2005年9月


2005/9/23 BurgandyNight38 〜コラムにて


日時 2005/9/18
銘柄 ジュュヴレ・シャンベルタン・プルミエクリュ・ポワスノ2002
(アンベール・フレール)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ワインセラー・パリ16区
価格 4本1万円のセット。
感想

これまでさまざまな作り手のワインを飲んできましたが、初めての作り手との出会いはいつも変わらず楽しみです。特に今回開けるアンベール・フレールの場合、その血筋からも期待が高まろうというものです。血縁関係が複雑に絡み合うブルゴーニュでは、誰それの親戚筋と聞いてもそれほど驚きませんが、ほかならぬクロードデュガ、ベルナール・デュガピの従兄弟となると話はちょっと別、ですよね。
抜栓すると、ヌメッとした手ざわりのコルクで、かなり上の方までワインが染みてきているのが少し気になります。
色は濃いルビーですが、エッジはまだ赤紫で節度のある色調です。
香りはカシスや ラズベリーなど、黒とよりは赤系を感じる果実、オレンジピール、スパイス、それにスッとするミンティなニュアンスがあります。樽香もありますが、凝縮された果実香がマスキングしている印象です。味わいは果実がドカンとくるタイプではなくて、あくまでも全体のバランスと透明感で勝負というタイプでしょうか。思いのほかグリップが弱く、舌の上をスルスルと流れていってしまうことにやや戸惑いを覚えますが、それだけテクスチャーが滑らかだということの裏返しでもありましょう。酸度は高めですが、豊かな果実が静かに拮抗していて、透明感のあるクリーンな味わいに好感が持てます。ただ、現時点ではフィニッシュにかけて苦味を伴ったタンニンと前述の酸とが優勢になり、バランスを欠くのが残念です。 これが年月を経ると改善されるものなのか、それとも熟成しても引きずってしまうものなのか、とりあえずは、ボトル半分明日に残して試してみようと思います。【88?→89+】
翌日:2日に分けて正解でした。翌日は香りもよく開いてオークのニュアンスが強く出るようになり、味わいはクリーミーさをまして、グリップもしっかりしてきました。なによりフィニッシュの雑然としたところが治まったのが好印象です。

