2006年8月

日時 2006/8/31
銘柄 ヴォルネイ・カイユレ99(ヴァンサン・ジラルダン)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ウメムラワインセラー
価格 4200円
感想 昔、よくテイスティングさせていただいたヴァンサン・ジラルダン。実家のセラーの一番下のほうで忘れ去られたように寝かされていたボトルを開けてみました。記録を調べてみると、購入したのは2001年9月、ウメムラワインセラーにて。価格は4300円。これぐらいのプライスで1級を買えるといいんですけどねぇ。

コルクを抜くと、かなり上の方まで染みた跡があり、少し心配になりましたが、ずっと横にして寝かせていたのでこの位仕方ないかな、とも思いつつ。濃いめのガーネットで、オレンジはあまり感じないのですが、エッジは退色がすすんでいます。香りは、カシスやダークベリーなどの果実、麦わら、スパイス、スーボワ、ファンデーション、バラの花など。アーシーな要素が強い中にも華やかで心地よい香りは、これだけで元がとれたなあと思うぐらいです。。 味わいはといいますと、ボトル上部ではややピリピリした酸が感じられましたが、時間とともに落ち着いてきて、心地よく熟成した味わいを楽しめます。特に鼻から抜ける含み香の豊かさは、ある程度熟成したワインでなければなかなか味わえないものでしょう。ただ、バランス的にこのワイン、皮膜のようなタンニンがかなり勝っているのは、果実味がヘコんでいることの裏返しというべきなのでしょうか。
【小吉】
翌日:‥と書きましたが、次の日まで美味しく飲めたのでよしとしましょう。初日のようなデリカシーはなくなり、ドロンとした感じになりましたが、果実の甘みは初日より乗ってきたような印象でした。
日時 2006/8/28
銘柄 ブラウネベルガー・ユッファー・ゾンネンウーア・カビネット2002
(フリッツ・ハーグ)
産地 ドイツ>モーゼル・ザール・ルーヴァー
購入店 メロブーケ
価格  
感想 日中の日差しは相変わらず強いものの、日影に入ると結構涼しかったりして、夏も終わりに近づいているなあという気候ですね。 夏の初めにまとめて買い込んだドイツワインのボトルも残り数本。この日開けたのは、フリッツ・ハーグのカビネットです。

