2008年1月

日時 2008/1/30
銘柄 シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ02(F・エスモナン)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 今週末は3年ぶりの大腸内視鏡検査。ここでもしポリープが見つかって切除となると、1週間は禁酒となります。せめてその前に少しいい銘柄を飲んでおこうということで、何を開けようか迷った挙句、結局コレにしました。抜栓してみると、コルクの状態も良好。やや濃いめのルビーで、エッジにはほんのりオレンジが見え始めています。香りは、カシスやベリー系の果実、スパイス、それに皮革類や下草っぽい心地よい香りも出始めていますが、ボトル中盤あたりでは揮発性塗料のようなニュアンスも感じられます。まだ早かったかなと思いつつ、ひと口飲んでみると、なめらかで厚みのある酒質で、タンニンがよく熟していて丸く、今でも思いのほか美味しく飲めます。酸もタンニンも豊かですが、良年らしい分厚い果実味がそれらを支配している印象。オークがまったくといってよいほどでしゃばらないのもイイです。エスモナンって、率直に言って、凡庸な作り手だと思いますが、良年にはなかなかの味わいを見せてくれますし、さすがにクロ・ド・ベーズともなると、やはり畑のパワーが違うんだな、と納得させられるものがあります。オーソドックスで、中庸を得た、オススメできるピノ。慌しい平日でなく、休日に時間をかけて飲むべきだったボトルかもしれませんね。 【中吉】
日時 2008/1/28
銘柄 シトラスセント甲州2006(蒼龍葡萄酒)
産地 日本>山梨
感想

会社の送別会で立食パーティがあったのですが、そこで飲んだイエローテールのシラーズがやたら濃厚で甘くて、結構酔いました。アルコール度14度。まあ、たまにはこういうのも悪くないですね。ジャンクフード系にもあわせやすいです。 【末吉】

で、家で飲んだのはこちら、蒼龍のシトラスセント。
メルシャンの「きいろ香」と同様、甲州種の中から柑橘系の香りを引き出したワインだそうです。中辛口仕立て。香りは柑橘というよりも、このボトル固有の問題かもしれませんが、猫のオシッコ的なややヒネた熟成香が目立ちます。フジッコやサッポロ・プティグランポレールのように、どこまでも綺麗な作りというわけでなく、ヌルリとした質感や後半の雑味感やなど、よくもわるくも甲州らしさを残したつくりですね(でもそれはそれで好きです。(^-^))。系統でいうとハラモなんかに似ているかな。酸がおとなしく、ほんのりと甘みを感じるので、煮物などにもマッチしそうです。 蛇足ですが、オシャレなラベルが増えている中、このそっけないラベルは見直しの余地ありかと。(^^;【吉】

日時 2008/1/24
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ2005(ジャッキー・トルショー)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想

キャップシールをはがすと、例によってカビがびっしり。抜栓すると、コルクの側面に液漏れした後が数本残っています。そういうこともあるのか、どうも色調に若々しさがないような‥。エッジなどはすでにオレンジのニュアンスが見えます。一方で、香りは閉じこもり気味です。時間とともに赤い果実や紅茶、皮革などのイイ香りが立ち上ってきますが、全開には遠い感じです。味わいは05年の恩恵か、レジョナルといえども、充分な濃さがあり、柔らかな果実味は健在。ただ、後半にかなり木質的なフレーバーが広がるのが気になります。正直、香りも味も満開というわけにはいかず、現時点では、トルショーさんの良い面があまり出ていない感もあります。購入後あまり休ませずに開けたのもよくなかったかもしれません。素性のよさは充分に感じられるので、明日残りの半分を飲んで、改めて印象を記そうと思います。 【吉】

翌日:味わいはなめらかになってボリューム感も出てきましたが、残念ながら、香りが衰えてしまいました。あと1本レジョナルを買いましたので、もう少し寝かせてバランスが整うのを待とうと思います。

