2009年1月

日時 2009/1/31
銘柄 クロ・サンドニ96(デュジャック)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 「S's Wine」10年企画、ということで、今週末は表題のボトルを開けてみました。これは楽天から撤退した「マスモト屋」さんの実店舗で購入したもの。輸入元はローヤルオブジャパンというところです。正直なところ、ワイン会などに持っていくのはリスキーだな、と判断して、今までセラーでねかせていたボトルだったりします。 0131.jpg
抜栓してみると、噴きこぼれこそありませんが、コルクの上の方まで染み込んできています。グラスに注ぎますと、中程度のガーネットというところでしょうか、かなりエッジにオレンジの見える色調です。グラスに鼻を近づけてみましたら、お、いい香りがでてますよ。 ラズベリーやカシス、オレンジピール、シナモン、バラ、オーク、それに出し汁やマツタケを思わせる、いかにもデュジャックらしい絡みつくような芳香。 口にふくみますと、年代相応に熟成が進んだ印象で、タンニンはすでにとけこんで、なめらかでクリーミーな酒質です。酸が突出することもなく、オレンジの皮のようなアクセントをともなった果実味と相まって、柔らかくバランスのとれたフェミニンな味わい。うん、これは美味しいです。久しぶりにデュジャック節を満喫致しました。こういう香味は、他の生産者では味わえない、まさにデュジャックならではのものですね。 2000年代にはいってからのデュジャックもこのように熟成してくれるのか、はたまたユドロ・バイエあたりが熟成したらこれに近いような香味にならないかとか(後者は私の願望)、いろいろ見方はあるかと思いますが、なんのかんの言っても、ルソーやルーミエなどと同じく、毎年1〜2本ぐらいは買って、その後の姿を追っかけてみたい生産者ですね。最近は高い上に品薄でなかなか手がでませんが。【大吉】

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日時 2009/1/28
銘柄 ヴォルネイ04(ミシェル・ラファルジュ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 中庸を得たルビーの色調の、エッジの部分がかすかにボヤけはじめています。香りはなかなか寡黙ですが、じっくり待っていると、カシスやラズベリー、オレンジの皮、スパイス、ミネラルなどが立ち上ってきます。最初、ほんの少しだけ厩っぽいニュアンスが見え隠れしましたが、本来の香りが立ち上ってくるにつれて、目立たなくなりました。口に含みますと、クリーンな赤い果実味の第一印象のあと、やや角のあるタンニンと力強い酸が口の中にひろがります。各要素がまだこなれていない状態で、後半からフィニッシュにかけては、口の中の粘膜に張り付くような収斂味とともに、少しばかりのエグミ、苦みが感じられます。 こういうブルって、なんだか久しぶりに飲んだ気がしますが、虚飾を排した、よくいえばクラシックな、悪くいえば不器用な造りのブルゴーニュという印象です。 今飲むと、そっけない味わいですが、しばらく寝かせておけば、徐々に各要素が溶け込み、果実に旨みが乗ってきて美味しくいただけることと思います。 【吉】

↑写真は05年。こういう銘柄をしばらく忘れてセラーで寝かせておくのも面白そうです。
日時 2009/1/25
感想

これから2月末ぐらいまでは、「S's Wine」開設10周年月間ということで、家で開けるワインや持ち寄り会に持参するボトルを少し良いものにしようと思ってます。 この日は第一弾ということで、友人宅のワイン会に、ひさしぶりにムートンを持参しました。(持参したのには、他の理由もあったんですが、細かい話は割愛します。(^^;) 0125wine2.jpg
モレ・サンドニ・キュヴェ・ザルエット2000(ポンソ)
乳酸チックなフレーバーを感じます。力強さはありませんが、ほどよく熟成して、アーシーないい香りも出始めており、ナチュラルなバランスが素敵です。2000年は今飲み頃ですね。
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モレ・サンドニ・クロ・ド・ラ・ビシェール99(ルーミエ)
この畑はルーミエのラインアップの中では、しんねりむっつりして内向的な印象があって、なかなか私にはよい表情を見せてくれないのですが、今回のボトルもそこかしこにすばらしさの片鱗は感じるものの、香りも閉じ気味で全般に硬く重たい感じでした。まだ飲み頃には早いんですかねぇ?家にまだあと3本あるんですけど、いつ開けようかと…。
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Ch.ムートンロトシルト94
先週のTVドラマ 「神の雫」にも登場したこともあり、話のタネに持参しました。購入したのは10年前後前のやまやのセールだったと思います。当日運搬のハンデか、香りがやや散漫で弱かったのが残念でしたが、味わいはポイヤックらしく凛としたもので、まだ若いくらいでした。コンディション的には中の中〜中の下ぐらいというところでしょうか、昨年飲んだ89年に比べればかなりマシでした。
★ムートンも少しずつ安くなってきましたかね。★

