2009年5月

日時 2009/5/28
銘柄 ボルゲリ・ロッソ2006(マッキオーレ)
産地 イタリア>トスカーナ
感想 今週は珍しく、夜の接待や飲み会がないので、家で結構ワインを開けています。今晩は久しぶりにボルゲリ・ロッソを開けてみました。3000円前後の銘柄としてはもっとも安心して飲めるうちの1本と思っている銘柄ですが、さて。 濃厚なルビーで、エッジはまだ紫のニュアンスが残ります。香りはブラックベリーやカシス、墨、スパイス、黒土など、黒々としたもの。口に含みますと、ピンと張った酸とともに、凝縮した力強い果実味が広がります。タンニンは豊富で、ギシギシとはしてないものの、後半からフィニッシュにかけて、かなり口の中に残ります。アルコール度の高さとあいまって、ガッチリした構造なんですが、今まで飲んだボトルに比べますと、時期的なものか、あるいは個体差か、果実味が後退している感じです。スワリングすると、若干消し炭系の心地よくないニュアンスが出てくるあたり、ボトルの状態が万全でないのかもしれません。 例によって、小瓶に半分残しましたので、後日再度トライしてみようと思います。 ↑こちらはもう2007年ですね。【吉】
日時 2009/5/26
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ2007(ユドロ・バイエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 すでにいろいろな方がレポートされてますが、私も、先だって購入したユドロ・バイエの裾物07年を飲んでみることにしました。 色調は中程度のルビーで、全般に紫がかっています。赤い果実、オレンジの皮、ダージリン、ハーブなどの大人しめの香り。 味わいもまたこじんまりとしていますが、ピュアな果実味にじんわりとした酸が彩りを添え、薄めながらも、旨み感のある味わいはユドロ・バイエならではです。 05年はもちろん06年と比べても物足りない面はありますが、穏やかで滋味に富んだ味わいは悪くないと思います。3Kを超えるとちょっとと思いますが、ショップでは2Kそこそこから見つかりますし。 【追記】小瓶に残した残りを翌日飲みましたら、旨みがさらに増していました。エキス分が乏しくなりがちなACブルクラスで、この旨み感はたいしたものだと思います。余韻は短いですけどね。
【吉】
日時 2009/5/24
銘柄 クラウディ・ベイ・ピノノワール2006
産地 NZ>マールボロ
感想


休日のこの日は、久しぶりにNZのピノを。 NZは今やこのぐらいのクラスでもふつうにスクリューキャップですね。開けやすくてイイです。(^-^) 全般に紫がかった色調の濃いめのルビー。香りは、ダークベリーやカシス、プラム、ハーブ、皮革、それにゴムっぽいニュアンスもあります。口に含みますと、充実した果実のアタック。豊かな酸がそれを支え、高めのアルコールとあいまって、堅牢な酒質です。といっても、力任せな凝縮感でなく、たっぷりした中にも旨み感のある果実味が好印象です。タンニンはなめらかで収斂性は感じませんが、味わいの後半からフィニッシュにかけて、強めの苦みが感じられます。この苦みがもう少し和らぐ頃にはさぞすばらしい味わいになるのでしょうね。そういう意味では、次回は2,3年寝かせてみようかと思います。 【小吉】

日時 2009/5/22
 

金曜の晩、仕事が早めに退けたので、池尻の出口屋さんの試飲に立ち寄ることにしました。 0523wine1.jpg
お題は、シャンボールミュジニーの飲み比べ。06ヴォギュエと05のアランジャニアールの1級コンボットです。

■シャンボールミュジニー06(コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ)
村名といえども、さすがですね。グラスに注いだ当初は寡黙でしたが、他のグラスなどをのんびり飲んでいるうちに、だんだん香りが出てきました。砂糖に漬け込んだ赤い果実を思わせるフルーツ香、シナモン、ミネラル、ダージリン、それにバラなどの花束のようなゴージャスな芳香。口に含みますと、今の時点でバランスよく、ミネラリーでしなやかな味わいです。豊かでピュアな果実味が疲れた体に染み入りますね。閉じ始めるとなかなか手強くて、飲み頃を計るのが難しくなってしまうヴォギュエですが、今はまだ閉じる前ということなんでしょう。素直に美味しくいただけました。

■ シャンボールミュジニー・コンボット05(アラン・ジャニアール)
マキコレのこれはネゴシアン銘柄だそうです。ヴォギュエと同様の透明感のある色調。香りはヴォギュエより少しトーンの低い果実、スパイス、それにミネラルが強めに出ます。味わいもまたミネラリーで、構造のしっかりしたものですが、現時点では、果実があまり前面に出てこないのと、被膜のようなタンニンが、少しばかり味わいをスポイルしています。まあ、これはおそらく時間が解決すると思いますが。05年の1級でありながら、ヴォギュエ並べて飲むと、正直、引き立て役になってしまうのがツライところですが、約半値というプライスを思えば、これはこれで悪くないと思います。

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銘柄 シャンボール2銘柄が、最初やや堅かったので、開いてくるまでの時間稼ぎにと、他の試飲銘柄も頼んでみました。
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ピノノワール07(ギョーム)
苗木屋さんギョームの最新VT。とはいえ、裾モノですから、多くは望めません。 中程度からやや淡い色調。香りは赤い果実やハーブ、紅茶など。味わいは力任せにならないナチュラルなものですが、果実のエキス分が足りないのがツライところ。抜栓後多少時間がたっているのかもしれませんが、やや平凡な味わいでした。 0523wine3.jpg
トケイ・ピノグリ05(ルネ・フレイツ・エシャール)
むしろこちらのほうが印象的な味わいでした。黄桃やパッションフルーツ、バナナ、マロン、蜂蜜などの甘い香り。味わいはホッコリした果実味が心地よく、かなり甘みを感じますが、酸もしっかりあるので、クドくはなりません。ただ、食事との併せは、かなり甘いので、難しいものがあるかもしれません。シャンボール2本飲み終えたあとの、〆に回したほうが良かったかなという一杯でした。
日時 2009/5/13
銘柄

