2007年3月

日時 2007/3/30
銘柄 カルヴァドス・ペイ・ドージュ(6年以上熟成)
ドメーヌ・アドリアン・カミュ
産地 仏>ノルマンディ
感想

気がつけば、もう3月終わりです。試験日まであと3週間ちょっとしかないのに、一旦緊張の糸が途切れてしまうと、ダメですねぇ。全然気持ちが高ぶってこないし、準備も遅々として進みません。 問題のスピリッツについては、仕方ないので、何本か購入して寝酒に飲むことにしました。実は今回の受験のコンセプトとして「金をかけないこと」というのがあって、それでセミナーやスクールの類にも一切行っていないし、テイスティング練習用のワインも日常飲み用を兼ねたごく安価なものしか購入していないのですが、スピリッツだけは、「必要経費」として計上せざるをえないかな、と。(買っても、後々あまり飲まないんですけどね〜) ということで、手始めに今日近所の酒屋で買ってきたのが、このカルヴァドスです。
ところが予想に反して?、コレ、結構気に入りました。美味いです。グラスに鼻を近づけすぎると、アルコール感の強さに圧倒されてしまいますが、ほどほど離して嗅ぐと、スモモやカラメルなどにまじって、甘く心地よいリンゴの香りが嗅ぎ取れます。口に含むと、40度超のアルコールはさすがに強烈とはいえ、ちびちび飲んでいくうちに、胃が刺激されて活発になるのか、腹がこなれていい感じになります。食後酒って、こういうものなんですね。次はコニャックかアルマニャックを買って、飲み比べをしてみようと思います。
【中吉】

