ハイエンドのキャンティクラシコの代表格であるカステロ・ディ・ブローリオ。なぜか私はこの銘柄とは縁遠くて、過去このサイトに登場したのも、雑誌の試飲を除けば、99年のハーフが1回だけ。しかもそのハーフボトルは、全く以ってイマイチで、あれが本来の実力だったのだろうかと思い出すたびに疑念を抱く始末なので、今回何本かキャンティクラシコをまとめ買いした際に、改めてその実力を検証してみることにしました。グラスに注ぐと、色あいは濃厚なルビーで、エッジまでびっしりと目が詰まったような色調です。香りはブラックベリーなどの黒系果実、スパイス類、ロースト、それに凝縮したワインにありがちなユーカリっぽいニュアンスもあります。コレは相当手ごわそうだなと思いつつ、口に含んでみると、意外や重々しくない飲み口に驚かされます。といっても決して味わいが軽いわけでなく、タンニンが非常にきめ細かく精緻に仕上げられているため、濃さと軽やかさを高次元で両立しているという印象です。味わいはモダンでソフィスティケートされたものですが、後半にはサンジョベーゼらしいフレーバーが口中に広がり、このワインの出自を物語ります。今回01年飲んでみると、以前飲んだ99年のハーフは(ビンテージが違うとはいえ)やはりボトルコンディションに問題があったのだろうと結論づけざるをえない、それほどすばらしい味わいです。「大吉」を献上しようと思ったのですが、プライスを見ると、ほぼ5Kと、キャンティクラシコにしてはかなり高めなので、控えめにしておきました。
【中吉】
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