2007年5月

日時 2007/5/29
銘柄 ヴァルポリッチェラ・クラシコ・スペリオーレ2004
(テデスキ)
産地 イタリア>ヴェネト
購入店 アーベン
価格 1280円
感想 平日なので、開けるのは安いボトルと思っていたところに、晩飯がパスタだったので、迷わず先日購入したこの銘柄をチョイス。広島からはるばる宅急便で揺すられてきてから、まだあまり日にちがたってないので、本当はもう少し休ませたいところでしたが、他にチョイスもなかったので開けてしまいました。色調は中程度のルビーで、エッジはやや柔らいできています。香りはあまり立ち上らないのですが、ベタッとしたジャミーな赤い果実やキャンディ、紅茶、それに少しばかり厩系ののニュアンスがあります。味わいはとにかく酸っぱい。果実味にみずみずしさがなく、しおれたキャベツのような、あるいはパサパサになってしまったアジの開きのような、そんな鮮度のなさを感じます。フィニッシュにエグみが強めに感じられるも減点対象ですね。1000円台前半のワインですから、多くは期待できないのはわかりますが、安いなら安いなりの、もっとまっすぐでフレッシュな飲み口を期待していました。先日のピアッツァーノのキャンティとはまさに正反対の、流通時に大切に扱われなかったんだろうなあという味わいですね。
【凶】
日時 2007/5/27
銘柄 プイイフュッセ・ジュリエット・ラ・グランド98(コーディエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 自然の仲間たち
価格 6600円
感想 暑かったので、カンパリソーダでも作って飲もうと、スポーツクラブの帰り道、カンパリのボトルを買ってかえったら、冷蔵庫にあるとばかり思っていたトニックウオーターが在庫切れ。なので急遽方針変更して、セラーのブル白を開けることにしました。コーディエのジュリエット・ラ・グランドは、98年のブル白の中で、WA誌が最高点(94点)をつけたということで、一躍話題になった銘柄です。私もご多分にもれず、2本購入して、1本目を 2002年9月6日に開けましたが、このときは基本的にはすばらしいと思いました。(本館「こんなワイン飲んだ」を参照)ところが今回開けた2本目については、1本目の威容からは想像できないような変わりようで、飲んでいるこちらが戸惑いました。色調はそこそこ麦わら色がかった濃いイエロー。香りはほとんど立ちません。スワリングすると、グレープフルーツや黄桃、マロン、ミネラルなどがニュアンス程度に感じられるようになりますが、1本目を飲んだ印象からすると、全く期待はずれの香りです。味わいの基本は、熟成を感じるモカフレーバーで、酒質もトロトロ感こそありますが、なんというか、中間部がスッポリ抜けてしまったような空虚さがつきまといます。フィニッシュにやや苦みが感じられるのもマイナスポイント。 これがウワサの Premature Oxidizationというヤツでしょうか?今までは幸いなことに、最も問題になっている96年の白でも該当するボトルにはあたらなかったので、よくわからないんですが‥。ちなみに、「ワインのきらめき」のooisotaroさんが、半年ほど前に同じ銘柄を開けて、劇賞されてますので、ボトル差の要素も大きいのかな、と思います。
【中吉】
日時 2007/5/25
銘柄 キャンティクラシコ・ジョルジョ・プリモ2000
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 湘南ワインセラー
価格 4180円
感想 当時湘南ワインセラーのセールで4180円で買ったものですが、通常は6〜7000円で売られているようですね。 色調は濃厚なルビーで、エッジはかなりやわらいできています。香りは少し火を通したようなブラックベリーやカシス、中国系のスパイス、チョコレートなど。口に含むと厚みのある果実味は相変わらずですが、リリース当初の鏡面仕上げのようなテクスチャーはだいぶやわらいで、朗らかな酸や甘苦いタンニンなど、外向的な味わいになってきています。アルコール度は14度の表示どおり、かなり高めで、フィニッシュにはビターチョコのようなフレーバーが口の中を満たします。総じて構造のしっかりしたモダンなつくりで、キャンティクラシコというよりは、中堅クラスのスーパータスカン的な味わいですが、精緻な味わいはいつもながらさすがと思います。6000円オーバーというプライスは悩ましいですが、セールでまた安く買える機会があればゲットしたい銘柄です。
