2008年12月

日時 2008/12/31
銘柄 リシュブール97(A・Fグロ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 1231wine.jpg
なにぶんこういう景気ですから、私に限ったことではないと思いますが、とにかく今年は仕事で苦しい思いをした1年でした。今年苦しんだ結果が来年実を結ぶというのならまだ救われるのですが、おそらく来年はもっと厳しい1年になるだろうということで、この正月休みは次に来る大きな波に備えた、つかのまの骨休みという感じです。
前のエントリーにも書いたように、ワインライフの面でも相当制約を受けそうですが、このサイトについては、ワインを飲めない体にならない限り、細々とでも継続していこうと思っていますので、来年もよろしくお願い致します。

ということで、1年の終わりに何を飲もうかと思案しまして、表題のボトルを開けることにしました。ルソーとかデュジャックとかも考えたのですが、これらはワイン会でもニーズがありそうなので、一般的にあまり人気のない、それでいてよい畑のボトルをチョイスした次第です。 久しぶりに取り出したリーデルのソムリエグラスに注ぎますと、色調はややくすんだルビー色で、エッジにははっきりとオレンジがみてとれます。芳香力は期待したほどでない、というか正直弱めですが、それでも心地よいスパイス類や赤身肉、なめした革、毛皮などが香ってきます。味わいは強い凝縮感やスケールの大きさはないものの、外向的な柔らかい果実味を中心に、各要素が溶け込んだほどよい熟成感のあるもので、旨み感もたっぷりあり、厚みのある余韻を残します。とはいえ、鼻に抜けるようなゴージャスな香りの束とか、球体のような味わいとか、そういう抜きん出たレベルには達しておらず、どこかスイートスポットを少し外したようなもどかしさを感じるのも事実です。コルクの状態などから類推するに、流通段階で多少の熱を浴びた可能性もありそうです。 結局、少しばかり消化不良のリシュブールでしたが、2008年はこれで〆ということで、出来れば正月3が日のボトルでリベンジといきたいと思います。【吉】

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日時 2008/12/28
銘柄 Ch.モン・ペラ2006
産地 仏>ボルドー
感想 この日開けたのは、「神の雫」ですっかり有名になったモン・ペラです。

iPhoneを購入したことがきっかけで、学生時代凝っていたクラシックを、最近また聴くようになったことは前に書きました。このモン・ペラは、神の雫ではジャズにたとえられていますが、クイーンにたとえられていますが(誤りご指摘いただきました。私の記憶違いでした。)、クラシックの世界でいえば、さしずめカラヤンが演奏するR・コスサコフの管弦楽、といったところでしょうか。 ソツのない作りと、磨き上げられたディテール、華やかな香味、深遠さや骨太というよりは、モダンで洗練されたわかりやすさ。 中心に黒みがかった濃いルビーの色調。香りはブラックベリーやカシスのコンポート、モカ、エスプレッソ、墨、八角、リコリスなど華やかなもの。 口に含みますと、柔らかなアタックで、凝縮感はイマイチながら、各要素のバランスがよく、今でも美味しく飲める懐の広さがあります。フィニッシュには口中に華やかな含み香が広がり、心地よい余韻を残します。外向的な果実感がどことなく新世界っぽくもありますが、酸とのバランスはまごうとなきボルドー。賛否両論あるようですが、3kという値段を思えば、いいワインだと思います。それにしても、06年のボルドーが、今すでに美味しく飲めてしまうのだから驚きですね。
【小吉】

↑05&06の2本セットなども面白いですね。

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日時 2008/12/28
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ2006(シャルロパン・パリゾ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想


「キュベ・プレステージュ」というサブタイトル?がついているようですが、パリゾのACブルを飲むのは初めてです。 色調は濃いめのルビーでエッジはまだ紫色ですね。香りはわりと高めのトーンで、ブルーベリーやカシス、オレンジピール、それにハーブやダージリン。ゴムっぽいニュアンスも少しばかり感じます。若いパリゾのワインですと、樽の要素をかなり強めに感じることが多いのですが、この銘柄は新樽使ってないんですかね、樽由来の香りはほとんど感じられません。口に含みますと、厚みのあるフレッシュな果実味としっかりした酸を感じます。上位銘柄のような格調高さはなくて、カジュアルな味わいですが、そこそこのアルコール度もあってか、なんだか新世界のピノっぽい雰囲気もあります。 悪くはないのですが、あまり上位銘柄との連続性が感じられないのが、パリゾファンとしては、ちょっと肩透かしですねぇ。裾モノとはいえ、もう少しパリゾらしさの片鱗ぐらいは感じさせて欲しかったな、という思いはあります。【吉】