アルフレッド・グラシアン・ブリュット・ロゼNV
駆けつけ一杯という感じで飲んでしまいましたが、バランスよく美味しい泡です。きめ細かく勢いのある気泡とクリーンな果実味。ほどよいコクもありますが、しつこくなったり、生臭くなったりするようなこともなく、爽やかにまとまってます。

プイイ・フュメ2005(セルジュ・ダギュノー)
故ディディエ・ダギュノー氏の親戚にあたるそうですが、造りはオーソドックスです。グレープフルーツ、白桃に加えて、白い花やミネラル系の清らかな香り。ただし、味わいは思いのほかがっちりしていて、繊細というよりは、スケール感のあるプイイ・フュメです。
★楽天にはあまりありませんね。★

サヴィニー・レ・ボーヌ・ヴェルジュレス2004
いい畑なんでしょうね。酒肉に厚みがあります。それでいて張りのあるしっかりした酸と純度の高そうな果実味。近年のシモン・ビーズの白はいいですね。(もちろん赤も好きですが。)
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シャブリ・ブランショ2002(ビヨー・シモン)
初めて飲みましたが、すばらしい作り手ですね。弾むような果実感と、それを支える強靭な酸がバランスよく支えあった球状の酒躯。オークの要素がまだかなり強めに感じられることもあり、もう少し寝かせたほうがよさそうです。

 

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ピュリニーさん
、みなさま、ご馳走さまでした。

日時 2009/1/21
銘柄 旭洋酒 ソレイユ Chino 甲州 2007
産地 日本>山梨
感想 これは私が今まで飲んだ中で、一番とはいわないまでも三本の指に入る美味しい甲州です。 ほんのりグリーンがかった、淡めのイエローの色調。香りはシトラスや青リンゴ、グラスハーブにほのかにバニラが加わった心地よいもの。 口に含みますと、クリーンで雑味のない果実味が好印象です。酸もしっかりとしていて、樽のフレーバーが控えめにアクセントを添えています。芳香力の強さ、雑味のない果実、酸の豊かさなど、品種の課題を上手にクリアしており、樽使いの巧さとあいまって、技術の高さ(栽培、醸造ともに‥)を感じる味わいです。今まで甲州種のワインに樽を使うことには極めて懐疑的だったのですが、これを飲んで認識を改めました。甲州離れした「バタ臭さ」?をどう捕らえるかによるかと思いますが、国産ワインファンで、まだ飲んだことのない方にはぜひ飲んでいただきたい一本ですね。【中吉】

↑楽天では売り切れですね。この銘柄もまた、国産人気銘柄のご他聞に漏れず、入手の難しさが難点か。

★旭洋酒の銘柄は総じてレベル高いですね。★
日時 2009/1/19
銘柄

取引先の方が2月1日づけで異動になったので、送別会を兼ねて、新橋のぴっつぇりあ「ドゥォーロ」に行きました。ワインには大して期待してなかったのですが、思いがけず美味しい銘柄をいただくことができました。

キャンティクラシコ2005(リヴェルナーノ)
プーロ・サングエなどで知られる作り手ですが、キャンティクラシコを飲むのは初めて。カシスや黒い果実、スパイス類にバニリーな心地よい樽香が絡みます。口に含むと、麦わらっぽいひなびた含み香も。果実味がよく凝縮されており、といってタンニンもきめ細かく熟しているので、今美味しく飲むことができます。これはレベルの高いキャンティクラシコです。お店で「ジャケ買い」してもなかなか美味しいキャンティクラシコにはめぐり合いませんが、やはりキャンティクラシコは作り手の名前で選ぶのが正解ですね。

