2006年1月

日時 2006/1/31
銘柄 コートドニュイ・ヴィラージュ99(ジャイエ・ジル)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 すむら
感想

高額なボトルたちの一角にまぎれこんで、寺田倉庫にリリース以来寝かされていたジャイエ・ジルを開けてみました。なんでこのクラスのボトルを寺田に入れたのかよく覚えていないのですが、たぶんダンボールの中身が1本分余ってしまったなどの理由によるものだと思います。7年目ということで、そろそろこなれてきているかな、と思ったのですが、意外にまだ早かったですね。濃いめのルビーで、エッジにはオレンジ色が見えます。香りは最初カシスやスパイス類が感じられて、お、樽香もずいぶん和らいできたな、と思ったのですが、しばらくすると、カラメルやエスプレッソ、焦臭などのオーク由来の香りが全開になりました。もちろんリリース当時のようにひたすらオークばかりでどうにもならないというようなことはなくて、心地よいオークではあります。味わいは穏やかにバランスがとれていますが、あまり凝縮感もなく、酸やタンニンもおとなしく、全般にそっけない感じです。とはいえ、タルタルした中にも、クリーンでピュアな果実感が失われていないところが、この作り手の非凡なところではあります。
それにしても、このCNV、 時期的には明らかに熟成の途上段階です。もう2〜3年(根拠なしですが)辛抱すれば、熟成感が出てきて、もっと愉しめたのではと思うと、自分の忍耐のなさが恨めしいです。
【小吉】

日時 2006/1/28
銘柄 ピノグリージョ2003(ロンコ・デイ・タッシ)
産地 伊>フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア
購入店 近隣のイタリアンにて。
価格 6000円
感想 土曜日のこの日は、カミサンが子供たちを連れて実家に出かけたので、残された私は東急本店の有料試飲に出かけ、夕食は、近所に新しく出来たイタメシ屋に一人で行ってみました。内装がとてもオシャレなので、かなり期待していましたが、これが大失敗。メニューは少ない上に値段もかなり高め。コースなどの設定もない。それでいて一皿のボリュームは、えっ?と思うほど少なく、肝心な味もごく平凡。三軒茶屋のイタめし屋といえば、グッチーナ、ペペロッソ、それに「バーガンディナイト」でお世話になっているイルピアットなどが思い浮かびますが、とてもこれらの名店と同列に並べられるお店ではありませんでした。ワインについても、インテリア代わりに錚々たるワインボトルが飾られていたので、さぞリストも充実していることだろうと思いきや、蓋を開けてみればからっきし。いや、参りました。そんな中からとりあえず選んだのがこの銘柄です。後で調べてみると、銘柄によっては ガンベロロッソのトレ・ヴィッキエリにも名を連ねることのある作り手ですが、このピノグリは凡庸なものでした。オレンジ色がかった、濃いめのイエロー。香りはシンプルな、洋ナシや白い花、ミネラル。味わいはもっとふくよかなものを想像していましたが、シャバシャバとして水っぽく、フィニッシュに苦味がまじるのもいただけません。まあ、酸が綺麗なのが救いといえば救いでしたが。 あまったボトルを家に持って帰って調べたところ、市販価格は3000円。私の「舌価格」はいいところ2千円台前半というところですね。レストラン価格でこれが倍の6000円になるのはかろうじて許容範囲としても、あわせた料理があまりにトホホだったこともあり、なんともやるせない気持ちになりました。ワイン単体への評価というよりは、レストランの料理全般への不満も含めて↓下記評価としました。
【凶】
日時 2006/1/28
久しぶりに東急本店の有料試飲に出かけました。
銘柄 Ch.レオヴィルバルトン2003
濃厚なルビーでエッジはまだ紫。かなりトーンの高いオークのトップノーズ。カシス、ブラックチェリー、スパイス類。口に含むと凝縮された果実とともに皮の厚いブドウをイメージするネットリと強靭なタンニンがあります。 酸はかなり低めに感じますが、おそらく他の要素との相対的なものでしょう。フィニッシュは苦味も加わって甘苦い感じです。
【小吉】

