2008年9月

日時 2008/9/30
銘柄 エストラテゴ・レアル・ティント
産地 スペイン
感想 久々の定時帰宅。さあ、ワイン飲むぞーと意気込んだものの、考えてみれば、翌日は接待の飲み会が入っています。1本のボトルを二日に分けて飲むのが通常の我が家では、半分残してしまうとわかっていて、大切に寝かせてきたセラーのボトルを開けるのは憚られます。かといってハーフのストックは甘口アウスレーゼぐらいしかないし‥。ということで、近所の酒屋で買って帰ったのがコレ。数百本のストックがありながら、結局デイリーワインをその都度買ってる私って一体‥。
POPを見ると、なんでもパーカーさんが激賞している銘柄だとか。楽天では1100円ぐらいから売ってますね。テンプラニーリョ100%。格付けはヴィニョ・デ・メサ(テーブルワイン)で、NVです。 グラスに注ぐと、色調は紫がかった濃いルビーです。香りは、黒い果実のジャムや青っぽいハーブが主体。口に含むと、酸がしっかりと甘くジャミーな果実を支え、タンニンはよく熟しています。作りはシンプルですが、隙のない酒質には好感が持てます。単体で飲んで楽しむというよりは、夕食のお供、たとえばデミグラスのハンバーグとかにあわせて飲むとよいでしょうね。結局ボトル半分ほど飲んで、残りは料理酒行きということになりましたが、このプライスレンジならそれも許されるかなと。もう一度買うかは別として、デイリー用途に試してみる分には悪くないチョイスだと思います。【末吉】
日時 2008/9/28
銘柄 エーデルワイン五月長根葡萄園2007
産地 日本>岩手
感想
■エーデルワイン五月長根葡萄園2007

先日の「夢見るピノキオ」とセットでいただいた銘柄です。品種は「リースリング・リオン」、国産ワインコンクール銀賞受賞とのこと。 海外のワインコンクールの受賞ワインというのは、正直マユツバなものが多いように思うのですが、こと国産ワインコンクール(Japan Wine Competition)に関しては、かなり信頼度が高いと思っています。というのも、今までこのコンクールで賞を受賞した銘柄をいろいろ飲んできて、金賞銀賞クラスの銘柄で、あてが外れたというものがほとんどないからです。(でもって、「奨励賞」クラスだとやはりそれなりだったりする‥)この銘柄もしかり、全国的な知名度はそれほど高くないかもしれませんが、なかなかよく出来た白です。ほんのりと黄緑がかった薄いイエローの色調。香りは青リンゴやシトラス、白い花、口に含むと、やわらかく品のよい果実味と爽やかな酸とが心地よくバランスがとれています。全般にクリーンで雑味のない酒質で、ほんのり甘い中甘口仕立てですが、酸がしっかりとあるため、単調な味わいに陥ってないところもいいですね。まあドイツやアルザスあたりには、1000円台でもいいものが数多くありますので、2Kを少しばかり超えるプライスはやや悩ましい気もしますが。【吉】

追記:リースリング・リオンに関する説明はコチラにありますね。リースリングと「三尺」というブドウの交配品種のようです。
日時 2008/9/27
銘柄 Ch.パヴィ・ドゥセス99
産地 仏>ボルドー
購入店  
感想 自宅で久しぶりに開けるボルドー。銘柄は以前東急のセールで購入した99パヴィ・ドゥセスです。ボルドーということで、パーカーさんの評価を参照してみましょう。

This is a strikingly delineated St.-Emilion with an opaque ruby/purple color, and aromas of black currants, blackberries, and wet steel/liquified minerals. The layered, rich, intense 1999 possesses superb fruit purity and medium to full body. This is one of the most concentrated and potentially longest-lived wines of the vintage. Anticipated maturity: 2007-2025.(PP93)

