2008年10月

日時 2008/10/25
産地 夕刻、実家の母親を見舞いに行くついでに、東急本店の試飲コーナーに立ち寄って、南半球のワインを何種類かテイスティングしてきました。三軒茶屋から千歳烏山に行くのに、なぜ渋谷の東急本店を経由するんだ、というツッコミは置いておくとして(^^;、最近は新世界の銘柄をまったくといってよいほど追っかけてないこともあり、名前も知らないような銘柄ばかりでしたが、どれもレベルの高い味わいでした。もっとも、お値段の方もそれなりにするようですけどね。

ホフキルシュ・PN05
無濾過無清澄でしょうか。濃縮系のピノです。透明感はありませんが、ジューシーな果実味と柔らかなタンニンによる豊かで素直な味わい。5Kチョイのプライスは割安とは思いませんが、悪くないですね。
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ジャコンダ・ナンチュアPN06
最初ハーブ系の青っぽい香りが支配的でしたが、時間とともに溶け込んできました。クリーンな果実味、それを支えるよく熟したタンニンと、しなやかな酸。アルコール度も高いのですが、デリカシーを犠牲にすることなく仕上がってます。よいワインです。 10272.jpg
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ビンディ・ブロック5PN06
これはイイですね。いい樽を使っているなと思わせる、心地よいロースト香。やすりで研磨したかのような、エッジのとれた丸いテクスチャー。酸は大人しめですが、緩いということはなく、スケールが大きい中にもどこかおおらかなところがあるピノです。 もっとも、お値段も結構しますね。
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フェルトンロード・カルヴァート07
ビンディの後ではツライかなと思いましたが、こちらもいいです。出し汁のような独特の旨み感があって、味わい深いピノです。昔のフェルトンロードの若いボトルって、もっと青くて硬いイメージがありましたが、これはとてもナチュラルな仕上がりです。 10274.jpg
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ニコラス・カテナ・サパータ04
カベルネ主体でマルベックを混醸。典型的なカベルネの香りで、口に含むと、非常になめらかなテクスチャーに驚かされます。タンニンも精緻で柔らかく、酸も質感のあるものです。仏ものとはまた違ったリッチな味わいで、今の時点で美味しく飲めます。今はアルゼンチンワインでここまで出来のよいものがあるんですね。後で調べたらWA誌で98+獲得してるんですね。さもあらんという感じです。 10275.jpg
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日時 2008/10/24
銘柄 オー・ボン・クリマ・サンタマリアヴァレー・ピノノワール2006
産地 カリフォルニア
感想 長い1週間が終わりました。最近は疲れて帰宅するせいか、年のせいか、ワインをボトル半分近く飲むと、その場で眠りこけてしまうことが多くなりました。 この日開けたのは、我が家ではわりと定番となっている新世界ピノのひとつ、オー・ボン・クリマ・サンタマリアヴァレーの06年。 濃厚ですが明るい色調のルビー。グラスに注ぎますと、ラズベリーやイチゴなどの鮮烈な果実香、シナモン、ゴム、ダージリン、それに皮革系の香りも。 味わいは目鼻立ちのクッキリした、いかにもカリフォルニア的な味わいで、力がありながらも透明感を失わない果実の質感には好感が持てます。酸もしっかりしていて、良い意味でピノらしい甘酸っぱい味わい。アルコール度は高めで、口の中を通りぬける液体に粘度を感じます。フィニッシュは苦みやゴムっぽいフレーバーも加わり、やや雑然とした印象になるのが惜しいですが、3K前後のプライスを考えればよくできていると思います。ABCのこの銘柄、幾度となく飲んできましたが、どのVT,どのボトルを開けてもハズレがなく安定していることがいいですね。
【小吉】


