2009年4月

日時 2009/4/25
銘柄 コートドニュイヴィラージュ2005(ショーヴネ・ショパン)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想

先週末の平野さんの会以来、ワインを飲んでなかったので、家にあった表記の安めのボトルを開けてみることにしました。 最近のショーヴネ・ショパンは、かつてのようなギスギスのタンニンなどもなくなり、いい作りをするようになってきたと聞いてますが、この裾モノに関しては、イマイチといわざるをえない出来。香りはあまり出てこない中に、スパイシーなニュアンスだけがやたらと目立ちます。飲んでみても、乾いたタンニンが支配的で、どうにもギクシャクした味わい。時期的なものがあるのかもしれませんが、果実味が全然前に出てこないのがツライところです。例によって小瓶に半分残しましたので、来週のどこかで飲んでみようとおもいます。
↑写真は06年。
追記:小瓶に残したものを翌週飲みました。多少ギスギス感はやわらいで飲みやすくなりましたが、全体の印象が好転するほどではありませんでした。【末吉】

日時 2009/4/19
銘柄 ムルソーのテロワールを楽しむ会
産地 0419meursaut.jpg
今回のワインは、アラン・コシュ・ビズアールが、平野さんのためにあえて仕立てたという、ネゴシアンブランド「ファビアン・コシュ・ブイヨ」ラベルのムルソーです。ネゴシアン名義ですが、中身は正真正銘ドメーヌものだそうです。 ところで、ムルソーのテロワールとは? 平野さん曰く、「80年代のムルソーは新樽の風味=ムルソーワインという図式が通用したが、ブルゴーニュの白のフレッシュ&フルーティ指向に伴い、今日では、新樽を強調したものは少なくなった。」、「ムルソーの特徴は、『独特の花の蜜のような甘い香り』『アーモンドを炒ったような香り』だが、これらの風味が前面に出てくるのは、5年はかかる。」、「アラン・コシュ・ビズアールにもこうしたニュアンスの香りと、複雑で奥行きのある味わいが感じられる。これは、ピュリニー・モンラッシェの混ざりけのない純粋で鋭角的な酸味とは対照的な味わいだ。」 今回は、それぞれの銘柄を単にテイスティングするというのでなく、いろいろな銘柄と料理を組み合わせて、マリアージュの可能性を探るという趣向でした。アラン・コシュのムルソーのみという一見狭いセグメントのワインたちが、実は幅広く料理に併せられるということを実感する会でした。

■ムルソー
熟したグレープフルーツ、黄桃、花の蜜、ミネラル、バニラなどの華やかな香り。厚みはないが、フルーティ&フレッシュなシャルドネ。酸がキラキラと綺麗。フィニッシュはバニリーなフレーバー。
■ムルソー・ロルム
厚みのある味わい。ミネラル感は相対的に乏しく、やや鈍重な印象。しかし「アボガドのエビのカクテル」にはよく合う。(特にアボガドと) ■ムルソー・リモーザン
白桃、ミネラル、白い花、甘く厚みのある果実味。余韻長く、バニラのフレーバーが絡む。美味しい。
■ムルソー・シュヴァリエール
強いミネラル感があって、酸もシャープ。ややシャバシャバした味わい。まるでシャブリのよう。ところが、この味わいが「螺貝とホタテのクリームミルフィーユ仕立て」によく合うんですね。面白い。
■ムルソー・レ・ルシェ
平野さんいわく、「コントラフォンのクロ・ド・ラ・バールに通じるニュアンスがある」。バニラ、黄桃、黄色い花、ミネラル。酸ががっちりしていちえ、厚みのある味わい。もう一声余韻が長ければ‥。この銘柄は、「アボガドとエビのカクテル」のエビとよく合ったほか、「マンステールとガレ・ド・ラ・ロワールのタルトフランペ」との相性も良好でした。
■ムルソー・レ・カス・テット
標高の高い畑。ミネラル感が強い。白桃、ゴールデンデリシャス、レモン、バニラ。ファットな味わいで含み香も豊か。タルトフランペや牛肉とも合いました。
■ムルソー・シャルム
還元香、火打石。さすがに村名とは一線を画する厚みのある酒質。固さを感じるミネラル。熟成に多少時間がかかりそう。
■ムルソー・グーテドール
白桃、白い花、ハーブ、バニラ。品のよい酸、フレッシュ感がありながらも厚みのある果実味が見事。順当にこの日一番の味わい。