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久しぶりに接待の店選びを仰せつかりまして、相手方に女性もいたので、イタリア料理店をチョイスしてみました。

レストラン・マガーリ
http://www.chmamimagari.com/

この店は、友人から教えていただいたのですが、場所は、赤坂とはいえ、袋小路にあって、かなりわかりずらいです。 料理はおまかせでコース仕立てにしていただきました。全般に上品な味付けで、真鯛のフリッターや肉料理(料理名失念)、ゴルゴンゾーラのアイスクリームなど、印象的な味でした。妙齢のマダムがワインにお詳しいいうことで、併せるワインのチョイスはおまかせしました。

■ミュラー・トゥルガウ07(コルテレンツィオ)
珍しいアルト・アディジェのミュラー・トゥルガウ。独モノに比べれば、厚みを感じますが、すっきりした酸による爽やかな味わいは健在です。 幅広く併せやすそうな好印象の白。
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■キャンティクラシコ2006(サンファビアーノ・カルチナイア)
赤と黒の中間位の果実香と、やや乾いたスパイスや麦わらなどの香り。味わいは、濃厚な果実味を受け止める酸がしっかりしており、クラスを超えたストラクチャーがあります。やや無骨ですが、いいワインです。
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■クリューター1999(カ・デル・ヴィスポ)
サッセートなどで知られるカ・デル・ヴィスポのワイン。10年熟成の100%メルロです。プラムやカシスなどの果実香、スパイス香とともに針葉樹系のヴェジタルなニュアンスがあります。味わいはドロリとした感じでやや構造に緩さを感じないでもないですが、一緒に出された肉料理にはよく合っていました。

ちなみに、同じ友人から教えていただいた、こちらの店も美味しかったです。渋谷の駅からすぐとあって、客層がかなり若いですけどね。
タロス (渋谷 / サルデーニャ料理) http://www.eatpia.com/tharros/index.html

日時 2009/5/3
銘柄

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GWのこの日は、子供たちが「クレヨンしんちゃん」の映画をみたいというので、家族みなで渋谷に繰り出しました。とはいえ、カミサンと私の二人で付き添うこともなかろうということで、シネタワーで子供たちが映画を見ている間、私だけ別行動の許可がおりました。渋谷で2時間のフリータイムといえば、行き先はもちろん東急本店の試飲です。 この日は、熟成したワインの特集ということで、なかなかの豪華ラインアップ。ルロワのミュジニーなどもありましたが、万年金欠の私は、安めの銘柄を中心に試しました。

■グリュナーフェルトリナー91(ニコライホフ)
この品種の熟成したものって、滅多に飲む機会がないので、興味本位で注文してみました。20年近く経過しているとは思えない、黄緑がかった若めの色調。香りは白桃やライチなどの果実香と重油香、塩ビ、蜂蜜などの熟成香とが婚前、じゃなかった渾然一体となっています。口に含みますと、甘い果実のアタックがありまして、伸びやかな酸がそれを支え、バランスよくクリーンにまとまっています。口の中で抑揚もあって、含み香も豊か。余韻も長めで、期待以上の味わいでした。

■サンマルコ90(カステロ・ディ・ランポッラ)
90年って、つい最近だったような印象があるんですが、20年近く前なんですよねぇ。このサンマルコも濃厚な色合いながら、エッジには年月を感じさせるオレンジの色調がはっきりと見て取れます。香りはイチジク、ドライフルーツ、スパイス、ナッツなど、ドライな傾向ですが、スワリングすると、腐葉土や湿った土のようなウエットな香りも出てきます。味わいは果実がドライで、タンニンも乾き気味。全般に土っぽいフレーバーが感じられます。20年の年月は感じますが、年月分のすばらしい熟成を遂げているかというと、そこまでではないように思いますし、正直、積極的に入手したくなる味わいではないかな、と。悪くはないですけどね。

銘柄

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■ジュブレイシャンベルタン・フォントニー94(セラファン)
いや、イイですね。まずなんといっても状態がいい。オレンジがかった中程度の色調。リキュール的な赤い果実、紅茶、枯れ葉などのクラシックな香り。果実味は甘く濃縮されていて、クリーンな印象。各要素が繊細にバランスがとれていて、良好な熟成状態ですね。ここまで来てもフィニッシュにややタンニンが残るのが94年らしいといえばらしいかも。
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■Ch.ド・フォンサレット88
中程度からやや濃い程度のガーネットで、エッジはしっかりとオレンジが入っています。カシス、ダークベリーなどのドライフルーツ的果実、オレンジの皮、スパイス、土。甘くなめらかに濃縮された果実味のアタック。タンニンはよく溶け込んでおり、酸はじんわりとしています。同じラヤスでも、ヌフパプのような官能的な方向ではなくて、土っぽくやや無骨な印象です。とはいえ、きれいに熟成していて美味しいです。

前日とこの日はいろいろな銘柄が空いていましたが、どの銘柄が印象的だったかという話になって、F巻さんが答えていたのは、86のDRCとジャン・グロの90クロ・ヴジョのマグナムだったとのこと。マグナムボトルって、単に熟成が遅いというだけにとどまらず、ブティーユボトルでは得られないような熟成を遂げることがあるよね、というような話になりました。でも現実には、マグナムって、買っても保管が大変だし、開けるシチュエーションもなかなかないし、難しいですよね。