2006年6月

日時 2006/6/23
  会社の先輩方と、銀座の「ミオ・バール」にワインを持ち込んだのですが‥。
銘柄 ピュリニーモンラッシェ・レ・ルフェール96
(ルイ・ジャド)


私が持ち込んだもの。ずいぶん昔に義姉からいただいたものですが、96ブルは最近急激に酸化が進んでいるとの情報から、今回あけることにしたものです。最初キンキンに冷えすぎていたのですが、時間とともに味わい深さを増してきました。香りは白桃、ヘーゼルナッツ、モカなどの熟成系のウットリするような香りです。味わいもトロトロでクリーミー。酸もしっかりあるのですが、エッジは丸く極めて高次元でバランスがとれています。さして有名な銘柄でない分、コストパフォーマンスも高いといえましょう。久しぶりに美味しい熟成したシャルドネを飲みました。【中吉】

リシュブール97(DRC)

職場の先輩が持ち込まれたものですが、いや、これはまったくもって「想定外」でした。高級ワイン系の集まりから疎遠になって久しく、近隣の信濃屋の有料試飲も廃止されてしまった今、DRCのワインを飲む機会などホント年に1,2回あるかないかですので、このような銘柄を飲ませていただけるのであれば、抜栓料をケチらずに、順当に持ち込み料金3000円程度払っても、ちゃんとしたフレンチのお店にしておくべきでした。 濃いめのルビーで、まだまだ元気な色調です。香りはカシスやダークチェリー、紅茶、ドライハーブ、アジアンスパイス、それに皮革系や土っぽさのニュアンスが渾然一体となったすばらしいものです。なにより香りのパワーというか、密度感が並みのものとは違いますね。口に含むと、早熟の97年といえども、さすがにまだ早い印象は否めませんが、最初やや前面に出ていた乾きめのタンニンが時間とともにしっとりと果実の裏に隠れ、丸く球体のようなバランスになってきます。驚くような凝縮感や果実味があるというタイプではなく、どこまでもバランスのよさで際立っており、口中での表情の豊かさや、フィニッシュの調和、そして余韻の長さなど、さすがといえる味わいです。少しばかり難を言うと、当日持込みゆえのハンデか、極めて高次元にまとまっている中、ほんの少しばかり酒質が「毛羽立った」ような印象を受けたことと、供出温度がやや高めに感じられたことです。とはいえ、お店は前述のとおり、ボトルをほんの少しだけ冷やしてくれ、などと細かいお願いごとを頼めるような雰囲気でもなく‥。 相応のお店をチョイスして、数日前に持ち込んでもらって、きちんとしたソムリエのサービスを受けることができれば、さらにワンランク上の味わいを満喫できたろうに、と思うと、すこしばかり心残りでもある、久々のDRCでした。【大吉】

続いて、3本目の95サシカイアの抜栓を頼もうとしたら、「お時間は9時半まで、となっておりますので‥」との返事。その言葉どおり、9時半ジャストになると、盛り上がっているところに、割って入いるように勘定の紙をおいていきました。たしかに予約の際、「混んでいるので9時半までとさせてくれ。」とは言われましたが、ここまで事務的に扱われるとは‥。
日時 2006/6/20
銘柄 ハイセンシュタインV.V.ピノノワール2001
(ジュリアン・メイエー)
産地 仏>アルザス
購入店 銀座屋酒店
価格 3850円
感想 話題になっている自然派の作り手のようですが、この味わいはどうもいただけないですねえ。 まずグラスに注いで、そのレンガのような色合いにびっくりします。SO2不使用ということで、こうなるんでしょうか。いやでも、先日のポンソだってSO2使ってないよなぁ。。 香りはかなり独特な、赤い果実の砂糖漬けや、オレンジの皮、かつおだし、梅、それに汗、革などのニュアンス。飲んでみると、酸が緩く(決して酸がないというわけではありませんが、ドロンとダルな感じなんです)、ヌメッとしたテクスチャーとあいまって、ブルに慣れた身にはかなり違和感を感じる味わいです。もちろんイチゴのような甘い果実味とか、口中で広がる旨み感とか、ポジティブな要素もあることはあるのですが、フィニッシュになんともいえない苦味が加わってくるところもいただけません。。とりあえず、半分明日に残してみようと思います。【凶→末吉】
翌日:かなり表情が変わりました。香りはオレンジピールや漬物系のニュアンスが強まり、味わいは酸の弱さと甘ったるさが目立たなくなり、バランスがよくなりました。アタックで鮮やかな果実味が広がりますが、それが中盤以降続かず、あっさりと終わってしまうのが残念です。 まあ、そもそもがキワモノ的な興味で購入したボトルですが、4K近い買値を考えると、納得のいく味わいとはいえませんねぇ。ボトル差もあるようなので、あまりよろしくないボトルにあたってしまったのかもしれませんが。
日時 2006/6/18
銘柄 モレ・サンドニ・キュベ・グリヴ2002(ポンソ)demi
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 銀座屋酒店
価格 2780円
感想