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イザベル・モーガンなども最近は安く買えますね。このところWA誌の評価はあまり高くないようですが、どうなんでしょう?
日時 2008/10/22
銘柄 ル・ノーブル・メドック・ルージュ
産地 仏>ボルドー
感想
■ル・ノーブルメドック・ルージュ 2L 
先日届いた↑コレをさっそく開けてみました。ちなみに、この箱ワインって、写真で見るとすごく大きそうですけど、実物は結構コンパクトです。ミシン目に沿ってダンボールの下の部分を切り取ると、蛇口(のようなもの)が出てきて、そこからグラスに注ぎます。注いだ分、ダンボールの中のアルミの袋が縮むので、ワインを酸化しないまま保存しておける、という仕組みです。 今回購入したのは、メドックルージュ。お値段は、この手のワインの中では高めの約2K。 グラスに注ぐと、中程度のルビーの色調。香りはカシスやブルーベリー、ピーマン、黒胡椒などの、いかにもデイリーボルドーというイメージのもの。味わいは、ライトに近いミディアムボディ。軽めでコクはありませんが、ほどよい果実味と酸があり、タンニンは比較的おだやかです。アルコール度もほどほど(12.5度)で、クセがないのでスルスル飲めます。デイリー物の中でも、これよりもっと凝縮感のある濃厚なワインはいくらもありますが、個人的には、この程度のものが飲みやすくていいですね。過大評価は禁物なれど、そこはかとなく素性のよさを感じるワインです。あまりワインにこだわらない方なら、これで充分だと思いますし、愛好家の方にとっても、ワインは飲みたいけど、わざわざボトルを開けるほどではない、というような日常のちょっとした場面によろしいかと思います。
【吉】
日時 2008/10/21
銘柄 ジゴンダス・プレステージ・キュベ・オート・ガリグ2000
産地 仏>ローヌ
感想
夕刻の会議が中止になり、珍しく月曜日から早く帰宅できました。翌火曜日も夜の部はなし。となると、ワイン飲むしかありません。 この日開けたのは、私としては珍しい、ローヌの赤。サンタ・デュックのジゴンダス・プレステージ・オート・ガリグ、VTは2000年です。品種はグルナッシュ80%、ムールヴェードル20%。WA誌の点数は94点、飲み頃予想は2005年から2025年。少し早いかな、と思いつつ飲んでみました。 濃厚なルビーの色調ですが、エッジはピンクというかオレンジというか、やや複雑な様相を示しています。香りはむせるようなブラックベリー、黒胡椒、丁子、ナツメグ、墨、スモーク、ビターチョコなどの芳香。まだ熟成香は支配的ではありませんが、もう少し置いておけば、腐葉土や皮革系の香りが出てくるのだろうなという感じですね。 口に含むと、噛めるような充実した果実味のアタック。酸もしっかりしていて、後味にはやや粉っぽい多量のタンニンが残ります。アルコール度の高さとあいまって堂々たる体躯があり、いいワインだなあと実感します。購入後数年寝かせたのですが、まだまだ早かった感じです。お持ちの方は、あと数年我慢したほうがいいでしょうね。【小吉】

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日時 2008/10/19
銘柄 ブルゴーニュルージュ03(ジョルジュ・ルーミエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 2003年はWA誌で高得点連発だったのにもかかわらず、一般にブル愛好家からは敬遠されるビンテージです。理由はみなさまもご存知のように、酷暑による焦げたようなフレーバーや、ブルというよりローヌに近いような、やたら濃厚な酒質などと思いますが、我が家では、下の子の生まれ年ということもあって、結構買い込んでいます。リリース後5年経過して、多少は落ち着いてきたかもしれないと思いまして、ルーミエの裾物を開けてみました。質量ともに大したもののない我が家のストックの中で、唯一ルーミエだけは、そこそこまとまった数があります。それらの飲み頃を計る意味もあり、飲んでみたわけですが‥。 まず、抜栓して驚くのは、コルクの状態のよさ。ほとんど上に染みてきていません。この辺、さすがフィネスですね。
1018roumier.jpg グラスに注ぐと、ACブルと思えないような、濃厚なルビーの色調。香りは、やや還元的で、あまり出てこないのですが、基調となるのは黒系のフルーツです。味わいも濃厚なものですが、1本調子でやや硬さと単調さを感じます。これは翌日に持ち越しかなと思い、半分以上冷蔵庫に残しました。 さて、翌日。予想通りの向上を見せてくれました。黒い果実の奥からスパイスやミネラルが出てきます。どこまでもクリーンで、獣や毛皮っぽさがないところがいいです。口に含むと、初日よりぐっとミネラリーで味わいに抑揚が出てきました。ただ、フィニッシュに黒っぽいフレーバー?が支配的になるあたり、やはりビンテージの影響は感じますね。独特の旨み感もまだ前面に出てきてませんし、寺田倉庫にあるルーミエの他の03VTは、もうしばらく寝かせることになりそうです。 【小吉】