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日時 2008/12/24
銘柄 フィリップ・ゴネ・レゼルブ・ブリュット
産地 仏>シャンパーニュ
感想
前の週の週末にヨドバシカメラで子供たちへのクリスマスプレゼントを買ったのですが、開けてみると、なんと下の子のプレゼントが希望していたものではないとのこと。 カミサンによると、子供の説明を聞き誤り、違う商品名を私に伝えてしまったようなのです。なんだソリャ。 『サンタさんに手紙書いたのに‥。』『おねえちゃんは、お願いしたものがもらえたのに‥』といぶかしむ下の子に対して、上の子がひとこと。『イエジは手紙に自分の名前を書かなかったからだよ。』
ナイスフォローだ、お姉ちゃん♪

ちなみに下の子は、間違って買ったプレゼントもそれなりに気に入ってくれたようなので、結果オーライでした。

ワインは、クリスマスということで泡モノを開けました。 8月にも一度飲んだフィリップ・ゴネですが、今回はだいぶ印象が異なりました。前回は白い花やシトラスの香り、爽やか系の味わいでしたが、今回飲んだボトルは蜜っぽい香味が中心にあり、少しばかりしつこさを感じましたね。まあ、私の体調のせいかもしれませんが。
【吉】
日時 2008/12/18
銘柄 ドッグ・ポイント・ソーヴィニヨンブラン2007
産地 NZ
感想
いやあ、すみません。 って何を謝っているんだかわかりませんが、このソーヴィニヨン・ブラン、私にとっては衝撃的なほど美味しいです。 グラスに注ぐと、淡めの黄緑の色調です。グラスを近づけると樽香なんでしょうか、フワッと甘いトップノーズのあと、グレープフルーツやシトラス、ハーブ、ミネラルなどの爽やかな香りが立ち上ります。味わいはフレッシュでかつ厚みのある果実味と、ヴィヴィッドな酸とのバランスが良好。含み香もとても豊かで、どこまでもアロマチックなワインです。キンキンに冷やすよりは、少し温度を上げたほうがふくらみと果実感が出てきてよいかもしれません。ソーヴィニヨンブランというと、一部の高額銘柄を除いては、青臭かったり、ネコのオシッコ的なひねた香りが強かったり、痩せてギスギスした味わいだったり、アタックは鮮やかでも後半尻すぼみだったりとか、正直良いイメージがなかったのですが、これって、単に私が美味しいソーヴィヨンブランを開拓してなかった、ということなのかもしれません。いやあ、美味しいです、ホント。久しぶりにちょっと高級なサンセールなども買ってみたくなりました。【中吉】

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日時 2008/12/17
銘柄 ブルゴーニュ・キュベ・ジェラール・ポテル2005(ニコラ・ポテル)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想
「かつてACポマールとして認定されていたポマール村、国道を挟んだ区画「メゾン・デュー」を中心に80%がヴォルネイ村、アロース・コルトン村、ポマール村、シャンボール・ミュジニイ村とヴォーヌ・ロマネ村の各村より。20%がACマルサネ、ACショレ・レ・ボーヌ。樽醗酵・樽熟成」 なるほど、ボーヌのブドウが母体なんですね。さすが2005年だけあって、ACブルにしては充分に濃い色調。香りはカシスやダークベリーなどのジャム系の果実、スミレ、紅茶、枯葉、それにスパイシーな要素も感じられます。飲んでみると、充分な果実の厚みと酸はあるのですが、やや口の中で険しさを感じてしまうのは、抽出が強いのでしょうか、それとも状態の問題でしょうか。かなりエグみ感があって、飲んでいて楽しくありません。う〜ん、これが本来のものなのかな。05年は今回初めてなので、ちょっとわかりませんが‥。 ペリエの瓶につめて半分残しましたので、最終的な判断は残りを飲んでからにしたいと思います。
翌日:結局あまり変わりませんでした。見た目はよいのだけど、食してみるとスジだらけの肉のような、ちょっと残念な味わいでした。
【末吉】
日時 2008/12/15
銘柄 マランジェ2006(ルージュ・キュー)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想
この作り手のオー・コート・ド・ボーヌを飲んで、少しばかり気になったので、村名のマランジェを買ってみました。 最近のブルの中では、淡めといってよい色調。香りはトップノーズにフワッと来るバラやファンデーションのような芳香がありますが、後が続きません。スワリングすると、赤系果実や紅茶などがかすかに感じられるかな、というレベルです。味わいは癒し系で、パワーや凝縮感に欠ける分、クリーンな果実味がしんみりと口の中に広がるようなイメージです。もう少し判りやすい旨み感とか、テクスチャーのなめらかさとか、果実の純度とか、なにか際立つものがあれば、オススメしやすいのですが、正直、地味目なつくりであることは否定できませんね。やや寡黙な時期にあたった感があるので、また半年ぐらいして飲んだら印象が違うかもしれませんが。また作りからして、VTの影響も受けやすいと推察しますので、良年にはもっとインパクトのある出来になるのかもしれません。どうしても追っかけてみたいという作り手ではありませんが、また頃合をみて飲んでみたい気もします。
【末吉】
日時 2008/12/14
銘柄