日時 2007/3/28
銘柄 ソミュール・シャンピニー2004
(ドメーヌ・ロッシュヌーヴ)
産地 仏>ロワール
購入店 タカムラ
価格 2000円
感想 その昔、ワインエキスパート受験の折、当時通っていたワインスクールのテイスティング講座の終了後に、「カベルネソーヴィニヨンとカベルネフランの区別がつかないことがあるんですが‥」と、恐る恐る質問したことがあります。そのとき講師だった山本ソムリエは、「全然違いますよね。」とにべもなかったのですが、あれから10年近く経った今でも、私はCSとCFの区別は苦手です。もちろん、典型的なものなら判別はできるのですが、収量制限や選果によって、ギュッと凝縮されたカベルネフランと、逆にあまり出来のよくないACボルドーあたりを並べて出されてしまうと、相当な確率で逆に答えてしまいそうでコワイです。そういう意味では、あのとき全然違うと言い放った山本ソムリエのレベルにはまだ遠く及ばないということなのでしょう。
前置きが長くなりましたが、この日飲んだのは元々ボルドーの作り手だった方が独立して始めたというソミュールシャンピニー。
色調はほどほどに濃厚なルビーで、エッジは紫がかっています。香りからはそれほどベジタルな要素は感じず、赤と黒の中間ぐらいの果実やスパイス類、ハーブなどの心地よいものです。口に含むと、密度感のある味わいがあり、CSのように伸びやかに迫ってくるのではありませんが、ほんわかと口の中に広がる感じです。それに含み香では、かなりはっきりとベジタルかニュアンスが感じられます。この辺がCSとの識別要素なんでしょうね。問題は、私自身がついついフランに対してもCS的な要素を追い求めてしまうことなんですが‥。
【吉】
日時 2007/3/26
銘柄 ペンフォールズ・カリムナ・シラーズBIN28
産地 豪>バロッサヴァレー
購入店 タカムラ
価格 2870円
感想 このところめっきりワインの購入ペースが落ちています。買ったとしても、もっぱら認定試験のためのテイステイング用ワインです。まあ、ワイン関連の費用抑制は、我が家の今年の至上命題なので、今のところ上手くいっているということなのでしょう。
ということで、この日も一連のテイスティング対策用ボトル。 ニューワールドのシラーズらしいシラーズを、ということで、以前より印象のよかったペンフォールズの中堅ラインを選択してみました。
第一印象はというと、 濃いです‥。ビターチョコや黒果実のリキュール、焼き栗、リコリスなどの香ばしい香り。口に含むと分厚い果実味があり、アルコール感から来ると思われる甘さが印象的。とはいえ、タンニンがやわらかいので結構スルスルと飲めてしまい、気づくとへべれけになっています。裏ラベルを確認してみたら、なんとアルコール度は14.5度ですと!ニューワールドのシラーズらしいといえばらしいのですが、このアルコール度はちょっと私のストライクゾーンから外れていますねぇ。
【末吉】
日時 2007/3/24
銘柄 オーメドック・ド・ジスクール97
産地 仏>ボルドー
購入店 近所の酒屋
価格 2000円程度
感想 「神の雫」でとりあげられて一躍人気者となったこのワイン、近所の酒屋で2kで売っていたので、買ってみました。ビンテージ的には弱いといわれる97年ですが、さて、どんなものでしょうか。 色調はエッジにオレンジの見える中程度のガーネットです。香りはドロンとした印象で、タバコやキノコ、黒土などの熟成した香りが良く出ていますが、上級グレードにあるような、深く染み込むようなスーボワ香ではありません。味わいはやわらかく熟成していてタンニンもよく溶け込んでいます。凝縮感やスケール感は当然期待できませんし、香り同様、輪郭がボヤけてピンボケの写真のようなもどかしさが残りますが、2Kで適度な熟成感を得られるのですからよしとしましょう。ただ、個人的にはもっと若いうちに飲みたかったかな‥。99、00、01あたりのVTなら美味しくいただけるんじゃないでしょうか。
【吉】
日時 2007/3/21
銘柄 セレクト甲州2005
( イケダワイナリー)
産地 日本>甲州
購入店 勝沼ワイナリーマーケット
価格 2100円
感想 受験の準備がこのところ遅々としてすすまなくなってきました。とりあえずひととおりおさらいをして、今は懐かしの「田辺由美のワインノート」で問題集に取り組んでいるんですが、実力テストや模擬試験をやってみると、結構間違えるんですよねぇ。細かい部分の記憶の精度がかっての受験時のレベルまで戻っていないのは明らかなんですが、あと一ヶ月というところまできて、スパートをかけなければならないタイミングなのに、仕事やら子供関連やらで何かとバタバタしていまして、落ち着いて試験の準備に集中できません。それでもまあ、座学の部分はこうして細々と準備をしてはいるのですが、遅れているのがテイスティング。特にスピリッツに至っては、まるでノーガード状態です。そもそも日ごろ飲まない分野なのだから、最初から捨ててかかるというのが賢明なのかもしれませんが、必ず1種類出題されるとわかっている以上、少しでも悪あがきをしておきたいな、という気持ちもあります。 ということで、都内でコニャック、アルマニャック、オードヴィー・ド・フルイイ、グラッパ、マール、シェリー、ポート、VDN,VDLなどを、カウンターなどでテイスティングできる酒販店とか、気軽に入ってオーダーできるバーとか、その手のお店をご存知の方いらっしゃいましたら、ぜひお知らせいただければ幸いです。

