2007年2月

日時 2007/2/27
銘柄 ‥ということで、久しぶりの「青葉台ワイン会」。 青葉台という名称は、主宰のかもしださん(というより最近はRWG誌のYさんと書いたほうが通りがいいかもしれません。)がもともと「青葉台ニュース」というサイトで、メンバーを募ったことからきています。 この日は、三軒茶屋の「のみ山」さんに各自持ち込み。
ソーヴィニヨン90(カンティーナ・テルラーノ)
アルト・アディジェのソーヴィニヨンブラン、しかも90年。2006年蔵出しの現地購入ものだそうです。 まずはハンドキャリーものらしく、状態のよさが光ります。90年というのに、ヒネた香りはまったくなく、いまだに若々しくすら感じる果実とミネラル感があります。酸はさすがに角がとれて丸く、果実に厚みがあるため、ブラインドで飲んだら、何の品種だろうと迷いそうです。ほんの少しだけコルキーなテイストがありましたが、気にならないレベルでした。
コルトン・シャルルマーニュ85(ミシェル・ヴォリアック)
85年のブル白を飲むのは久しぶりです。熟成させて古酒の領域に入ったシャルドネって、モカっぽくなるものとシェリーっぽくなるものがありますが、これは明らかに後者。 ちょっと危うげではありますが、これはこれでイヤな香りではありません。味わいもまだしっかりしていて、余韻も綺麗でした。
クロ・ド・タール89
フランス直送のボトル。さすがに状態はよかったです。厚みはないのですが、きれいに枯れて、果実のリキュール的な甘みが口の中を満たす様は典型的な美しい古酒。こういうワインを飲むと、やっぱり古酒っていいなあと「一瞬」思うのですが、その倍ぐらいハズレボトルを引く現状を思うと、悩ましいですねぇ。
  リッジ・モンテベッロ93
Andyさんより。カリフォルニアの熟成させた赤は、開け時に悩むものが多いですが、このボトルも例外ではありませんでした。まだまだ若く、真の飲み頃には 早い感じです。最初のうちは力強いタンニンが目立ちましたが、時間とともに柔らかな果実味が前面に出てきした。とてつもなく堅牢な構造とスケールの大きさは出色。
  エシェゾー98(エマニュエル・ルジェ)
少し飲み足りないねぇ、ということで、予備に持参したルジェを開けました。クロ・ド・タール同様、フランスのショップから の直送品とあって状態が抜群。イチゴゼリーのような透明でクリアな色調。口に含むと厚みや凝縮感は、96や99とは比べるべくもありませんが、イガラっぽいところがなく、どこまでもクリーンな酒質が見事で、口中の含み香も豊かです。とはいえ、この銘柄、まだ若すぎたことは否めません。妖艶な魅力を発揮させるには、もう数年寝かせたほうがよかったかと。国内で流通しているものについては判りませんけどね。
ミュンスタラー・ビッテルベルグ・トロッケン・ベーレン・アウスレーゼ05(ゲッテルマン)
ハンドキャリー物のナーエのTBA。現地ではTBAはすぐ競売に回ってしまって、ショップで入手するのは困難を極めるとか。もちろんまだ若いですが、伸びやかで綺麗な酸とハチミツ飴のような糖とのバランスはさすがです。寝かせておけばいくらでも熟成しそうです。
  いやあ、さすがに飲みすぎました。 それにしてもこの会でいつも実感するのは、ボトルの状態のよさ。最近そういうことにういては、できるだけ鈍感になろうとしている私ですが、やはりハンドキャリーとかそれに準じた扱いのボトルは違うんですよねぇ。 料理は5000円のおまかせでしたが、どの皿もとても美味しく、ワインを引き立ててくれました。ワインバーでこれだけレベルの高い料理を出す店も珍しいんじゃないですかね。また利用させていただこうと思います。
日時 2007/2/25
明日は三軒茶屋の「のみ山」さんで、久しぶりに青葉台倶楽部ワイン会があります。子供たちがカミサンの実家に遊びに行っていたので、この日の晩は翌日のワインを預けがてら、のみ山さんで食事をしてきました。ワインは、店主に無理を行って、すべてブラインドで出していただきました。もちろんシニアの試験の準備のためです。
<一杯目> 濃厚な色調のイエロー。黄桃やパイナップル、バナナ、黄色い花などのよく熟した香り。味わいは厚みのある果実味のアタック。酸は角がとれていて丸く、なめらかに構造を支えます。健康的ながらやや野暮ったい印象。カリフォルニアの、比較的暑い地域のシャルドネ。

