2005年8月

日時 2005/8/31
銘柄 ジュブレイシャンベルタン95(ベルナール・デュガ・ピィ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ワインの店いとう
感想 このデュガ・ピは麹町「オーグードゥジュール」に持ち込んだんですが、当日持ち込みの影響でやや酒質が荒れていたようなのが残念でした。 色調は濃いめのルビーで、エッジはピンク色です。香りは黒系のフルーツ、スパイス、土、それに揮発性の塗料のようなニュアンスもあります。味わいは一般の村名のレベルを大きく超えるもので、果実のコンセントレーションがさすがです。濃いのだけど、それが力任せにならないところが、一流の作り手、エッジは丸く、どこか静謐感すら感じる酒質です。飲み頃のピークにはまだ早いと思われますが、現時点でもタンニンは十分にやわらいでいて、飲みにくさはありません。難を言えば、味わいの後半、やや酸が立ち気味になる点、味わいの力強さに比べて香りにいまひとつ散漫さを感じる点など、当日運搬の影響らしきものがやや感じられたことです。平日の宴席だと、まず朝会社にボトルを持参して、夕方そのボトルを会社から店まで運搬しなければならないため、店が遠かったりすると、どうしても不利になるんですよねえ。 家で飲むか、事前に持ち込んでいれば、さらに印象がよかったかもしれませんが、美味しい料理とともに飲めたのでそれはそれでよしとすべきでしょう。ちなみにこの日のオーグードゥジュールは個人客ばかりのようでしたが、持ち込みかお店で注文したのか、ラフィットとかユベール・リニエとか、結構良さげなボトルたちが開けられてましたっけ。
【90】
日時 2005/8/28
銘柄 カヴァ・ブリュット(モン・サラ)
産地 スペイン
購入店 湘南ワインセラー
価格 6本セットで6580円。
感想 いろいろなところで評価の高いモンサラのカヴァですが、確かにイイですね、コレは。わずか1000円前後というプライスですが、泡も細かく、同じ価格帯のヴァンムスーやクレマンにないような、果実のパワーを感じます。それでいてしっかりしたコクもあり、バランス良好なため、「アルコール入りグレープソーダ」に陥っていないところも評価できます。状態の悪くないですしね。ただ、ブリュットとはいえ、フィニッシュにはかなり果実由来の甘ったるさを感じますので、よく冷やして飲んだ方がいいでしょう。来年の我が家のデイリースパークリングはこれに決定かな‥。
【87】
日時 2005/8/22
銘柄 ランブルスコ・アッソーロ・ロッソ・レッジャーノ[NV]
メディチ・エルメーテメディチ・エルメーテ
産地 イタリア>エマーリア・ロマーニャ
購入店 湘南ワインセラー
感想

またまた今日も「安泡6本セット」の品からのチョイスです。ランブルスコというと、いわゆるイタリアンレストランでなく、もっと気軽なイタめし屋やピッツェリアでよく出される甘口で薄く炭酸のきいたジュースのような赤ワインというのが私のイメージですが、この銘柄は結構本格派の辛口です。
シャンパングラスに注ぐと、判ってはいても、赤い色調に思わず戸惑いを覚えます。もっと底が見えるような淡い色調を想像していましたが、注いで見るとかなり濃いめのルビー色です。泡はきれいな紫ですが、勢いは弱め。香りは ラズベリーやカシス、スミレなどのフレッシュ&フローラルなものです。口に含むと、それなりのボディがあり、タンニンも適度に感じられます。果実味はフレッシュでやや青っぽいニュアンスを残し、伸びやかな酸と炭酸とが、キレのあるフィニッシュをみせてくれます。さすがに赤ということで、他のスパークリングとは一線を画す飲みごたえがありますし、甘ったるくならないのがいいですね。系統は全然違いますが、ヌーボーでない通常のボジョレーに炭酸が入ったようなものをイメージすれば当らずとも遠からず、というところでしょうか。よく冷やして、ピザとかフライドチキンとかのお供にも活躍しそうです。
【84】

