2007年6月

日時 2007/6/28
銘柄 キザン・セレクション・シャルドネ05
産地 日本>山梨
購入店 リカーショップながさわ
価格 1900円
感想 悪くないです。国産シャルドネでは、前回飲んだ金井さんのものほどハッキリした個性は感じませんが、その分、肩の力が抜けているというか、日常の夕食に気軽にあわせやすそうなのがいいです。やや黄緑がかった中程度のイエロー。レモンや白桃、ミネラル、それにナッティなニュアンス。味わいは中量級で、ブルゴーニュのようなふくよかさを期待すると裏切られますが、甲州種の白などに比べると適度なコクもあり、テクスチャーがなめらかです。爽やかに仕上げられた、バランスよく肩のこらないシャルドネ。2000円を切るプライスも納得感があります。翌日以降の味わいも追いかけてみたいと思います。
【小吉】
日時 2007/6/24
銘柄 ヴィーニャアルバリ・グランレゼルバ98
産地 スペイン>ヴァルデペーニャス
購入店 アーベン
価格 1400円
感想 名前をよく耳にするこの銘柄、飲むのは初めてかと思ったら、1999年11月6日に飲んでました。ちなみにこのとき飲んだのは89年。今回あけたのは98年。そもそもグランレゼルバを名乗るには樽熟+瓶熟5年以上という縛りがあることもあって、スペインのものは、バックビンテージものを相対的に安く入手できますね。産地はヴァルデペーニャス、スペイン中央部のラ・マンチャの南です。 色調は透明感のある濃いめのガーネットで、エッジはややオレンジ。香りはまずはなんといってもお決まりのバニラ香。続いて赤と黒の中間位の果実、ユーカリ、香木など。口に含むと、長い熟成によるほどよく枯れた味わいがあって、含み香にはスッするニュアンスがあります。タンニンはやわらかく溶け込んでいますが、酸がかなり前面に出てきています。総じて、1000円台のワインとしては充分なんですけど、せっかくのクリーンな果実をしつこいほどのバニラ香がスポイルしているのが残念です。まあこれがリオハに代表されるトラディショナルなスペインワインだといわれればそれまでですが、個人的には、この位のレンジのワインは、シンプルでいいから、もっと直球勝負のものが好みです。【末吉→吉】
3日目:香りはほとんど香って来ませんが、味わいは初日のどことなく危うい感じが失せて、安定した味わいになりました。期待していませんでしたが、思いがけず、美味しくいただけました。
日時 2007/6/21
銘柄 シャンボールミュジニー2000(ルーミエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 失念
価格 5800円
感想 週末のこの日は、久しぶりにルーミエを開けました。経験的にルーミエのボトルはかなりボトル差があるなあ、と思ってますが、さしずめこのボトルは「アタリボトル」といえましょう。ルーミエ節がよく出ていて、心地よく熟成した、非のうちどころのないブルゴーニュです。色調は中程度からやや濃いルビーで、エッジは和らいで、かすかにオレンジが見えます。グラスに鼻を近づけると、満開とまではいかないまでも、5分咲きぐらいのスーボワ的熟成香や皮革系の香り、それにカシスやラズベリーなどの果実、ミネラル、紅茶、カラメルなどの香りが漂います。これが熟成の頂点に達すると、もっとスーボワ香が全開になり、黒蜜的な香りも乗ってくるところですが、そこまではまだ至ってない感じですね。味わいは、2000年らしくやさしくエレガントなもので、果実味はクリーンで旨み感もあり、タンニンはやさしく溶け込んでいます。大きな造りではありませんが、コンパクトな熟成カーブの頂点までもうすこし、という熟成感です。昨今の 10000円前後のプライスを思うとちょっとどうかなと思う面もありますが、このボトルの買値は5800円でしたので、価格と味わいのバランスという面でもまあOKでしょう。【中吉】
日時 2007/6/17
銘柄 キャネー・シャルドネ2003(金井醸造)
産地 日本>山梨
購入店 鴨宮かのや酒店
感想 引き続き、金井醸造の銘柄を開けてみました。 「山梨市の自家農園のシャルドネ種を使用し、シュールリー製法で作ったワインをその後オークの新樽で熟成させた辛口の白ワインです。」とのこと。 いや、驚きました。 何に驚いたかといえば、ちゃんとシャルドネらしい味がすることに、です。今まで飲んだり試飲した国産のシャルドネでは、「北信シャルドネ」以外であまり感心するものはなかったのですが、この銘柄はプライスも北信の三分の一ですからね。 色調はかなり濃い、黄金色がかったイエロー。グラスに注ぐと、新樽からのバニラ香、シナモン、パイナップル、黄桃、マロングラッセなどの香り。味わいは、濃縮感のある果実味があり、液体に重々しさを感じます。SO2を抑えているせいか、全般にやや酸化傾向を感じますが、不快なものではありません。もう少し酸に張りがあればと思いますが、価格帯を思えば十分でしょう。国産のシャルドネというと、マコンなどのベクトルかなと思っていましたが、この銘柄はむしろ「アルコール度低めの新世界シャルドネ」という感じです。この作り手の他の品種の銘柄もいろいろ試してみたくなりました。
【小吉】