ふ〜む。 ドイツワインはこうでなくちゃ、といいたくなるような、実に良好なリースリング。爽やかなグリーンイエローの色調。 柑橘類や青リンゴ、白い花、ミネラルに加えて、ちょっとトリュフに近いようなニュアンスがあります。今までリースリングでこういうニュアンスは感じたことのなかったのですが、これはこれで実に心地よい香りです。 味わいは爽やかな酸と、充実した密度感のある果実味がバランスよくまとまっており、アルコール度8%にしては、酒質はしっかりしています。カビネットということもあって、甘すぎることもなく、それでいて単体で飲んでも楽しめるし、おまけに3日目まで美味しく飲めたりして、なかなか守備範囲の広い1本でした。【中吉】
日時 2006/8/25
銘柄 マルサネ・ブラン2003(ブリュノ・クレール)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 パリ16区
価格 4本1万円セット
感想 気がつくと、今月は結構ワイン飲んでます。白に関しては、ドイツワインやアルザスなど、リースリングばかり続いたので、この日は久しぶりに安いシャルドネを開けてみました。マルサネはロゼが有名ですが、実は99%が赤だそうです。まして白となるとめったに見かけませんが、このマルサネ・ブランは、マルサネの赤2本と村名ジュブレイシャンベルタンとの4本1万円のセットで購入したもの。4本の中では、明らかにオマケという印象を受けてしまうこの白、どんな味わいなのか興味深いところです。
濃いめのイエローで、やや黄緑がかっています。香りは黄桃、洋ナシ、黄色い花など、フルーティでややコッテリ系。口に含めば、濃縮感のあるフレッシュな果実が心地よく、中庸を得た酸がそれを支えています。 香り同様、新世界のシャルドネを彷彿させるややコッテリ系の味わいですが、これはこの作り手やアペラシオンというより、2003年というやや特殊な年のなせる業だろうと思われます。それでもやはりアルコール度は13%とほどほどですし、樽も利かせていないので(古樽使用?)、シンプルながらも飲み疲れしないところがいいですね。上手くすれば2000円台前半で買えますし、安旨ブル白として、オススメできる銘柄だと思います。【小吉→吉】
翌日:‥と思ったら、次の日は、薄っぺらい安シャルドネに成り下がっていました。落差の激しさに落胆したので、下方修正。
日時 2006/8/23
銘柄 リースリング QbAハルプトロッケン2004
( ロバート・ヴァイル)
産地 ドイツ>ラインガウ
購入店 ルヴァン倉敷
価格 2172円
感想 この日開けたのは、 上位グレードが高値で取引きされているロバート・ヴァイル。 ベーシックなQbAクラスの実力はどうでしょうか? 濃いめのイエローで、やや黄緑がかっています。香りはグレープフルーツやレモン、白い花などに加えて、う〜ん、残念。少しばかりブショネ系のニュアンスが‥。 口に含むと、伸びやかな酸と充実感のあるみずみずしい果実味とが拮抗して、他の作り手でいえばカビネットクラスの味わいです。ドイツワインの常で、ハルプトロッケンといえどもそれなりの甘みが感じられますが、食事にあわせにくいというほどではないし、キリリとした酸のおかげで、酒質が鈍重にならないところがさすがです。この作り手の実力の高さを感じさせる1本。ごく軽いブショネだったのが残念ですけど、次回はぜひ上位グレードを飲んでみたくなりました。【小吉】
日時 2006/8/19
銘柄 バローロ97       
(ジャンフランコ・アレッサンドリア) 
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 Alcoholic Armadillo
価格 5280(円)
感想 惣菜屋の濃厚なスペアリブに合わせて、暑さもめげず、久々にバローロを開けました。2割引セールでお値打ちで購入したジャンフランコ・アレッサンドリア。Alcoholic Armadilloさんのサイトの96ビンテージの解説を読んでみると、クリュ指定のないバローロは、モンフォルテのブドウが使われ、熟成もすべて大樽で行われているようです。すべて大樽にしては、ビターチョコというかエスプレッソというか、そういうフレーバーを強めに感じたのですが、それらは樽由来の香りとは限らないんですね〜。濃厚なガーネットで、エッジはオレンジがかっています。ブラックベリーやカシス、タバコ、甘草、前述のエスプレッソ香、それに漆喰のようなニュアンスもあります。味わいは、14度というアルコール度の高さもあって、とにかく力強いです。木目も細かく、凝縮された液体の中に各要素がミッチリと、それでいて整然と詰まっているような印象。立ち上がりも素直で、今飲んですでに美味しいバローロですが、もうしばらく寝かせてから飲んでも面白いかもしれません。ただ、寝かせたからといって、劇的によくなる、というタイプでもなさそうですが‥。
【小吉】
日時 2006/8/18
銘柄 マルサネ レ・ヴォードネール2002
(ブリュノ・クレール)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 銀座屋酒店
価格 2550円
感想 ブリュノ・クレールは贔屓の作り手の一人。マルサネはロゼがことに有名ですが、赤(や白)も「安旨ブル」の候補としてよく購入しています。今回はビンテージが良年といわれる02ということもあり、期待値もそれなりに高かったのですが、思いのほか、心に響かなかったですねぇ。透明感のあるルビーでエッジはやわらかいピンク色。香りはラズベリーやイチゴ、オレンジの皮、ハーブなど、フルーツ主体です。飲んでみると、かなりジャムっぽい味わいで、香りでも感じられたオレンジピールっぽさがさらに目立ちます。タンニンはすでにやわらかく、飲むのにこれ以上熟成を必要とする類のものではありませんが、いかんせん味わいが一本調子で、ブルゴーニュのピノらしくないというか、ブリュノ・クレールらしくないというか‥。ブラインドで飲んだら、コートドニュイのワインとは答えず、あまり出来のよくない新世界モノか、フランスでいえばコートシャロネーズとか、答えそうです。まあ値段が値段なので、多くを望むのは酷という話もありますが、完全に期待はずれだったことと、翌日完全にヘタッてしまったこととで、久々に凶、としました。
【凶】
日時 2006/8/15
銘柄 ブランカイア・イル・ブルー98
産地 イタリア>トスカーナ
購入店

