2008年11月

日時 2008/11/29
銘柄 ブルゴーニュルージュ06(シャトー・ド・ラ・マルトロワ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 誕生日騒ぎも落ち着き、この日開けたのは、カーブ・ド・リラックスの実店舗で、ジャケ買いならぬラベル買いしたシャトー・ド・ラ・マルトロワの裾モノ。 和泉屋さんの生産者説明を引用しておきます。
シャサーニュ村の中央、葡萄畑を見下ろす好位置にあるシャトー・ド・ラ・マルトロワ。シャトー・ド・ラ・マルトロワは15世紀に造られたシャトーで、1940年に手にダニエル・ピカールが手に入れ、ドメーヌを立ち上げました。 1992年からダニエルの孫にあたるジャン・ピエール・コルニュが栽培・醸造の責任者を務めています。現在ではシャサーニュを代表する造り手となっております。 その醸造理念は『土地の性格・持ち味を活かすこ』と。 ワインの良し悪しのほとんどはブドウ作りで決まるという信念のもと徹底したグリーン・ハーベストと選果を行い、収量の制限をしています。酵母は野生酵母を使用しています。 樽の使用にも大変こだわりを持つジャン・ピエール・コルニュ氏が素晴らしいワインをつくりあげています。


エッジに紫がかったルビーですが、色合い自体はそれほど濃くなく、透き通った色調です。香りは、赤系果実やスミレのほか、乾いたスパイス的なニュアンス。口に含みますと、果実感はそこそこ充実しているのですが、それ以上に乾いたタンニンが支配的です。まだ初期的であることを差し引いても、抽出の強さを連想させる渋み苦みの効いた味わいが邪魔して、なかなか杯が進みません。 現状では、もう一度買おうという気にはなりませんが、新しいVTですと、翌日思いのほか向上することもあるので、最終的な評価は、明日を待ってからにしようと思います。【末吉】
翌日:昼下がりから飲んでます(笑)。相変わらず厳しめのタンニンが健在で、筋張った肉を食べているような今イチ感は残りますが、初日よりはだいぶ和らいだ印象です。機会があったら、上位銘柄や05年なども飲んでみたいと思います。
日時 2008/11/28
銘柄 ニュイ・サンジュルジュ・レ・シェニョ96(シュヴィヨン)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 昨日のリベンジと、購入ルートのチェックをかねて、表記のボトルを開けてみました。コラン・ドレジェと同じく、半額セールで購入したものです。 抜栓してみると、コルクがこのクラスにしては妙にチープで、不安が増します。とてもトップドメーヌがリリースする1級クラスとは思えないような短いコルクで、材質も質感に欠ける上、半分ぐらいまで染みてきています。
気を取り直してグラスに注ぐと、エッジはかなりオレンジがかかったガーネットの色合いです。香りは、、お、、いいですね!ブラックチェリーやカシスのリキュール、皮革、下草などの熟成感のある香り。味わいも充分に熟成したもので、口の中でリキュールチックな果実味が広がります。タンニンはよく溶け込んで、心配された酸も突出することなく、いい感じでバランスがとれています。途中、やや厩チックな不快なニュアンスが顔を見せましたが、ボトル1本飲みきるころにはそれも目立たなくなっていました。(この日は勢いで1本飲んでしまいました。はは。)
まあ、結論からいえば、購入ルートの不安は払拭されたとみてよさそうですが、それとは別に後悔していることといえば、あれだけ02、03VTを買い込んだのに、シュヴィヨンは買ってないんですよ。これだけ綺麗に熟成するのなら、数本ずつ買っておけばよかったかな、と。 まあ、まだ市場にタマはありますけどね。【中吉】

↑写真は05年。
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日時 2008/11/27
銘柄 シュバリエモンラッシェ97(ミシェル・コラン・ドレジェ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 この日は私の誕生日でした。美味しそうなパテがあったので、私には珍しく、いい白ワインを開けようと、セラーの中から出してきたのが表題の銘柄だったのですが‥。

