2005年1月

日時 2005/1/29
銘柄 ラ・ブランカイア・イル・ブルー98
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 ワインビッド
価格 50ドル
コメント 最近ネットの各ショップからブランカイアのバックビンテージの入荷情報が届きますが、このボトルはそれらと同じロットではなくて、ワインビッドで落札したものです。飲んでみて気に入ったら買い増そうと思って開けてみました。
ところでこのブランカイアといえば、カステロ・ディ・フォンテルトーリ(もしくはマッツェイ家)との関係がイマイチよく整理しきれてないのですが、
〜 以前はカステッロ・ディ・フォンテッルトリが所有。
〜 オーナーが代わった後もフォンテルットリに醸造を委託(83年から?)
〜現在はスイス人のオーナーがマッツェイ家とカルロ・フェリーニ氏のコンサルタントを受けながら、自らでワインを造っている。
ということでよろしいんですかね? もし間違っていたらご指摘ください。

色調は濃厚なルビーで、エッジがややオレンジになってきています。香りはカシスやブラックチェリー、チョコレート、皮革、それにほんのりと土っぽい熟成香が漂い、とても良い感じです。口に含むと、味わいはかなりやわらかくこなれてきており、よく熟した果実味とやわらかなタンニンによる、なめらかでエレガントなテクスチャーが素敵です。モダンに仕立てられた味わいですが、時間とともに外向的な表情を見せるようになり、結局3日に亘って楽しむことができました。あえてケチをつけると、無難にまとまりすぎているというか、大ホームラン、というような感動は得られにくい気もしますが、価格も含めて満足度の高い銘柄なのは間違いないですね。遠からず他のビンテージもいくつか飲んでみようと思います。←って、もう買ってるし。
【91】
日時 2005/1/27
  六本木で会議のあと、CWGで夕食がてら。
感想 オーハイ・ソーヴィニヨンブラン2001

黄桃、よく熟したグレープフルーツ、ハーブ、花などのアロマティックな香り。 味わいはかなりのボリューム感があり、酸もやわらかめです。フランスのSBとは明らかに異なるベクトルの味わい。とはいえ、これはこれで、フルーティで好感が持てます。こんな銘柄をブラインドで出されると迷いそうですね。ボトルもなで型ですし‥。


ゲアリー・ファレル・ソノマコースト・ピノノワール2001
 

ラベルが変わって、ずいぶんオーソドックスな印象になったゲアリー・ファレル。グラスに注がれた液体は鮮やかなルビーですが、決して力任せに濃い色調ではなくて、透明感があります。シロップに漬けたラズベリーやチェリー、ダージリン、バラの花、シナモンなどの豊かな香り。口に含むとピュアで力強い果実味が口いっぱいに広がり、バックボーンに綺麗な酸があり、タンニンもよく熟してやわらかく、バランスのとこれた非常に充実感のある味わいです。果実の純度の高さと酸の美しさが実に印象的で、無理に作りこんだようなところのない、ナチュラルな仕上がりがさすがで、とてもよくできたカリピノだと感じさせます。翌日ネットで探して、この作り手の畑違いの銘柄を買ってしまいました。【93】
日時 2005/1/23
  シャル探総会 at 松原。

各自持ち寄りで集まったワインは20本以上。2グループに分かれて飲みましたが、別グループの銘柄はほとんど飲めずに終わりました。以下は私がいただいた中で覚えているものの寸評です。これ以外にも飲んだはずなのですが、特に会の後半に飲んだものは、酔っ払って覚えてません。すみません。
感想 コングスガード・シャルドネ01
固体のような凝縮感と石のようなミネラル感。硬いながらもヨーグルトっぽい角のとれた味わい。スゴイワインです。

シャサーニュモンラッシェ・シェネボット97(ニーヨン)
コングスガードの後に飲むと対照的です。やや細身のボディながら、伸びやかな酸と繊細なバランスがあります。

キスラー・シャルドネ88
口の中でパァッと広がるバタリーなフレーバー。今のキスラーよりもコッテリ系。きれいに熟成してますが、まだまだイケそうです。

ムルソー02(コシュデュリ)
パワフル。それでいてキリリと締まった、均整のとれた味わい。村名でここまでとは、やっぱ美味しいですね、コシュデュリ。02はかなりイイかも。

ムルソー92(コシュデュリ)
私が持参したもの。上のボトルとの10年の差は如何に?
ビンテージのポテンシャルではかなり負けてる感がありますが、なかなかきれいに熟成しています。シャンピニオン系の熟成香。時間を置くとクリーミーでなめらかなフレーバーに。