この年を代表する凝縮された長熟ワインとありますね。飲み頃は07年からとありますから、まあギリギリ飲み頃に入ったところでしょうか。 グラスに注ぐと、深いルビーの色調で、エッジの部分はややピンクやオレンジが入って複雑です。香りは、少し火を通したブラックベリーなどの黒いフルーツや八角、甘草、墨、黒土など。パーカーさんはミネラルを指摘していますが、いわれればたしかにそうかな、という感じですね。口に含みますと、まだまだ若い印象は否めないものの、たっぷりした厚みのある果実味と、少しウエットでなめらかなタンニンとによるリッチで充実した酒質があり、やや控えめな酸が穏やかに構造を支えていています。調和のとれたフィニッシュと、長く尾を引く余韻はこの銘柄が偉大なワインであることを自ら雄弁に物語っていますね。やや出所不明感もありますが、いいワインだと思います。【小吉】

↑写真は01年ですが。

★Ch.パヴィ・ドゥセスを楽天で探す。
日時 2008/9/23
銘柄 ジュブレイシャンベルタン99(クロード・デュガ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 マスムラ
感想 ロマネさんが絶賛されていたのを読んで、私も飲んでみたくなってセラーにあった99の村名を開けてみました。懐古趣味的になりますが、このころは、まだ村名なら5K内外で買えた時代でした。 色調は例によって濃厚なルビー、エッジはオレンジが深まって複雑な色調になっています。香りは、黒系果実のコンポート、八角、丁子などのスパイス、黒土、墨、揮発性塗料、それに皮革や毛皮のニュアンスが混ざり始めて複雑です。味わいは濃厚でありながらどこまでもピュアな果実味のアタック。タンニンはやわらかく熟していて、酸がしっかりとバックを支えています。充実した構造ながら、シリアスというよりはどこか99年らしいおおらかさがあって、今の時点でも近づきやすい印象です。この作り手のすばらしいところは、濃厚でありながらもどこまでもジューシーさを失わないところと、口の中で一本調子にならず、抑揚があるところですね。このところやや時流から外れてしまった感のあるクロード・デュガですが、やはりロマネさんの仰るとおり、超一流の作り手だと思います。【中吉】

★楽天でクロード・デュガを探す
日時 2008/9/21
銘柄 ジョゼ・ミシェル・カルト・ブランシュ・ブリュット
産地 仏>シャンパーニュ
感想 この日は家のセラーの中から、旨安シャンパーニュの筆頭格、ジョゼ・ミシェルを開けました。 ほんのり麦わら色がかった淡いイエローの色調。泡は豊富できめ細かに立ち上ります。リンゴやシトラス、アカシアなどの白系の花、ミネラルなどに軽くイーストが絡む爽やかな香り。味わいはまさに中庸をえていて、暑い日にはグビグビと飲める爽やかさもあるし、じっくり向き合おうと思えば、それに答えてくれる度量の深さもあります。いや〜、Chobiさん、いい銘柄を教えてくださいました。あれこれ試そうと思わなければ、普及クラスのシャンパーニュはこれさえあればいいかな、なんて思ってしまいますね。もっとも、この銘柄もご多分にもれず、今後値上げ予定とのことで、それだけが残念です。【中吉】


★楽天でジョゼ・ミシェルの銘柄を探す。
日時 2008/9/17
銘柄 ニュイ・サンジュルジュ2005(ジャン・ショーヴネ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 久しぶりに早く帰宅したこの日は、最近飲んだワインのネタがあまりに少ないことに引け目を感じていたこともあり、新手の作り手を試してみることにしました。 エッジが紫がかった色調の濃厚なルビー。香りは還元的で、赤身肉やスパイス、墨などの寡黙なニュアンスの中から、黒系のフルーツが見え隠れする程度です。口に含むと、スパイシーなフレーバーに満ちていて、果実は凝縮感とジューシーさを兼ね備えています。タンニンはきわめて豊富ながら、キメ細かく熟しているので、飲みにくさは感じられませんし、酸もしっかりとあって、果実味とよく拮抗しています。ドニモルテやジャック・カシューなどに通じる、洗練された濃厚系のブルゴーニュで、力強い果実味や充実した酒躯など、明らかに2005年というVTの恩恵にあずかっているなと思う反面、透明感に乏しい、どこかローヌを思わせるようなフレーバーは好き嫌いが分かれるところだと思います。薄旨系がお好きな方や「酸性人」の方にはあまり好まれない味わいかもしれませんが、今回はセールで3Kで入手しましたので、CP的には全然オッケーです。 もっとも、初日は相当に還元的でしたので、現時点での結論は、明日再度飲んでみてからでしょうけどね。あ、でも、明日は帰宅が遅いんだった‥。【小吉】
二日目:酒質がなめらかになって、より飲みやすくなりました。濃縮されている中にも、酸がしっかりしていて、立体的な構造がいいですね。ただ、香りに少し雑香が見え隠れし始めてましたので、3日目は雑巾臭に支配されてしまうかもしれませんが。いずれにせよ、今回買ったようなプライスでまた買えるなら、買い足しても後悔することはないと思いますし、セラーで寝かしてみるのも面白いかと思います。