ミシェル・コラン・ドレジェは、04年でしたか、引退して、今はお二人の息子さんに畑を譲っているとのこと、このシュバリエ・モンラッシェも今はフィリップ・コランの名前でリリースされてますね。
このボトルは、01年ごろ、経営危機に陥ったあるネットショップが(当時伝説となった)全品半額セールをやった際に購入したものです。
抜栓してグラスに注いでみると、かなり濃いめの黄金がかったイエロー。香りは、う〜む、ほとんど立ち上ってこない上、奥の方に消し炭のようなあまり好ましくないニュアンスもあります。味わいは香りほど酷くはなく、厚みのある酒躯とモカっぽい含み香が本来の姿の片鱗ぐらは感じさせてくれます。いずれにしても、残念なボトルです。 いわゆるPremature Oxidation(熟成前酸化)というヤツでしょうか。シェリーっぽさはないんですけどね。それとも、入手の経緯が経緯なので、流通段階ですでに痛んでいたのでしょうか?だとすると、同じ経緯で入手したボトルがまだ何本もあるので、それらの状態も気になるところです。いずれにしても、誕生日のボトルがこれでは収まりがつかないので(笑)、今晩リベンジの意味で、同じショップから入手した赤を開けてみようと思います。【凶】

↑写真は94年。
日時 2008/11/26
銘柄

ミシュラン一つ星にして、私の行きつけである麹町オーグードゥジュールの系列店『オーグードゥジュール・ヌーヴェルエール』を今回初めて、会社の接待で利用してみました。
東京駅を真正面に見下ろせる眺望。店内は座席の間隔が心持ち狭いかなという気もしますが、シックにまとめられていて、安っぽさはありません。料理も全般に洗練されていて、デザートなど美味しくいただきましたが、メインの羊の煮込み肉のリゾットのせ(名前適当)は、ちょっと凝りすぎというか、もっと素直に普通の肉料理をいただきたかったなと思いました。

ワインは、抜栓料2100円を支払って、以下のワインを持ち込み。

ムルソー・グーテドール2002(アラン・コシュ・ビズアール)
樽香がかなり強め。といっても嫌味ではなくて、バニラというよりは、香ばしいクロワッサンや干草のような香りが前面に出ています。味わいは、充実感のある果実味としなやかな酸による隙のないバランスが見事で、ご一緒した方々の評判も上々でした。リリース当時、なにげに買った銘柄ですが、期待を上回るいい出来だったと思います。同じVTをお持ちの方は、もう少し寝かせてもいいかもしれませんね。【中吉】

↑写真は04年。
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Chピションラランド95
エノテカのテイスティングイベントの際に買ったボトル。調べてみたら99年の12月4日のことでしたので、10年近く経っていることになります。かなり透明度の高いガーネットの色調で、エッジはオレンジがはっきりと見て取れます。香りは、カシスやダークチェリー、プラム、バラ、乾いた中国系のスパイスなど。口に含みますと、酒躯は熟成して柔らなくなっており、ピュアな果実感が好印象ですが、反面ややタンニンと藁っぽいフレーバーが目立ちます。最良のコンディションのものと比べると、果実味がかなりへこんでいるのではないかなと想像しますが、エノテカで10年前に買って、手元で寝かせたボトルとしては、まあ及第点でしょう。【吉】

↑高くなりましたね。
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日時 2008/11/25
銘柄 オー・コートドニュイ・ブラン05(ユドロ・バイエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想

昨日は、一日風邪で臥していたのにも関わらず、実家よりいただいたモンドールの誘惑に勝てず、ろくに鼻も効かないのに、晩酌に表記のワインを開けてしまいました。
今回白を選んだ理由と言うのは、残ったモンドールに、「白ワインとパン粉をかけてオーブンで焼く」といういただき方がありまして、それをぜひ実践したいな、と思ったからです。

で、肝心なユドロ・バイエですが‥。
ブルゴーニュの場合、赤にとっての良年は必ずしもブル白にとっても良年とは言い切れず、酸がゆるくボテッとした酒躯になったり、果実味がしつこくなってしまうことがあるように思います。05年の白については、私はほとんど飲んでないのでわかりませんが、この銘柄に限っては成功している部類だと思います。 キュルティ・ヴィエルジー村70%、ムイエ村30%の0.85haのブドウより作られ、平均樹齢は20ン園。新樽比率は15%。 濃いめのイエローの色調は、グリーンというよりは、麦わら色がかっています。香りはグレープフルーツや洋ナシ、それに強めのミネラル。(←風邪で鼻があまり利かず、それ以上嗅ぎ取れません) 口に含むと、充実したクリーンな果実味があって、それを力強い酸が支えています。酸が思いのほかしっかりしているのと、強めのミネラル感とで、酒躯は、やや硬めのイメージがありますが、ゆっくり飲んでいればこなれてくるのかもしれません。いずれにしても3Kそこそこで買える白としては大変よくできていると思いました。ユドロ・バイエといえども、白は結構タマが残っているようなので、お買い得かもしれませんね。まあ、06年は試していないので、どうかわかりませんが。【中吉】

