲むべきワインです。
この先、同じ銘柄を飲む機会はまずないだろうとは思いますが、おそらく同一銘柄を飲む機会があったとしても、このボトルのような次元までは期待できないのではないでしょうか。
もともとのポテンシャルに加えて、保存状態や飲み頃などの偶然が重なって、まさに山の頂のようなピーク時に出会うことがかなえられた、一期一会という言葉がまさにあてはまるような会心の一本でした。

日時 2010/10/26
銘柄 ヴォーヌロマネ・シャンペルドリ06(オーディフレッド)
感想 ユドロバイエの06村名がやや期待値を下回っていたので、同じく新ブルゴーニュの旗手であるオーディフレッドの同年シャンペルドリを開けてみました。
1024wine
キャップシールを剥がすと、コルクがやや陥没しています。抜栓してみるとどうやらコルクが少し緩いようです。あまり力をかけずに抜けてしまいましたし、側面まで液体が回り込んだ跡があります。

グラスに注ぐと、前日のユドロバイエよりしっかりした色調。しかしこちらもエッジはかなり緩んで来ています。香りは、かなり閉じ気味。食事が終わる頃になってようやく火を通した黒い果実やスパイス類、杉の木、などのニュアンスがほんのり出てきた程度。
味わいもかなり硬めで、木質的な要素が強く、色気が感じられません。タンニン、酸ともに相対的に強めで、酒質はなめらかとは言い難く、筋張った肉を食べているようなもどかしさを感じます。後味のジワジワとした酸のフィニッシュも調和を乱しています。
う〜む。これが実力なんでしょうか?
時期的な要素(閉じている?)もあるのかもしれませんが、かなり不満の残る香味です。もしくはコルクの状態からして、コンディションが万全でないのかもしれません。ボトル半分小瓶に残しましたので、最終判断は翌日の状態を見てからにしようと思います。

翌日:やはりダメです、このボトル。飲めないということはありませんが、微妙にマディラ風味が出てしまってます。コンディション不良ですね。おそらくコルクの欠陥では‥。 でも、レストランなどでは、このレベルでは返品できなきないんですよねぇ。難しいものです。
日時 2010/10/23
銘柄 シャンボールミュジニーV.V06(ユドロ・バイエ)
感想 1022wine
05VTの頃のユドロ・バイエのヒートアップぶりはすごいものがありました。ショップに出れば瞬間蒸発の連続。結局私も楽天では買えずに、友人から紹介してもらったショップで何本か購入したものです。06年は05ほど入手困難ではありませんでしたが、まだまだ人気はありました。ところが07年になりますと、デュジャックなどとともに某誌で「負け組」と評されたこともあるのでしょうか、明らかに在庫がダブついている風でした。08年も同様で、フラッグシップのボンヌ・マール(これだけは相変わらず入手困難です)以外は、検索すればふつうに見つかりますし、値段も1級で7K弱と穏当な範囲に収まっています。

ところで、このユドロバイエ、若いうち飲めば美味しいことは何度も飲んで経験済みですが、熟成能力についてはどうなんでしょうか? 今回開けたのも06年の村名とまだまだ若いのですが、リリース当初に比べてどうかに注目して飲んでみました。

グラスに注ぐと、決して濃いとはいえないルビーの色調で、エッジのグラデーションがかなり和らいできています。香りはラズベリーやカシスのコンポート、紅茶、小梅などに加えて、皮革や下草系のニュアンスが出てきています。 飲んでみると、ややトーンが高めの味わいで、クリーンで明朗な果実味をじんわりした酸となめらかなタンニンが支えています。あまりワインを飲みつけていない人でも素直に美味しいと言いそうな、柔らかく、優しく、甘く、旨みの乗った外向的な味わいなのはは相変わらずですが、一方で、全体の構造のカチッとしていた部分が緩んで、ややダルな印象を受けます。

リリースから2年経過している頃ですと、ボトルによっては、閉じこもったりして難しい時期に入っているものもあります。このボトルは、そういう手強さや気むずかしさはないのですが、正直、熟成というよりも、単に減衰という要素の方を強く感じてしまいまうのが悩ましいところです。1級クラスになるとまた違ってくるのでしょうか?

