2006年4月

日時 2006/4/28
銘柄 ポマール・レ・ヴィーニョ2000(ドメーヌ・ルロワ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 平野弥/平野弥
価格 クロヴジョ2000とセットで購入。
感想 前回のコールドストリームヒルズが、あまりに熟成のペースが速いなあ、という印象でしたので、比較の意味も兼ねてこの日は2000年のブルを開けることにしました。チョイスしたのは平野弥さんで購入したドメーヌ・ルロワのポマール・レ・ヴィーニョ。いわゆる「赤キャップ」の中ではもっともローレンジに属する銘柄ですし、そもそもルロワのドメーヌもの自体、私的には長熟スタイルというよりは早めに飲んだほうがよいタイプと思っていますので、このボトルも丁度よい頃合いかなと思って開けてみました。
ボトルは一回り大きく重たいもので、蝋封のキャップを削り取ると、コルクは上のほうまで染みて重たくなっています。 色調は中程度のルビーで、あまりクリアでなくドヨンとした感じです。香りはとてもアロマチックな、カシスやダークベリー、スミレ、紅茶などに、赤身肉やスパイス系のニュアンスがアクセントを添え、その奥からアーシーな熟成香がほんのりと感じられます。飲んでみると、村名ということもあり凝縮感はやや物足りないものの、各要素のバランスがよく、中庸がとれた味わいで、抵抗感なくスルスルと口の中に入っていきます。 いやあ、ローレンジといえどもさすがドメーヌ・ルロワ、アロマチックで豊かな香りと、味わいのまとまり感はすばらしいですね。熟成度合いでいえば、今でも十分美味しいですけど、ピークはもう少しばかり先でしょう。(もちろん下り坂なんてことはなく…。) ちなみにこのボトルは2000年のクロヴジョとセットで30K弱で購入したもの。単体では10K弱というところでしょうか。USでは60ドルぐらいで売られているようですが、為替と送料を考えると同じようなものかな…。このぐらいのプライスであれば、また買ってみようかという気になるのですが、最近の国内のプライスは18Kぐらいが相場ですからねぇ…orz 【中吉】
日時 2006/4/26
銘柄 コールドストリームヒルズ・ピノノワール・リザーブ2000
産地 豪>ヤラヴァレー
購入店 東急本店/中島薫商店
価格 4880円
感想 「瞬のワイン」で取り上げられて、一躍名を馳せたコールドストリームヒルズ。リザーブ銘柄は今では7〜8Kと結構な値段になっていますが、このときはまだ4千円台でした リリース直後に飲んだ時は、凝縮した果実と豊かなフレーバーに満ちた、期待を裏切らない味わいだったのですが、その後いくらか間隔を置いて飲んだ何本かのボトルからは、最初の出会いのような驚きはえられませんでした、それからしばらく寝かせたこのボトルはどうだったかといえば、個体差もあるのでしょうけど、どうやらピークを越えてしまった感じです。この「弱さ」はどう表現したらいいのでしょうか。香りはアーシーな要素が強まり、皮革系のニュアンスも混ざりますが、ブルゴーニュのような発散系のものではなく、しんみりとした感じ。口に含むと、ピンボケの写真のように、ボワンとした感じで、酸がゆるく、ボディがヤワなのが気になります。後半からフィニッシュにかけて伴う苦味も味わいを大きくスポイルしています。以前飲んだときは、このHP上でも92-93点ぐらいつけた記憶がありますが、今もし点数をつけるなら、いいところ88点というところでしょうか。2000年はブルゴーニュにとっても決して良好なビンテージではありませんでしたが、それでも1級以上の銘柄はまだまだこれから、というところでしょう。一方で若いほどあれほど美味しいと感じたコールドストリームヒルズがここまで急激に老いてしまったのはある意味ショックでした。
【末吉】
翌日: ヘタるようなことはなく、冷蔵庫に入れて、温度を低めにして飲んだところ、初日よりむしろ美味しくいただけたので、少しは好感度がアップしました。でなければ、「凶」とするところでした。(^^;
日時 2006/4/22
銘柄 キャンティクラシコ・ カステロ・ディ・ブローリオ2001
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 下町ワイン本舗@酒喜屋/フードライナー
価格 4880円
感想