【中吉】
日時 2007/5/23
銘柄 キャンティ2004(ピアッツァーノ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 ワインホリック
価格 1800円
感想 状態のよさとはなんたるかを端的に示してくれるよい例がこのボトルです。このつくり手は初めて飲みますが、クラシコのつかない素のキャンティで、ラベルがオシャレです。中程度のルビーで鮮やかな色調。香りは、スーッと鼻腔の奥まで届くような、スミレやブルーベリー、カシス、ハーブ、それに少しばかりのスパイス香。味わいはミディアムボディで繊細。ピュアな果実味とクリーンな酸、そして穏やかなタンニンとが、線は細いながらもバランスよく整えられ、口の中でキャンディのような甘い含み香が感じられます。樽の要素がしゃしゃり出ないのもいいですね。ガサツなインポーターが輸入して、スーパーの店頭などに並べられていたら、こうした美点はことごとくスポイルされて、おそらく何の変哲もない安キャンティとして、記憶の片隅にも残らなかったのではと思います。 2000円以下で構成要素が豊富とはいえない、こういうワインこそ、良い状態で飲みたいと切に望みます。ワインホリックさんで購入。インポーターはラシーヌ。
【小吉】
日時 2007/5/20
学生時代からの友人たちと、品川インターシティにあるカジュアルなイタリアン「トラットリア・イタリア」へ。リーズナブルなお値段で石窯のピザが美味しい店です。気のおけない仲間とカジュアルな料理、そうなると、ワインもかしこまったものでなく、気楽なものをカラフのような器でぐびぐびといきたいところ。いろいろとワイン遍歴を繰り返してきましたが、最近はこういうワインの飲み方をしているときが一番シアワセです。
銘柄 ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェズーヴィオ2005
(フェウディ・ディ・サン・グレゴリオ)

DOCヴェズーヴィオは、アルコール度が12度を超えると、ラクリマ・クリスティ(キリストの涙)を名乗れます。リストには作り手が書いてなかったので、一体どんなワイナリーのボトルが出てくるのかと思いましたが、至極真っ当なところのものでした。色調は暗くてよくわからず。柑橘系果実、花の蜜、ミネラルなどの厚ぼったい香り。味わいも厚みがあるんですが、酸がそれなりにしっかりしていて、やや太めながらもダルにはなっていないところに好感が持てます。なによりもイタリアの安い白にありがちなシャバシャバ感がないのがいいですね。正直ワイン単体ではそれほど魅力を感じるものではありませんが、こういったカジュアルな食事のお供にはよろしいかと思います。 【吉】
銘柄 キャンティ・クラシコ2003(メリーニ)
紫がかったルビーの色調。スミレやカシス、プラム、ハーブ、ヨードなどの香り。味わいはミディアムボディで、フローラルでクリーンな果実味があって心地よいものです。樽の要素がでしゃばらないのがいいですね。過不足なく仕上がったスタンダードなキャンティクラシコ。それほど複雑さや奥深さを期待するクラスではありませんが、実売価格を思えば、よくできていると思いますし、自宅にもデイリー用に買っておこうと思いました。こちらもリストには作り手が書かれていませんでしたが、このお店のチョイスはなかなかイケてると思いました。 【小吉】
前菜2品、ピザを2品、パスタを2品いただき、結局メインまでは行き着けず。これだけ飲み食いしてもお値段はひとり5000円弱というのはなかなかだと思います。
日時 2007/5/19
