2010年9月

日時 2010/9/29
銘柄 トワベー・エ・オウモン2007(ジャン・クロード・マス)
感想 100929wine
自宅でレトルトのハンバーグ(デミグラスソース)に併せて。 中心に黒みがかったルビーでエッジはまだ紫色が残っています。香りは比較的シンプルで、凝縮した黒い果実のジャムやグラスハーブ、スパイスなど。飲んでみると、パワフルな果実味の第一印象。ジャミーではありますが、ベタっとしていないところは好感がもてます。タンニンは柔らかく熟しており、テクスチャーはなめらか。酸もしっかりしているため、味わいに立体感があります。時間とともにクリーミーさが出てきて、バランスも向上します。状態も良好。 全般に、やや飲み疲れるところもありますが、充実した果実味を中心にしたシンプルな美味しさがあって、仕上げに作り手のセンスを感じるワインです。 ワインバーでこれを飲みたいとは思いませんが、ワインが主役でないカジュアルなレストランや居酒屋などでこういう銘柄を飲めると嬉しくなるでしょうね。 個人的には、もう少しエレガント路線にふってくれないと、デイリー用にリピートするところまではいかないかな。そう感じるのは私が歳をとったせいかもしれませんが‥。

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日時 2010/9/27
銘柄 ジュブレイシャンベルタン・キュベ・ド・ラベイユ05(ポンソ)
感想 連休最終日は自宅でポンソの村名を開けました。 ポンソは個人的にもっとも好きな作り手の一人ですが、やや当たり外れが大きいのが玉にキズです。今回は05年ということで、村名とはいえ、ちょっと早いかなと思いながら抜栓してみました。 100926wine 色調は濃いルビーです。ふつうはもっと透明感のある色調だと思いますが、05年だけあって、さすがに底が見えないですね。香りがすばらしい。黒い果実のコンポートや黒糖、スパイス、枯葉、ダージリン、皮革などの陶然とするような香りで、ジュブレイらしい鉄や赤サビっぽさもきっちり感じられます。味わいは酸基調で、凝縮感のあるピュアな果実味を豊かな酸と少しザラッとしたタンニンが支えています。繊細というよりはきっちりとした構造があって端正な酒質です。口の中で抑揚があり、適度な旨み感や熟成感もあいまって、初期の飲み頃にさしかかってきている印象。一般的には、やや酸が強いという評価になるかもしれませんが、個人的には好みのスイートスポットど真ん中の香味です。 いやぁ、やっぱよいです、ポンソ。あたれば、ですけど。 最近のVTの同銘柄を何本か買い増そうかと思い始めているのですが、期待して購入すると、結構ハズすんですよねぇ。それがポンソの悩ましいところです。(笑) ★ヴェリタスさんにラベイユの06、07年あります。2本で10K強。★ ★楽天でポンソを検索。★
日時 2010/9/25
銘柄 ヴォーヌロマネ・クロ・ゴワイヨット03(プリューレ・ロック)
感想

100923wine
四連休ということで、少しは良いワインを開けてみようと思い、セラーの中から表記のボトルを取り出してきました。 プリューレ・ロックといっても、以前はほとんど関心がなかったのですが、昨年某誌のテイスティングで水平試飲した07年がドメーヌ直送のボトルだったこともあってか(実のところそれが大きいのかもしれませんが‥)想像以上にすばらしく心に響くものがあったので、それ以来安く出ているボトルを時々購入するようにしています。
このボトルは、ヒグチワインさんのセールで購入したもので、お値段は11Kと看板銘柄のひとつであるクロ・ゴワイヨットにしてはかなり割安な価格でした。
抜栓してみると、コルクは健全な状態。上部に全く染み込んでいないところをみると、急激な温度変化や極端な高温環境には晒されていないようです。ロブマイヤーのブルゴーニュとリーデルに注いでみると、色調はかなりくたびれた色調のガーネットで、全般にやや濁りを感じます。黒い果実やリコリスなどのスパイス、シャンピニオン、なめした革、出し汁、漬物などの、らしさ全開の香りですが、芳香力自体は期待したほどではなく、ややピークを越えているかな、という感じもあります。飲んでみると、凝縮感はさほどではないものの、旨みは充分乗っており、各要素のバランスもよく、ナチュラルな酒質。ひっかかりのない、独特のスルリとした喉越しは、私が普段飲んでいるブルゴーニュとは明らかに異なるものですが、反面、ややグリップに欠ける物足りなさも感じます。それと、澱がスゴイですね。