夕刻ウォーキングで池尻大橋の方まで歩いたついでに、出口屋さんに立ち寄ってみたら、有料試飲をやってましたので、駆け足でテイスティングしてきました。この日のメインはシャンパーニュの飲み比べでしたが、こちらにはあまり魅かれなかったので、17種類2000円の試飲アイテムの方を試してみました。ちなみにウォーキングの途中でしたので、飲まずにすべて吐器に吐き出しました。事前にわかっていれば、時間をかけてのんびり飲み込んでテイスティングできたんですけどね。(気に入ったものには、私なりの点数をつけてみました。)

1.ヴァンドペイ・ドック・シャルドネ2007(ドメーヌ・マルチノル)
良い意味で南仏とは思えない爽やかなシャルドネ。87+/87+

2.コカリエール・ブラン(ドメーヌドーピアック)
2004 ビオっぽさが前面に出ている南仏ブレンドの白。

3.ブルゴーニュ・シャルドネ2005(シャトー・ド・ショレイ)
ん?小田島で飲んだヤツかな?マロンや洋ナシなどの個性的な香味。


4.ランゲ・ビアンコ2007(パオロ・スカヴィーノ)
シャルドネ、SB,ビオニエのブレンドですが、SBっぽさが前面に出てます。美味しいけどちょっと高いかな‥。88/88

5.ビアンコ・ソリソ(パオロ・スカヴィーノ)
前の銘柄をワンランクスケールアップした感じ。フレッシュな中にもふくらみもあり、よいワインです。89/89

6.ピエモンテ・ブリュット05(マリオ・トレッリ)
7.ブランケット・ド・リムー05(ドメーヌ・ド・マルチノル)
8.ブランケット・メソッド・アンセストラルNV( 〃  )

9.レイシス・デ・テンプラニーニョ
カジュアルなスペイン赤。

10.テッラ・プラナ2006(モンテ・ダ・カル)
こちらもカジュアルラインですが、バランスいいです。87/87+

11.パッサドーロ・ティント2004
4k超のワインですが、いまいち味わいに潤いがなく険しい感じでした。機会があれば改めてテイスティングしてみたい。87/88?

12.キャンティ・クラシコ2006(サンジュスト・ア・レンティナーノ)
締まった味わいですが、サンレンのCCにしては、エキス分乏しくタニック。ボトルで通して飲めばまた違うのでしょうけど‥。88/88+

13.ミネルヴォワ・ロペラ2005(ヴィルランベール・ジュリアン)
2Kを切るプライスですが、果実味が豊かでなかなかなハイCPな赤です。

14.コート・デュ・ローヌ(ドメーヌ・デ・バカント)
これも1.5Kそこそこの銘柄としてはバランスよくまとまってます。

15.CH.ベルヴュー・ペシャルノー
サン・フォア・ボルドー地区のシャトー。小さなワインですが、タンニンやわらかく今から美味しく飲めます。88/88+

16.サンセール・ルージュ05(ヴァンサン・ピナール)
やや潤いに欠けますが、料理にはあわせやすいと思います。87+/88

17.ブルゴーニュ・ピノノワール2006(アラン・ジャニアール)
赤系果実や梅。エキス分しっかりあり美味しいです。プライスちょっと高いですけどね。88/88+


これだけの銘柄をテイスティンググラスと解説用の資料つきで2000円で試飲できるというのはいいですね。毎月やっているようなので、来月も参加しようと思います。 http://barexit.exblog.jp/9180669/

日時 2008/12/12
銘柄 コノスル・メルロ 20バレルリミテッド2007
産地 チリ
感想 先日まとめて買ったデイリークラスのワインの中から、コノ・スルを開けてみました。