日時 2008/1/22
銘柄 Ch.ヴュー・ラルティーグ2005
産地 仏>ボルドー
感想 RWG誌のテイスティングに行きまして、ボトルの残りを1本いただいてきました。 AOCサンテミリオングランクリュ(グランクリュ・クラッセではありません。) この日のテーマは右岸のプチシャトー。上記の銘柄はたまたまサンエミリオンですが、マイナーアペラシオンでもそれなりに美味しい銘柄がいくつかありました。 そういえば、モンペラの05年を買ってみたので、到着して少し休ませたら飲んでみます。
日時 2008/1/19
銘柄 コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ・レ・フルノー2005
キュベ・ダニエルショパン
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 うまく文面で表現できないのですが、ワインを飲みつけているうちに、同じ液漏れしているボトルでも、抜栓したコルクを見て、「これはヤバそうだなぁ‥」という漏れ方とそうでもない漏れ方がなんとなく判るようになってきました。 で、今回のこのボトル。注目を浴びてる銘柄なので、かなり期待して開けたのですが、キャップシールをはがすと、コルク上部に、金環食のように一箇所、はっきりと液モレした後が見られます。抜栓してみると、コルクの側面には、その金環食の部分に向かって一直線に噴いた跡、他の部分にも数箇所、液体がビンとコルクの間を通り抜けてコルク上部まで行った跡があります。まだ若いVTなので致命的なことにはならないにせよ、直感的にこれは少しばかりヤバイかも‥と思いました。 グラスに注ぐと、かなり紫が強めのルビーで、中心部は黒味がかっています。香りは、やや過熟感のあるカシスやブラックチェリーなどの黒い果実のジャムやリキュール、スミレ、それに毛皮や消し炭のようなあまり好ましくないニュアンスが前面に出ています。これはいけませんね。おそらく本来の香りではないはずです。 ところが、気を取り直してひと口飲んでみると、これがなかなか。 非常に抽出のやわらかな、エレガントな果実味があり、それを支える酸とのバランスも良好です。果実味に香り同様、やや過熟感を感じますが、これが本来のものか状態によるものかはイマイチわかりません。タンニンはよく熟していて、角張ったところがなく、結果として酒質は全体的にとてもなめらかです。余韻はあまり長くありませんが、クラスを思えば充分なもの。残念ながら、私はショパン・グロフィエをほとんどといってよいほど飲んだことがないので、これがはたしてショパン・グロフィエの味わいなのかどうか判りませんが、おそらく状態が健全であれば、それなりに感銘を受ける味わいだったのではないかと想像します。 というわけで、香りが少しばかり残念なボトルでしたが、以前、同じロットのポンソを数本買った時も、なぜか1本だけ香りが今回と同様になっていたこともありましたので、劣化ボトルというよりは、少しばかり機嫌を損ねていたボトルだというべきでしょう。他の2本については、それほど悲観せずにしばらく寝かせてみようと思います。 【小吉】
日時 2008/1/13
銘柄 ルバイヤート・メルロ2002塩尻収穫
産地 日本>山梨
購入店 ワイナリーにて購入
感想 明日は上の子の誕生日。 ワイン飲みにとって子供誕生日は、とっておきの一本を開ける格好の口実?となる日ですが、子供が幼稚園ぐらいの年代になりますと、誕生日当日は、バースデーケーキを食べたりとかプレゼントをもらったりとか、子供にとっても一大イベントになってきますので、父親がのんびりワインを飲んで悦に浸っている場合でもなくなってきます。(^^; なので、今年は記念のワインは一日早く開けることにしました。開けた銘柄は、先月の下の子の誕生日にドメーヌ・ルバイヤート03を飲んだのに併せて、上の子の誕生日も同じワイナリーの銘柄としました。 色調はやや濃いめのガーネットで、エッジはオレンジ色を帯びています。香りはとりたてて豊かなわけではありませんが、カシスやダークベリー類、なめした革、土、ヨード、ミルクチョコなどの入り混じった、複雑で心地よいものです。口に含むと、ミディアムボディながら、コクのある味わいで、柔らかな果実味を中心にエレガントにまとまっています。やや乾いたタンニンが残るのが残念といえば残念ですが、食中酒としての役割はきっちり果たしてくれますし、個人的にはボルドーブレンドのドメーヌ・ルバイヤートよりこちらの方に軍配を上げたいぐらいです。塩尻地区のメルロはやはり競争力高いですね。【小吉】

★楽天でルバイヤートを探す★
日時 2008/1/12
感想

家のリフォームを担当してくれた建築士さんと建築会社の方が打ち合わせにいらしたので、それでは一献ということで、以下の銘柄を開けました。

ポル・ロジェ・ブリュットNV
私の好きなポル・ロジェ。高くなってしまいましたが、相変わらず中庸を得た、安定した味わいのシャンパーニュです。【小吉】


Ch.ムートンロトシルト89
会話の中でムートンの話題が出たので、酔いに任せて開けてしまいました。(笑)ずいぶん前に、今は楽天から撤退したヴァン・ド・ラ・コリーヌという店で購入したものですが、キャップシールがかなり盛り上がり気味なのが気になっていたボトルです。 中心が黒みがかった、濃厚なガーネットで、エッジはオレンジ色。香りは思ったほど強くなく、しんみりした印象です。リキュール状の黒い果実、湿った黒土、丁子、ナツメグ、それに時間とともにトリュフのようなニュアンスが出てきます。味わいは熟成が進んでおり、各要素が溶け込んでなめらかになっています。やや果実味がドライアウト気味で、相対的にタンニンが目立つのが残念ですが、まあ許容範囲内でしょう。ある程度熟成を経たボトルの場合、コンディションや流通経路によってかなり味わいに幅が出てきますが、このボトルは、おそらく中の下というところだと思います。その昔、世田谷太郎さん宅で飲んだボトルはショッキングなほどの美味しさだったんですけどね〜。 【吉】