小瓶に残した翌日、衰えるかと思ったら、意外に酒質はしっかりしていて、香味も初日よりオーソドックな感じになっていました。 それにしても、悩ましい作り手です。過去に結構熟成したものも飲んでいますし、自然派の作り手の中では、よく熟成する方だと(個人的には)思っているのですが、今回のボトルは、ピークを越えてやや下り坂に入りつつあるような香味でした。二日に亘って美味しく飲めたのでよしとしたいところなれど、通常売られている15K超のプライスでは、ちょっとリピートは厳しいかな、と。
まぁ、看板畑のひとつとはいえ、やや過大評価されている銘柄のように思いますので、7年経過していれば、こんなものなのかな、という気もするし、03年というVTの限界もあるのかな、という気もするし、状態は決して悪くなかったとはいえ、より繊細な扱いをするインポーターだったらどうだったのかな、という気もするし‥。 03年は、寺田にNSGクロデコルヴェを預けてありますが、こちらも早晩飲んでみようと思います。

日時 2010/9/16
銘柄 ブルゴーニュ・ピノファン07(ジャンテ・パンシオ)
感想 100914wine
個人的に気になっているつくり手のひとり、ジャンテ・パンシオの07年。ACブルですが、品種はピノ・ファンです。三吉屋さんの1周年記念セールで、なんと1600円という破格のお値段で購入できました。 07年の裾モノとは思えないような、黒味がかった濃厚なルビーの色調。香りはブラックベリーやブラックチェリー、黒糖、カラメル、焦臭、それに丁子などのスパイス。 味わいは時にじわじわとした酸味が優位になりがちなバランスですが、果実味も豊かに凝縮されており、タンニンも豊富で、裾モノとは思えないような要素の豊富さに驚かされます。 07年の裾モノにしてこの濃さというのは、なにかしらテクニックでも使っているのかと勘ぐってしまいますが、とりたててエグミ苦みが目立つとか、そういうことはありません。ただ、タンニンが乾いてザラついた感じはあるのと、全体の酒質がやや角張った感じはあります。あとは、裾モノゆえ多くを望めないとはいえ、味わいが単調なんですよね。濃くて各要素が充実しているのだけど、表情に乏しくて、余韻も短い。この辺は、前回飲んだカレラのライアンにも通じるものがあります。 逆に言えば、このクラスが前回のライアンといい勝負をしているということは、やはり06のライアンはイマイチだったんでしょうね。
日時 2010/9/12
銘柄 カレラ・ライアン06
感想 0911wine
07VTがWA誌で高得点のカレラ。06年はというと、逆に低評価で、上位銘柄も軒並み80点台でした。もっともそのせいもあって、このライアンなどは4K程度で買えました。 ちなみにライアンは、2002年がファースト・ヴィンテージの、5つめのシングル・ヴィンヤード銘柄。ジェンセン氏いわく、「樹はまだ若いがとても個性的で、10〜15年経つと味わいに個性が反映されていくだろう。ライアンはもしかすると、最良の単一畑になるかも知れない」とのことだそうです。 ロブマイヤーのブルゴーニュグラスに注ぐと、色調は濃いルビーで、やや暗めの色調です。香りは黒いフルーツやリコリス、丁子などのスパイス、それにカラメルや焦げ臭が目立ちます。 飲んでみると、決して薄くはないし、充実したアタックもあるのですが、そこから先がなんというか表情に乏しく、単調さを感じてしまう味わいです。全般に焦げたようなフレーバーが支配的で、余韻も短く、ストンと落ちてしまう印象。酸度は高めで、パーカーさんも指摘しているように味わいはブルゴーニュ的ですが、凡庸なブルのような薄さではないので、例えていうなら、良い作り手の裾モノ的な味わいとでもいいましょうか。 値段相応といいましょうか、カレラ単一畑への期待値を下回っていることは否めませんが、WA誌のパーカーさんの87点はやや厳しすぎる気もします。私がもし点をつけるとしたら、「88/88+」というところでしょうかね。