ハイエンドのキャンティクラシコの代表格であるカステロ・ディ・ブローリオ。なぜか私はこの銘柄とは縁遠くて、過去このサイトに登場したのも、雑誌の試飲を除けば、99年のハーフが1回だけ。しかもそのハーフボトルは、全く以ってイマイチで、あれが本来の実力だったのだろうかと思い出すたびに疑念を抱く始末なので、今回何本かキャンティクラシコをまとめ買いした際に、改めてその実力を検証してみることにしました。グラスに注ぐと、色あいは濃厚なルビーで、エッジまでびっしりと目が詰まったような色調です。香りはブラックベリーなどの黒系果実、スパイス類、ロースト、それに凝縮したワインにありがちなユーカリっぽいニュアンスもあります。コレは相当手ごわそうだなと思いつつ、口に含んでみると、意外や重々しくない飲み口に驚かされます。といっても決して味わいが軽いわけでなく、タンニンが非常にきめ細かく精緻に仕上げられているため、濃さと軽やかさを高次元で両立しているという印象です。味わいはモダンでソフィスティケートされたものですが、後半にはサンジョベーゼらしいフレーバーが口中に広がり、このワインの出自を物語ります。今回01年飲んでみると、以前飲んだ99年のハーフは(ビンテージが違うとはいえ)やはりボトルコンディションに問題があったのだろうと結論づけざるをえない、それほどすばらしい味わいです。「大吉」を献上しようと思ったのですが、プライスを見ると、ほぼ5Kと、キャンティクラシコにしてはかなり高めなので、控えめにしておきました。
【中吉】

日時 2006/4/19
銘柄 クロ・ド・ラ・ロッシュ95
(ユベール・リニエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 土浦鈴木屋
感想 ずいぶん前に土浦鈴木屋(懐かしい…)で購入したユベール・リニエの95クロ・ド・ラ・ロッシュ。ラベルは購入時すでにずいぶんくたびれていました。裏面を見ると、輸入元は「吟奏の会」ではなく「土浦鈴木屋」です。 実はこのとき一緒に購入した同じ作り手の村名ボトルが「逝ってた」ので、このボトルもかなーり心配だったのですが、状態はなんとか大丈夫なようでした。 色調は濃い目のルビーで、エッジはオレンジとピンクがまざったような色合いです。香りはコンフィ状の黒い果実(ブラックベリーなど)やスパイス、燻香、ロースト、黒土など、凝縮感のあるものですが、獣っぽさは感じられません。口に含むと豊かな含み香を伴った果実味のアタックのあと、ややピーキーな酸が目立ちますが、タンニンは険しくはなく、しなやかで飲みやすいものです。飲み進むうちに、各要素が渾然一体となって、よりまろやかさを増してくるあたり、さすが名だたるグランクリュと思わせるものですが、なんというか、こう、よく出来ていて美味しいんですけど、感動するまでは到らないんですよねえ。残念ながら「ユベールリニエ×グランクリュ×良年」という期待値からすると、イマイチと言えざるをえない出来。リリース直後に飲んだボトルは感涙モノだったんですが…。
【小吉】
日時 2006/4/15
銘柄 バローロ・カンヌビ・ボスキス1992
(ルチアーノ・サントローネ)
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 TODA/ミレジム
感想 92のバローロを今さら進んで買う気にはなれませんが、このボトルは03レディガッフィと抱き合わせで売られていて、買い得感があったので購入してみました。濃いめのガーネットで、エッジはオレンジがかっています。いい色合いです。香りはそこそこ年月を経ないとなかなか出てこないような、バラやファンデーション、トリュフなどの甘く蟲惑的なトップノーズがあって、その奥から黒土、枯れ葉やカシス、プルーン、ビターチョコなどが次々と現われます。味わいは、やわらかな中にも芯のある酸と、豊かな含み香が口の中を満たします。さすがルチアーノ・サンドローネ、凡年といえどもきっちりとエレガントに仕上がってます。ただ、アルコール度が14度と高めなためか、今でも単体で飲むと結構強いと感じます。
昨年あたりから集中的にバローロを飲んできて、しばしば同じような印象を持ったのですが、食事の後半から主に食後にかけてチーズなどと併せて飲んだりする我が家のシチュエーションですと、バローロはちょっと強すぎてキツイなあ、と感じてしまいます。個人的には、あくまで本来の食中酒としての役割を担うべく、煮込みやTボーンなどの力強い肉料理と併せたいなあ、と。
【中吉】
日時 2006/4/13
銘柄 マルサネ・レ・グラステート2003
(ブリュノ・クレール)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店

パリ16区/トーメン

価格 4本1万円
感想 濃厚でベットリとしていて、やや酸が緩いものが多いように思える03年のブルですが、このブリュノ・クレールも例外ではありませんでした。この作り手らしくない、透明感のない濃いルビーの色合い。香りはフランボワーズやカシス、スミレ、ハーブなど、少しばかりシンプルですが、力強いものです。味わいはいかにも皮の厚いブドウから作りました、という感じで、濃厚ですが、タニックで飲みにくいというものでもなく、そこはかとなくデリカシーもあって、これはこれで楽しめるものです。ブルゴーニュらしくないと非難することは簡単ですが、購入価格を思えばまあ十分ですし、ど真ん中直球、といった感じのストレートな果実由来の美味しさは(この作り手らしくないとは思いますが)、むしろ誉められてもよいと思います。三日にわたって飲みましたが、今だと抜栓二日後ぐらいがちょうどよいバランスですね。ちなみにこのボトル、パリ16区のセールで03ブリュノ・クレールばかり4本1万円のセットで購入しました。なかなかのコストパフォーマンスを見せてくれたので、他の3本を開けるのが今から楽しみです。【小吉】
日時 2006/4/9
銘柄 ブルゴーニュ・パストゥグラン2002
(エマニュエル・ルジェ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店