★楽天でユドロバイエを検索。★
日時 2010/10/16
銘柄

やや古新聞になってしまいましたが…。

90年のブルを絶賛する人は少なくないとますが、かくいう私もその一人です。豊かで密度感のある果実味、スケール感のある構造、それでいて各要素が丸く、マスキュランというよりは総じてフェミニンな味わい。いつ開けても美味しく飲める点もいいですね。 ただ、そんな飲みやすさが災いして、我が家の90年のストックもセラーから消えて久しいものがあります。20年経過した今となっては、たまに出物があっても高いし、出所がしっかりしていないとリスキーだし、ということで、なかなか飲む機会もなかったところに表題の会にお誘いいただいたので、二つ返事で申し込ませていただきました。
90winekai3

■シャサーニュモンラッシェ・リュシュット90(ラモネ)
のっけからノックアウトされてしまいました。黄金色がかった、充実した色調。リンゴや白桃のリキュール的な果実、ミネラル、シナモン、それに重油香的なニュアンスがあります。飲んでみると、クリーンで凝縮された果実味をエッジのとれたなめらかな酸が支え、エッジのとれた丸いテクスチャー。口中で含み香が波が寄せるように広がります。熟成したシャルドネでよく見られるモカっぽい香味でなく、なんというか青リンゴのような、リキュールのような、どことなくリースリングっぽいような、独特のフレーバーを感じます。って、うまく表現できるだけのボキャブラリーがないのがもどかしいのですが、とにかくこのボトルはすばらしかった。今年飲んだ白の中では文句なく一番でした。
★ラモネを楽天で探す

90winekai2
■クリスタル90
90年のクリスタルといえば、10年ほど前にロゼをワイン会に持ち込んだことがありますが、それを最後に口にしてませんでした。今となっては、おいそれと買えるようなプライスではないので、また飲む機会に巡り合えたのは幸運でした。 やや麦わら色がかっているものの、まだまだ若々しい色調。ただし、気泡は穏やかになっていて、年月を感じさせます。口にしてみると、思いのほか若々しい味わいなのが意外。といっても豊かな含み香や抑揚、質感のある酸など、さすがというか貫禄の味わいです。そういえば、今の自宅に引っ越した時、お祝いに飲んだのがクリスタルの2000年でした。さすがに90年というわけにはいきませんが、ユーロ安ということもあり、安く出ているのがあれば、記念日用に1本セラーに常備しておいてもいいかな、なんて思いました。
★楽天でクリスタルを検索★

■ブラインド。ただし、90年の村名、というヒントあり。
濃いです。濃厚なガーネット。リキュール的な赤い果実が鮮烈で、紅茶や枯葉、スパイス、それに下草系の熟成香が絡みます。飲んでみると、果実味に凝縮感があり、まだ熟成しそうです。オークはよく溶け込んでいますが、リリース時にはかなり強めにかけられていたのだろうなという片鱗を感じます。ブルゴーニュ、コートドニュイというところまでは出てくるにしても、そこから先がさっぱりわかりません。ニュイサンジュルジュ?‥だとすると作り手が見えてこないなぁ。ルジェ?ルロワ?
90winekai4

→正解:シャンボールミュジニー90(コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ)
なんと、ヴォギュエの村名でした。それにしても濃かったなぁ。90村名にしてこの強さ。ヴォヴォギュエってこういう香味でしたっけ?正直、このボトルの味わいは、私の頭の中にファイリングされていない類ものものでした。通常銘柄がオープンになると、えもいえぬ敗北感(笑)を感じるのですが、今回はそれすら感じませんでしたね。学生のとき、テストの問題が難しすぎて、出来なくて当然でしょ、と開き直っているような気分。
★楽天のヴォギュエ。タマ数ありますね。★

メイイベントはリュシュットシャンベルタンの飲み比べです。 90winekai6
■ リュシュット・シャンベルタン90(ジョルジュ・ミュニュレ)
全ブルゴーニュの中でも、私の最も好きなアイテムのひとつ、ジョルジュ・ミュニュレのリュシュット・シャンベルタン。それも90年を飲むのは初めてです。 状態いいですね。赤い果実のリキュール、枯葉、紅茶、下草、ミネラル。味わいはクリーンで凝縮された果実味が印象的です。酸もしっかりしており、立体的な構造が見事。ほぼピークに近い熟成段階ですが、まだ余力を残していそうです。あえてケチをつけるとすれば、想像したほど官能的な要素が出ておらず、やや優等生的な面も感じますが、それは次の銘柄と比べた場合の、きわめて高い次元の話。年に一本飲めるか飲めないかというレベルの文句なくすばらしいワインです。もう一度飲む機会は、ないでしょうねぇ。。
★楽天でジョルジュ・ミュニュレ/ミュニュレ・ジブールを検索★