金沢マル源

価格 98、99、2000年3本セットで19000円
感想 平日とはいえ、お盆の時期ですし、昨日まで飲んでいたのが、メオのクロヴジョだったので、いきなり2kのワインの戻るのも落差が大きすぎるよなあ、ということで、選んだのがこのボトルです。以前RWG誌の試飲で感心して、かなりのビンテージを買い込んだブランカイア。何本かすでに飲んだ印象はというと、まあそれなりではあったのですが、どうも試飲時のような感動は得られなかったんですよねぇ。 98を飲むのは2度目ですが、前回は長打というよりはシングルヒットというレベルで、お値段を考えると少しばかり寂しい感がありました。 ということで、今回もそれほど期待もせずに開けたのですが、なかなかの出来で、ようやく「らしさ」を発揮しているボトルに出会えました。 いまだ濃厚なルビーで、エッジはピンク色です。香りはコンポート状のブラックベリーやカシス、中国系スパイス、ビターチョコ、それに獣系のニュアンスがまざり初めてイイ感じです。味わいはまだまだ強くパワフルですが、テクスチャーはなめらかで、酸は伸びやかでありながら尖っておらず、心地よい甘みとふくらみがあります。正攻法で丁寧に仕上げた、現代的なサンジョベーゼ+メルロの味わいですね。ピッチングで言えば、143キロ外角低めのストレート、という感じでしょうか。(なんのこっちゃ‥)
【小吉】
日時 2006/8/13
銘柄 クロ・ヴジョ98(メオ・カミュゼ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 かわばた
価格 11500円
感想 蒸し暑くて赤ワイン日和とは程遠い中、本日はメオ・カミュゼの98クロヴジョを開けてみました。 2001年3月にかわばた酒店のセールで購入。輸入元は富士貿易。価格は11500円でした。一緒に買った97クロヴジョがなかなかイケてたので、これも期待して開けました。 かなり濃い色調のガーネットで、エッジはオレンジが入ってやわらかくなっています。グラスに鼻を近づけると、ブラックベリーやカシス、スパイス、それに皮革や下草、バニラなど、若い頃の新樽の名残りと熟成したブーケが絡み合って、強くはないものの実に妖艶な香りを発しています。口に含めば、各要素が融合したなめらかなテクスチャーと豊かな含み香が、グランクリュの品格を雄弁に物語ってくれます。 酸はやや強めで、フィニッシュにややコーヒーっぽいタンニンが顔を出します。酒質は前述のとおりなめらかで、口中で旨み感が心地よく広がりますが、欲を言えば、もう少しグリップが欲しい気もします。それでも私の基準からすれば、このボトルは「中吉」から「大吉」にさえ近い水準に達していますし、今まで飲んだ98ビンテージの中では最もよかった部類に入るのは間違いないところです。やはり1万超級(レストランでは20K超でしょうか?)のワインは、日頃の2K〜3Kクラスとはレベルが違うと再認識させてくれる1本ですね。ただ、問題はブルゴーニュの場合、10K、ときに20K支払っても、期待はずれに終わるケースに非常にしばしば出くわす、ということなのですが‥ 【中吉】
日時 2006/8/10
銘柄

リースリング・エプフィグ2004(オステルターグ)