★楽天でCh.ムートンロートシルトのワインを探す★

日時 2008/1/8
銘柄 フジクレール甲州シュールリー2006
感想 2008年初の国産ワインは、フジッコの最新ビンテージです。 甲州ワインの中でもお気に入りのフジクレール・シュールリーですが、正直2005年のほうがよかったですね。 薄めのイエローの色調で、全般にグリーンがかっています。香りはあまり出てこないのですが、吟醸香が主体です。味わいは05と同様、クリーンな果実味があり、ヌルリとした酒質で、フィニッシュに独特の苦みが加わります。ただ、05年に比べると、溌剌とした酸とか、香りの豊かさの面で今一歩かなと。日常飲みとしては充分なクオリティですけどね。【吉】
日時 2008/1/6
銘柄 サヴィニー・レ・ボーヌ・ブラン2005(シモン・ビーズ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ブルゴーニュ生活
感想 この日はクリームシチューにあわせてシャルドネを開けてみました。 色調は軽く黄金色がかった濃いめのイエロー。香りは黄桃、パイナップル、キンモクセイ、花の蜜などのアロマチックなもの。口に含むと、酒質に厚みがあり、よく熟した果実味が広がります。意外に(というのも失礼ですが)酸がしっかりしているので、バランスも悪くなく、外向的でおおらかな美味しさがあります。後半からフィニッシュにかけても苦味や雑味が目立つこともなく、果実由来の甘みが余韻に残ります。赤白含めて何本か買ってみたシモン・ビーズの05年ですが、このボトルがもっとも好印象でした。到着後、充分に休ませたのがよかったのかもしれません。【小吉】

↑ ‥と誉めたあとで、プライスを見ると結構高いですねぇ。
日時 2008/1/5
銘柄 シャンボールミュジニー96(ヴォギュエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 このボトル、今となっては、どこで購入したかも忘れてしまったのですが、とりあえずインポーターはジャパン・インポート・システム、キャップシールは全く回りません。 最近飲んだヴォギュエのバックビンテージはハズレ続きだったので、これもあまり期待せずに開けたのですが・・・。 これが、大当たりとまではいかないものの、かなり良かったんですね〜。エッジ部分にわずかにオレンジを帯びた美しいルビーの色調。香りは黒いフルーツやミネラル、シナモン、紅茶、それにうっすらと皮革やスーボワ。熟成感の出方がワイルドでなく、どこまでも上品です。口に含むと、村名ということもあり、圧倒的なものはありませんが、しなやかな酸と上質なタンニンがよく調和して、飲み頃にさしかかっていることを感じます。欲を言えばもう少しグリップが欲しい気もしますが、このVTで懸念される酸の突出感もなく、高い次元でバランスがとれていますね。12年経てようやく村名でコレかという気もしますが、やはりヴォギュエは時間がかかるということなんでしょうね。 【中吉】

(写真はVT違い)
日時 2008/1/3
銘柄 ベルンカステラー・ドクトール97demi(ターニッシュ)
産地 ドイツ>モーゼル
価格 2780円
感想 今日は夕刻まで仕事。早めに帰宅して、3日目のアルヌーのスショの残りを飲みましたが、少しばかり飲み足りない。といって、食事は雑煮だし、これから1本開ける気にもならない。ということで、食後酒として表題の銘柄を開けることにしました。 このボトルは職場のそばの酒屋さんのセールで2.7Kで買ったものですが、写真のうきうきさんはもっと安いですね。 色調はやや麦わら色がかった濃いめのイエロー。香りは思ったほど熟成感は出ていなくて、焼きリンゴやアカシア、蜂蜜、塩ビ製品、それに少しばかり重油香がまざっています。味わいはアウスレーゼということでもちろん甘いのですが、シャープな酸に支えられて、甘ったるさやしつこさを感じさせない、軽やかな味わいに仕上がっています。平たくいうと、アルコールの効いた上質なレモネードといった印象ですね。この酸の効いた味わいと、アルコール度が低さから、食後酒といいつつゴクゴクいってしまい、あっというまにハーフボトル1本飲み干してしまいました。もう少し酒質に力が欲しいかな、とは思いますが、お値段を考えれば充分すぎるといえましょう。ドイツワインってお値段も相対的にリーズナブルですし、今年はもっと飲む頻度を増やそうと思います。 【中吉】
日時 2008/1/2
銘柄 ヴォーヌロマネ・レ・スショ99(アルヌー)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想

元旦と2日は、それぞれの実家にいって、夕食をご馳走になるので、なかなかワインを開ける機会はないのですが、せっかくの正月なので、昨日から今日にかけて、表題の銘柄をちびちびと飲んでいます。 エッジにややオレンジの見える濃いルビーの色調。ブラックベリーやカシスのリキュール的な香り、土、スパイス、それに少しばかり毛皮や醤油的なニュアンスもあります。味わいはたっぷりした果実味を中心に、それを支える酸やタンニンにも攻撃的なところがなく、エレガントでおおらかなものです。リリース当初のカチッと締まっていた酒質が、果実が熟すようにだんだんと緩んできている途中という印象で、驚くほどすばらしいとか、官能的だというわけではないのですが、そつなく仕上がったすばらしいピノだと思います。ただ、この作り手の場合、リリース初期の味わいも魅力的(逆に言うと、めくるめくような熟成の醍醐味は期待しずらい)なだけに、どの段階で開ければいいのかが悩ましいところです。【小吉】

(写真はVT違い。)