銘柄 ブルゴーニュV.V2004(デゾネ・ビセイ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ワインホリック
感想 3,168円という値段はビミョーですね。いや、はっきり言ってしまうと「高い」。 「日本で最もコンディションの良い選りすぐりのワインをお届する」ショップから買ったこのボトル、輸入元はフィネスとあって、状態は完璧です。コルクは下1ミリ程度しか染みていないし、テクスチャーのひっかかりのなさとか、微妙な表情や陰影がスポイルされていないところなどは、さすがだと思います。もっとも、いくら状態はよくても、銘柄的にはあくまでACブル、過大に評価すべきものではありません。中程度からやや淡いルビーの色調。赤い果実やハーブ、紅茶、それに軽くスパイス香や赤身肉などの還元香も感じられます。味わいはクリーンな果実味が心地よく(これは状態のよさによるところ大)、各構成要素が乏しいながらも、バランスよく拮抗していて、クラシックなピノらしい味わいになっています。フィニッシュはタンニンが感じられてややドライな印象。マルキ・ダンジェルヴィーユがインポーターに紹介した作り手とのことですが、上位グレードになれば、きっとクラシックで長熟タイプの侮りがたいピノになるんでしょうね。このACブルからは、その片鱗が垣間見える程度ですが。内容的には、2000円台前半、状態のよさでイーハンついても2千円台半ばで買いたいところです。まあ、ブルの値段が高いのはユーロ高とか、世界的な需要増による部分も大なので、この作り手を責めるのはフェアではありませんけどね。
【吉】
日時 2007/5/17
銘柄 アルガブランカ・クラレーザ2005(勝沼醸造)
産地 日本>山梨
購入店 カーヴ・ド・リラックス
感想 翌日飲み会なので、この日はハーフボトルを。勝沼醸造の「アルガブランカ・クラレーザ」です。酸がやわらかで、はつらつとした味わいというよりは、上品でなめらか指向の味わい。辛口仕立てですが、口の中で果実由来の甘いフレーバーが感じられ、テクスチャーはヌメッとしています。コメントだけだと前回のハラモと対して変らない印象ですが、ハラモやその前に飲んだフジクレールほどメリハリの利いた味わいではなく、よくも悪くも甲州らしい味わいだと思います。 先日飲んだ、本坊酒造の「シャトーマルス石和・甲州氷結仕込み2004」も同系統でしたが、あちらのほうがもっとふくよかでアロマチック、口の中で甘みを感じる味わいでした。 個人的な好みからいえば、もう少しクリスプでピチピチした味わいの方が好みかなぁ、と思います。そう書くと、甲州愛好家の方からは「判っていない」と言われそうですが‥。(^^;
【吉】
日時 2007/5/15
銘柄 ハラモ・ヴィンテージ甲州シュールリー2005
産地 日本>山梨
価格 1750円
感想 定評のある中堅ワイナリーの甲州。 色調はごくごく淡めのイエロー。香りはおだやかながら、国産ナシや白桃、白い花など、アロマチックなもの。口に含むと、やわらかな酸がみずみずしい果実味を下支えして、控えめならも心地よい味わいです。特にどこが秀でているというわけでもありませんが、中盤のヌルリとした味わいなど「らしさ」もあって、総合的なバランスのよさが光ります。もう一声安ければ、デイリー候補として力強く推すところですが。
【小吉】
日時 2007/5/14
銘柄 マルサネ2003(ブリュノ・クレール)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 パリ16区
感想

この日開けたのは、パリ16区のセールで購入した、ブリュノ・クレールの03マルサネ。さほど期待もしていなかったのですが、グラスに注いでみてガックリきてしまいました。ブショネです。 まず香りが不自然なほど全くたたない。おかしいなと思ってひと口含んでみると、例の紙粘土味。程度でいえば、重度ではありませんが、中程度のブショネでしょう。
いつもの私なら、悪態をつきながら半分ほど飲んで、あとは流しに捨ててしまうところですが、この日は違いました。 Andyさんのブログで報告のあったブショネ解消法を試してみようと思いまして。

