2006年3月

日時 2006/3/30
銘柄 ジブリー・プリミエクリュ・クローゾ2002
(フランソワ・ランプ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 TODA
価格 2340円
感想 はぁ〜、美味しいですねぇ。久しぶりに早く帰宅できたので、ワインを開けてみました。といっても週半ばなので、コートシャロネーズのリーズナブルなものをチョイス。 プライスは2340円です。 色調はエッジに紫の残る濃いルビー。香りはブラックチェリー、カシス、焦げ臭、オーク、それにやや揮発的なニュアンスもあって、02年らしい凝縮感を感じる香りです。口に含めば、複雑さはないんですが、その分湧き上がってくるような甘い果実味と、角がとれて丸いタンニンが心地よく、しなやかな酸とのバランスも絶妙です。難しいこと考えずに素直に美味しいといえる味わい。それでいてピノらしさは十分すぎるほど備えています。これで2000円台前半は「安い!」です。フランソワ・ランプってはなかなか見かけませんが、本当に非凡な作り手ですね。シャロネーズでは横綱級といってよいんじゃないでしょうか。わたし的にはジョブロよりこちらの方が好きです。ちなみにこのボトル、三日に亘って楽しめました。
【中吉】
日時 2006/3/26
銘柄 バローロ マルゲリア97(ルイジ・ピラ)
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 6080円
価格 Alcoholic Armadillo
感想 ボーイズ系バローロ&97年ということで、若飲みにもある程度寛容かとタカをくくっておりましたが、開けてビックリ、いやガッカリ。どうにもならないほどガチガチです。 ブラックベリー、タバコ、タール、生肉や木質などの力強い香りがあるのですが、味わいは湿った分厚いタンニンに覆われて、果実味が全然乗ってこず、相当に険しいものです。私は基本的にデキャンティング嫌いで、めったにデキャンタは使わないのですが、今回ばかりは仕方なくデキャンティングしてみました。すると、味わいはいくぶんまろやかになりましたが、今度は香りが閉じこもってしまいました。すっかいr若飲みに適正化されている私の嗜好をもってしても、これでは飲んでいてちっとも楽しくありません。初日は三分の一ぐらいで諦めて、数日かけて飲んでみることにしました。
二日目:果実の甘みが乗ってきて、少しは近づきやすくなりました。酸も前日よりクッキリと感じられ、アルコール度の高さとあいまって、各要素がてんこ盛りという印象ですが、正直飲み疲れします。サーロインステーキなどと合わせるとよさそうですね。
四日目:さすがに香りがすっかり衰えてしまってました。味わいはまあそれなりに溶け込んで飲みやすくなってきたのですが、なかなかこういう状態のバローロのポテンシャルを引き出すのは難しいですね。

【吉】
日時 2006/3/20
銘柄 ブルゴーニュ・ルージュ(ルーミエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 某所。
感想

中程度のルビーで、エッジは淡い色調です。香りは色合いから想像するよりもずっと密度感のある、カシスやダークベリー、紅茶、ハーブそれにゴムのようなニュアンス。口に含むと、瑞々しくクリーンな果実味を伸びやかな酸が支えて、スケールは大きくないながらも、ナチュラルで過不足のない、ピノノワールらしい味わいを楽しめます。もう少し凝縮感が、とか、エキス分がもうひとつ乗ってこない、とか、欲をいえばキリがありませんが、ACブルゴーニュとしてはもちろん上出来でしょう。さすがはルーミエ、といいたいところなんですが、このところプライスも右肩上がりですからねえ。5000円近い値がついているのをみると、素直に賞賛できないのが少し悲しいです。できればもう1〜2年ほど待ったほうが心地よい味わいを期待できそうです。
【小吉】

日時 2006/3/18
銘柄 キャンティクラシコ・ジョルジョ・プリモ2000
(ラ・マッサ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 湘南ワインセラー
価格 4180円
感想

非常に凝縮感のあるサンジョベーゼをリリース直後に飲むと、硬く閉じこもっていて、思い切り無愛想なことがあります。それでもってオークを効かせてモダンに仕立て上げられていたりすると、セパージュからして一体なんだろうか、ということになってしまいます。このラマッサのジョルジョ・プリモもそんな銘柄のひとつで、3年近く前に同じビンテージを開けたときは、各要素の質感の高さに驚かされた反面、洗練されたインターナショナルな味わいからはあまりキャンティクラシコらしさが感じられなかったように思いました。今回はその後3年を経てどのような変化を遂げているだろうかという興味もあって開けてみました。色調は濃いルビーで、エッジはピンク色です。グラスに鼻を近づけると、スッとするユーカリのようなニュアンスの奥から、黒い果実、スミレ、カフェ、丁子や甘草などの格調高い香りが香ってきます。味わいは、3年前に私を驚かせた、磨き上げられたような精緻なテクスチャーは残しつつも、明るく和やかな酸や口の中で広がる果実の甘み感、麦わらっぽいフレーバーなど、サンジョベーゼらしさが前面に出てきて、近づきやすくなっています。さすがといいましょうか、アッパーレベルのキャンティクラシコとしての貫禄十分な、満足度の高い味わいです。ちなみにこの銘柄、デパートなどの正価の6000円だとさすがにひいてしまいますが、今回は湘南ワインセラーのセールで4000円ちょっとで購入できました。コンスタントに4000円位で買えるのなら、コストパフォーマンスの面でも、下手なスーパータスカンよりこちらの方がずっとよいんですけどねぇ。
【中吉】