ムルソー・レ・ナルヴォー83(ルロワ)
この日のライナップの中では異色の1本。色調からして黄金がかっています。味わいは古酒の領域。ピークからやや下り始めたところぐらいですね。

コルトンシャルルマーニュ02(ベルトラン・アンブロワーズ)
しっかりした酸。クリーンな果実。ミネラル感。アンブロワーズって、もっとコッテリ系の印象がありましたが、均整のとれたシャルドネです。熟成させたい。

ムルソー・デジレ01(コント・ラフォン)
ビビッドな酸があってミネラリー。熟成させるとスゴそうです。最近のラフォンって、80年代のコテッとした印象とは変わりましたね。

ピュリニーモンラッシェ・コンベット02(ルフレーヴ)
凝縮感もあり、酸もしっかりしていて、磐石のプロポーション。すでに美味しいんですけど、これもぜひ熟成させたいワインです。

ヴューシャトーセルタン86
赤い果実、ヨード系。しんなりとした味わいで、きれいに熟成したポムロール。

ibecchi会長、Mやん永久幹事、ごくろうさまでした。
参加されたみなさま>またお会いしましょう。

日時 2005/1/22
銘柄 Ch.プリューレリシーヌ96
産地 仏>ボルドー
購入店 やまや赤坂店
価格 3980円
感想 プリューレリシーヌは、私の密かな贔屓シャトーです。目立たない存在ですが、毎年手堅く仕上がっているし、入手もしやすく、価格も手ごろ。力強さよりはエレガント志向のワイナリーだと思います。このボトルを買ったのは5年ぐらい前のことですが、若干まだ早いかもしれないと思いつつ、開けてみることにしました。
色調は濃いガーネットで、エッジにオレンジが入りはじめています。香りはよく開いていて、カシスやブラックベリーなどの果実、黒い土、丁子、八角、皮革、それにカブト虫の飼育セットのような懐かしい香りも混ざります。味わいはミディアムボディで、最近イタものを飲みなれた身には薄くさえ感じますが、しなやかな酸と緻密なタンニンに支えられた伸びやかな構造はまさにボルドーのものだと実感します。しつこさや嫌味なところがなくて、飲み飽きない点は好感が持てます。いつもはボトル1/3程度で止める私ですが、この日は気づいたらボトル半分以上開けていました。
熟成度合いはどうでしょうか?「熟成したワイン」というには明らかにまだ若いものの、ほどよく熟成のニュアンスが入って、開ける前の予想よりもずっとよい表情を見せてくれています。95、96のボルドーは開け時が難しいと思いますが、このクラスであれば、そろそろ飲んでも後悔しない時期にさしかかったのかもしれませんね。
【90】
日時 2005/1/20
銘柄 プロデュットーリ・デル・バルバレスコ2000
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 かわばた酒店/稲葉
価格 3000円
感想 下の子が高熱を出していたため、ワインを飲む間隔が空いてしまいました。この1週間、看病やら病院通いで疲れ果てましたが、結果的に肝臓を休ませることになったという点では、親孝行な息子なのかもしれません。
さて、この日開けたのは、 共同組合が作るバルバレスコ。協同組合と聞くと通常は品質がイマイチということが多いのですが、ここの協同組合は高品質なことで知られており、実際99年のこの銘柄はガンベロ・ロッソ誌でトレ・ヴィッキエリを獲得しています。
色調は濃いめのガーネットですが、エッジはかなりグラデーションが効いています。ジャミーな赤い果実、バラ、枯葉、紅茶、スパイス、それにややジビエっぽいニュアンスもあります。口に含むとかなりエッジが効いている印象で、酸は力強く、タンニンは乾いた感じで味わいの底辺を支えています。クラシックな、というと褒めすぎですが、朴訥とした印象の実にトラディショナルなバルバレスコで、3000円ならたしかに安いと思います。もっとも万人向けというよりは、ある程度飲みなれた人やイタリア好きな人向け、という気もします。初日より2日目の方が(香りは弱まりましたが)各要素がとけこんで全体的にまろやかな味になりました。 【88】
この銘柄、ショップからのメルマガには、以下のように記載されていました
>バルバレスコ生産者協同組合がつくる最高のバルバレスコです!
>ワインスペクテーター誌がパーフェクトと絶賛。
>なんと100点をつけたバルバレスコの生産者なのです!
この表現を普通に解釈すると、「生産者またはこの銘柄に対して」100点をつけた」
ととれますが、 実際にWS誌が100点をつけたのは、「バローロ・バルバレスコ地区の2000VT」に対してです。誤りではないかもしれませんが、紛らわしい表現ですよねぇ。
日時 2005/1/14
銘柄 シャブリ・レ・クロ02(ルネ・エ・ヴァンサン・ドーヴィサ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 優心美酒SHIMURA
感想 今日は上の子の3歳の誕生日です。私が02年モノを買いあさっているのは、ひとえにこの上の子の誕生年だからにほからなないわけで、誕生日こそ家のストックの出番だと思ったのですが‥。 思い知らされることになったのは、「物心ついた子供の誕生日に親がのんびりワインを飲んでいるヒマなんてない」ということです。そう、子供自身の誕生日イベント(ケーキやらプレゼントやら)で忙殺されてしまうのです。(^^;
そんな中、せめてのんびりはできなくてもそれなりのワインをと思ってチョイスしたのがこのドーヴィサのシャブリです。
かなり濃い色調のイエローで、グリーン系の色合いはあまり感じられません。香りはレモンやシトラス、ミネラル、石、それにバニラなど。とにかくミネラル感が強烈です。 味わいは酸が硬くて飲みにくかろうと想像していましたが、思いのほか外向的で、それなりに美味しく飲めます。むしろ今はまだオークのフレーバーがキツいのが気になるかもしれません。樽からくるものなのか、後半にやや収斂性も感じます。ボディは期待したほどリッチではありませんが、酸に縦方向の伸びやかさがあって、含み香も非常に豊かです。今はまだ感動的というほどのインパクトは感じられないものの、寝かせておくと化けそうな予感もあり、将来の楽しみな銘柄と言えましょう。家にまだ5本あるので、2年おきぐらいに飲んで定点観測してゆきたいと思います。(って先の長い話ですが‥)
【92】
おまけ チーズも少し贅沢してエポワスにしました。ただし上記のワインにはちょっとクドくなってミスマッチだったかもしれません。白カビ系か熟成したシェーブルの方がよかったかも。
ちなみに、このエポワス、熟成具合は、トロトロの一歩手前というところ。台所できっていたら、クサイクサイとカミサンの不興を買いました。(^^;
日時 2005/1/12
銘柄 ジブリー・クロ・デュ・セリエ・オー・モワンヌ2002
(ドメーヌ・ジョブロ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 尾張一宮河野酒店/ラック
価格 2950円
感想 04年5月にも飲んでいる02ジョブロ。今回開けたのはその時と同じロットのものです。 コートシャロネーズのバリュー銘柄として名高い作り手で、99VTがWA誌で93点ついて話題になったりもしましたが、正直に書くと、この作り手、どうも私は苦手です。新世界的な果実の強さはあるのですが、一本調子で飲み飽きるんですよね。 前回飲んだ時からは1年近く経過しましたが、味わいはどのように変化しているでしょうか?