デキャンタに30センチ四方に切ったサランラップを入れ(これが結構コツがいる)、そこにボトルのワインを浸します。5分ほどしてグラスに注いでみると、あら不思議。 ちゃんと黒い果実やハーブ系の香りが立ち上ってくるではないですか!味わいは残念ながら多少ブショネ味が残っていますが、何もしないのに比べればずっとマシにはなっています。 15分以上ラップに浸した2杯目、味わいからは、1杯目以上にブショネっぽさが消えましたが、残念ながら、香りがほとんどたたなくなってしまいました。サランラップは、ブショネの原因だけでなく、その他の香りの要素も吸着させてしまうんですかね。 結論としては、特効薬、とまではいかないものの、効果はたしかに実感できます。ラップに漬け込む時間がポイントでしょうね。 ただ、デキャンタに移したり、異物に漬け込んだりと、若干「荒ワザ」の印象はまぬがれないので、安価な若めのワインでまず試してみるのが良いかと思います。

p.s.残ったボトルにサランラップの切れ端を放り込んで、そのまま冷蔵庫に一晩置いたものを今日飲んでみたら、雑巾臭が出てとても飲めない代物になっていました。やはりラップに漬け込む時間には注意が必要なようです。

日時 2007/5/12
銘柄 クロ・ド・ラ・ロッシュ97(デュジャック)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 週末になりましたので、シニアの合格祝いにそこそこの銘柄を開けようと、上記の銘柄をチョイスしたのですが、そういえばこのボトルどこで買ったんだっけと、裏ラベルの部分を見てみれば、最近手元で熟成させたものを飲んでことごとく外している某大手インポーター兼ショップ。不安が頭をよぎります。 キャップシールは少しザラザラ感こそあるものの、クルクル回ります。抜栓してみると、コルクは下3分の1ぐらいまで染みている程度。久々に収納棚の奥から持ち出したリーデルのソムリエ・ブルゴーニュグラスに注ぐと、なんだかやや濁りがあります。香りは、、悪い予感が的中。ほとんど立ち上ってこないばかりか、カルキや消毒液のような異臭が少しばかり混じっています。少し待つと、オレンジの皮などの香りが感じられるようになりましたが、デュジャック本来の絡みつくような芳香からはほど遠いものです。味わいはといえば、やや酸が勝っているものの、十分な果実の凝縮感とまろやかなテクスチャーがあり、黒い果実や紅茶、ヨーグルトのような含み香も感じられて、なかなか心地よいものです。酸化しているわけでもバランスを崩しているわけでもなく、翌日になっても大きく衰えることはありませんでした。しかし、この香りが、ねえ。劣化とまではいかないまでも、機嫌を損ねている、というような微妙なコンディション。どうしてもこうなってしまうのか判りませんが、このショップで購入して寝かせたブルゴーニュって、相当の確率でかようなボトルに出くわすような気がします。つくづくワインの購入経路って大事だなあと思います。長年寝かせる高価なワインならなおさら、ですねぇ。
【凶】
#ということで、祝杯に開けたボトルが「凶」というなんとも皮肉な結果になってしまいましたが、こういうのも私らしいかな、ということで‥。(^^;
日時 2007/5/10
銘柄 フジクレール甲州シュールリー2005
産地 日本>山梨
感想

合格通知から2日ほど経って少しばかり冷静になってみると、受かった嬉しさにもまして、今更ながら、散々の出来だったテイスティングに対しての忸怩たる思いが募ってきます。前回エキスパートに合格してから今まで、本館「S's Wine」に掲載している(実際はそれ以上の)本数を飲んできて、はたまたコメントといえないまでもそれなりの感想を記してきて、まあ曲がりなりにもテイスティングには自信があるつもりでした。しかし、いざ久々に試験に臨んでみて痛感したのは、、定型化された用語と瞬間的な判断を要求されるいわゆる狭義の「テイスティング」と日常の「ドリンキング」((c)ooisotroさん)は似て非なるもの(というとちょっと言いすぎかもしれませんが‥)だということです。