★楽天でジャン・ショーヴネを探す★
日時 2008/9/13
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ・キュヴェ・ド・プレソニエール2005
(ジョセフ・ロティ) 
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 Lunaticさんが辛口のコメントをされていたのを拝見して、そういえば、我が家のセラーにもあったなあと思い出して飲むことにしたボトルです。上位の村名ジュブレイについては、東急の試飲で飲んで悪くないと思っていたので、さてどんなものかという興味もあり‥。 ACブルとは思えないほど濃いルビーの色調ですが、05年は結構こういう裾物もありますね。グラスを近づけますと、黒い果実やスパイスなどに加えて、アミノ酸系、たとえば納豆のような旨みを感じる香りと、鞍革や毛皮のようなややワイルドなニュアンスもあります。味わいは村名ジュブレイに見られたような抑揚や表情の豊かさはありませんが、無難にまとまっていて、悪くないレベルです。かっては村名を名乗れた区画とのことですが、たしかに凡庸な生産者の凡年の村名ぐらいのレベルにはあるかと思います。
Lunaticさんが指摘されていた不衛生なニュアンスについては、このボトルに関するかぎり(おそらく個体差と思いますが)それほど気にはなりませんでした。ただ、「このニュアンスのことを仰っているんだろうな」「この要素がもっと強くでているボトルではそういう傾向になるだろうな」という(なんとも漠然とした言い方ですが)そういうものは感じましたね。 私がポンソのハズレボトルで感じるようなニュアンスなんですが、といっても伝えようがないですね。 この手のことは、lunatic氏も追記で述べられているように、同じ成分や要素のことを言っているのかを確かめる術がない上、同じものだとしても、それぞれの飲み手の閾値も違うし、で、なかなか難しいものがあります。ロット差やボトル差もありますしね。まあ、そういうことも含めてワインの奥深さ、面白さ‥ってことはないか。【小吉】
日時 2008/9/10
銘柄

会社の接待で、久しぶりに六本木の割烹・小田島へ。昔よくお邪魔した小田島ですが、三軒茶屋店が閉店になり、私自身も子供が生まれたりして、すっかり足が遠のいてしまってました。 六本木の街はすっかり変わってしまいましたが、お店は、相変わらずです。こじんまりとして明るく清潔な雰囲気。ムッシュもお元気そうでした。厨房には、海外に修行に行かれていたご子息のDさんもいて、「いつ帰ってきたんですか?」と聞くと「2004年」とのお返事。ということは、かれこれ5年ぐらい伺ってなかったんですねぇ。 この日のワインは、お久しぶりのソムリエ氏にすべてお任せ。

■Vouvray"Tradition"2006 Frencois Pinon

結構甘いですけど、前菜によくあってました。

■Bourgogne2002 Ch.de Chorey

↑楽天には赤しかないですね。ドライなシャルドネ。

■Ch.Dauphine Rondillon2001 Loupillac

フォアグラ大根に併せて。定番というヤツですね。一般的なソーテルヌほど重々しくなく、爽やかな甘さです。

■Givry Le Prefere Du Roi Henri IV 1999 Remoissnet

いや〜、コレはいい香りが出てました。味わいは軽めですが、ジブリーですから、あまり多くを望むのは酷でしょうね。香りだけで満足の一杯でした。
■La Grange Neuve de Figeac1998