晩酌に飲んでいるのはこの銘柄。まるで日本酒のような薄く清らかな色調。香りは柑橘系というよりはもっと落ち着いた白桃などが感じられます。新樽を使って発酵、熟成させているようですが、あまり樽っぽさは前面には出てきません。味わいは酸が丸くヌメッとしたところがありますが、酒質自体はフルーティでしっかりしており、後半にはっきりとした苦みが加わります。エレガントに仕立てられた甲州で、和食に幅広く合わせられそうです。【吉】
日時 2007/3/19
銘柄 シャトー・ヌフ・デュ・パプ99
(Ch.ラ・ネルト)
産地 仏>ローヌ
購入店 銀座屋酒店
感想 冬とは思えない生暖かいような変な陽気が続いたと思ったら、急に寒の戻り。我が家ではカミサンが風邪で寝込んでいます。 ワインは今夜もテイスティング訓練の一環です。 中程度からやや濃いガーネットで、エッジにはオレンジが見て取れます。ジョンブはゆっくりとしており、アルコールの高さが伺えます。(ラベル上は13.5%) 香りは赤い果実のジャムやスミレ、回すと毛皮や土っぽい熟成香が出てきます。口に含むと、やや神経質な酸のアタックがありますが、その奥から豊かで穏やかな果実味がじんわりと出てきます。タンニンはなめらかで、酸基調ながらもなめらかでバランスのとれた味わいです。特筆すべきは余韻の長さ。飲み込んだあとの戻り香がすばらしいです。個人的にはジャムっぽいべったりした果実味と強めのアルコール感があまり好きになれませんが、よく出来たワインであることは確かですし、今まさに飲み頃ながら、もうしばらくは熟成を続けそうです。 ちなみにパーカーさんのこの銘柄に対するポイントは88点。飲み頃予想は、2001〜2013年。点数はもう1点ぐらい高くてもいいかなと思いますが、飲み時としてはそんなものなんでしょうね。なお、このボトル、インポーターは出水商事、購入元は銀座屋さんでしたが、コルクもほとんど上まで染みておらず、状態は良好でした。どうもCNPは好きになれないので評価は辛めになってしまいましたが、客観的には中吉ぐらいの出来と思います。
【小吉】
日時 2007/3/15
銘柄 ルバイヤート甲州シュールリー2005(丸藤葡萄酒)
産地 日本>甲州
購入店 カーヴ・ド・リラックス
感想 試験用のワインが続いていますが、久しぶりにマイペースに戻って開けたのは、購入したあと、飲む時期を逸してかなりの間セラーに寝かされていた丸藤さんの甲州。といってもまあ05年なので知れたものですけど。相変わらずいいですね。薄めのグリーンがかったイエローの色調。香りはライチやグレープフルーツなどの果実、ミネラル、それにちょっとひねたような熟成香が出ています。味わいはしっかりとしたエキス分があり、(この品種にしては)肉厚な酒躯をビビッドな酸が支えています。後半に感じられる苦みも、和食とのマリアージュにはほどよいものです。↓のヴァンドペイの1.5倍の価格というのがやや悩ましいのですが、国産辛口甲州を代表するに足る充実した味わいなのはたしかでしょう。
【中吉】
日時 2007/3/13
銘柄 ヴァン・ド・ペイ・ドック・シラー2005
(ヴィニュロン・デ・トロワ・テロワール)
産地 仏>南仏
購入店 清水屋酒店
感想 1050円の値札が燦然と輝くこのボトルは、近所の酒屋で購入したヴァンドペイのシラーです。シラーの味わいをもう一度きちんと自分の味覚の中でファイリングしようと思って購入したのですが‥。 色調は濃いめのルビーで、エッジはまだ紫です。13.5%というアルコール度数だけあって、ジョンブはゆっくりめ。香りはトップノーズに良くいえばハーブ、悪くいえば茎っぽい青い香り(どちらかといえば後者)が感じられ、そのあとにフレッシュなブルーベリーやカシス、ナツメグなどのスパイスが続きます。口に含むと、しっかりした果実のアタックがあり、やや青さを伴ったフレーバーが口の中に広がります。タンニンは熟していてやわらかく、南方にしてはしっかりした酸とあいまって、この価格帯にしてはなかなかの味わいです。個人的には青っぽいフレーバーがどうもなあ、と思ってしまうのですが、まあデイリー用途としては十分でしょう。ただ、シラーらしいかというと、おそらくブラインドでは、ラングドックの混醸モノとか答えそうです。
【吉】
日時 2007/3/9
銘柄 Ch.ボーモン2004(demi)
産地 仏>ボルドー
購入店 近所の酒屋
感想

この日も、典型的な「試験に出そうな」カベルネを飲んでみようと思い、会社帰りに近所の酒屋で表記の銘柄を買って帰りました。さっそく飲んでみると、意外にやわらかな味わいです。色調はまだエッジに紫が残る中程度のガーネット。香りは最初閉じ気味でしたが、時間とともに、カシスやベリー類、ハーブ、ピーマン、丁子などのスパイス、それにオークが出てきます。口に含むと、やさしくなめらかな果実味を、甘苦いタンニンと豊かな酸とが支えてる、フルに近いミディアムボディの味わい。後で調べたところ、この年のボーモンのカベルネ比率は60%程度ということで、ビンテージのおとなしさとあいまって、メルロのやわらかさが強調されているのだと思います。少しばかり青さとインパクトの弱さが気になるとはいえ、あいかわらずコストパフォーマンスの良好な、至極まっとうなボルドーだと思いました。
【小吉】

日時 2007/3/8
銘柄 この日は新橋駅からすぐのオシャレな串焼き屋(と言っていいのでしょうか?)「ひねも」に行きました。ホストの方が、私がワイン好きなのをご存知で選んでくれただけあって、なかなかワインが充実している店でしたが、それより驚いたのが、グラスです。
この日飲んだのは、
〜カザマッタ04 【小吉】
〜ドメーヌ・カスタン・ル・テール・ルージュ04 【末吉】