Ch.モンローズ2003
エッジはまだ紫ですが、中心部はほとんど真っ黒に近いルビーの色調。ハーブ、スパイス、赤身肉、それにブラックベリー。味わいはバルトンと同様、重々しいタンニンを内包しながらも、非常にバランスがよくまとまっています。果実味はクリーンで酸も質感があり、フィニッシュは調和がとれており、余韻も長い。華はありませんが、堅実にまとまった見事な出来栄え。、短時間かつ少量の試飲ではこの銘柄の雄大なポテンシャルはちょっと計りずらい面もありますが‥。
【たぶん大吉】

Ch.トロロンモンド2003
上の2本で打ち止めにしようと思いましたが、安かったのと試飲カウンターの方々の間で評判がよかったので注文してみました。
バルトンやモンローズよりは1ランク淡い色調です。香りはカシス、スミレ、ハーブ、スパイス類、少し遅れてオークのニュアンス。味わいは左岸の2本に比べるとコンセントレーションの面で劣りますが、その分結構こなれていて今でも美味しく飲めます。 酸がしっかりと感じられますが、これはおそらく相対的なものなんでしょう。
【吉】
感想 たった3本飲んで論じるのも僭越ですが、03のボルドーはブルゴーニュと同じような特徴を感じますね。皮の厚いブドウを想起させるネットリと強靭なタンニン、相対的に低めの酸、粘土質土壌(モンローズ)との相性のよさ。モンローズについては、WA100点が最終的につくかどうかは微妙な感じも致しますが、各要素の質感の高さとバランスのよさはさすがだと思いました。
熟成のポテンシャルについては酸の少なさを心配する声をよく聞きますが、WA誌は「問題は感覚的な酸度ではなく、PH値だ」というようなことを書いてましたね。どうなのでしょうか?私が実体験で飲んだビンテージでこのような構造のものは初めてなので、なんともいえません。いずれにせよ下の子の生まれ年なので、毎年飲みつづけてゆくビンテージになるでしょう。
日時 2006/1/26
銘柄 サッシカイア93(テヌータ・サングイード)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 信濃屋
価格 11800円
感想 舌にブツブツとなにやら出来てしまった話は「ひとりごと」に書きましたが、とりあえず耳鼻科に行って大丈夫だとのお墨付きを得たので、今日は久しぶりに家で良いワインを開けることにしました。チョイスしたのは、セラーに7年保存していたサッシカイア。93サッシカイアはかって3本買いましたが、これが最後の1本となりました。また、当時購入したボトルたちはほとんど飲み尽くしてしまったので、今となってはこれが我が家でもっとも古い部類のボトルでもあります。はっきりとオレンジがエッジに見えるガーネット。香りはコンフィ状のカシスやブラックベリー、それにゆでた小豆やスパイス、黒土など熟成を感じさせるものです。味わいはギュッと詰まったような感じこそありませんが、張りのある綺麗な酸により、しなやかにまとまっています。フィニッシュにかなりタンニンが優勢になるのが残念といえば残念ですが、十三年経過したボトルで、さして良年ともいいがたいビンテージであることを思えば、意外なほど元気でしっかりしているし、まだかなり(熟成の)余力を残していそうなのが意外でした。 それにしても、久しぶりに家でサッシカイアを開けましたが、このラベルは華があっていいですね。単に味わいだけなら正直このボトルに勝る銘柄はいくらも見つかるでしょうけど、なんといってもスーパータスカンの草分けたる暖簾価値は捨てがたいものがあります。セラーには今回のボトルと同時に買った95年1本を残すのみ(当時は1万円以下で買えました)となりましたが、子供のビンテージの03年も見つけたら記念に買っておこうと思いました。
【中吉】
日時 2006/1/21
銘柄 ヴォルネイ・サントノ96(ドメーヌ・ルロワ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 やまや新宿店
価格 失念(10Kぐらい)
感想 最近すっかり「やまや」はご無沙汰なんですが、かってはよく新宿店や池袋東&西店、それに当時新しくできた赤坂店などで買い物をしていました。このルロワは新宿店の年末のセールかなにかで10000円分ぐらいポイントがたまって(あるいはなにかのクジで当ったのかも?詳しいことは失念)、せっかくだからデイリーでなくそれなりのものをと思ってポイントで引き換えたものです。長らく寺田倉庫に置いてましたが、10年経過してどんなものかと開けてみました。色調は濃いめのガーネット。エッジはややオレンジというか、透明になってきています。香りは黒い果実やスミレなど、いまだアロマチックな中に線香やバニラなどの香りと木質的なニュアンスが同居しています。口に含むと、継ぎ目のない酒質がさすがと思わせる一方で、今でもかなりタニックなのと、干し草のようなひなびたニュアンスがあるのにどうも興ざめさせられます。なんだかピノノワールというより、少し熟成したサンジョベ主体のスーパータスカンを飲んでいるようです。ルロワのヴォルネイ・サントノを飲んだのは初めてですが、これはきっと本来の実力ではないでしょうね。同じ銘柄を飲んだことがある方がいらっしゃったら、どんな感じだったか、ぜひご感想を伺いたいところです。
【末吉】
翌日:10年経過しているボトルにもかかわらず、前日同様すばらしい香りを残していました。ただ、味わいは相変わらず干し草のようなフレーバーがあって、期待に応えてはくれませんでしたが。
日時 2006/1/17
銘柄 ヴーヴレ・ドゥミ・セック・ラ・モランディエール2002
(ルメール・フルニエ)
産地 仏>ロワール
購入店 ゆはら
価格 2400円
感想