2007/6/15
前週に続いて、取引先の方々と、新橋のおでん&串焼き&ワインの店「ひねも」へ行きました。頼んだワインは
ミネルヴォワ・デュ・ドンジョン トラディション '05
コトー・デュ・ラングドック・ロリエ04(マ・フラキエ)

の2本。

まあどちらも、単体で飲むと、ありがちなそこそこ出来のいい南仏モノという印象ですが、この店のように、味付けの濃い串焼きなどに合わせるのには、これぐらいメリハリの利いたワインが合いますね。

日時 2007/6/13
銘柄 オー・コート・ド・ニュイ04(グロ・フレール)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 アーベン(2300円)
感想 結構お安く買ったボトルですが、ブルゴーニュの魅力がコンパクトに表現されていてよいですね。 中程度からやや淡めのルビーの色調。グラスを近づけると、赤身肉的還元香の奥から、赤い果実やダージリン、スパイス、皮革などの心地よい香りが出てきます。味わいは甘酸っぱい果実味の第一印象。クリーンな酸が構造を引き締めており、乾き気味のタンニンが後半にやや顔を出します。ひとつ間違うと単なる「酸っぱいワイン」に陥りそうなギリギリのラインで、甘い果実味と酸とがバランスよく整っていて、小柄ながらも余分な贅肉がなく引き締まった体躯に好印象を覚えます。価格をはるかに超える、というほどではありませんが、プライス以上の満足感は得られると思いますし、ブル好きなら、下手に他の品種に走るよりも、こういうボトルを買いだめしてデイリーに開ける方が幸せかもしれません。
【中吉】※写真は05年です。
日時 2007/6/11
銘柄 キャネー甲州万力獅子岩2006
産地 日本>山梨
購入店 鴨宮かのや酒店
価格 1600円
感想 金井醸造さんのボトルを何本か買えたので、本来もう少し休ませたいところ、早速1本開けてしまいました。前回の万力山は中辛口でしたが、こちらは辛口仕立てです。甲州としてはやや濃いめの色調。香りは柑橘系果実やレモン、ミネラル、それに吟醸香にも似たニュアンスがあります。口に含むと、まだ早いのか、酸にやや硬さを感じますが、ピチピチした酒質は相変わらずです。前回の万力山よりも後半の苦味のニュアンスを強めに感じますが、それは決してネガティブなものではなくて、むしろ表情を豊かにしています。これは翌日以降の変化が楽しみです。ちなみに、写真に写っているグラスは、リーデルOシリーズ。リーデル・ヴィノムのキャンティクラシコタイプから脚の部分をばっさり切り取ったタンブラーです。元来コップ酒として飲まれてきた甲州種のワイン、こういうグラスでグビグビ飲むスタイルもよろしかろうと思います。
【小吉】
日時 2007/6/9
銘柄 コート・デュ・ローヌV.V2003(ドメーヌ・ダンデゾン)
産地 仏>コートデュローヌ
購入店 清水屋
価格 1575円
感想 最近、見知らぬ酒屋に行くと、「2000円以下のオススメ」を聞くようにしているのですが、これは実家の近所の酒屋で薦められたものです。AOCコートデュローヌで、品種はシラー100%、無濾過、無清澄とのこと。色調は濃い目のルビーです。香りはブラックベリーや墨、胡椒などが主体ですが、全般にドヨンとした印象で、汗っぽいニュアンスもあります。味わいは酸が力強く(補酸?)、コアに凝縮した果実があるのはわかるのですが、どうも輪郭がボンヤリした感じで、粉っぽく、雑味感もあります。1000円台の価格を思うと、まあこんなものかな、という気もするのですが、難しいですね。こういう中途半端感がイヤで、いつしか購入価格がインフレ傾向になってしまうことの繰り返しです。白に関しては、国産ワインというソリューションを見つけたんですけどね。
【末吉】
日時 2007/6/8
銘柄 キャネー甲州万力山2005(金井醸造)
産地 日本>山梨
購入店 勝沼ワイナリーマーケット
価格 1500円
感想