そんなことは8年前の試験勉強のときに認識していたはずなのですが、その後の時の経過ですっかり私の記憶も風化したということなのでしょう。 この先、業界人でもなく、コンクールをめざすわけでもない私がその「テイスティング」の技量を用いる機会があるのかといえば、ぶっちゃけ、ほとんど無いのですが、そうはいっても、純粋な思いとして、ワイン会とは別に、もう少し日常的、恒常的にテイステイング力を磨く機会がほしいという思いが頭をもたげてきました。単にブラインドで品種をあてる、というのではなく、分析にワインと向き合う機会とでもいいましょうか。幸い、子供二人も幼稚園に通うようになり、一時期よりは体の自由もきくので、またテイスティング会とか勉強会とか、そういった機会を見つけて参加できればと思います。

さて、この日開けたのは、 フジッコワイナリーの甲州。色調は透明に近いような淡いイエロー。香りはかなり熟成した、ネコのおしっこ的な香りの奥から、柑橘系やハーブ、ミネラルなどが顔を出します。飲んでみると、ビビッドな果実味と爽やかな酸が健在で、過不足なくバランスのとれた味わいです。甲州種もこれだけ綺麗にかつドライに仕上げられるんだなあと飲むたびに感心します。昨年訪問したことで、つい贔屓目に見てしまうのですが、それを抜きにしても、とてもよく出来ている銘柄だと思います。【小吉】

日時 2007/5/6
銘柄 ニュイ・サンジュルジュ・レ・ダモード2002(レシュノー)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 湘南ワインセラー
感想 02年のブルは、上の子の生まれ年ということで、(私としては)かなりの数を購入しました。レシュノーについても、クロ・ド・ラ・ロッシュ1本、1級プリュリエ4本とを寺田倉庫に寝かせてありますが、それらの成長具合を計る意味もあって、家のセラーにポツンと残されていたこの村名ボトルを開けることにした次第です。(「ダモード」には村名と1級とがありますが、レシュノーのダモードは村名だそうです)実のところ、二日目になったら開くかな、というぐらいのイメージで、それほど期待していたわけではないんですが‥。 いやあ、マイりました。初日から激ウマです、このボトル。濃厚ながらも決して濃すぎないクリアなルビーの色調。イチゴやラズベリーなど赤系果実のコンポート、ダージリン、なめし革、リコリスなどのすばらしい香りに加えて、抜栓当初はやや揮発性塗料のようなニュアンスも見られます。味わいはオレンジの皮のようなニュアンスを伴った若々しい果実味が口の中でグンと広がります。酸は豊かで、タンニンはキメが細かくなめらかに溶け込んでいます。口の中での含み香の豊かさ、味わいの奥深さなど、これが村名とはとても思えません。飲むタイミングっていうのは重要ですね。1級やクロ・ド・ラ・ロッシュはもっとポテンシャルは高いのでしょうけど、今開けてここまでの満足感は得られなかっただろうと思います。それぐらいこのボトル、現時点で飲む分には、非の打ち所のないできばえでした。ちなみにこのボトル、コルクは下部から1〜2mm程度しか染みておらず、状態も良好でした。最近のラックは結構コンディション面でも信頼できますね。
【大吉】
日時 2007/5/4
銘柄 ジュスト・ディ・ノートリ99(トゥア・リータ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 失念
