2009年3月

日時 2009/3/30
銘柄 ジュブレシャンベルタン2004(ジャッキー・トルショー)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 晩酌用に、小瓶に移しかえたシャンソンの残りもあったのですが、せっかくの休日なので、表記のボトルを開けてみることにしました。 グラスに注ぎますと、やや明るめのルビーで、少しくすんだような色調です。香りは、抜栓当初、グラスハーブや茎のような青っぽいニュアンスが強かったものの、時間とともに落ち着いて、カシス、ダークベリー、オレンジの皮、紅茶、皮革、毛皮、鉄サビなどが現れます。最後に書いた毛皮や鉄サビっぽいニュアンスなど、ジュブレシャンベルタン村らしさがよく出ている香りです。 味わいは、おだやかなアタックのあと、口の中でじんわりと果実が旨みをましてゆきます。タンニンは柔らかくなじんでいて、酸は伸びやかです。大きな構造ではありませんが、トータルのバランスはとれていて、どこまでもナチュラルな味わいが見事です。今でも美味しく飲めますが、もうしばらく寝かせても面白そうですね。 そういえば、トルショーさんの畑を引きついだ、ダヴィッド・デュヴァンの06年、まだ飲んでません。遠からず、探して飲んでみようと思います。 【中吉】0329trucho.jpg
日時 2009/3/24
銘柄 オーコートドボーヌ05(シャンソン)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 二日続けて、裾物AOCを飲みました。 一昨日は、ユドロ・バイエの06オーコートドニュイの小瓶に移した残り半分を。 やはり若いVTを小瓶で保管した場合の効果はテキメンです。数日経過していたにも関わらず、香りがよく残っており、味わいもなめらかになっていました。リリース直後はあまりピンとこなかった銘柄ですが、約1年経過した今飲んでみると、当初よりバランスが整い、赤系果実のグリップもしっかりしたように思えます。後半は上質な樽香が感じられて、これもまたよし、でした。


そしてこの日は、シャンソンの05オーコートドボーヌを開けてみました。04のペルナンがよかったので、こちらもそこそこ期待していましたが、予想どおりの出来映え。 中庸を得たルビーの色調。ラズベリーやブルーベリーを煮詰めて砂糖づけにしたような香りやスミレ、シナモンなどのスパイスが感じられます。味わいは、酸もしっかりあり、小柄ながらバランスのとれたオーソドックスなブルゴーニュ。2K前半の価格を考慮すると、かなりポイント高いと思います。最近のシャンソンはイイですね。上級銘柄も試してみたくなりました。
【小吉】

こうした裾物アペラシオンで美味しいボトルと出会うと嬉しくなります。今度、HCNとHCBのイッキ飲みでも企画してみようかな…。

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日時 2009/3/18
銘柄 シャルムシャンベルタン99(F・マニヤン)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想

下の子が、突然モノが二重に見えると言い出しまして、眼科に連れて行ったところ、脳や視神経の異常かもしれないので、大きな病気で診てもらったほうがいい、というのです。片目ずつでも二重に見えるのであれば、乱視ということになるのですが、片目ではきちんと見えていて、両目になると二重に見えるというのは、眼の調整機能に異常があるのではないかと。

それを聞いて、親としては焦りまくりまして、近所の小児病院に連れて行ったところ、徹底的に検査と相成りました。5歳の子供には辛かろうと思いながらも、脳のCTやMRIまでやらされまして、結果は、現時点では該当する所見なし。定期的に検査をしつつ、しばらく様子をみましょう、ということになりました。
今でもときどき二重に見えるらしいので、 無罪放免となったわけではないのですが、とりあえず、とんでもない事態にはならずにすんだということで、前置きが長くなりましたが、平日にしては良いワインを開けることにしました。

チョイスしたのは、一世を風靡したフレデリック・マニヤン。ヴァンサン・ジラルダン、ニコラ・ポテルらと並ぶ新世代ネゴシアンともてはやされましたが、最近はあまり話題に上らないような…。
#そういえば、私が「フレデリック・マーヤン」と命名した御仁ともお会いしていませんが、お元気でしょうか?

この99年をいつどこで買ったのか、今となっては記録がないのですが、開けてみるとなかなか良好な熟成を遂げていました。 色調は濃いルビーで、エッジにはオレンジ色が顕著です。香りは黒い果実や八角、丁字などのスパイス、なめした皮、毛皮、土など。味わいは、充実した果実味を中心にした、しっかりした構成がありますが、オークが溶け込んで、酒質が全体にほんわかと和らぎ、クリーミーな印象です。以前よく飲んだ若いマニヤンは、磨き上げられたようなテクスチャーとともに、樽がかなり前面に出ていたものですが、時間の経過によって、このようになっていくのだな、と妙に納得させられるものがありました。 かつてはよくセールなどで割安な価格で入手できたマニヤンですが、こういうボトルを飲むと、またどこかで安く放出してくれないかな、なんて、都合のいいことを考えてしまいます。【中吉】