カリスマチックな自然派の作り手として、一部に熱狂的なファンを持つ金井醸造。前から一度飲んでみたいと思っていたのですが、結構入手困難ですね。きっと、あるところにはあるのでしょうけど‥。この銘柄も私が一番興味のある辛口甲州でなく、中辛口ですが、とりあえず購入できたので、飲んでみました。色調はやや淡めのイエロー。香りは柑橘類やハーブ、それに鉱物的なニュアンス。口に含むと、軽く微発泡していて、心地よい炭酸のアタックがあります。果実味はみずみずしさがあって優しく、テクスチャーはなめらかななかにも、酸がビビッドでピチピチしたイメージもあります。甲州らしいヌルリとした面と、クリスピーな面とが上手い具合に両立している感じで、面白いですね。よく言われる果実の旨み感とか、余韻の長さとかは、う〜ん、言われればそうかな、という感じですが、この銘柄が中辛口なこともあって、正直よくわかりません。翌日の味わいも確認してみたいと思います。
【中吉】
翌日:香りは乏しくなりましたが、味わいは二日目の方がビビッドなぐらいで、ピチピチした酸とやさしく柔らかな果実味によるエレガントな中甘口の味わいは、ドイツワインを飲んでいるような錯覚に陥ります。特に調和のとれたフィニッシュは、過去に飲んだ甲州の中でも最高でないかと思います。早速ネットで検索して、かろうじて売れ残っている他の銘柄を何本か注文してみました。ルバイヤートやフジッコ、機山などとともに、継続的に追っかけてみようかと思います。

日時 2007/6/4
銘柄 キュヴェ三澤甲州鳥居平畑プライベートリザーブ2005
産地 日本>山梨
購入店 飛騨の酒屋いまい
価格 3000円
感想 この日の夕食はカレーだったので、マリアージュもなにもなかったのですが、なにかしらさっぱりした白ワインを飲みたいなと思ってあけたのがこのボトルです。グレイス甲州の畑名つきかとばかり思ってましたが、「キュヴェ三澤」の名を冠する3000円也のリザーブ銘柄であることをコルクを抜いてから知りました。(知っていたら、カレーと一緒には開けなかったのですが‥) 色調は淡めのグリーンイエローですが、普及版のグレイスに比べると、色づきはしっかりと感じられます。香りは柑橘系果実とミネラルが中心でしょうか。あまりオークは感じません。口に含むと、爽やかな中にもしっかりした酒躯があり、酸にまろやかさが感じられるあたり、樽の影響を感じます。今まで樽を使った甲州には、どうも厚化粧感がつきまとって、よい印象をもてなかったのですが、この銘柄は樽が決してでしゃばらず、みずみずしさも残していて、さすがに甲州という品種を知り尽くしたワイナリーによるものだと感心します。鳥居平畑は、昨年勝沼を訪れた際に見学させてもらった畑です。あそこで作られたブドウがこのようなワインになるのかと思うと感慨深いものもありますが、冷静になって3000円という価格を振り返ると、普及版で価格が半分のグレイス甲州でも十分美味しいだけに、ちょっと悩ましい思いです。
【小吉】