感想 前日から子供を連れて実家に宿泊中。晩酌に何を飲もうかとセラーの中を漁ったのですが、タイミングの悪いことにそろそろ飲もうと思っていたボトルたちを自宅に持っていってしまった直後で、あまり飲み頃のものがありません。表題の銘柄も、飲み頃には少し早いかなと思ったのですが、ピノは昨晩のアルヌーで満腹感があるのと、 eRobert Parkese.comの2003-2016という、飲み頃予想を信じて、開けてみることにしました。 メルロ100%のレディガッフィが有名なトゥア・リータですが、こちらは、カベルネとメルロ主体のボルドーブレンド。 色調は濃厚なガーネットで、エッジはオレンジが入ります。香りはブラックチェリーやカシス、丁子、ユーカリ、ナツメグ、カフェ、それに木質的な香りなど。味わいはトロトロに濃い果実味が口の中でアルコール由来の甘みを伴って広がります。そのアルコールですが、ラベル上は13.5度ながら、実際はもっとありそうな気もします。私なぞボトル三分の一飲んだだけでへべれけですから。タンニンは甘苦系でよく溶け込んでいますが、やや乾いたフィニッシュをもたらします。PP96点というだけあって、濃縮感や隙のない構造はすばらしいのですが、同時に飲み疲れするのもまた事実。この銘柄の持ち味を最大限に引き出すには、煮込み系の肉料理とか、サーロインのステーキとか、そういう力強い料理がよさそうです。
【小吉】
日時 2007/5/3
銘柄 ヴォーヌロマネ・レ・スショ96(R・アルヌー)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 うきうきワインの玉手箱
価格 10800円
感想 GWということで、少しばかり贅沢系のワインを開けています。楽天のショップ「うきうきワインの玉手箱」のオープン時に2本購入したもので、1本目は早々に飲んでしまいました(03年の記録参照)が、残る1本もそろそろ飲み頃だろうと思い、開けてみました。 色調は濃いめのガーネットで、エッジにはっきりとオレンジが見て取れます。 香りは陶然とするような、リキュール状のカシスやラズベリー、甘草、なめし皮、スーボワなど。私としては久々に嗅ぐ熟成の頂点に達しつつあるブルの芳香。どんなに痛みやすくても、なかなか思ったような熟成をしてくれなくても、たまにこういうボトルに出くわすからブルゴーニュはやめられないんですよね〜。口に含むと、96年らしく酸が優勢な味わいですが、飲み進むうちにバランスがとれてきて、ボトルの中盤以降は特にすばらしい味わいになります。果実味には香り同様甘くリキュール的な濃縮感があって、タンニンは綺麗にとけこんでいてテクスチャーはなめらか。全般にかなり熟成の進んだ味わいで、すでに輪郭がぼんやりとし始めている感もあります。96年なのでどうかな、と思いましたが、我が家のボトルについては、この時点で開けたのは正解だったようです。アルヌーのボトルは流通の状況やコンディションによって、飲み頃に大きな幅があるように感じていますので、他のボトルも同様かどうかは一概には言えませんがね。
【(ややオマケで)大吉】
日時 2007/5/1
銘柄 メルキュレイ・ル・モント2002(A・P・ド・ヴィレーヌ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 松坂屋銀座店
価格 4000円弱だったかと‥。
感想 ネットではなく、銀座松坂屋の実店舗で購入したボトル。輸入元はトーメン。キャップシールをはがすと、盛大に噴いた跡があり、そこから青カビが生えています。購入時キャップシールはクルクル回っていました。悲惨な環境に置いたつもりはないのですが、いつのまに噴いたしまったんだか。もっとも、コンディションの方は問題はなく、普通に楽しむことができました。そういえば今日、「日本一コンディションに気を使っている」というネットショップで初めて注文してみました。買ったのは安ワインばかりですが、逆に安価なワインほど状態の違いは出やすいもの。どんなものか、後日検証してみたいと思います。閑話休題。色調はいかにもピノらしい透明感のあるルビー。香りはしんみりとした赤い果実やスミレの花、スパイス類、紅茶、小梅などのピュアで心地よいものですが、思ったほど前面に出てこないのが残念といえば残念です。味わいについては、クラスを超えた凝縮感とかスケールの大きさとか、はたまた爆発的な旨み成分とか、そういうものを期待すると肩透かしを食いますが、価格相応の、ややこじんまりとしつつもクラシックにバランスのとれた佳品だと思います。変にモダンな方向に振っていない分、ピノ好きの人には受ける味わいでしょうね。これが3000円前後で買えるといいのですが。
【小吉】