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日時 2010/9/10
銘柄 ヴォーヌロマネ06(フランソワ・ジェルベ)
感想 気になっている作り手のひとり、フランソワ・ジェルベ。 セラーを漁っていたら、なぜかラベルがびしょぬれになっていたので、飲んでしまうことにしました。キャップシールをはがすと、コルクの上には青カビ。スクリューをさすと、コルクが緩いのか、妙にスッポリと抜けてしまいますし、コルク脇面には噴きこぼれたあともあります。 そんなわけで、若干心配しながら飲んでみたわけですが‥。
100909wine
最初はガチガチに閉じてます。まるで香りが立ちません。飲んでもあまり表情がないのですが、とりあえず痛んでいるわけではなさそうなので、少し時間をおいてみようと、ロブマイヤーのブルゴーニュグラスに注いで放置すること約30分。 すると、お、香りが立ってきましたよ。 ブラックベリーやカシスなどの黒系果実、丁子、ナツメグなどのスパイス、ゴム、黒土などのトーンの低い香り。飲んでみると、甘く張りのある、凝縮された果実味のアタック。後からじんわりした酸味と旨み。タンニンはよく熟して柔らか。それと、なんとなく全般にゴムのような独特のフレーバーがあります。 この作り手を飲むたびに不思議に思うのですが、どこか新世界のピノっぽいニュアンスがあるんですよね〜。といってもアルコール度がそれほど高いわけでもなく、トータルとしてはあくまでブルゴーニュなんですが。ま、それもまた個性ということで、コルクの質とかボトルのコンディション(前回飲んだ06の裾モノは明らかに劣化してました)とか、やや不安もありますが、それを承知の上でも追っかけてみたい作り手です。
日時 2010/9/7
銘柄 ジョゼ・ミシェル・ブリュット・トラディションNV
感想 100905wine
我が家の定番シャンパーニュ。代替わりして、ラベルと名称が変わりました(以前の名前はカルト・ブランシュ)。 久しぶりに飲みましたが、相変わらず安定していて美味しいです。 ほんのりと黄緑がかった、淡いイエローの色調。豊かで細かな気泡。リンゴやライチ、アカシアなどの白系の花、ミネラルに軽くイーストが絡む爽やかな香り。爽やか方向にふられた味わいはシャンパーニュとしては軽量級で、コクはそれほどありませんが、クリーミーで角のとれた、バランスのよい味わいが出色です。それに、毎回書いていますが、状態がとてもイイ。瑞々しい果実味は、コンディションのよさによるところが大きいのでしょう。翌日もほとんど変わらず、美味しく飲めました。

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日時 2010/9/5
銘柄 金曜日の夜は、昔の取引先の方々と溜池山王の聘珍樓に行きました。 http://www.heichin.com/ 実はここにはワインバーもあるのですが… http://www.heichin.com/shop/tameike/winebar.html こちらは利用せずに、個室でフリードリンクのコースをいただきました。 ためしにワインを頼んでみたら、なかなかイケていたので、後日銘柄名を電話で聞いてみました。

白:エムリ・シュールダルク・セパージュ・シャルドネ
市価1000円しないんですね。ニューワールドチックなトロピカル系のシャルドネですが、しつこくならずによくまとまっています。旨安。 赤:キアー・カベルネソーヴィニヨン 抜栓後やや時間が経過しているような感じもしましたが、厚みがあってリッチなカベルネです。タンニンがとても細やかでシルキー。一本飲むと飽きそうですが、このような場で1〜2杯というニーズにはぴったりでしょう。

楽天ではシャルドネのみ発見。 どちらも安価な銘柄ですが、よく吟味してチョイスしたのでしょうね。ワインに力を入れているレストランのハウスワインって、参考になります。 土曜日は、三日前のヴィレーヌ(ディゴワーヌ)の残りを。中一日開いてしまいましたが、ヘタることはなく、美味しくいただけました。とはいえ、初日より特に印象がよくなったわけでもなく、ヴィレーヌさんの看板銘柄にしては、正直ちょっとツマラナイかなと。
日時 2010/9/3
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ・ディゴワーヌ08(A・P・ヴィレーヌ)
感想 100903wine
観測史上最悪といわれる酷暑。9月になっても日中の温度は相変わらずですが、朝晩は少し涼しくなってきたような気がします。それになにより日が落ちるのが早くなってきました。そうなると、不思議と赤を開けたくなってくるもので、この日はなにか軽めの赤はないかとセラーの中から、表記の銘柄をチョイスしました。 抜栓してみると、薄いというほどではありませんが、決して濃くはない、中程度のルビー。エッジはまだ紫色です。香りはラズベリーやカシス、オレンジの皮、ダージリン、それに皮革系のニュアンスもあります。飲んでみると、伸びやかな酸があり、柔和なタンニン、果実味は旨み感もあってチャーミング。全般にこじんまりとまとまっている印象ですが、ナチュラルで破綻のない味わいには好感が持てますし、ブルゴーニュ好きのツボを押さえた味わいといえます。長く寝かせるべきワインではありませけれども、一年前後置いておけばかなり表情を変えそうな気がします。現時点では、ほんの少しガメイ的なキャンディっぽさを感じるのがマイナスですかね。 ★A・P・ヴィレーヌを楽天で探す★