日時 2008/11/23
銘柄 シャンボールミュジニー・フスロット2002
(ジョルジュ・ミュニュレ)
感想

寺田倉庫から引き取ってきた表記の銘柄、本来ならせめて数日休ませたいところですが、一刻も早く飲みたいという衝動を抑えきれず、引き取り当日に開けてしまいました。
なぜそんなに飲みたかったのかというと、ひとつには、02ブルの熟成具合をみたかったから、もうひとつは、寺田倉庫の保管状況を(念のため)確認しておきたかったから、そして一番の理由は、最近ジョルジュ・ミュニュレを飲んでいなかったから、です。

抜栓してみると、コルクはほとんど染みてきておらず、良好な状態。グラスに注ぎますと、透明感のある濃いめのルビーの色調ながら、エッジにはややオレンジが見え始めています。香りがすばらしい。カシスやダークチェリー、ミネラル、ダージリン、オレンジピールなどの奥から、皮革や下草っぽい熟成香が出てきています。口に含みますと、リリース当初の硬さが和らぎ、タンニンやオークも溶け込んで、クリーミーなテクスチャーになってきています。その一方で、中心にある果実味はピュアで鮮やかななもので、しなやかな酸とミネラル感とあいまって、相変わらず端正さを失っていないところがイイですね。後半ほんの少し苦みが感じられるのがマイナス点ですが、それ以外はまさに非のうちどころのないブルゴーニュ。先だって飲んだレシュノーのNSGプリュリエがまだ硬かったので、この銘柄もどうかな、と思って開けましたが、想像以上に飲み頃になっているのが嬉しい誤算でした。 ジョルジュ・ミュニュレは私の贔屓のドメーヌのひとつですが、市場にも結構タマがあり、値段も比較的穏当なのがありがたいところです。今回の印象が良かったので、近々バックビンテージを何本か買い足そうと思います。【中吉】

↑写真は04年。

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日時 2008/11/22
銘柄 会社帰りに、カーブ・ド・リラックスに立ち寄って、有料試飲のボトルを飲んでみました。最近は、ワイン会などに参加する頻度が激減していることもあり、こうして外で安価で試飲できる場は貴重です。ソ・サンなんて、自分ではまず買いませんからねぇ。


■キュヴェソン・カーネロス・シャルドネ2006
ヘーゼルナッツ、黄桃、パイナップル、シナモン、黄色い花、バニラ。ミネラル感もあり、ひと昔前のカリフォルニアのシャルドネとは一線を画すスマートなつくりに好印象を持ちました。1本買って帰ろうかと思いましたが、荷物が多かったので断念しました。

■ラ・ビアンカーラ・ソ・サン2006
Vinovinoさんの紹介文を引用します。
ソアーヴェの隣のDOC地区である、ガンベッラーラで、アンジョリーノ・マウレが1989年より、7ヘクタールの畑とともに始めたワイナリー。年生産量は約4万本。 畑では無施肥による有機農法を実践、葡萄の収量制限、野生酵母を使用、瓶詰めまで2酸化硫黄未添加、バリックから大樽への回帰など醸造理論に関してはエドアルド・ヴァランティーニ、ジャンフランコ・ソルデーラ、ヨスコ・グラヴナーらと考えを共にします。

赤い果実を覆うような有機性塗料のような香りが独特です。味わいは香りほどエキセントリックではなくて、自然派らしい、果実のみずみずしさと喉越しのなめらかさがあり、バランスのよい飲み心地です。香りはもっと空気にふれれば変わってくるのでしょうね。
日時 2008/11/20
銘柄 ボージョレ・ヴィラージュ・プリムール2008(カリーム・ヴィオネ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店
世間ではほとんど盛り上がっていないようですが、我が家では、あるまじろさんから購入したこの銘柄がちょうど夕食時に届いたので、早速飲んでみました。 実のところ、毎年それほど真剣にボジョレーを飲んでるわけでもないので、今年の出来がどうなのかよくわかりません。でも、このボトルに関しては、いかにも搾りたてのアルコール入りグレープジュスという雰囲気で、素直に美味しかったですよ。クール便で送ってもらって、かなり冷えた状態で飲んだのがよかったのかもしれません。 まあ、お祭りですからね。難しく考えずに楽しめばよいと思います。
日時 2008/11/14
銘柄 やっと1週間が終わりまして、クタクタになって直行帰宅‥と思いきや、「ゴメン、外でゴハン済ませてきちゃった」との家人の電話で、急遽方針を変更しまして、地元三軒茶屋でひとりで飲むことに。