三吉屋/フィネス

感想 ホームページやブログを長く続けている方ならどなたも経験があると思いますが、このところどうも気分が乗らなくて、更新しようという意欲が湧いてきません。ワインは飲んでいるんですが、感想を文章にして体裁を整える、という作業がひどく億劫なんですよね。まあ、しばらくすれば、また元のペースに戻るとは思いますが…。
この日開けたのは、エマニュエル・ルジェの02パストゥグラン。濃度自体は中程度ながら、独特の深いルビーの色合いです。イチゴやラズベリー、ハーブ、それにミント、それに獣っぽいニュアンスやこの作り手によく感じる揮発性の香りもがあります。 酸っぱいアタックを覚悟していたところ、実に丸く甘い果実の第一印象だったのが嬉しい誤算でした。ガメイっぽさはむしろ中盤以降の酸の出方に感じられます。他のビンテージでは専らガメイのキャラクターが前面に出ていましたが、02年は、いかにもピノとガメイがうまく混醸されたという感じで、エッジの角がやわらかく、オブラートに包まれたような丸い酒躯が素敵です。実のところ00年、01年の同銘柄には感心しなかったのですが、02はイイですね。もちろん過大な期待をすべきではありませんが、プライスも比較的手頃だし、日常の食卓には十分でしょう。2〜3本買っておいてもよかったかな…。
【吉】
日時 2006/4/6
銘柄 キャンティクラシコ2001(カステロ・ディ・アマ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 下町ワイン本舗@酒喜屋
価格 3980円
感想 どうもいけません。このところ、ワイン以外の出費がかさんで、激しく金欠になってきました。ボーナスまであとひといきなんですが、そのボーナスも大して期待はできず…。今月はショップからのメルマガを1〜2店の例外を除いてすべて解除したので、たぶん新たに購入することはないと思います。もっぱらセラーのワインを消費する、ということで。(^^;
2000年のこの銘柄には非常に良い印象を持っていたので、01年のアマにも期待して抜栓したのですが、なにかが違う…。ブルゴーニュグラスで飲んだのがいけなかったのかもしれません。酸にキレがなく、グリップが弱い印象なのです。相変わらずバラのような、ハーブのような、華やかな香りがあって、オークに塗りつぶされていない繊細かつ艶やかな味わいではあるのですが…。ここでグラスを通常のものに代えてみれば面白かったのでしょうけど、酔っ払ってリーデルのグラスを2客洗うのが億劫だったので、今回はトライしませんでした。翌日はきっちり酸も感じられるようになった反面、繊細さが交替して、わりと普通のキャンティクラシコになっていました。もちろん悪くはありませんでしたが、プライスと期待値からするとちょっとネガティブな結論になってしまいます。まだ三分の一ほど残してあるので、3日目の変化にも注目してみます。
【吉】
日時 2006/4/4
銘柄 Ch.ピション・ロングヴィル・バロン
産地 仏>ボルドー
購入店 かわばた
価格 5280円
感想

最近、グロリアとかプリューレリシーヌとか、97のボルドーを何本か飲みましたが、小さい年なりのこじんまりとした熟成のカーブを描いていて、今飲んでなかなかイケてる味わいでした。今回開けるピションバロンはそれらよりさらに格上ということで、期待していたのですが、これがイマイチだったりするから、ワインって難しいです。 色調は濃厚なガーネットで、エッジはピンク色。オレンジ系のニュアンスはほとんど見られません。香りはブラックベリー、黒鉛、墨、丁子、八角など、染み入るようでいながら、ピタリと焦点が定まっていて、これは美味しそうだな、と思わせてくれるものです。ところが肝心な味わいがこの香りについてこないのです。そこそこに凝縮感のある果実味と粉っぽいタンニンと高めの酸とがグラスの中で互いに自己主張しあっているかのようで、どうにも各要素がバラバラな印象。一言で言うと「甘苦酸っぱい」、感心しない味わいです。そこはかとなく酢酸系の危うげなニュアンスも感じられたので、ボトルの状態が完璧 でなかったのかもしれませんが、期待はずれに終わった1本でした。ちなみにこの銘柄、ショップから「発送しました」メールが届いた直後に、同じ店から1000円安い価格でセールのメールが…。ひとりひとりの客までチェックはしてないのでしょうけど、かなり気分を害されたのも事実です。
【末吉】