ジョルジュ・ミュニュレとの比較で出されたのがコチラ。 90winekai7

■リュシュットシャンベルタン(ボンヌフォン=ルーミエ)
ルーミエがメタヤージュで作る、ボンヌフォン名義のリュシュットシャンベルタン。 いいですねぇ。果実は赤と黒の中間ぐらいでしょうか。紅茶や枯葉、スパイス、皮革にまじって、ややワイルドな獣臭を強く感じる香り。口に含むと、力強く凝縮された果実味をまず感じますが、酒質はどこまでもなめらかで角がとれています。ルーミエらしく旨み感の乗った、ナチュラルで官能的、かつスケールの大きな味わいです。 実のところ、私自身少々意外でした。天下のルーミエといっても、ボンヌフォン名義のリュシュットということで、ジョルジュ・ミュニュレの看板銘柄にはかなわないだろうと思っていたのですが、なんのなんの、十分互角に渡り合っているどころか、こと酒質のなめらかさやナチュラル感に関しては、ジョルジュ・ミュニュレを上回っていると感じました。 唯一、惜しかったのは、このボトル、微妙に菌(おそらくブレタノ)に犯されたニュアンスがあったんです。香味を大きくスポイルするほどではなかったのですが、この点だけが返す返す惜しい。「画龍点睛を欠く」とでもいうのでしょうか。それさえなければ、一緒に飲んだジョルジュ・ミュニュレを完全に凌駕して、私が過去飲んだ全ワインの中でも屈指の経験になっていたと思うのですが‥。

日時 2010/10/13
銘柄 モレ・サンドニ08(クリストフ・シュヴォー)
感想 1013wine
中程度のルビーで若々しい色調です。香りはラズベリーやカシス、紅茶、アセロラ、イチゴゼリーなどの透明感のあるもの。飲んでみると、樽を感じさせない、柔らかくクリーンな果実味が好印象です。じわじわとした酸が目立ちますが、酸っぱいというほどではないし、タンニンもなめらか。オーソドックスなブルゴーニュ好きな人には、ツボにはまりそうな、ナチュラルで素性の良さを感じさせる香味。最近飲んだ中では、先日の08A・Pヴィレーヌに似ています。
ただ、その一方で、キャンディっぽいニュアンスや奥行きの乏しさなど、08ビンテージの弱さを素直に反映してしまっている面もあり、4〜5Kのプライスだとちょっと厳しいかなと思います。もっと良いビンテージなら、すばらしい仕事をしそうな気もするし、この1本だけではなんともいえませんね。機会があれば、別の銘柄やビンテージも飲んでみたいと思います。
日時 2010/10/10
銘柄 昔からのワイン仲間のしまパンダさんのワイン会で直前にキャンセルが出たというので、潜り込ませてもらいました。

テーマは03&ルロワ。場所は白金「OREXIS」。

03年というと、WA誌の点数こそ高いのですが、「酸が緩い」「焦げたフレーバー」など、ブルゴーニュ愛好家にとっては評判のよくない年です。 おそらく市場に出物があっても、積極的な購入候補にはなりにくい。そんなビンテージではないでしょうか。

一方で03年という年は私にとっては特別な年なのです。
何度もブログに書いてあるとおり、下の子の生まれ年だからです。 ブルの優良年ということで大量に買い漁った上の子のVT(2002年)と違ってこちらは、在庫の本数も少なく、そのほとんどを寺田に預けっぱなしのため、家のセラーにもほとんど03年のワインはありません。
そのうしろめたさのため、というわけでもありませんが、最近、ユーロ安もあって安く見かける03年のバックビンテージの追加購入を視野に入れて、03年の育ち具合を確かめてみたいなと思いつつ、参加してみました。