産地 仏>アルザス
購入店 銀座屋酒店
価格 2100円
感想 銀座屋さんで、夏場の日常消費用にと購入したうちの1本。ドメーヌ・オステルターグについては、こちらに詳しく記載されていますので、参照されたし。なかなかいいですね。中程度の色調、柑橘類、白い花に加えて、ハーブやミネラル感の強い香り。味わいは、デリカシーとか精妙さとか、そういうベクトルではなく、がっしりと骨太なリースリングという印象。まあ正直このボトルを飲んだだけでは、それほど感銘を受けるというほどのものではないのですが、なんとなく上位のクラスを飲んでみたくなるような、そんな素性のよさを感じます。12%というアルコール度も、私にとっては、飲みやすくてちょうどよい加減です。1年ぐらい寝かせてから飲むと、また違った感じになるのかもしれませんね。【吉】
日時 2006/8/7
銘柄 ブルゴーニュ・オー・コート・ド・ニュイ2002
(フランソワ・ラマルシュ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 銀座屋酒店
価格 2550円
感想

例年6月ぐらいから、飲むワインは白か泡が中心になるのですが、8月の声を聞くと、外は暑いというのに、なぜか赤が恋しくなるから不思議です。キンキンに冷房の効いた部屋にいるのが普通になるからなのかもしれません。とはいってもやはり重めのボルドーやイタリアは飲む気がしないので、この日は軽めのブルゴーニュを開けてみました。
色調は意外なほど濃厚なルビーですが、グラスを鼻に近づけても、アルコール感だけが強く感じられる以外は、ほとんど香りが立って来ません。口に含むと、硬く、旨み感に乏しく、バランスも悪く、典型的な安くて酸っぱいだけのブルゴーニュという印象。 銀座屋さんのメルマガで星4つ半ついていたにしては、あかなり期待を裏切られた感があったのですが、翌日、冷蔵庫に入れておいた残り半分を飲んでみて、ある程度認識を改めてました。前日スカスカだった香りはカシスやダークベリー、スパイス、小梅、紅茶などがそこそこに立ち上るようになり、味わいは薄めながらも、グリップが出てきて、バランスも向上していました。「クラスを超える」ほどの出来ではありませんが、二日目だけ見れば、コストパフォーマンス的にもまずまずという味わいでした。初日はもっと積極的に空気に触れさせてやればよかったんですかね?【末吉】

日時 2006/8/3
銘柄 ヴェーレナー・ゾーネンウーアー・シュペトレーゼ2003
(ヴィリ・シェーファー)
産地 ドイツ>モーゼル
購入店 メロウブーケ
価格 3660円
感想 外は猛暑、会社ではストレスのたまる仕事に夜のつきあいと、なんだか心身ともに疲労困憊の今日この頃ですが、そんなときはこういう白ワインがいいですね。名門の作り手によるリースリング。アルコール度は8%。心地よい甘みがあって、疲れた心身を包み込むように癒してくれます。青リンゴや白桃、アカシア、塩ビなどのリースリングらしい香り。口に含めば、充実した果実味があり、それをキリリとしたシャープな酸が下支えしています。飲み口はかなり甘いのですが、酸のおかげでダルにならずに、後味も心地よいものです。マリアージュを考えると、食中にはやや厳しいですが、アペリティフとして、そして少し軽めの食後酒として、はたまた贅沢な寝酒としてよろしいんじゃないでしょうか。
【中吉】
日時 2006/8/1
銘柄 ボーヌ・プリミエクリュ・デュ・シャトー2002
(ブシャール・ペール・エ・フィス)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 TODA
感想 聞かないプリミエクリュだなあと思ったら、1級畑のブレンドものだとのことで、自ら探して買うことはなかなかない銘柄ですが、たまたまセールで安く出ていたので購入してみました。1級の実力どおりだとすると、相当にお買い得な値段でしたが、それと同時に今開けるのはまだ早いかもと思いつつ。色調は濃いめのルビーで、エッジはピンク色。香りはダークベリーやカシス、スミレ、スパイス、それにお香のような独特のニュアンスもあります。口に含むと、味わいは優しいながらも、なかなかに厚みの有る酒質で、タンニンがやわらかい分、今でも飲めるのですが、もう少し置いておいた方が複雑味が出そうな気もします。逆にいうと、今の段階では、やや一本調子な感じでもったいないかな、と。近年のブシャールは個人的にとてもよい印象があるので、こういう銘柄が安く出ているのを見かけたら、また購入してみたいと思います。さすがに次回はもう少し寝かせますが。【吉】