マッキオーレ・ボルゲリ・ロッソ2006
飲み足りなかったので、500mlをデキャンタで注文。このお店、いろいろな銘柄がボトルだけでなくデキャンタでも頼めます。ブラックベリー、ブラックチェリー、丁子、墨汁、黒鉛。味わいは最初の方こそ固めでしたが、空気に触れて徐々に本領を発揮、相変わらずレベルの高い味わいです。上の銘柄と比べると品種の違いが際立って好対照でした。

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店内はワイワイガヤガヤと、いかにもピッツェリア的ですが、テーブルのスペースは充分で窮屈感はありません。料理はどの皿もなかなかレベルが高く、イカ墨のリゾットなどは絶品でした。あえて難をいえば、店員のサービスがイマイチ目が行き届いていない感じだったところですかね。また利用したいお店です。

日時 2009/1/17
銘柄

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ワインブログというわりには、このところ飲んだワインネタがめっきり減っている当サイトですが、先週までは人間ドックに備えて、アルコールを控えていたという事情もありまして‥。
晴れてドックも済みましたので(結果はまだですが…(^^;)、週末は久しぶりに大学時代の友人夫妻とたっぷり飲んで食べました。

ピュリニーモンラッシェ2002(ルフレーヴ)
1級ピュセル、シュヴァリエモンラッシェも同時に購入しましたが、今回はそれらの飲み頃を計る意味もあって、順当に村名を開けてみることにしました。結論から言いますと、村名は充分飲み頃どころか、もう少し早い時期に開けてもよかったかな、という感じでしたね。まあ、個体差、ボトル差もあるとは思いますが。 色調は暗くてよくわかりませんでしたが、香りは黄桃、マロン、洋ナシなどの甘い果実や黄色い花を思わせるアロマチックな香りがよく出ていました。健康な果実に由来する甘みがあって、外向的で飲みやすい状態でしたが、やや全体の構成が緩い面も見られたかな、と。シュバリエはともかく、ピュセルについては、それほど寝かさずに飲んでみようかとこのボトルを飲みながら思いました。

↑写真は06年。高くなりましたね。
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クロ・ヴージョ・ミュジニー2002(グロ・フレール・エ・スール)
マニアの間では、あまり奪い合いになるようなことのないつくり手ですが、私はわりと好きです。下から上までソツなく造っていて、比較的飲み頃も早く来る印象があります。それでいて蔵出しの古酒なんかも出回ってますしね。今回持ち込んだこの銘柄も、今現在非常に良い状態になっていました。 黒い果実やスパイス類中心の香りの中に、揮発性塗料のようなニュアンスが混じっていますが、決して不快はものではありません。もう少し置くと、下草や皮革系の香りも出てきそうです。味わいは02年らしい密度感のあるもので、なめらかなタンニンとしっかりした丸い酸が立体的な味わいを形成して、ご一緒した友人夫妻にも好評でした。

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Ch.トロロンモンド98
紆余曲折のはて、めでたく格付け昇格したトロロンモンド。まあ格付け云々言う前に、このシャトーの実力は、テルトルロートブッフやパヴィ兄弟などとともに、すでに万人の知るところとなっている感もありますがね。 98年は右岸の方が出来のよかった年ですが、充実した構造の中にも、構えることなく入り込める近づきやすさがあるのがいいですね。抜栓当初はタンニンが前面に出ていて、まだ早かったかなとも思いましたが、グラスの中で徐々に表情を変えて、後半にはバランスのとれた姿を見せてくれました。ブラックベリーやカシス、八角、甘草、カフェ、朽ちた木などの整った香りは、もう少し寝かせると熟成香が前面に出てくる、ちょっと前の段階というところでしたね。

↑写真は96年。
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日時 2009/1/9
銘柄 キャンティクラシコ05(ポッジョ・ボネッリ)
産地 イタリア>トスカーナ
感想
地元で有名なハンバーガー屋さん「ベーカー・バウンス」のテイクアウトにあわせて。このボトルは、カーヴドリラックスの実店舗で購入後、セラーに入りきらずに、納戸に置いておいたものなんですが、ここ数日気温が低かったせいか、開けたては冷えていてガチガチでした。邪道と知りつつ、グラスごとコタツの中に入れて軽く暖めましたら、いい香りが出てきました。 色調は濃いルビーで、エッジはじんわりとした赤紫色です。香りは火を通したブラックベリーやカシスなどのフルーツ、丁子ナツメグ、干草、それに毛皮っぽいニュアンスもあります。口に含みますと、麦わらっぽいフレーバーとともに果実味が広がり、じんわりした酸と粉っぽいタンニンとがそれを支えます。 収穫後、ステンレスタンクで15日間のマセラシオン。フランス産の小樽で10ケ月熟成、その後瓶熟3ヶ月間、とのことですが、あまり樽のフレーバーは前面に出てきません。カルロ・フェリーニ銘柄にしては、やや野暮ったい感じもしますが、キャンティクラシコらしさのよくでた味わいだと思います。 【小吉】
日時 2009/1/4
銘柄 モレ・サンドニV.V99(ユベール・リニエ)
産地
感想