すっかり、旨安銘柄の代表格となった感のあるコノ・スル。デイリーといっても、コノ・スルのラインアップの中では上位に位置しますし、プライスも2Kを超えてます。重たいボトルやシンプルなラベルもなにげに高級感があります。肝心なお味の方はといいますと、、。 紫がかった、濃厚な色合い。香りはまだ初期的な感じです。黒系のフルーツやスパイス類に加えてミントやグラスハーブなどのスッとする青い香りを強めに感じますが、オークがでしゃばり過ぎないのには好感が持てます。口に含みますと、アルコール度も高く、厚みのある果実味が感じられます。特筆すべきは、タンニンのなめらかさ。シルキーという、このクラスにはあまり使わないような形容さえしたくなります。なんのかんの言っても2kのワインですから、口の中での抑揚とか余韻の長さとか、そういう面で多くを期待しすぎるのは酷ですが、奇をてらうことなく正攻法で作られたいいワインだと思います。今でももちろん飲めますが、2〜3年ぐらい寝かせると青っぽさが抜けて面白いのではと思います。【小吉】

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日時 2008/12/10
感想 以前の職場の先輩と久しぶりに晩飯でも、ということになって、池袋の老舗のイタリアン「文流」さんに伺ったのですが、10年以上前の地図を頼りに行ったら、周囲の建物がガラリと変わっていて、あらためて、池袋って、最近ほとんど行ってないなぁと実感しました。 で、その「文流」さんですが、店員さんも方もそれなりに年配の男性ばかりで、お客の年齢層も高く、ちょっと不思議な感じでした。お料理は、どうですかねぇ。以前伺ったときは美味しいなあと思ったのですが、10年前と比べて、やや質が落ちているのか、それとも私の舌が肥えたのか‥。 ワインは、お店の以下の銘柄を注文。

ロッソ・ディ・モンテプルチアーノ2002(アンティコ・コーレ)
飲みやすい赤です。スミレやカシス、プラムなどに加えて甘草のようなスパイス感もあります。あまりよろしくない年ですが、水っぽさや薄められたようなところはなく、十分なコクがあります。タンニンは溶け込んで、酸とのバランスも良好。果実味がかなりジャミーですが、最良の状態のものはもっとフローラルで軽やかなのではと想像します。お店ではそこそのお値段でしたが、楽天で出ているぐらいのお値段なら、デイリーにいいかもしれませんね。【吉】

日時 2008/12/7
銘柄 ニュイ・サンジョルジュ・ヴィーニュロンド2003
(ジョルジュ・ミュニュレ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 前日下の子の誕生日だったので、遅ればせながら、生まれ年のワインを開けてみることにしました。選んだのは、先日ゆはらさんで購入したジョルジュ・ミュニュレのNSG。 2003年はご存じのとおり、WA誌の評価は総じて高いのに、愛好家の評価は芳しくないという、不思議な年ですが、さて。

う〜む、これは参りました。前回飲んだ02のシャンボールミュジニー・フスロットとはうって変わって、「美味しくない」ワインです。 グラスに注ぐと濃厚なルビーの色調で、エッジにはオレンジは見えず、まだピンクがかっています。香りは煮詰めたような黒い果実やプラム、スパイス、土などの重々しいもの。口に含みますと、まだ若いなと感じさせる濃厚な果実味のアタックがあるのですが、酸とともに、苦みが出てくるのがよろしくありません。いわゆるタニックというワインではないし、収斂味もあまり感じないのですが、煮詰めたような「甘苦い」味わいが基調となっていて、後半にはカァッというアルコール感も加わり、クドさを引き立たせます。フィニッシュは果実の甘みと苦み、それにアルコールとがバラバラに自己主張している印象。時期的な要素も大きいのかもしれませんが、チーズなどと一緒に飲まないと杯が一向に進みません。この喉越しのクドさまは厳しいなぁと思いました。 ちなみに、WA誌では、以下のようなコメントで、93ポイントついているんですけどね。

the 2003 Nuits-St.-Georges Vignes Rondes boasts an awesome nose of candied raspberries, black cherries, blueberries, and flowers. Medium to full-bodied and satin-textured, this wine exhibits outstanding depth, concentration, and length. Exquisitely ripe, its character slathers the palate with loads of red, black, and blue fruits as well as almost sweet tannin. In addition, it sports a long, fruit-filled, supple finish. Projected maturity: 2007-2015.