というカジュアルな銘柄だったにもかかわらず、出てきたグラスは、なんとロブマイヤー。聞いてみると、この店では、ボトルで注文すると、すべてロブマイヤーのグラスで供されるとのこと。メニューも、串焼き以外にウズラのローストとか、パテとか、チーズ盛り合わせなど、ワインのつまみにふさわしいものが多かったし、持込みもできるそうなので(メニューにその旨が書いてあります)、こんどここでミニワイン会でもやってみようかな、と思いました。
それにしても、ロブマイヤーって、本当に「魔法のグラス」ですね。これで飲むといつもの3割増しぐらいの味わいになるような気がします。もっとも、決して広くないテーブル上にロブマイヤーが何脚も並ぶと、割るのが怖くて、思い切り酔えないという欠点もありますが‥。
日時 2007/3/5
銘柄 プイイ・フュメ・グラン・レゼルヴ2004(A・メロ)
産地 仏>ロワール
購入店 TODA
感想 シニアの勉強の意味もあって、このところいろいろな品種にトライしています。今回飲んだA・メロのこのボトルなどは、ああ、これこれと言いたくなるような、忘れかけていたソーヴィニヨンブランの香味を、しっかりと思い出させてくれる銘柄です。淡めのイエローの色調。ハーブやグレープフルーツ、レモン、それにミネラル、青草などの爽やかな香り。飲んでみると、エッジは丸いものの、爽やかでビビッドな酸が口の中で舞うような感じです。果実味もクリーンでピュア。12.5%という(私の好きな)控えめなアルコール度とあいまって、全体にケバケバしさのない、清楚な立ち振る舞いが素敵。SBを家で飲んで、これほど美味しいと思ったのは久しぶりです。まあ、甲州にしてもそうなんですが、私の嗜好自体が以前とはずいぶん変わってきているのだと思います。最近、全然シャルドネを飲みたいと思わないし‥。
【中吉】
日時 2007/3/3
銘柄 ジュブレイ・シャンベルタン98 (クロード・デュガ)
産地 仏>ブルゴーニュ
感想 正直、F木師匠の「バーガンディナイト」以外で、熟成して美味しいと思ったデュガを飲んだことがないのですが、このボトルも例外ではありませんでした。色調も香りも味わいも、すべてドヨンとした感じで、不味いわけではないのですが、心に響かないというか、なんというか‥。香りはしんみりとしていて勢いがなく、黒い果実やスパイスにまじって、獣っぽいニュアンスが強調されています。味わいは十分な凝縮感こそあるのですが、タンニンがややざっくりしていて、酒質が全般に毛羽立っており、フィニッシュも雑然とした感じ。う〜む、こんなもんじゃないはずなんですけどねぇ。劣化しているとは言いませんが、こないだのワイン会のような現地モノだったら、きっと違うんだろうなあと疑いたくなるようなボトルです。寺田倉庫から持ち帰って、このところたてつづけにこういうボトルに当たっているんですが、某(インポータを兼ねている)大手ショップ扱いのブルゴーニュって、思ったように熟成してくれないものが多い気がして仕方ないんですよね〜。たまたまでしょうか?それともある種の「必然」なんでしょうか。最近はここから買ってないからいいんですけど‥。
【末吉】
日時 2007/3/1
銘柄 アルガブランカ・クラレーザ2005demi (勝沼醸造)
産地 日本>甲州
購入店 カーヴ・ド・リラックス
感想 平日帰宅が遅い日が続いたので、ハーフボトルを二日にわたってチビチビと飲みました。このボトルは、カーヴ・ド・リラックスで、「アルガブランカ・イセハラ」をタッチの差で買いそびれた際、手ぶらで帰るのもなんなので、ということで買ってきたもの。 薄めの色調。大人しめの白桃や吟醸香的な香り。口に含むと、酸がなめらかで、落ち着いた味わいです。温度を上げるとシャバシャバした印象になりかねないので、よく冷やした飲んだほうがいいですね。クリーンで洗練された辛口甲州ですが、個人的にはもう少しビビッドな路線の方が好みかなぁ。【吉】