濃いルビーでエッジはまだ紫色です。香りは前回に比べると抜栓当初からグッと開いていて、 スミレやカシス、ダークベリー、それに心地よいロースト香が感じられます。味わいもかなりバランスがとれてきており、力強い果実味によるリッチなボディが魅力です。タだ、相変わらず中盤から後半にかけての起伏には乏しいし、熟成させるよりは比較的若い時期にジューシーな果実感を楽しむべきワインじゃなかろうかと感じます。 もちろん3000円以下のブルゴーニュというジャンルで見れば十分秀逸な部類だとは思いますが、 じゃあ、たとえば、個人的に6本12本とまとめ買いしたいかと問われれば、そういう欲求 は湧いてきません。 もっとも、この銘柄を激賞する人がいても、それはそれでわかる気もしますし、個人の嗜好によってかなり評価がブレる銘柄だとは思います。
【88】翌日:前回感じたようなピリピリした酸が顔を出して、初日の味わいは失せてしまってました。

日時 2005/1/9
銘柄 ヴォーヌロマネ・レ・ショーム83(メオ・カミュゼ)
産地

仏>ブルゴーニュ

購入店 ワインビッド
価格 75ドル(+送料、TAX)
感想

さてさて、正月気分もこの3連休で終わりにしなければいけません。ワインも通常のペースに戻そうと思いますが、その前に最後のひと博打、ということで選んだのがこのメオカミュゼです。83年のブルゴーニュは結構飲んできましたが、今となってはかなりリスキーな選択と思いますし、少なくとも他人に薦める気にはなりません。それをわかっていてもついこうして買ってしまうのは、私の頭の中での83年に対するイメージがいまだに以前飲んだいくつかのすばらしい体験の残影を引きずっているからかもしれません。ということで、今回のVR・レ・ショームはどうでしょうか?