飲んだワインは、グラスで以下の2種類を。
輸入元は、「エスプリ・デュ・ヴァン」。さすが状態完璧ですね。

■マルサネ・ブラン(ジャン・フルニエ) 初めての作り手。ちなみにこの白はピノグリ主体とのこと。白い花やほっくりしたマロンケーキのような華やかな香りがあって、フレッシュな果実味と酸のバランスも良好。ランクからして深遠なワインではありませんが、お料理のお供に美味しくいただけます。


■ブルゴーニュ・オー・コート・ド・ボーヌ(ルージュ・キュー)
こちらも初めて飲む作り手。本拠はマランジェのようですね。大きくはありませんが、瑞々しいラズベリーのような果実味と立体感のある味わいが心地よいです。値段も穏当なので、今度マランジェ買って、家で飲んでみようと思います。

日時 2008/11/11
銘柄 宴席の二次会で銀座のバーmieux(ミュー)に連れて行っていただきました。行くまで気づきませんでしたが、このお店、ワインバー「みれじむ」の姉妹店なんですね。ウイスキーとカクテルがメインのようですが、どおりでワインも充実しているわけです。 カウンターと個室だけの小さなお店ですが、個室(半個室というべきか)がなかなか使い勝手がいいですね。この日は、人数が多かったので、この個室で、以下のボトルを注文して、みなで1杯ずついただきました。


■サン・ヴェラン・アン・フォーV.V2006(ジャン・リケール)
ゴールデンデリシャスや黄桃、バニラなどの外向的な香り。口に含むと、蜜のような濃厚で甘い果実味をしなやかな酸が受け止めています。大きさや深みはありませんが、バランス良好で素性のよさを感じるシャルドネです。


■アミラル・ド・ベイシュヴィル2001(写真は2004年)
カシスダークチェリー、バラ、ファンデーションなどのかぐわしい香り。味わいはやや硬く、前銘柄とは打って変わって内向的なワインです。タンニンがわりと粗いので、バランス的に果実味がもっと前面に出てきてほしいところです。まあ、時期的なものもあるのかと思います。

みれじむさんには、赤坂にあった頃に一度行きましたが、銀座に移転されてからは伺う機会がないまま時が過ぎてしまいました。機会があれば、また行ってみたいと思います。
日時 2008/11/7
感想 この日は、三軒茶屋「きゃんどる」で宴席でした。飲んだのは、以下の2本。どちらも千商扱いなので、楽天にはありませんね。 1108candle1.jpg
トゥレーヌ・フルール・ブランシュ2006
ギィ・アリオンが2006年からリリースしたカジュアルラインだそうです。ソーヴィニョン・ブラン100%。安価ですが、楚々としていて、スッキリとバランスのよいSB。 【吉】

ブルゴーニュ・ルージュ2005(ジャッキー・トルショー)
裾物ながら、充分に濃い色調。赤系の果実やバラなどのアロマチックな香りの中から、かすかに皮革系のニュアンス。口に含むと、スケールこそ小さいものの、味わいはACブルとしてはほとんど非のうちどころのないものです。この作り手としては異例に濃いといわれる05年ですが、酒質にぎごちなさはなく、どこまでもしなやか&ナチュラル。もう少し置いておいたほうが、旨みが乗ってきそうな予感もしますが、今でも充分美味しい。やはりすばらしいですね、トルショーさん。 【中吉】
日時 2008/11/5
銘柄 キャンティクラシコ・スカシーノ2005(テッラビアンカ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 カーブ・ド・リラックス
感想

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風邪だか胃腸炎だかで絶不調というのに、アルコール消毒などとベタな言い訳しながらワイン飲んでる私です。 この日開けたのは、先日カーブ・ド・リラックスさんの実店舗で購入したキャンティ・クラシコ。初めて飲む生産者ですが、さてどうでしょうか。 濃厚なルビーの色調で、エッジはややオレンジもしくはややピンクがかっています。香りは、ラズベリーやカシス、乾いた中国系のスパイス、麦わら、バルサムなど。口に含むと、酸味基調の味わいで、外向的な果実味とよく熟した豊富なタンニンを芯のある酸が支えています。モダンなラベルですが、国籍不明的なところはなくて、サンジョベーゼらしさのよく出たキャンティクラシコという印象です。やや酸が暴れ気味な印象がありますので、その辺がもう少し抑えられていればと思います。【吉】

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