1級の2種とは、あえて「牛肉のゴマと味噌のソース」を併せましたが、お店の工夫(ソースにもムルソーを使用?)もあって、白ワインにもかかわらずよく肉の風味をひきたててくれました。
それにしても、畑名つき村名って、(特に無名の畑については)今まで大して違いを気にせずに選んでましたが、並べて飲むとずいぶん違うものですね。シュバリエールとロルムなんて全く別物です。また、1級2銘柄は、さすがに村名よりワンランク上の構造と熟成能力を持っていることがよくわかりました。こうした微妙な違いを認識できるのも、平野さんの扱いによるボトルたちのコンディションの良さと、均一の入手経路によるものなのは言うまでもありません。
 冒頭にも書きましたとおり、平野さんのプラニングの妙といいますか、それぞれの銘柄と、料理との微妙なマリアージュを楽しむことができて、本当に目からウロコの会でした。平野さん、またよろしくお願いします。

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日時 2009/4/18
銘柄 アルガブランカ・クラレーザ07(勝沼醸造)
産地 日本>山梨
感想 ご紹介いただいた、WA-SHOKU hana 丸の内東京 に行って来ました。 落ち着いた雰囲気の個室があって、ビジネスの接待にはうってつけのお店でした。 ただ、お料理のレベルは、率直に言って、誉められたものではありませんでしたが。(bysonさん、ゴメンナサイ)

国産ワインフェアということで、日本の銘柄が数本ラインアップされている中から、山梨の相手に併せて、表題の銘柄をチョイス。
シュール・リーによる、辛口仕立ての甲州。私もこのVTを飲むのは初めてです。 黄緑がかった、淡めのイエローの色調。柑橘系の果実やミネラルなどの控えめながらも爽やかで心地よい香り。 口に含みますと、瑞々しい果実感があって、しなやかな酸がそれを支えています。酒質はクリーンで、繊細。なんというか、潔癖な感じ?の甲州ですね。若干面白みに欠けるキライはありますが、甲州ワインの実力を計るのにふさわしい、レベルの高い仕上がりだと思います。【小吉】
日時 2009/4/15
銘柄 ポル・ロジェ・ブリュット・レゼルブNV
産地 仏>シャンパーニュ
感想 つい先日まで暖房をつけていたと思っていたら、いつのまにか、日中汗ばむような陽気になりました。心地よい季節なんてごく短くて、すぐにじとじとと暑くなってしまうんでしょうね。 気温が上がってくると、恋しくなるのが泡モノ。一時のユーロ高は一服しましたが、シャンパーニュの価格は、以前ほど安くはいないようで、今年の夏もは、旨安シャンパーニュ探しに邁進することになりそうです。 この日開けたのは、昨年末に買い込んだポル・ロジェ。ネゴシアンもののNVシャンパーニュの中では、ルイ・ロデレールと並んでもっとも好きな銘柄のひとつです。グラスに注ぐと、やたらと元気な泡立ち。泡自体のキメは細かく、口に含むと、心地よい炭酸とともに、ゴールデンデリシャスのような果実味が広がり、フィニッシュには蜜のようなコクが感じられます。バランス的に破綻のない、いかにも正統派のシャンパーニュ、という味わい。というわけで、ポル・ロジェのNVものは、飲むたびに感心するのですが、トップキュベのサー・ウインストン・チャーチルはあまり好きになれないんですよね、なぜか。【中吉】

↑もうひと声安くなってくれるといいんですけどね。
日時 2009/4/11
感想 前から気になっていたお店に行ってみました。 seki.jpg

夕と書いて、セキと読みます。
http://r.gnavi.co.jp/a033802/

三茶といっても、駅からはかなり歩きます。10分強、といったところでしょうか。昔、「小田島」が三軒茶屋にありましたが、そこからもう少し世田谷通りを歩いたあたりといえば、わかる人にはわかるかもしれません。
国産の食材にこだわった和食の店で、カウンター8席、テーブル6席の小さなお店を、若い店主とこれまた若い店員さんの二人で切り盛りしています。
お酒は日本酒や焼酎なども充実していますが、私の目当てはなんといっても、100種類以上はあろうかという国産ワインのリスト。
四恩や金井醸造、機山、勝醸さんのイセハラ、小布施、ボーペイサージュ、安心院や都濃、奥出雲など、国産好きの方が喜ぶ銘柄がずらりと並んでいます。
ちょっと残念なのは、グラスワインが赤白2種類しかないことですが、お店の規模を考えれば、ないものねだりでしょうし、そもそもボトルのお値段も安いですし。