日時 2006/3/11
銘柄 ジュブレイシャンベルタン・VV2002
(シャルロパン・パリゾ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ヴァンシュールヴァン
感想 本来ならギスレーン・バルトを3日にわけて飲むつもりだったんですが、3日目のバルトの味わいが週末を締めるにはどうにも不満だったので、新しいのを1本開けてしまいました。グランクリュ含めかなりの数買い込んだ02年のパリゾですが、リリース直後はかなりバラバラな印象でした。ある程度休ませて、その後どのような状態になっているかを確かめる意味で、今回ベーシックな村名(といってもヴィエーユ・ヴィーニュです)を開けることにしました。。しっかりした色調の濃いめのルビーで、エッジもまだ若々しい印象です。香りは相当に凝縮されたもので、揮発性塗料のようなアタックの奥から焦げ臭、エスプレッソ、黒い果実、赤身肉、スパイスなどが立ち上ってきます。抜栓直後は還元的な状態を感じさせるものです。 口に含むと、意外や香りから連想するような攻撃性はなくて、すでにバランスのよい酒質を楽しめます。甘く濃縮された果実の奥にしっかりした酸とよく熟した柔和なタンニンがあって、独特のスパイシーなニュアンスが味わいにアクセントを添えます。含み香も豊かで、村名といえども相当のレベルにあると感じさせる出来栄えです。 このシャルロパン・パリゾ、私のストックの中では、アルヌーやグロ・フレールなどと同様、飲み頃に悩んでしまう作り手の一人ですが、こうして若くして美味しいボトルを飲んでしまうと、我慢して熟成させるよりも、素直に若いうちの芳醇な果実味を楽しんだ方が幸せなのかな、と思ったりもします。
【中吉】
日時 2006/3/10
銘柄 シャンボールミュジニー・レ・ヴァロワーユ2001
(ギスレーン・バルト)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 かわばた
価格 4880円
感想 飲んだワインの味わいに納得いかない場合ってよくありますよね?特にブルゴーニュの場合には…。 その原因はまちまちですが、私の経験では、主にボトルの状態に問題があるケース(劣化、ボトル差、ロット差)、開ける時期を間違ったケース、それにそもそも作り手の実力を過大評価していたケースに大別されるように思います。 このギスレーン・バルトの場合は、どのケースだったのでしょうか?
中程度からやや濃いめのガーネットで、少し濁りが見られます。香りはやや弱めながら、カシスやダークベリー、ダージリン、スミレ、ミネラルなど清らかなものです。口に含むと最初のうちはややタンニンが目立ち、ギスギスとした印象がありますが、時間とともに各要素が溶け込んで、舌のまん中あたりに力のある果実味が感じられるようになります。それでもトータルの印象としては、濃縮感に欠け、痩せ気味である種のいかめしさを感じさせるものでした。 ボトル半分残して、翌日飲んでみると、香りはアーシーさを増し、味わいもギスギス感が消えて、確実に好感度はアップしました。とはいえ、凝縮感の不足とタンニン基調は相変わらずで、コストパフォーマスを考えると相当キツイものがあります。素性のよさは伝わってくるだけに、かなり消化不良に感じられた一本でした。
【末吉】
日時 2006/3/1
銘柄 リュシュット・シャンベルタン99
(フレデリック・エスモナン)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 東急本店
価格 4000円(2割引セールにて)
感想 RWG誌のテイスティングに参加し始めの頃、最初に驚かされたのが99エスモナンのコストパフォーマンスのよさでした。どれも5000円前後とは思えないすばらしい味わいで、こりゃお買い得だと思ったのを覚えています。このボトルはそれと前後して4年ほど前に東急のセールで購入したものですが、今回飲み頃には少し早いかなと思いつつ開けてみました。濃いめのガーネットでエッジは退色が始まっています。香りはカシスやダークベリー、スパイス、鉄、赤サビなどかなり典型的なもので、全体にほんのりとスーボワっぽい熟成したニュアンスが入り始めています。口に含むと甘く豊かで外向的な果実味があって、たっぷりとした味わいです。十分に濃いのですけど、やや構造がダルで、もう少し英語でいうところの「コンセントレーション」が欲しい気もしますし、グランクリュにしてはやや単調かな、という気もします。それでも値段を考えれば十分すぎるレベルといえるでしょう。なんといってもこのリュシュット、購入した時の価格を調べたら、なんと4000円ですよ、4000円。03年あたりだと村名すら買えるか疑わしいようなプライスです。リリースしたてに飲んだときと比べると、今は各要素がこなれて、まさに飲み頃になっています。ここから先、若めのたっぷりした味わいを好むか、より熟成したアーシーで枯れた味わいを好むかはその人次第でしょう。【中吉】