日時 2005/8/19
銘柄 ヴァン・ムスー・ドゥミ・セック・ウィ・シェリNV
産地
購入店 湘南ワインセラー
感想 安泡6本セットで購入した中で、正直もっともキワモノといえるボトルです。なんだか素性のよくわからないこの銘柄、 ワイン名の意味は「イエスダーリン」だそうで、「大切な乾杯や贈り物にぴったりのスペシャルパッケージ」だそうです。(ちなみに輸入元はサントリー。)ところがこれが開けてみるとそんなに悪くないんですね〜。まあ、しんねりむっつりと「各要素云々」を論じるような銘柄でもないと思いますので、ざっくり感想を述べますと、 ドゥミ・セックということで、かなり甘ったるい味わいを予想していたのですが、しっかりした炭酸のおかげか、バランスのよい爽やかな中甘口でグイグイと飲めます。それになんといってもみずみずしい果実感がイケてます。例えていうなら、店頭でよく見かける「リープフラウミルヒ」や「シュヴァルツ・カッツ」に炭酸が入ったようなものでしょうか。お酒の苦手な女性と飲むにはまさにうってつけ。食事にあわせてというよりは、食前、もしくはデザートと一緒に、なんてのもいいかもしれません。
【85】
日時 2005/8/15
銘柄 シャトー・ド・ポマール99
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 平野弥
価格 3980円
感想

なかなか赤ワインを飲もうという気持ちにならない暑い日が続いていますが、この日はたまたま涼しかったことに加えて、晩飯がステーキだったので、久しぶりに赤を飲んでみようかという気になりました。といっても、やはりボルドーやイタリアを飲む気にはなれず、若めのピノをチョイスしてみました。6月に97ビンテージを飲んでなかなか好印象だったシャドー・ド・ポマール。99年ですと、ちょっと早いかもしれないと思いつつ。 色調は濃いルビーで、エッジはピンク色です。香りは密度感のあるもので、ブラックベリー、スパイス、黒土、それにココアのようなオークがモワッと香ります。味わいも97年とは比較にならないほど果実味が凝縮しており、その上かなりタニックで、粉っぽいタンニンが口の中を満たします。パワフルなピノですが、酸がやや緩めなこともあってか、ややドロンとした感じの味わいです。これはさすがにちょっと早かったですねえ。まさに発展途上という感じで、もう1〜2年寝かせただけでだいぶ違う味わいになったのではないかと思います。もう1本買い足そうと平野弥さんのサイトをみたら、すでに売り切れでした。残念。
【89】
翌日:香りは弱まってしまいましたが、各要素がなじんで、初日より飲みやすくなりました。

日時 2005/8/14【番外編】
銘柄 シードル・ブリュット・タンドルNV
( エリック・ボルドレ)
産地 仏>ノルマンディ地方
購入店 湘南ワインセラー
価格 1200円(泡モノ6本セットで購入)
コメント 本サイト初登場のシードルは、泡モノ6本6千円強というセット・セールで購入したうちの1本です。シードルと聞くと、フランス旅行の際にモンサンミッシェルで飲んだものが思い出されるのですが、そのとき飲んだものは甘ったるい上に、供出温度も温めで、お世辞にも美味しいとは思えませんでした。
ところが今回のシードルはお店の宣伝文句によれば、「ひと味違います」とのこと。
「アラン・デュカス率いる三ツ星レストラン『アルページュ』でのシェ フ・ソムリエとしての地位を捨て、挑んだ、シードルは、シードル界 世界最高峰のひとつと言っても過言ではありません!!彼が所有する、オルヌ川とマイエンヌ川の境に位置する広大な敷地に は、“20種類のリンゴ”と“14種類の洋ナシ”が栽培されていま す!! その多くのリンゴの中から、様々な味わいのものを完璧に選別、 そして、ソムリエ当時の経験を活かし、数種のリンゴの味わいを “ひとつの黄金の雫”へと組み合わしていきます!! 収穫は全て手摘みで行われ、風味を凝縮させる為、3〜5週間乾燥 させ、木製のプレス機で手動にて圧搾されます!! さらに、彼の【シードル】は“発泡の為の補糖”を一切しないという 徹底ぶり!!まさに“ナチュラルな”【シードル】と言えます!!!」
色調はワインとは一線を画す、ゴールドがかった濃厚なイエローです。気泡は細かいですが、勢いは弱く、ワインでいえば、微発泡というレベル。香りはあまり香ってきませんが、口に含むと、熟したリンゴ(ってリンゴ酒なのだから当然ですが‥)やフルーツタルト、南方の花のようなエキゾチックな含み香があります。味わいは、アルコール度が低いこともあって(4度)、ゴクゴクといけるものです。シャープな酸がある一方で、よくも悪くも、かなりの甘みがありますので、冷蔵庫でキンキンに冷やしてから飲むのが吉でしょう。ちなみに「タンドル」はドゥミ・セックですが、もっと辛口のタイプもあるようです。今度飲むならそちらですかね。
日時 2005/811
銘柄

