感想 |
慌しく過ぎ去った06年ですが、ラストを飾るにふさわしい銘柄を、ということで、セラーから出してきたのが96年のシェーファー・ヒルサイドセレクト。
リリース直後、ワイナートのT中さんのお宅で飲ませていただいて、あまりの美味しさに感激して帰宅後すぐに探して購入したのがこのボトルです。例年パーカーさんはこの銘柄にコンスタントに98〜99点をつけており、02年ではついに100点をつけました。(ちなみにこの96年は98点だったかと…)
ただし、このヒルサイドセレクト、その後しばらくしてワイン会で飲んだときには、不思議とあまり心が動きませんでした。
今回、 リリース後10年経過してどんな具合になっているのかと開けてみましたが…う〜む、開け時が悪かったんでしょうか。 ウンともスンとも言わない、というほどではないんです。ちゃんと火を通した黒系果実の香りとかスパイス系の香りとかが出てますし、味わいもかなり強靭とはいえ、ぶ厚い果実と伸びやかな酸のおかげで渋くて飲めないということはありません。ただ、全体のトーンが、なんというか、単調なんですよねえ。色で表現すると『黒一色』とでもいいましょうか。微妙な色合いが複雑に絡み合っている姿が見えてこないのです。リリース直後の、ハーブのようなフレーバーに満たされた、磨き上げられたようなテクスチャーを今期待するのはお門違いにしても、もう少しポジティブな変化があっても、と思ったんですが…。以前『シャトー・モンテリーナ97』を家であけたときにも感じたのですが、カリフォルニアのビッグネーム系の銘柄は、一度眠り始めると開け時が難しいということなんでしょうか?いやいやでも、Andyさんに飲ませていただいたアラウホの97はすばらしかったしなぁ…。難しいものですね。
【吉】 |