とりあえず、半分(以上)残して、明日また飲んでみたいと思います。 #って、これだけ酷評しておいて、明日になったらコロッと変わっていたりして‥。【末吉→吉】

翌日:充分に空気に触れたからでしょうか。ミネラリーな要素も感じられるようになり、バランスも前日よりは整って、かなりよくなりました。とはいえ、フィニッシュのイガイガ感は相変わらずで、やはり難しいビンテージだなあと改めて思いました。うまく作っている生産者もいるんですけどね。ジョルジュ・ミュニュレの場合は、ビンテージのネガティブな要素をもろに蒙ってしまったということなんでしょうか。それとも、到着後1週間で開けたのがよくなかったのでしょうか。状態は悪くなさそうですので、同時に買ったもう1本は、あと数年寝かせて飲んでみようと思います。
日時 2008/12/4
銘柄 先日の「オーグードゥジュール・ヌーヴェルエール」に続いて、今度はグルメな取引先の方との接待で、日本橋の「オーグードゥジュール・メルヴィユ」に行ってみました。
今回も接待費節約(笑)と自分の趣味を兼ねて、ワインを自宅のセラーから持ち込ませていただきました。

シャブリ2007(シャルロパン・パリゾ)
私の大好きなつくり手、パリゾが初リリースするシャブリです。村名で5Kとかなりお値段高めですが、さてお味のほうは? 充実したイエローの色調でほんのり黄緑がかかっています。香りは白桃やシトラス系の柑橘、白い花、ミネラル、それにバニラなど。 口に含むと、肉厚のある果実味のアタック。しなやかでエッジの丸い酸がそれを支え、隙のないテクスチャーと筋肉質の酒質がすばらしい。結構マッチョなシャブリですが、イイですね。余韻の長さも村名のレベルを大きく超えていると思います。今はややオークが目立ちますが、数年エージングさせるとさらにすばらしくなりそうです。1級のリリースは1月になるようですが、こちらもまた試してみたいと思います。
【中吉】

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エシェゾー2002(ロベール・アルヌー)
3月に飲んだときは、初日かなり還元的で二日目になって落ち着いたのですが、今回はどうでしょうか。グラスに注ぐと、毛皮や獣系のモワッとした香りが立ち上ります。正直心地よいというよりは「クサイ」と言いたくなるニュアンスなんですが、ボトル中盤にさしかかるぐらいにはそれも消えて、カシスやダークベリーのコンポート、丁子、八角系のスパイス、ヨード、下草系のいい香りに収束していきました。味わいは、当日運搬の影響もあるのか、果実味がドロンとした印象で、それはそれで淫靡な感じがしてよいのですが(笑)、いつものアルヌーに比べると、少しばかり構造に緩さを感じる気がしました。といっても、もちろん十分美味しかったですけどね。ちなみに、この銘柄、WA誌の飲み頃予想は、2007-2017とのことですが、ボトル1本飲んだ過程の変化を思うと、もう少し寝かせたほうがよかったのかなとも思いました。 【小吉】

↑写真は05年。
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メルヴィユさんの料理は満足のいくものでしたが、サービスの部分では少し「?」な面もありました。食事の間にグラスが空いてしまって、注いでくれと2度ほど注文しましたし、会話のノリが、フレンドリーを通り越して少しばかり「なれなれしい」と感じてしまうときもあったような…。まあ、その辺は個人の感じ方にもよりますし、大きなマイナスポイントではありませんけどね。
日時 2008/12/3
銘柄 サン・ブリ2006(ゴワゾ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想
10年前にエキスパートを受験したとき、VDQSの代表格として「ソーヴィニヨン・ド・サンブリ」という名をを覚えさせられました。それが2年前にシニアを受けたときには、「サンブリ」としてAOCに昇格してまして、機会があれば飲んでみたいな、と思っていました。 今回ようやく、その気になるサンブリの生産者ゴワゾのものを飲むことができたのですが…。 ソーヴィニヨンにしては、濃いイエローの色調。グラスハーブや洋ナシなどの香りにまざって、蜜のような甘いニュアンスも感じます。飲んでみますと、思いのほか酒肉が厚く、ボッテリとした印象があって、酸もややダルに感じてしまいます。果実味は香りから連想されるとおり、蜜のように凝縮されているのですが、ややクドさを感じます。総じて、SBというよりは、南フランスあたりの安ヴァンドペイを思い出すような味わいで、正直、私の好みからは外れてますねぇ。 まあ2Kのボトルですし、勝手にSB=清楚でさわやかな味わいを期待していた私のひとり相撲だったのかもしれませんが。 【末吉】