↑同一VTは、さすがに売り切れですね。

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★フレデリック・マニアンと表記しているショップも多いですね。ああ、ややこしい…。★
日時 2009/3/15
銘柄 オーコートドニュイ2006(ユドロ・バイエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 ユドロ・バイエの07年が出回り始めましたね。 最近、パストゥグランとか、グランオルディエールとか、なんだか手を広げすぎているんじゃあ、という心配もありますが、とりあえず私も、例によって裾物を注文してみました。到着したら、少し休ませて開けてみようと思いますが、それらを試す前に、まずは確認の意味もこめて、セラーの06年を飲んでみようと思いまして。。
グラスに注ぐと、濃くはないのですが、輝きのある、美味しそうな色調です。香りはラズベリーやカシス、紅茶、小梅、バラなどに加えて、少しばかり皮革のニュアンスが入っています。味わいに強さや大きさはありませんが、じんわりした酸とやさしいタンニンがあって、口の中で心地よい旨み感が広がるあたりは、相変わらずです。。05年の出来を期待すると裏切られますけど、これはこれでナチュラルにまとまっていて、悪くないですね。購入時のプライスを思えばなおさらです。ユドロ・バイエの名前を出すと、なんだか流行を追いかけているようなこそばゆさがあるのですが、美味しいものは美味しいということで、07年もひきつづき何本か買ってみようと思います。【小吉】

↑写真は07年。

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日時 2009/3/7
銘柄 モレサンドニ05(ダヴィッド・デュヴァン)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想
写真はビンテージ違いですが、ダヴィッド・デュヴァンといえば、06年よりジャッキー・トルショーの畑を引き継いだことで知られていますね。今回飲んだのは、その1年前の05年です。購入店は虎ノ門のカーヴ・ド・リラックスさん。 抜栓してみると、凝縮感のありそうな濃厚なルビーの色調。ところが、グラスに鼻を近づけても、色合いから予想されるような香りが一向に嗅ぎ取れません。閉じているというより、一切の香りがフィルタがかかったように立ち上らないんですよねぇ。ブショネでしょうか?飲んでみても、ブショネ系の香味は感じられないんですけどね。幸いなことに、味わいは全うなもので、クリーミーでしなやか、エッジも丸くモダンな感じに仕上がったモレでした。トルショーさんの畑を引きついだ06年も試してみたいものですが、さて、どんなものでしょうか。楽天ではあまり売ってないようですね。今度リラックスさんにでも立ち寄ってみることにします。

追記:数時間たって、あらためて香りを嗅いでみたら、きちんと香りが出てました。どうやらガチガチに閉じていたようです。小瓶に残した分を後日飲むのが楽しみになってきました。【小吉】

#06年はアサヒヤさんでオーコートドニュイのみ残ってます。
日時 2009/3/5
銘柄 コノ・スル・20バレル・リミテッド・ピノノワール
産地 チリ
感想

ノーマルのピノがあり、コンバージョン、レゼルブと来て、その上位銘柄がこの20バレルです。さらに頂点には、カリスマ銘柄オシオがあるわけですが、前回飲んだレゼルブがなかなかのお味だったので、こちらにも期待して開けてみました。 一瞬ボルドーかと見まごうほど濃厚なルビーの色調。ブラックチェリーやカシス、赤身肉、スパイス類、ゴム、それにオークなどの心地よい香り。口に含みますと、凝縮された黒い果実のアタック。アルコールは高めですが、遮二無二濃厚というわけでなく、酸もきちんとあって、濃い中にもエレガントさのある仕上がりです。オークのかかり具合もほど良い感じで、恵まれたテロワールに加えて、技術の高さも感じる味わい。価格的にワンランク上の新世界ピノにも十分匹敵すると思いますし、良年のブルゴーニュも含めて、2000円台前半ではこれ以上の香味はなかなか味わえないんじゃないでしょうか。チリピノのレベルもここまで来たかと、飲んでいて感慨深いものがありました。【中吉】

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日時 2009/3/1
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ2002(ゴワゾ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想
同じ店で、ゴワゾのサンブリとACブルとを購入したのですが、サンブリがイマイチな感じでしたので、正直このACブルにも期待していませんでした。 ところが、ワインは開けてみるまでわかりません。コレがなかなかいいんですね〜。 もちろん3000円の裾物ですから、多くは望めませんが、こちらの予想をかなり上回る香味でした。(期待値が低かった、という側面も否定できませんが。) カシスやダークチェリー系の果実、スパイス、紅茶などになめした皮のような熟成香が加わった芳香。口に含むと、薄さや弱さとは無縁な、充実したクリーンな果実味が口の中で広がります。奇をてらわない真面目な作りに太陽の女神が微笑んだのでしょう。02年らしい厚みのある酒質です。 後半にややエグみが感じられるのと、果実に旨み感がやや乏しい気もしますが、前述のとおり、3Kの銘柄としては納得でしょう。 畑はシャブリから南へ車で約30分いったところだそうですが、どことなく出自不明な感じもあって、それがまた面白いところですね。私なぞ、ブラインドで飲まされたら、おもいきりあさってな答えをしそうです。 【小吉】