→答え:ウルフブラス・ビルヤラ・シャルドネ05
オーストラリアのシャルドネでした。新世界系とはこのところご無沙汰の今の私では、オーストラリアとカリフォルニアの区別まではつかないです。
<二杯目> 「すぐわかると思います。」といいつつ「試験には出ないと思いますが‥」との不思議なお言葉。香りをかぐと、非常に特徴的なライチや白い果実、それにフローラルな香りです。これは口をつけるまでもなく、ゲビュルツですね。

→答え:サンタマグダレーナの05ゲビュルツトラミネール
なんとアルト・アディジェのゲビュルツとは。たしかにイタリアのゲビュルツが試験に出ることはないでしょうね。でもこの銘柄、アルコール度も高く、品種の特徴がよく出ていて秀逸だと思いました。
<三杯目> チラリとラベルを見てしまい、新世界系だということがあらかじめ判った上でのテイスティング。濃い色調のルビー。香りは凝縮感のあるカシスやブラックチェリー、バニラ、八角などのスパイス類。香りだけからすれば間違いなくカベルネです。ただ、飲んでみると非常にシルキーでタンニンがやわらかく、フランがかなり入っている気もします。

→答え:テッラ・ヴァレンタイン・カベルネソーヴィニヨン
店主いわく、「味わいがやわらかいのは抜栓して日にちがたっているからでしょう。」この銘柄、名前がちょっとキワモノチックですが、味のほうはかなりのレベルとお見受けしました。
<四杯目> これは若い。紫色っぽい色調のルビー。ハーブやカシス、プラム、スミレ、ダージリンなどの若々しい香り。味わいはジューシーで、健康的な果実感が心地よいです。タンニンは比較的穏やかで、果実味がしっかりしているわりには軽やかなバランス。品種はちょっと悩みましたが、グルナッシュ主体、ランク的にはコートデュローヌあたりかと。店主いわく、「有名な生産者。飲んだことあるかも‥」。‥と言われてもわかりません、ローヌってほとんど飲まないし。

→答え:シャプティエの05コート・デュ・ローヌ
久しくグルナッシュを飲んでいなかったので、勉強になりました。
日時 2007/2/22
銘柄 ロエロ・アルネイス2005(ブルーノ・ジャコーザ)
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 TODA
感想 ピエモンテの新DOCGの白、名門の作り手ということで期待してあけたのですが、自宅としては久しぶりの『ブショネ』でした。果実味がみずみずしく、酒躯に厚みもあり、酸も豊かで、健全ならかなりイケてるワインだったはずですが‥。初日はなんとか半分ほど飲み、翌日2杯ほど飲んだところでギブアップしました。
日時 2007/2/21
銘柄

職場の方々と、麹町『オーグードゥジュール』へ。このサイトを以前からご覧の方はご存知と思いますが、私の昔の職場はかってオーグードゥから目と鼻の先にありまして、このお店が開店した時分はランチなどでしばしば利用させてもらっていました。現在の予約をとれない人気ぶりからは考えられませんが、開店当時は昼時、お店の前を通ると、玄関先を掃除していた女性のギャルソンから、おいでおいでと呼び込まれたりしたものです。(ちなみにこの日の予約をとりつけたのは2週間前でした。)
ということで、久しぶりに行ってみると、当時馴染みのギャルソンさんたちは店舗の多角展開であちこち散らばってしまったらしく、知った顔は誰もいません。持ち込み料も値上がりしているし、料理の質も十分満足できるものとはいえ、以前に比べると少しばかりインパクトに欠ける気がしました(特に前菜のカルパッチョ)。 まあ、私自身が過去の記憶を美化しすぎているのかもしれませんが‥。