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日時 2008/10/13
銘柄 ジョゼ・ミシェル・ロゼ・ブリュット
産地 仏>シャンパーーニュ
購入店 かわばた
感想
実家の母の手術が無事終わったので、軽く祝杯を挙げることにしました。といっても、それほど大変な手術ではなかったので、祝杯も控えめにということで、開けたのは、コレ。この夏、もっとも気にいったリーズナブルシャンパーニュ「ジョゼ・ミシェル」のロゼです。 セパージュは、ピノ・ムニエ50%、ピノ・ノワール50%だそうです。深みのあるサーモンピンクの色調。気泡は細かく勢いがあります。香りはラズベリーやチェリーなどの爽やかな果実中心でしょうか。ロゼにありがちな、生臭さ?みたいなニュアンスがないのがいいですね。味わいも爽やかで中庸を得たもの。カルトブランシュに比べて格別コクがあるとか複雑だということもありませんが、ロゼシャンパーニュがこの価格で買えて、しかもレベル的にもソツなくまとまっているということに敬意を表したいと思います。【小吉】

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日時 2008/10/11
銘柄 地元で大好きなお店、キャンドルさんに、ひさびさに行きました。 当日予約でしたが、この日はわりと席に余裕がありましたね。


■トゥーレーヌ・テール・ブランシュ(クロ・ロッシュ・ブランシュ)
自然派らしいワインです。デキャンタで頼んだら、時間が経ったのが出てきたのか、色調がかなり麦わら色がかっています。味わいはスッキリとしたキレのよい辛口で、後半には苦味が感じられます。ボトルでもう一度飲んでみたい銘柄です。


■サンジョヴェーゼ(ファルネーゼ)
トルショーさんなどもあったのですが、予算の関係でボトルリストにあった一番安い銘柄を注文。ある意味安心銘柄のファルネーゼです。十分に濃い色調。ミディアムとフルボディの中間ぐらいの体躯。複雑さを求めるクラスではありませんし、単体で飲んでも面白くはないと思いますが、肉料理のお供にあくまで脇役として飲むにはちょうど良いと思います。 店構えは、チープな(失礼)ビストロっぽいキャンドルさんですが、料理は相変わらず美味しい。ほほ肉を添えたフォアグラのソテーとか、ウニのパスタとか、石鯛のカルパッチョ、きのこのソティなどなど、どれも素材がよく吟味されていて、美味でございました。食べきれないぐらい食べて、デザートのシャーベットまで頼んで、会計はひとり8kぐらい。いいお店です。

欧風料理キャンドル
http://r.gnavi.co.jp/a940500/
日時 2008/10/9
銘柄

今日も仕事の接待。普段な無難な和食の店か中華あたりを選ぶところですが、今回は女性が多いことを理由に、洋食をチョイスしてみました。以前ブログでご紹介いただいた溜池山王の、「オ・レ・ギョーム」です。初めてなので、持込みはしませんでしたが、次回は持ち込ませてもらおうかと思ってます。


■マルク・クライデンヴァイス・クリット・ピノブラン
ふっくらとして豊かな白ですが、クライデンヴァイスらしい艶やかなテクスチャーがあります。ただ、この銘柄、前菜の「季節野菜のエチュベ(蒸し煮)」にあわせるのには、少しばかり甘かったです。