この週末比較的静かに過ごしたにも関わらず、喉鼻に来ている風邪が一向によくならず、加えて明日は仕事で外せない飲み会が入っているということもあって、本来ならばワインを開けないタイミングなのですが、3漣休の締め(金曜日は代休取得)になにかしら飲みたいという衝動を抑えきれず、セラーを漁って、先日銀座屋さんで購入したポンソのハーフボトルを開けることにしました。
畑名入りとはいえ、村名がハーフで2780円というプライスは、かなりキビシイものがありますが、結論から先に書くと、このボトル、プライスにふさわしい味わいでした。
色調は中程度からやや淡めといってよいルビーで、グラスの上からも底がしっかりと透けて見えます。 しかし、香りはその色調の淡さから想像できないほど濃厚なもので、ラズベリーや黒スグリ、ナツメグ、それに皮革のニュアンスが加わった、すばらしい香りです。味わいはなめらかでタンニンがよく溶け込んでおり、酸もエレガント。口の中で波が寄せるように旨み感が広がります。
ポンソは古くからSO2不使用とのことですが、それによるネガティブ要素は感じられず、どこまでもクリーンで透明感のある味わいは、自然派云々と騒がれだす以前に、すでにそうした手法を自家薬籠中の者としていることを伺わせます。 グランクリュになれば、これにさらに凝縮感が加わるのでしょうけれども、日常の晩餐にあわせるにはこの村名でも十分でしょう。【中吉】