もっとも、持ち込んだワインの方はすばらしいものでした。

キスラー・シャルドネ・キスラーヴィンヤード99

黄金色がかったイエローの、風格ある色調。黄桃や柑橘類、キンモクセイ、カラメルなどの芳香。口に含むと肉厚な果実味のアタック、それでいてしっかりした酸により決して鈍重にならない酒質。ミネラル感もあって、口中でキラキラした印象です。なにより余韻のバックテイストの豊かさがすばらしい。モンラッシェのように熟成するかは別として、少なくともこのぐらいの年次で飲む分には非の打ち所のない、最高峰のシャルドネといえましょう。ほとんど冷やさず、常温で飲みましたが、味わいがダルにならないところもさすがでございました。
【大吉に近い中吉】
クロ・ヴージョ2000(ドメーヌ・ルロワ)

平野弥さんで購入したもの。キャップは蝋封でしたが、コルクがやや緩かったのか、均等に上のほうまで染み込んでいました。決して濃すぎない透明感のあるルビーの色調。カシスやスミレ、ハーブ、オーク、それにやや還元的な肉系のニュアンス。味わいは力強さこそ感じませんが、各要素のバランスがよく、スルスルと飲めてしまいます。もちろん今でも美味しいのですが、時間とともに表情を変えて、香りも味わいも複雑になっていったあたり、もう少し寝かせてもよかったのかな、と思います。ルロワの飲み時って悩ましいですね。あと、問題はお値段ですねぇ。セールでかなりお安く購入したボトルでしたが、それでもまだ、もう一声安ければねぇ、と言いたくなります。
【中吉】
日時 2007/2/19
銘柄 キャンティクラシコ・ドン・トッマーゾ2001(レ・コルティ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 湘南ワインセラー
価格 3200円
感想 体調がよくありません。昼間はそれほどでもないのですが、夜、床に就くと咳が止まらなくなって深夜まで眠れないという日が何日か続き、一昨日遅ればせながら診療所で咳止めをもらって飲んだところ、今度は便秘になって腹が張ってしまい、昨晩はそれがツラくて眠れませんでした。週末はゆっくりと養生したいです。
そんな体調でも、アルコール消毒とかなんとかベタな言い訳をしながら、ワインは飲んでます。 今回開けたドン・トッマーゾは、湘南ワインセラーで1年ほど前に買ったもの。3200円という価格は楽天で検索してみると最安値ではないにせよ、かなり安いほうですね。大体世間の相場は3000円台半ばから後半というところでしょうか。 抜栓してみると、コルクは良質なものが使われていて、染み具合も問題ありません。色調は濃厚な、中心部に黒味がかったルビー。香りはモダンなオークの奥から黒い果実や中国系スパイス類、木質的な香りなどが垣間見られます。とはいえ、あまり外向的とはいえず、どちらかといえば寡黙な部類に入ります。口に含むと、磨き上げられたようななめらかな酒質で、力強い果実味をしっかりしたタンニンが支えるシリアスな味わいです。キャンティクラシコとはいえ、良年の誉れ高い01年のトスカーナ、もう少し待ったほうがよかったかもしれませんが、それをさしひいてもこの銘柄、なんだかピンとこないんですよねぇ。まじめにしっかり作られているのはわかるのですが、モダンで隙がない代わりにハッとさせられるような部分もなく、どこまでも「カルロ・フェリーニ」の味だなあという印象です。正直、次回3K出してキャンティクラシコ買うなら、もう少し違う銘柄をチョイスしたくなりますね、クエルチャベッラとか、リエチーネとか、サンジュスト・ア・レンティナーノとか、あるいはまだ見知らぬ銘柄とか‥。
【吉】
日時 2007/2/16
銘柄 フェルトンロード・ドライリースリング2006
産地 NZ>セントラルオタゴ
購入店 TODA