■NV Champagne Krug Grand Cuvee
ウマイです。としか言い様がありません。日頃飲んでいる安泡とはやはり別の次元ですね。(一流どころをめったに飲まないこともあり、実のところ、私の泡モノに対するボキャブラリーは貧困です。)

■2003 Puligny Montrachet 1er Cru Clavoillon/Dom.Leflaive
■2003 Bienvenue Batard Montrachet/Dom.Leflaive
ビアンビニュ・バタール・モンラッシェがすばらしい。凝縮された果実味とそれを支える(豊かな、とまでは言いませんが)必要にして十分な酸。クラヴァイヨンの方は、それと比べてしまうとやや凝縮感と酸の力強さに欠ける印象で、ややビンテージのネガティブな要素が反映されている感がありました。
★ルフレーブを楽天で検索★

■2003 Corton Charlemagne/H. Boillot
アンリ・ボワイヨの03年。楽しみにしていたボトルですが、案の定、すばらしかったです。ピンと張った力のある酸とキラキラしたミネラル感。それでいてエッジのとれた酒質。バランスよくまとまっていて余韻も長い。この日の白の中で個人的にもっとも気に入った一本でした。
★楽天でアンリ・ボワイヨを探す★


■2003 Corton Charlemagne/Faiveley
残念。痛恨のブショネでした。ただ、アンリ・ボワイヨがまだ若々しい色調だったのに比べて、こちらはかなり麦わら色がかっていて、熟成が進んだ印象でした。もしブショネでなかったとしても、アンリ・ボワイヨのレベルを超えられたかというと微妙かもしれません。状態の問題なのか、この年のフェブレイの造りがこうだったのかはわかりませんが。
銘柄 03winekaismall 赤はルロワの赤キャップばかり3本。

■2003 Nuits Saint Georges/Dom.Leroy
■2003 Savigny les Beaune Narbantons/Dom.Leroy
■2003 Chambolle Musigny les Fremieres/Dom.Leroy

どのボトルも、赤いフルーツのコンポートや花束、シナモンなどの香りに、凝縮されたクリーンな果実味と奥深い構造があり、すばらしいです。まだ若さを残しつつも、下草や皮革っぽいニュアンスが加わり、飲み頃に入っていることを伺わせます。 やや意外なことに、この中では、サヴィニー・レ・ボーヌのナルバルトンが一番の味わいでした。他の2本はおそらく単体で飲めば十分すばらしかったのでしょうけど、比べて飲むと、香味に雑味感がなく、どこまでもクリーンなナルバルトンに抜きん出たものを感じました。
これは、ナルバルトンがもっとも熟成のピークに近かったのかもしれませんし、あるいは流通経路とか、たまたまその時点のボトルの機嫌?とか、そういった違いによるものと思われます。

まあ、赤がルロワだけでしたので、一般化して語るのには厳しいものがありますが、白でもアンリ・ボワイヨのようにすばらしい仕上げのボトルもありましたし、03年もなかなか捨てたものではないなと思いました。
「作り手を選べば美味しいものがある」というのでは、あまりに総花的な結論ですが、まあ結局そういうことなのでしょう。

我が家のセラー用にと、帰宅してさっそくドメーヌ・ルロワの在庫を検索してみましたが、価格を見てすぐに断念したことは言うまでもありません。
★ドメーヌルロワを楽天で検索★
日時 2010/10/6
銘柄 サヴィニー・レ・ボーヌ・ラヴィエール(ルイ・シュニュ)
感想 101007wine
飲む前から、「これはダメそうだな〜」とか「美味しくなさそうだな〜」という予感めいたものを感じてしまうボトルがあります。何度か失敗している作り手とか、不安に感じるインポーターやショップ経由のものとか、はたまたラベルやキャップシール周りから醸し出される雰囲気とか‥。