各所で評判の銘柄です。もっと癒し系かと思っていましたが、結構コッテリしていてパワフルですね。麦わら色がかった濃いイエローで、かすかに気泡があります。マロン、洋ナシ、黄色い花や蜜などの香り。口に含むとシュワシュワと炭酸が感じられて、これがいいアクセントになっています。酒質は厚みがありますが、爽やかな酸と炭酸によって重々しくならずに心地よいバランスを保っています。たしかにいいワインですが、絶賛されるほどかというと、どうなんでしょう。日持ちしそうなので、その結論は明日以降にしたいと思います。
二日目:味わいは厚みがある中にも、前日よりまろやかさをまし、切れのある酸や炭酸と絶妙なハーモニーを奏でてくれます。しかし、香りは、独特のマロン香が突出してきました。これが好きな人や気にならない人にはいいんでしょうけど、私はあまり好きじゃないんだよねぇ。…ということで、客観的な点数をつければそこそこ高得点つくんでしょうけど、個人的な満足度は→ 【吉】
三日目:香りは衰えましたが、味わいは肩の力が抜けた感じで、ビビッドで透明な酸が魅力的です。個人的には3日目が一番好きかも。3日に亘って安定して楽しめるというのは、デイリー用には嬉しいですね。
五日目:いくらか残っていたのを飲んでみました。果実味は多少衰えたものの、まだまだ美味しく飲めるのには驚きました。

日時 2006/1/15
銘柄 ヴォーヌロマネ・オー・メジエール96
(R・アルヌー)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 6980円
価格 TODA
感想 義母の葬儀も終わり、とりあえず一段落したので、久しぶりに家でワインを開けました。95がかなりグジュグジュだったので心配した96アルヌーの村名ですが、こちらはまあそれなりに楽しませてくれました。開けたてこそ(あるいはボトルの上の方だったからか…)ピリピリした酸が目立ったり、ややヒネた印象があったりしましたが、飲み進むうちに、ピントが合って、スケールは小さいながらも、心地よく熟成したブルの味わいを見せてくれました。中程度のガーネットで、エッジはやんわりとグラデーションを描いています。香りはダークベリーやカシス、スパイス、紅茶などを皮革や土っぽい熟成香が覆います。口に含むと、やわらかく旨み感のある果実味が広がり、それを豊かなジワジワとした酸が支えます。タンニンは完全にというほどではありませんがそこそこに溶け込んで、よい熟成具合にあることを認識させてくれます。といっても果実の凝縮感はそれほどないため、中間部が少し空虚な感じもしますし、これ以上寝かせてもドライアウト方向に進んでしまいそうです。購入した価格を考えるともう少し頑張って欲しい気もしますが、アルヌーの村名ですとまあこんなもんなんでしょう。
【小吉】