感想 PNが有名なフェルトンロード。今回はセールで出ていたリースリングを買ってみました。06年という最新ビンテージは、南半球ならではです。 キャップはコルクではなく、NZで普及しているスクリューキャップ。味気ないといえば味気ないですが、ブショネ対策と環境保護の視点からすれば今後はこういう方向なんでしょうね。 色調は中程度のイエローで、まだ全般に黄緑がかっています。香りは柑橘系果実、アカシア、ミネラルなど爽やかなもの。口に含むと、シャープな酸のアタック。ヴィヴィッドな果実味が口の中に広がり、高めのアルコール度とあいまって、厚みのある味わいですが、余韻はややあっけない感じです。無難にまとまっていますが、全般に味わいがサラリとしていてオイリーな要素に乏しく、華がない気もします。もう少し寝かせればまた違ってくるのかもしれませんが、 3K弱の値段を考えると少し期待はずれかな、と。ドイツやアルザスなら2K前後でも相当いいのがありますからね〜。
【末吉】
日時 2007/2/13
銘柄 コートロティ・シャトーダンピュイ96(ギガル)
産地 仏>ローヌ
購入店 ファインワイン
感想 久しぶりにギガルを開けました。 98年11月にリリースされた最新のコート=ロティがシャトー・ダンピュイ。コート=ブロンドとコート=ブリュヌにそれぞれ3区画ずつ計6区画、広さ8ヘクタール弱の畑から生まれるワインで、95パーセントのシラー、5パーセントのヴィオニエ種を使用。トゥルク、ラランドンヌ、ムーリンヌの3大キュベに比べれば、可哀想になるくらい不人気ですが、逆に言えば、入手しやすく価格も低く抑えられています。 色調は濃いルビーで、エッジにようやくオレンジが入り始めた感じです。ディスクは厚く、ジョンブはゆっくり。香りはブラックベリーなど黒い果実の焼き菓子、リコリスや八角などのスパイス、燻香、それに焼き栗やビターチョコなどの香ばしい香り。グラスに注いだ当初にモワッとしたスーボワやトリュフのようなニュアンスが感じられましたが、その後は若々しい香りに終始していました。 口に含むと、96年ということもあって、びっくりするほどの凝縮感はありませんが、その分エレガントにまとまっていますね。タンニンは緻密で粒子が細かく、しっかりした酸が構造を後ろ支えして、モダンで隙のない酒質はさすが、という感じです。なにより10年経過しているのに、まだ全然若々しいのが意外。今でも美味しく飲めますが、まだまだ熟成しそうです。ギガルの3大畑となると、今やたいしたことないビンテージでも3〜4万円前後は覚悟しなければなりませんが、この銘柄なら1万円程度。子供のビンテージの02、03年がリリースされたら迷わず買っておこうと思います。
【中吉】
日時 2007/2/10
銘柄 ブーズロン2004(A&Pヴィレーヌ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 信濃屋
価格 1980円
感想 私がエキスパートの受験をした当時、「コートシャロネーズ」のAOCといえば、リュリー、メルキュレー、ジブリー、モンタニーの4つで、モンタニーのみ白のみで他は赤白と覚えたものですが、その後、このブーズロンがAOCに昇格したことを今回のシニアの勉強で初めて知りました。そういえば、久しくアリゴテを飲んでいなかったこともあり、テイスティングの練習の意味もあって、この定番中の定番銘柄を買ってみました。 色調は濃いめのイエローで、若い割にはやや麦わらっぽいニュアンスも見えます。香りは柑橘系のフルーツやレモン、それにミネラル。味わいはアリゴテらしい爽やかな酸を想像していましたが、酸は思ったより落ち着いていて、口の中で果実の旨み感が広がります。といっても、もちろん基本的には酸基調の味わいで、温度を上げると輪郭が散漫になってしまいますし、余韻も短めで、その辺まあ値段相応なんですが、食事と一緒に飲むとなかなか食事を引き立ててくれてイイ感じです。この作り手のワインって、どうしても「あのDRCの共同オーナーの‥」という枕詞がつきまといますが、そういうことはあまり意識しないほうがいいでしょうね。