日時 2005/9/13
銘柄 ヴォーヌロマネ99(ミュニュレ・ジブール)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 湘南ワインセラー
感想 ミュニュレ・ジブール(ジョルジュ・ミュニュレ)のワインを何度か水平テイスティングしたことがありますが、大抵の場合、リュシュット・シャンベルタンが頭ひとつ抜きん出て、クロヴージョ、エシェゾー、NSG・シェーニョあたりがそれに続き、他にはシャンボール・ミュジニー・フスロットあたりが目立つといったところだと思います。このヴォーヌロマネはどうかというと、正直あまりコストパフォーマンスがよいと思った記憶はないのですが、そもそもリリースしたての試飲でしたので、ある程度年数のたったこのボトルがどのような味わいになっているか、興味のあるところです。色調は濃いめのガーネットですが、エッジはややオレンジが見え始めています。香りはまだ五分咲き程度ですが、カシスやラズベリーなどの果実、オーク、スミレ、スパイスに加えて、熟成感の出始めた土っぽさが感じられます。味わいは上位クラスのような凝縮感はないのですが、それでも旨味ののったやわらかな果実味があり、タンニンは溶け込んでいて、クリーミーな中にも透明感のある、中庸を得た仕上がりとなっています。酸はしっかりとあるのですが、相対的に豊かな果実味がそれを覆いかくしています。長持ちする反面、飲み頃まで時間がかかるといわれるミュニュレ・ジブールですが、この99年の村名については、ピークとは言わないまでも、十分に飲み頃になってきていると言ってよいでしょう。
【91】
日時 2005/9/8
銘柄 バルバレスコ2001(プロドゥットーリ・デル・バルバレスコ)
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 ワインセラーパリ16区
価格 4本1万円のセット
コメント この協同組合が作るバルバレスコは高品質なことで知られており、価格も手ごろなので、「安旨銘柄」の定番としてよく顔を出します。((といっても市価3000円のワインを安ワインの範疇に入れるべきかは議論のあるところですが。)私が前回飲んだ2000ビンテージは、ショップの煽り文句ほどのインパクトは感じられませんでしたが、この01年はどうでしょうか。
色調はネッビオーロらしい深みのあるガーネットで、エッジはまだ赤紫色です。 香りは抜栓当初は閉じこもっていましたが、時間とともにゆっくりと黒い果実や枯葉、紅茶、スパイス、それに乾いた白木のようなニュアンスが現れはじめます。味わいはやや乾いたタンニンの奥にギュッと濃縮されたエキス分が感じられる力強いものです。酸も伸びやかで、熟成にピークに達すればさぞすばらしい味わいになりそうだな、という感じもしますが、現時点でも十分美味しくいただけますし、過度なオークに支配されることもなく、クリーンな果実味がダイレクトに感じられるところがグッドです。初日よりも翌日の方が美味しく頂けましたので、今飲むなら二日ぐらいに分けて飲むか、デキャンティングした方がいいでしょう。ボトル差、個体差もあるのでしょうが、個人的には前回の00年より、今回飲んだ01年の方がずっと好印象でした。【92】
日時 2005/9/4
銘柄 クレマン・ド・ブルゴーニュ
(ルー・デュモン)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 湘南ワインセラー
価格 6本6580円セット。
感想 湘南ワインセラーで購入した安泡6本セットもこれが最後です。このルー・デュモンは先月も飲んでいて、とりたてて強い個性があるわけではないものの、バランスよく中庸を得た仕上がりだと書いたばかりです。そういう意味で今回飲はボトルバリエーションのチェック的な意味もこめて飲んでみましたが、こちらもひとことで言うと、安定した、飽きの来ない仕上がりですね。力強い果実感とか、コクとか、シャンパーニュを連想させるようなイーストフレーバーとか、そうしたものは希薄なんですが、どこまでもナチュラルで無理のない造りには好感が持てます。雑誌などで、「安泡ベスト10」なんて企画をやったら、ベストワンにはならないものの、多くの評者が10本の中に選ぶ、そんなタイプです。
【87】
ちなみに、このとき一緒に買った6本セットの私的評価としては‥
モン・サラ、ルー・デュモン →○
ウイ・シュリ、ランブルスコ→△
シードル→▲〜×
フリツァンテ→×
‥というところですね。シードルはやっぱり変化球過ぎた気がします。無難なスプマンテあたりにしてくれていたほうがよかったかも。
日時 2005/9/3
銘柄 オークセイ・デュレス・レ・クルー96
(ドメーヌ・ドーヴネイ) 
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ウメムラワインセラー
価格 7500円
感想 週末のこの日は、クルマの1年点検のあと、実家に行って晩飯をご馳走になってくる予定だったのですが、1年点検が思いのほか長引いたのが大誤算でした。バッテリーを交換した際、ヒューズが飛んだらしく、メーターの警告灯がつきっぱなしになってしまったとのこと。これってディーラーのチョンボじゃあ‥。ショールームで待つこと2時間以上、夕刻になっても治らないので、仕方なくタクシーで実家まで行きましたが、子供はすっかり飽きてしまい、加えて空腹で二人して泣き出す始末。不愉快きわまる事件でしたが、おかげで、帰りの運転を心配せずに、実家のセラーのワインを開けることができました。このドーヴネは01年の5月にネットで購入したもの。4年ちょっとセラーに寝かせていた計算になりますが、さてどんな熟成をしているかということで。
キャップシールを剥がすと、盛大に噴いた後があります。おまけにコルクがかなり疲れていたのか、抜栓の際、途中でポキリと折れてしまいました。(乾いていたわけではないのですが。)
色調は麦わら色がかなり入ったイエローです。香りはシャンピニオン系の熟成香がバンバンと香ってきます。果実は柑橘系やグレープフルーツを連想させるもので、当初はキツかったであろう樽香はかなり後退して溶け込んでいます。口に含むと、しっかりした、やや鋭角的な酸が支配的です。果実味は香り同様、柑橘を思わせるようなものですが、酒質はやや凝縮感に乏しく、温度が高めだと、ややダルな印象を受けます。といって、温度を下げると今度は酸が余計厳しく感じられるので、飲む時の温度にはかなり気を使いました。 正直なところ、ちょっと期待はずれの1本ですねえ。ひと言で言うと終始「酸っぱい」ワイン。ドーヴネの白はいつも安定して出来が良いという印象を持っているんですが、これはあまり綺麗に熟成しなかった部類かもしれません。シェリーっぽさやビニールっぽい酸化したニュアンスは感じなかったので、劣化していたわけではないのでしょうけど‥。もしくはもっと早めに飲んだ方がよかったのか‥
【88】
日時 2005/9/1
銘柄 マルヴァジーア・セッコ・フリッツァンテ2004
( カステル・デル・ドゥーカ)
産地 イタリア>エミリア・ロマーニャ
購入店 湘南ワインセラー
価格 泡モノ6本6580円のセット
コメント キツイですね、コレは‥。なんというか、ソアヴェなどによくある典型的なイタリア安ワインの味がします。まあ、売価1000円のワインだから値段相応なんでしょうけど、炭酸がなければかなりツライ味だったと思います。そういう意味で、微発泡に仕立てたのは正解でしょう。
色調は薄めのイエローで、まだグリーンがかなり感じられます。フリツァンテ(微発泡)ということで、グラスに注いだ瞬間こそサァーッと泡がたちますが、その後の泡立ちは控えめです。香りは青リンゴや柑橘類のフレッシュな果実、それに磯のような汐っぽい香り。味わいはひとことでいうと、シャバシャバ、という感じ。フレッシュな果実味とミネラル感はあるのですが、褒めるほどのものではなく、それよりもむしろ酒躯の薄められたような水っぽさが気になりますね。イマイチというにもちょっと届かないレベル。1000円出すのならモンサラのカヴァの方がよろしいかと思います。
ちなみにこのボトル、口の形状が変わっていて、シャンパンストッパーが使えません。数日に分けて飲むときはご注意を。
【82】