色調はかなりレンガの入った、というかほとんどレンガ色そのものです。香りはかなりドライになりつつある中に、リキュール的な黒い果実の印象もが感じられます。かつおだし、黒糖、リコリス、土、下草。味わいは完全に古酒の領域に入っています。タンニンはすっかり溶け込んでいますが、果実味もドライアウト寸前で酒質は儚げになっています。これで酸が立ってくるとちょっと飲むのがツラくなってくるのですが、紙一重で愉しめる状態を保っているというところでしょうか。後半に感じられるギュッとつまった旨み感が20年の年月を偲ばせます。ちょっと熟成が進みすぎている感もありますが、USオークションものであることを思えば、まあアタリの部類に入るコンディションといってよいでしょう。
ちなみにこのメオ・カミュゼは一昨年末にワインビッドで都合1ケースほど落札した中の最後の1本ですが、このとき落札したものはコンディション的にはどれもそこそこまともで、ワインビッドを少し見直しました。
【88】

日時 2005/1/8
銘柄 カマルティーナ94(クエルチャベッラ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 ワインビッド
価格 45ドル(+送料、TAX)
コメント

ある程度熟成したカマルティーナを飲みたいと思ってワインビッドで落札したものの、その直後に同じビンテージがNOISYさんで売り出されて、しかも価格も送料を含めれば似たようなものだったので、なんだか無駄足を踏んだ気分にさせられたボトルです。ちなみに94年のトスカーナはあまり恵まれない年でしたが、このカマルティーナはそんな中でもガンベロ・ロッソでトレ・ヴィッキエリ獲得と奮闘しました。

コルクはやや上の方まで染みてましたが、長さも材質もなかなか立派なものです。色調はエッジにややオレンジが入っています。香りは実にすばらしく、黒い果実や土、ビターチョコなどに加えて、甘く艶かしい麝香のようなニュアンスが感じられます。これはいい熟成を遂げているな、とうれしくなるような香りです。味わいの方も94年とは思えないほど構造がしっかりしていて、豊富なタンニンが濃縮感のある果実と渾然一体となって、実にいい感じになっています。熟成のカーブでいえば、まだ上り坂の途中なのでしょうけれども、私はあまりひなびたニュアンスが出てきているものよりもこのくらいの力を残した熟成度合いがもっとも好みです。前回のキャンティクラシコでも感心しましたが、いいですね、クエルチャベッラ。 今年になって開けたものの中では疑いなくベストの1本。(って、まだ05年が始まって10日ですが…(笑))
【92】

日時 2005/1/5
銘柄 プーロ・サングエ01(リヴェルナーノ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 湘南ワインセラー/ジャパンインポートシステム
価格 6980円
コメント ブライカイアと並ぶラッダ・イン・キャンティ地区注目の作り手、 リヴェルナーノ。当サイトに登場するのは2度目ですが、前回はカベルネ、メルロ混醸の「リヴェルナーノ」の方だったので、サンジョベーゼ100%の「プーロサングエ」は今回が初めてです。

濃厚な色調のルビーですが、トスカーナの銘柄によくあるような 中心部真っ黒というほどではなく、エッジはきれいなグラデーション を見せています。香りは非常に特徴的なバニラや樹脂のようなオーク香、その奥からカシスやブラックチェリー的果実、スパイスなどが感じられます。 味わいは濃いなかにも透明感があって、高めの酸が構造を支えて、どことなくピノノワール的なイメージです。といってもカステロ・ディ・アマのように繊細な感じではなく、新世界のピノに近いパワフルなもの。タンニンはやわらかくよく熟していて、やや過剰なオークにさえ目をつむれば、今でも十分愉しむことが出来ます。 それにしても、トラディショナルなキャンティタイプだったり、カベルネと見まごうようなものだったり、この銘柄のようなピノっぽいものもあったりと、サンジョベーゼの味わいの幅広さには驚かされますね。
【91】
日時 2005/1/3
銘柄 ブルネロ・ディ・モンタルチーノ77
(ビオンディ・サンティ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 土浦鈴木屋/吟奏の会
価格 26900円
コメント 今年の運勢を占う意味もあって、博打もののボトルにトライしてみました。
ビオンディ・サンティは今でこそパッとしませんが、名実ともにブルネロの創始者と言われる由緒ある作り手で、オールドビンテージのボトルが結構なお値段で取引きされているのをよく見かけます。77年はフランスでは手を出しにくいビンテージですが、マイケル・ブロードベントのビンテージ案内によれば、ブルネロ地区は、そこそこの出来だったとか。購入してから5年近くセラーに寝かせておいたボトルですがはたしてどうでしょうか。