サンシニアン キュヴェ・カンプリグ2003
(ドメーヌ・デュ・タバト)

産地 仏>ラングドック
購入店 いただきもの(市場価格1500円前後)
感想 晩飯の豚肉のソテーにあわせて、久しぶりに赤を開けてみました。いただきものの南仏ものですが、この季節にどうかという一抹の不安を抱えつつ。ドメーヌ・デュ・タバトは「ドーマス・ガザック」の元醸造長がサンシニアンで営むドメーヌで、セパージュはグルナッシュ54%、カリニャン28.5%、シラー15%、ムールヴェードル2.5%だそうです。濃厚なルビーで、エッジは紫色です。グラスを近づけると、複雑さはそれほどありませんが、黒い果実やジビエ、墨、八角などの華やかな香りがあります。味わいは、濃いのだけど、その濃さがあまり気にならないあたりはよくできているなあ、と感心させられます。このクラスとしては特筆すべきタンニンのなめらかさがあり、飲み始めこそ、ピリッとした酸が気になりましたが、時間とともにそれも落ち着き、なかなか秀逸でエレガントなまとまりをみせてくれます。自分で買おうとは思いませんが、値段も手ごろですし、この日のように肉料理にあわせて「ビールにしようか、それともワインでも飲もうか」なんていうノリのときにはよい選択肢となるでしょう。
【86+】
日時 2005/8/7
銘柄 クレマン・ド・ブルゴーニュNV
( ジャン・ピエール・ボニー)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 湘南ワインセラー
価格 2380円
感想 先のルー・デュモンと一緒に湘南ワインセラーで購入したクレマンですが、シャルドネ100%のルー・デュモンに比して、こちらはピノノワール100%、シャンパニュでいうところのブラン・ド・ノワールというヤツです。さすがに品種が全く違うだけあって、両者の味わいは好対照、清涼感があって、爽やかなルー・デュモンに対して、こちらはよく熟したリンゴやトーストなどの香りと、甘い蜜のような果実味、キレのある酸によるコクのある味わいがあって、いかにもこじっかりとした作りです。フィニッシュにかなり顕著な苦味が感じられるところは若干残念ですが、この値段にしてこのしっかりした作りはなかなか好印象です。今月はさらに泡モノの6本セットを買ったりしたので、しばらく安泡のレビューが続く予定です。【87】
日時 2005/8/4
銘柄 クレマン・ド・ブルゴーニュNV
(ルー・デュモン)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 湘南ワインセラー
価格 2000円
コメント 日本人がブルゴーニュで営む新進ネゴシアンがリリースするクレマンです。日本人だと言われても、だからといって特別に親近感が湧くわけでもないし、紹介文に「アンリ・ジャイエが絶賛」みたいなことが書いてあると、なんとなくマユツバになってしまうのですが、実際のところどうなのかという興味もあって買ってみました。淡めのイエローの色調で、きめの細かいきれいな気泡が出ています。。柑橘系果実、アカシア、ミネラル、それに軽いイーストの感じられる、弱いながらも心地よい香り。味わいはシャンパーニュのようなコクや広がりはないものの、ライトにこざっぱりとまとまっていて、食事に広く併せられる、そんなタイプです。コーヒーでいえば、よくできたアメリカンコーヒーのようなイメージ。アンリ・ジャイエ云々を抜きにしても、この値段ならばオススメできる泡ですね。私も早速1本買い足しました。
【86+】