98年のフィジャックのセカンド。自分ですすんで購入することはないような銘柄ですが、これがまたよくこなれていて、そこそこ熟成したボルドーの味わいを満喫させてもらいました。

■"Plexus"2006 John Duval Wines

ペンフォールズの前チーフワインメーカーが作るカルトワイン。さすがに〆の稲庭うどんには、少し強かったですが(^^;、フィレ肉などとあわせるといいでしょうね。凝縮感のある、骨太なオージーでした。

そういえば、この日のメインは陶板焼きではなくて、さざえの壺焼きでしたが、これがまた、磯の香りが周囲に満ちて美味しかったです。 それにしても、いつもながらの美味しい和食とワインのマリアージュで、気がつくと、客人の目の前でベロベロになってました。たまにこうしてすべてお任せというのもイイですね。

日時 2008/9/6
銘柄 フィリップ・ゴネ・レゼルブ・ブリュット
産地 仏>シャンパーニュ
感想
今日の都内は、蒸し蒸しとしてましたね。日中、子供たちを連れて世田谷公園のフリマを見に行ったのですが、3人とも汗だくになって帰宅。早々にシャワーを浴びて、夕食の前から表記のボトルを開けてのんびり過ごしました。 グラスに注ぐと、まず泡に勢いがあるのがいいですね。気泡も細かめで、グラスを近づけると、シトラスやリンゴ、クロワッサン、白い花などの軽やかな香りが立ち上ります。味わいは香りから想像できるように爽やか系で心地よいもの。ブラン・ド・ブランが有名な生産者のようですが、ローレンジのこの銘柄も飲んでみるとなるほどと思わされるものがあります。この価格帯で、むやみにコクや深みを求めるより、こうした味わいのベクトルが個人的には好ましいと思います。次は、ブラン・ド・ブランを飲んでみようと思います。【中吉】
日時 2008/9/3
銘柄 安心院メルロ・リザーブ2005
産地 日本>大分
感想 大分出身の方に、大分県の素材を使った料理のお店に連れて行ったもらいました。お酒は概ね焼酎で通したのですが、肉料理の時だけ、グラスで上記の銘柄を頼んでみたのですが‥。

濃いめのルビーの色調。なんといっても香りがすばらしい。カシスや黒系フルーツ、スミレ、土、スパイス、それにフレッシュハーブなどの奥行きのある香り。味わいもエレガントにバランスがとれており、こちらの期待を大きく上回るものでした。さっそく帰宅してネットで調べてみると、国産ワインコンクールで銅賞受賞とのこと。やっぱりね、という感じですし、個人的には銀賞でもいいかと思います。 そもそもこのワイナリー、大分という土地柄もあって、ノーチェックでしたが、2008年の国産ワインコンクールでシャルドネが金賞受賞という実力派ワイナリーだったんですね。山梨、長野のみにあらず。国産ワインの懐の広さを思い知らされた一夜でした。【中吉】

★安心院葡萄酒工房の銘柄★
日時 2008/9/2
銘柄 夢・見る・ピノキオ〜ツヴァイゲルトレーベ樽貯蔵2005
産地 日本>岩手
感想
今日はいただきもののこの銘柄を開けてみました。「夢・見る・ピノキオ」というフザけた名前のこのワイン、調べてみると、テレビ岩手のローカル番組「夢・見る・ピノキオ」との企画商品だそうで、作り手はエーデルワインさん。第6回国産ワインコンクール」(Japan Wine Competition2008)で銅賞受賞とのことですから、中身はしっかりしたもののようです。 ツヴァイゲルトレーベはブラウフレンキッシュとサン・ローランの交配品種。日本では北海道や東北で結構栽培されているようですね。 色調は紫がかった濃いガーネット。香りはカシスや黒系ベリー、丁子やナツメグなどのスパイス、それに土っぽいニュアンスもあります。味わいはドライで、凝縮感はあるものの、乾いたタンニンを受け止める果実味にもう少ししっとり感がほしいところです。今の時点でこれ単体で楽しむには、やや厳しいものがありますが、サーロインの肉などにはよく合いそうですし、熟成させるとまた違ってくるのかもしれませんね。 【吉】
pinochio.jpg