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■ヴァン・ド・ペイ・ド・ヴァール(ドメーヌ・パンシナ)
エクサンプロヴァンスの東、サントヴィクトワール山ろくの畑で作られたオーガニックワイン。品種はヴェルメンティーノとのこと。前のクライデンヴァイスと順序を変えればよかったと後悔するほどスッキリした爽やかな白です。南方のワインのわりには、酸がしっかりしていて伸びやかななのがいいですね。

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■サンセール04(ドメーヌ・ミエ)
聞いたことのない生産者ですが、お店から勧められて注文してみました。フランボワーズやスミレの奥から、なめした革のようなイイ香りが出ています。味わいは最初ややギスギスしたタンニンを感じましたが、時間とともになめらかになりました。やや単調ながらも、十分な濃縮感もあり、悪くないピノです。 料理については、写真をとらなかったので、うまくお伝えすることができませんが、野菜を多く使ったヘルシーなフレンチで、見た目も美しく、ご一緒した女性たちの評判も上々でした。お値段も、こちらの目計算よりも安く上がり、満足な一夜でした。

オゥ・レギューム
http://r.gnavi.co.jp/g972900/menu3.htm

日時 2008/10/7
銘柄 ペッパーウッドグローブ・CS2007
産地 カリフォルニア
感想 この日は早く会社が退けたのですが、例によって翌日は接待飲み会。ワインを開けても二日に亘って飲むことが出来ません。仕方ないので、帰りにカーブドリラックスに立ち寄って、ハーフボトルを探したのですが、カーブドリラックスって、ハーフボトルはほとんど置いてないんですね〜。意外。 結局、近所の酒屋さんで、例によってお店推薦の安いボトルを購入してみました。選んだのは「ペッパーウッドグローブ」のカベルネ。「一個人」の特集でロオジェの中本ソムリエが絶賛していたという銘柄だそうです。 同じパターンで購入した前回のスペインがそれほどではなかったこともあり、あまり期待せずに飲んだのですが、これが思いのほかイイです。 真っ白な合成コルクを抜いて、大き目のグラスに注ぐと、色調は濃厚なガーネットで、エッジはまだ紫が残っています。香りはグラスハーブやピーマン、ユーカリなどのベジタルなトップノーズの奥から、コンポート状の黒い果実、甘草、バニラなどが豊かに立ち上ります。口に含むと、リッチで甘い果実、やや控えめな酸、よく熟したタンニン、ふくよかな体躯という典型的な新世界テイストですが、クドさがなく、濃厚さ一辺倒でもなく、心地よくバランスがとれいます。隙のないテクスチャーは、香りの複雑さとあいまって、ワンランク上の2千円台半ばぐらいの銘柄といい勝負ができそうです。久しぶりに、旨安銘柄として手放しでオススメできる銘柄を見つけました。【中吉】
日時 2008/10/3
銘柄 バローロ・チャボット・メンティン・ジネストラ98(ドメニコ・クレリコ)
産地 イタリア>ピエモンテ
感想 久しぶりに家でイタものを開けました。セールで購入して、しばらくセラーに寝かせっぱなしだったドメニコ・クレリコ。前にも何度か飲んでいる生産者です。 開けた時期とか、VTNの特性にもよるのでしょうが、シリアスなワインですね〜。 エッジにオレンジがみえる濃いガーネットの色調。火を通したブラックベリーなどの黒い果実、丁子や甘草などのスパイス、漆喰、麦わら。 味わいは、密度感のある果実のアタック。上質で張りのある酸がこれを支えますが、なにしろタンニンがウエットで重たく、口の中で存在を主張します。まるでぬかるみの中を歩いているような重々しさ。口の中の表情の豊かさや余韻など、大物感は充分ですが、熟成という観点でみれば、10年経過してもまだまだという感じですね。翌日どんな具合になっているか、今晩また試してみようと思います。 【吉】

↑写真は03年。