この日は四恩醸造さんの08ローズをいただきました。お味のほうは・・、う〜ん、08年ってイマイチなんですかね。みなさんが絶賛されるほど、心に響くものは感じなかった、というのが正直なところです。まあ、私の修行が足りないのかもしれませんが。

料理は、美味しそうなメニューが並んでいる中から、大根と水菜のサラダ、タラの芽とふきのとう、ホタテのてんぷら、それに黒豚とチーズのコロッケ、仕上げに焼きおにぎりを注文。これだけ頼んでも、お会計はリーズナブルなものでした。 ひとつだけ気になったことがあります。店主が、ときどき若い店員さんを叱るのですが、オープンキッチンなだけに、それがもろに聞こえてしまうんですよね。 決して怒鳴り散らしているわけでも罵倒しているわけでもないんですけど、小声ながらビシッと厳しい口調だったりするので、アルコールが回らないうちは、こちらが緊張してしまいました。 ま、客同士で会話が弾んでいれば気づかないレベルではありましたが。 いずれにしても、満足度の高いお店です。駅から遠いのと、席数が少ないのが難点ですが、また近いうちに行ってみようと思いました。
日時 2009/4/2
銘柄 ブルゴーニュ・コート・ド・セール・コール・ド・ガルド2004
(ゴワゾー)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想

三度ほど飲んで、なかなか好印象だったゴワゾ(goisot)。 尾張一宮でユドロバイエの07年を買った際、たまたま目に付いたので、一緒に買ったのですが、、。

到着した現物を見ると、なんと白ワインじゃないですか! 私はてっきりACブル赤とばかり思って注文してました。ショップのページを確認しますと、ちゃんと白と書いてありますので、早とちり以外のなにものでもありませぬ。
ゴワゾといえば、サンブリの生産者ですから、主力はSB。シャルドネはあまり期待できないのでは、と勝手に思い込んでいましたが、さて。 グラスに注ぐと、マコンあたりの白を思わせる、かなり濃厚なイエローの色調です。 香りもこれに呼応するような、パイナップルや黄桃、金木犀、シナモンなどの魅惑的なもの。口に含みますと、とてもブルゴーニュ最北端とは思えないような、ボディの厚みと果実の充実に驚かされます。それでいて酸がしっかりしていますので、ボッテリした感じにならずに、端正に仕上がっています。味わい的にはACブルのレベルを超えているように思いますし、お値段も2700円と控えめ。これははアタリでした。
シャブリの近くで、これだけ厚みのあるシャルドネに仕上がる(しかも普及価格帯で)というのは、地球温暖化の影響もあるんですかね〜? ちなみに、ゴワゾについて、ショップの説明を要約しますと、 〜14世紀からワインの歴史を持つ。
〜クラスマン2006で4社の3ツ星に続く2ツ星を獲得。
〜樹齢は平均15〜30年。最高に古いものは 75年にもなる。
〜完熟した実だけを収穫し、伝統とモダニズムが見事に融合した醸造を行っている。 何よりも大切なのは「テロワールの表現」とのこと。。 
〜24ha所有している畑を4等分するかのようにアリゴテ、シャルドネ、ソーヴィニヨン、そして残りはセザールとピノ・ノワールが植えられている。

サンブリというAOCについては、 「シャブリの近くに存在するこのアペラシオは、ブルゴーニュでも北に位置しておりロワールから僅か80km、土壌はジュラ紀のキンメリジャン。 80mごとに石灰岩と大理石を含む泥灰岩とが交互に層をなしている」 とのこと。 今回、赤と間違えて購入しなければ、この味わいを知ることはなかったわけですから、出会いって面白いものです。【小吉】

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