日時 2006/6/15
銘柄 アルザス・リースリング・ケファルコプフ2002(ビネール)
産地 仏>アルザス
購入店 銀座屋酒店
価格 2780円
感想 なんだか急激に「運気」が下降気味で、口を開けばマズイとかヤバイとか、そんなワードしか出てこない今日この頃。景気付けに、と、この日飲んだのは先日銀座屋さんでまとめ買いしたアルザスの中の1本。 このビネールという作り手は初めて飲みましたが、1770年からワイン造りを行なっている名門で、醸造に関しては、農業本来の姿をモットーとしており、無農薬を徹底してSO2も必要最低限しか使用していないとのこと。自然派系インポーターの扱いですが、飲んでみるととりたててエキセントリック(← どうにも、私はいわゆる「自然派」に対して、こうした先入観を捨てきれないんです‥)な感じではなく、骨太なアルザスという印象。あまり自然派という枠組みで語られるべき銘柄ではない気がします。 中程度のイエローで輝きのある色調。香りは篭りがちな中にも、くっきりとした白い花やミネラル、ライチ、それに塩ビ系のニュアンスも感じられます。味わいはどっしりとした辛口で、正直あまり洗練されている感じではありませんが、液体にググッと迫ってくるような芯のある強さがあって、数年熟成させると面白そうです。また、フィニッシュが甘ったるくならないので、料理にも併せやすいですね。翌日になると、果実味は後退しましたが、十分美味しくいただけました。(二日目の方が美味しいというようなことはありませんでしたけど。)価格的には、高くはないが安くもない、というところ。また買いたい、という気にさせるためには、もう一声安い方がいいかもしれません。【小吉】
日時 2006/6/12
銘柄 キャンティクラシコ2001(リエチーネ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 信濃屋
価格 2280円
感想 リエチーネといえば、スーパータスカン「ジオイア」やキャンティクラシコ・リゼルバが有名ですね。飲んだ回数こそ多くありませんが、私もこの作り手には良い印象を持っています。良年といわれる01年のベーシックグレードの出来はどんな具合でしょうか? まず、樽クサくないのがいいですね。この銘柄、新樽比率は限りなくゼロではないでしょうか?生肉のような還元香のあと、カシス、プラム、ハーブ、それにスパイス類が湧き出てきて、とてもピュアな香りが楽しめます。味わいは透明感があって、スマート。スーパータスカンにありがちな「噛めるような」凝縮感を求めると肩透かしを喰いますが、各要素のバランスのよさと隙のない酒質が、それを補ってあまりあるといえましょう。洋食系の晩餐にも幅広く合いそうな一本。過大な期待は禁物ですが、結構オススメだと思います。値段も穏当ですしね。【小吉】
日時 2006/6/9
銘柄 リースリング・カビネット97(フリッツ・ハーグ)
産地 ドイツ>モーゼル・ザール・ルーヴァー
購入店 ルヴァン倉敷
価格 2500円
感想 「ゴーミヨ」誌5つ星にして、ブラウネベルクで最も重要な生産者といわれるフリッツ・ハーグ。このボトルは、グーツワイン(同ランクのいくつかの畑のブドウを使用して同一品種名で表示するワイン)ですが、ブドウは100%ユッファーの畑の ものを使用しているとのこと。ということは、ボルドーでいうところの、セカンド的な位置付けなんですかね?。 落ち着いた中程度のイエローの色調。レモンやライムなどのはつらつとした果実、ミネラル、白い花などの爽やかな香りの中に、ごくうっすらと灯油的なニュアンスがみてとれます。 味わいは中甘口で爽やかなもの。ピンと張った酸とキラキラとした果実味があって、口当たりが良い上、アルコール度は9%に過ぎないのでかなり軽めに感じます。開けたてはもう少し 酒質に密度感があればと思いましたが、翌日になると粘性も加わり、バランスがさらに向上したように思います。次回はこの作り手のもう少し上級グレードの銘柄を試してみようと思います。【小吉】
日時 2006/6/3
銘柄 ヴィノ・ノヴィレ・ディ・モンテプルチアーノ・アジノーネ99
(ポリツィアーノ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 ルヴァン倉敷
価格 5250円
感想 せっかくの週末なのに、はっきりしない天気。東京もそろそろ梅雨入りですかね。この日開けたのは、ガンベロ・ロッソ・トレヴィッキエリ(3つ星)常連のポリツィアーノによるヴィーノ・ノヴィレ。 濃厚なルビーの色調で、エッジはまだ赤紫がかっています。香りはブラックベリーなどの火を通した黒系果実、アジアンスパイス、麦わら、ユーカリ、ロースト。飲んでみると、アルコール度がも高く、かなりヘビー級の味わいですが、タンニンがよく熟していてやわらかいため、今でも飲みにくさはありません。酸は少しクリスピーな感じで、口の中で独特の含み香ががあり、抑揚もあって、濃いだけの一本調子に陥らないところは、さすが一流の生産者です。あえて難をいえば、価格がせめてもう1割安ければと思いますが…。 夏が近づいて、こういう銘柄もそろそろ飲みずらい季節になってきましたので、この日空けたのはよい頃合だったかな、と思います。ほんとはもう2〜3年待ったほうがいいのでしょうけどね。
【小吉】
日時 2006/6/1
銘柄 アンドロー・リースリング2003(マルク・クライデンヴァイス)
産地 仏>アルザス
購入店 タストヴァン青山にて。
感想 久しぶりに「タストヴァン青山」に行きましたが、この店、またまた経営陣が変わったのでしょうか?ソムリエールの原さんなど、見知った顔ぶれはそこにはなく、以前はフレンチベースだった料理もイタリアンになっていました。とはいえ、料理自体はかなり美味しく、サービスもそつのないものでした。ワインの価格がもう少し安ければいいのですけど。ワインリストからチョイスしたのは、マルク・クライデンヴァイスのリースリング。ビオを実践しているとのことですが、悪臭とか濁りとか、とりたててネガティブな要素は感じられません。スーッと伸びやかに鼻腔を刺激する青りんごやメロン、アカシア、ミネラルなどの香りからして、これは上質なリースリングだな、という予感がします。口に含むと、ミネラリーかつオイリー。それでいて酒質には奥行きもあって、テクスチャーは磨き上げられたセラミックやチタンを連想するような精緻なものです。たぶんコンディションもいいのでしょう、含み香も豊かで、フィニッシュには健全な果実を思わせる甘みが控えめに口を満たします。市販価格を考えると、相当にハイCPな、すばらしいリースリングだと思います。今夏はドイツだけでなく、アルザスにも手を広げてみようと思います。
【中吉】
日時 2006//
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