色調は濃くてしっかりしたオレンジガーネットですが、かなりレンガのニュアンスが入っています。
香りは非常にドライで、黒い果実のドライフルーツ、キャラメル、乾燥プルーン、クルミ、それにユーカリなど、かなり独特。一部の作り手のヴィンサントを思い出すような香りです。 口に含むと、酸がかなり強めに出て、タンニンも厳しく、甘みの類が一切感じられない辛い(カライ)味わいに戸惑います。果実味がドライアウトしているというよりは、奥にカッチリと閉じこもって出てこないような感じなので、デキャンティングしてみたのですが‥。
味わいはさして変わらず、香りだけがすっかりマディラワインのようになってしまいました。といっても、よくいわれる「マディラ化した」ワインのような醤油っぽいフレーバーはなく、ある意味クリーンな香りですし、そういえば、クルミっぽい味わいはシェリーを思わせます。まあ、ひとことでいえば、老いて酸化してしまったワインだったのですが、これだけキレイに酸化した例というのも珍しいというか、これはこれで面白い経験でした。
【−】

日時 2005/1/2
銘柄
Ch.ムートンロトシルト95(demi)
産地 仏>ボルドー
購入店 エノテカ
価格

失念

コメント 当初は大晦日に泡を開けて、元旦にこの銘柄を飲もうと思っていたのですが、元日は実家で晩飯をご馳走になってしまい、帰りも遅くなったため、新たにワインを開けることはせず、翌2日にこの銘柄を開けてみました。
このボトルはリリース直後にエノテカで購入したもの。なぜにハーフかといえば、この当時95年はやたらと高価で(たぶん4万円近かったかと‥)、そこまで出して購入するほど95年という年に思い入れがなかったため、こちらにし次第です。正確な値段は失念してしまいましたが、ハーフでも15K以上はしたかと思います。

濃厚なルビーで、エッジにはオレンジのニュアンスが見え始めています。しかし、色調自体はまだまだしっかりしています。香りは黒をイメージする濃厚なもので、ブラックベリーなどの果実やスパイス、木質、それにスーボワというか下草っぽいニュアンスが出始めています。しかし、問題なのは、なんとなく香りの中に、雑臭があるんですよね〜。うまくいえないのですが、青っぽく消毒薬を思い出すような臭い。口に含むと、味わいは正常で、凝縮感のある充実した果実味を強靭な酸ががっしりと支えて、タンニンも非常になめらか。さすがというべき緻密な味わいなんですが、どうにもこのかすかな消毒薬のニュアンスが味わいをスポイルしてしまいます。それと、もうひとつ難を言うなら、余韻がややあっけないかな、と。
う〜む。かなり残念なムートンです。異臭を抜きにしても、以前何度か飲んだ95年
はもっとすばらしかった記憶があったのですが‥。
【89?】
日時 2005/1/1
銘柄 サー・ウインストン・チャーチル96(ポル・ロジェ) 
産地 仏>シャンパーニュ
購入店 ウメムラ/JALUX
価格 11800円
コメント
ええと、飲んだのは昨年の大晦日なんですが、年越しそばと一緒に年を越したので、こちらに書きます。
ポル・ロジェは最近あまり飲んでませんが、私の贔屓シャンパーニュのひとつ。特にビンテージブリュットが気に入ってますが、今回は大晦日ということでおごってヴィンテージもののサー・ウインストン・チャーチルにしました。

色調は黄金色がかった、照りのあるイエローです。気泡の細かさはふだん飲んでいるNVブリュットクラスより明らかに1ランク上の印象。香りはよく熟したリンゴの果実やアップルタルト、カリン、黄色い花、それにクロワッサンなど。口に含むと芳醇で濃縮感のある果実味が感じられますが、酸も豊かでキレがあるため、くどい印象はありません。非常にバランスのよい、豊かなシャンパーニュなんですが、フィニッシュにやや収斂性が感じられるのが、難点ですね。もう少し落ち着かせて飲めばもっと調和のとれた余韻を味わえたのではないかと思います。
【90】
翌日:泡はさすがに弱まりましたが、フィニッシュの苦味が消え、タルトっぽい甘みが乗ってよい感じになりました。