今日は昨晩(2000ルソー)か大晦日(97リッシュ)の残りを小瓶に移し変えたものを飲もうと開けてみたのですが、いざ開けてみると‥。 昨晩のルソーは香りこそやや衰えたものの、味わいは初日のレベルをキープしていました。一方のリッシュはほとんど初日の面影はなく、醤油っぽい味わいになってました。。まあ10年前のボトルを小瓶に詰め替えるという、デキャンティングに近い行為を行ったわけですから、多くを期待するのがムリというものですが、やはり小瓶への移し変えは、若めのボトルで、移し変え後早めに飲むのがよいということなのでしょうね。 0104wine.jpg
通常ならこのルソーの残りをチビチビ飲むところですが、正月休みにあまりワインを飲まなかったこともあり、最終日にふさわしい銘柄を開けようと思いまして、表題のボトルを抜栓してみました。 このユベール・リニエは、小田急ハルクの閉店セールで購入したもの。実のところ、同時に購入したものの中にはコンディション的に問題のあるものが多かったので、このボトルもどうかな、と思いながら開けてみたのですが、コルクもきれいでしたし、状態には問題なかったようです。(時おり、ほんの少しばかりコルキーなニュアンスも感じましたが、まあご愛嬌というレベルでした。) 色調は濃厚なルビーで、中心部は黒みがかかっています。香りは、少し火を通したような、ブラックベリーなどの果実、甘草や丁子などのスパイス、黒土、スモークなど。口に含むと、ルソーの透明感とは対照的な、濃厚でスモーキーな味わいです。タンニンはやや粉っぽく、酸にも力があり、まだ熟成しそうな余力を感じます。結局二日目のルソーとグラスを並べて飲んでますが、剛柔合間見える感じで、贅沢な比較になりました。【中吉】


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日時 2009/1/1
銘柄 ジュブレイシャンベルタン・クロ・サンジャック2000(ルソー)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想

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正月三が日も終わりですね。今日は朝の寝坊を取り返し、昼までは順調な生活だったのですが、午後になって、下の子が体調が悪いといい始めて(上の子の溶連菌が伝染ったか?)、結局みなで家でグダグダと過ごしました。残り少ない休みではありましたが、まあこういうのんびりした日があってもいいかな、と。
オーボナクイユさんに注文した フレンチおせちもあとわずかになってきましたので、この日のワインはそれに併せて上等のものを開けることにしました。
グラスに注ぐと、色調は中程度からやや明るめのルビーで、エッジはオレンジのきれいなグラデーションになっています。香りはダークベリーやカシス、枯葉、ダージリン、黒土、ミネラルなどに皮革や下草系の熟成香が混じった心地よいもの。口に含みますと、クリーンで甘く艶やかな果実味があり、それをしなやかな酸ときめ細かくなめらかなタンニンとが受け止めています。第一印象では、それほどの凝縮感はなく、すっと口の中に入ってくるのですが、中盤、豊かな含み香とともに、果実の旨み感がグンと増し、フィニッシュには果実由来の甘みが心地よい余韻を残します。リリース直後に銀座屋さんで購入して、ずっと寺田倉庫に預けていたボトルですが、期待どおりの熟成した姿で私を楽しませてくれました。やはりルソーはいいですね。上位銘柄であれば、十年二十年と熟成する一方で、わりと早めに開けてしまっても美味しいですし、ボトルのバラツキも少なく、途中で堅く閉じこもってしまうこともなく、守備範囲の広い、安定した生産者だなあと思います。そういう意味では、記念日などにあけるには、手堅いチョイスだといえますね。【大吉】

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