【吉】
日時 2007/2/6
銘柄 コンダ・ド・デ・アサ2003
産地 スペイン>リベラ・デル・デュエロ
価格 1850円
感想 久しぶりのスペインワインです。 「ペスケラ」を造るアレハンドロ・フェルナンデス氏が、リベラ・デル・デュエロに所有するコンダド・デ・アサの畑から銘柄です。濃厚なルビーの色調で、ディスクの厚みがアルコール度の高さを物語っています。香りはオークの奥からブラックチェリーや濃縮されたカシスなどのリキュール的香り、スパイスやユーカリなどのニュアンスもあります。口に含むと磨き上げられたようななめらかなテクスチャーがあり、とてもモダンに仕上げられていますが、後半に感じる、スッとするようなニュアンスにテンプラニーリョらしさを感じます。タンニンはきめ細かく、酸も緩さはないですし、高アルコールからくる甘みすらともなうボディはエレガントでありながらもパワフル。やや一本調子ではありますが、価格を考えれば(購入価格はセールで2K以下)すばらしい味わいだといえましょう。ただ、アルコールにあまり強くない私の場合、このクラスはどうしても飲み疲れするんですよねぇ。多少のボディのしっかり感を引きかえにしても、 12.5〜13%ぐらいのアルコール度にこだわりたくなってしまう私です。
【小吉】
日時 2007/2/3
銘柄 シノン・レ・シリス(ドメーヌ・レ・シェスネ) 
産地 仏>ロワール
購入店 近所の酒屋
価格 2310円
感想 シニアワインエキスパートの受験の準備状況ですが、とりあえず、座学の部分については、北米あたりまでの一回目のおさらいが終わりました。 人間の記憶というのは面白いもので、かって一度記憶したものについては、すっかり忘却の彼方だったとしても、一、二度読み返すだけで面白いように思い出します。反面、今回初出の項目については、年のせいか、なかなか覚えられなくなっているのを実感します。まあ、とりあえずあと3ヶ月弱ありますので、2月から3月にかけてもう一度全体のおさらいをして、最後の一ヶ月ぐらいで過去問に取り組んだりして仕上げていけば、座学の分野はなんとか間に合いそうな感触を得ています。 一方で、なおざりになっているのが、テイスティングの分野。日ごろこれだけコンスタントにワインを飲んでいるのに、今さら準備でもないだろう、と言われそうですが、さにあらん。なぜなら、疎遠になってしまった品種はとことん疎遠になってしまって、ここ数年まったく飲んでいないからです。ということで、これからの3ヶ月弱で、さまざまな品種を家で飲んで感覚を思い出さないといけません。3ヶ月といえば、私の場合、ひと月に開けるボトルが約 10本なので、これから試験まで家で飲めるワインは約30本弱。4月の終わりまで、受験対策用の品種がかわるがわる出てくることになると思いますが、ひとつそういうことでご容赦を。

ということでさっそく、カベルネ・フランを開けてみました。このボトルは実家の近所の酒屋さんで購入したもの。素性はよくわかりませんが、まあシュバルブランとかテヌータ・デ・トリノーロとか、パレオロッソとか、そんな超ど級ワインがテイスティングに出るわけもないので、このくらいのクラスの方が、シミュレーションとしては妥当でしょう。色調は濃いめのルビーで、エッジは少しばかりオレンジかかってきています。香りはカシスやブルーベリー、丁子などのスパイス、それにドライハーブ。口に含むとしっかりしたタンニンを感じ、一瞬カベソ?と思いますが、そのあと口中に広がるベジタルなフレーバーはフランらしいものです。しっかりとした酸もあって構造は堅牢、しかし、アルコール度はさほど高くはなく、味わいは全般にドライです。甘くて一杯目の印象はいいが、すぐに飲み飽きてしまう新世界系の安ワインに比べれば、個人的にはずっと楽しめます。ただ、これがブラインドで出されて、きっちりCFと答えられるかどうかはちょっとわかりませんが‥。【吉】