開けてみると、これが大逆転!ということも稀にあるのですが、大抵は予想通りの結果に終わります。
このルイ・シュニュはまさにそんな1本で、セラー最前列にずっと置かれていながら、どうしても手が伸びずに今まで飲まずにいたボトルです。 理由は、以前飲んだ同じ作り手のボトルに全く光る部分を感じなかったことにあります。
一見平凡そうな中にも何かしら光るものがある作り手っていますよね。最近では、デ・クロワ、アニェス・パケ、フランソワ・ジェルベ、ジャン・タルディ、オーディフレッドなどにそういうものを感じます。
ところが、前回飲んだルイ・シュニュにはそういうものが全く感じられなかった。
だったら買うなよ、といわれてしまえばその通りなんですが、このボトルはたまたま本数合わせのために入札したリカワさんのオークションで2k台で落とせてしまったものなのです。
安く落札できたボトルなので、あまり文句を並べるのも気が引けますが、抜栓してみると、案の定、1級にしてはなんとも凡庸な香味なんですよねぇ。 最初のうちは香りも閉じ気味で、味わいは酸が際立ちます。赤系の果実味もそれなりにあるので、酸っぱい味わいに終始するわけではありませんが、各要素が角張った感じでギスギス感があり、飲んでいて楽しくありません。 ボトル中盤に差し掛かる頃になると、赤い果実や下草系の香りが開いてきて、味わいもふくよかさを増してきますが、それでようやく普通のブルゴーニュというところでしょうか。

どうなんでしょう?このボトル。
1.そもそもルイ・シュニュという作り手がこの程度のものである。
2.ルイ・シュニュの作りのベクトルが私の嗜好と合わない。
3.モダンなラベルと裏腹に若いうちは魅力を発揮しずらい長熟の作り手である。
4.ボトルの状態が悪かった。

まあ、「3」の可能性も排除できないのですが、もう一度買って寝かせてみようという気にはなりませんねぇ。
日時 2010/10/4
銘柄 ボーヌ2005(デ・クロワ)
感想 101004wine
ラシーヌさんが扱うようになって、俄然注目されているデ・クロワ。カミーユ・ジルーの醸造担当としても名を馳せています。 この日は、やや中途半端な時期かなと思いつつ、05年の村名を飲んでみることにしました。
それほど長くはありませんが、そこそこ質感のあるコルク。色調は真っ黒というほどでないにしても、かなり濃い色調のルビーです。グラスに鼻を近づけると、かなり白胡椒、丁子などのスパイシーなトップノーズ。空気に触れるに連れて次第に凝縮した黒い果実香、オレンジピールのような香りが出てきます。口に含むと、濃縮感のある果実味のアタック。酸、タンニンとも豊富ですが、エッジが丸く、しなやかな味わいです。さすが05年だけあって、近年のビンテージから考えられないぐらい濃厚な構造の中にも、たっぷりとした旨み感と甘い果実味があって、食事なしでもグイグイ飲めてしまいます。 いやあ、、やっぱ、イイですわ、デ・クロワ。
05年はまだラシーヌさん扱いではありませんが(このボトルの輸入元はBBR)、とりあえず状態に問題はないと思います。
楽天某所で05年がまだ残っていた(しかも1級で5K以下)ので、さっそく追加購入しました。

★デ・クロワを楽天で検索。★
日時 2010/10/2
銘柄 昔の職場の先輩と銀座のワインバー「ラ・ニュイ・ブランシュ」に行ってみました。 照明を落とした店内はムードがあって、我々のようなオヤジ二人だと浮いてしまうかなと思いましたが、意外に客層は似たような年代の方が多かったような‥。 ワインバーといっても、料理メニューはかなり充実していて、本格的です。 101001winbar1
※ポルチーニのパスタもいただきましたが、写真撮り忘れました。 分厚いワインリストがありますが、店内の照明の暗さと細かい文字とで、私の老眼では判読不可能。この日はグラスで注文することに
しました。
100101winebar2

■シャンパーヌ(写真撮り忘れ、銘柄失念)
■ルーセット・ド・サヴォワ・フランジー(ブリュノ・リュパン)
■ピノ・ブラン・トロワ・カー・エル(ジェラール・シュレール)
■ポマール 1Cru プテュール08(ドメーヌ・ルジューヌ)

残念ながら、どれも前日(以前)の抜栓のボトルばかりだったようですが、この中では、ルジューヌが激ウマでした。いつのまにかラシーヌさんが扱うようになっていたんですね。

★ルジューヌのワイン。楽天ではあまりありませんね。★

ラ・ニュイ・ブランシュ
http://profile.ameba.jp/la-nuit-blanche/