2004年8月

日時 2004/8/29
銘柄 ピーター・ラムボール・スパークリングシラーズ
産地
購入店 いただきもの
感想 この珍しい赤のスパークリングは親戚からの豪州土産ですが、もらったことすら忘れてセラーの中に置き去りになっていたものです。
スパークリングワインはスティルワインと違って一般に立てて保 存した方がよいと言われます。横にするとコルクが弾力を失い、熟成が早 まということのようです。このボトルはといえば、セラーの中で3年間ずっと横置きだったので、開ける前からかなり心配でした。ただでさえ赤のスパークリングということで独特の味わいかもしれないのに、その上熟成が進んでいたら、一体どんな味になっていることやら‥。

底が見えないような濃い赤の色調。グラスの底から気泡が出てくるのが、頭では 判っていてもなんだか不思議です。泡の色はピンク色がかった 紫で、子供などが見れば、無邪気に「きれい〜♪」と喜ぶかもしれませんん。
次に香りを嗅いで、思わずのけぞってしまいました。 ジビエやなめした革、それにかぶと虫の飼育セット?のような香りがバンバン。 熟成感たっぷりなのですが、あまり心地のよいものでもなく、どこか薄っぺらな香りです。 飲んでみると、フルーティな果実味は感じられますが、含み香は前述の ジビエや革などのニュアンスに支配されていて、それでいて妙に甘ったるさ もあります。シュワシュワと来る炭酸とあいまって、これはどうにも我慢がなりません。結局グラス1杯でギブアップしてしまいました。
いやはや、マイりました。 このサイトを始めて5年近くになりますが、ここまでツライものはなかったと言ってよいでしょう。
もっともこの銘柄の名誉のために申し添えておくと、今回のボトルは3年近く 放置しておいた、いわば想定外に近い飲み方をされたものです。 おそらく購入後早めのタイミングで、キンキンに冷やして飲んでいれば、充実 した果実と泡のマッチングを楽しめてそれなりに美味しかったのかもしれません。もう一度試してみようとは思いませんが‥。 【50】
日時 2004/8/22
銘柄 クレマン・ド・ロワール“モンムソー”
産地 仏>ロワール
購入店 タカムラ
価格 1200円(共同購入)
感想

7月にも飲んだこの銘柄、02ブルを大量に買い込んだためにセラーからはじき出されて冷蔵庫の野菜室に入れてあったものですが、1ヶ月程度ならまあ何の問題もないでしょうといことで。
色調は前回のものと同様ですが、泡はもっと落ち着いた感じで細やかです。香りに柑橘系果実やカリンなどにまじってかなり強めのシャンピニオン系のニュアンスを感じますが、嫌な香りではなくて、むしろ魅力的です。味わいは前回よりかなり好印象で、特に前回のボトルで後半に感じられた苦味があまりなく、温度が上がると蜜っぽい甘みも出てきます。軽めな仕上がりながらも、嫌味のないバランス感が秀逸で、ANAのファーストやビジネスクラスのウエルカムドリンクに使われているというのも、さもありなんというところでしょう。前回との味わいの差についてはボトル差というよりむしろボトルを到着後休ませたことが大きいのかもしれません。前回は到着後あまり間をおかずに飲んでしまったので。もう1本あるので来月あたり飲んでみようと思います。
【86】

日時 2004/8/15
銘柄 グラハム・ヴィンテージポート80(demi)
産地 ポルトガル
購入店 尾張一宮河野酒店
価格 4980円
感想 あまり酒量の多くない私の場合、夏場一杯目にグビッとビールを飲んでしまうと、そこから通常のボトルを開けようという気がなかなかおきません。なのでたまには、デザートワインなぞ買って見ました。ポートって、欧州の他地域が大凶作でも良作だったりして、記念のビンテージものなどを探すときに重宝しますよね。私のバースビンテージの1963年もいまやボルドーやブルでまともなものを探すのは困難ですが、ポートだけは(価格は高いけれども)見つけることができます。80年はポートにとっては、「77年、85年ものが熟成するのを待つ間飲むのにちょうど良い」まあまあの収穫年だそうです。グラスに注ぐと、かなり熟成が進んだことを思わせる、レンガがかった色調です。乾燥させたイチジクやプルーン、キャラメル、麦わらなどを思わせる香りは以前寝酒によく飲んだ20年もののトゥーニー・ポートを思わせます。味わいも枯れており、若いビンテージポートにあるような甘く濃縮した果実のパワーはないのですが、後半にじんわりと甘みが広がり、アルコール度が高いこともあって、しっかりしたボディを感じさせます。ちょっとアルコールが鼻につく感じはありますが、食後酒としてちびちび飲むにはに悪くないですね。もう一度買おうとは思いませんが。【87】
日時 2004/8/12
銘柄 ロワイヤル・ペルレ・ブラン・ド・ブラン
( アンリ・メール )
産地 仏>ジュラ
購入店 湘南ワインセラー
価格 1050円
感想

夏の暑い盛りにビールの代わりにでもと思って、02ブルゴーニュを買ったついでに購入してみたボトル。値段も値段だし多くを期待してはいませんでしたが‥。グラスに注ぐと思いのほか泡が細かいのが嬉しい誤算です。勢いはそれほどありませんが、口に含むと、シュワッと心地よく溶け込みます。香りは柑橘系や花、ミネラルなどのさわやかなもの。味わいも悪くはないのですが、抑揚に乏しく、余韻も短くて、あっさりしています。シャンパーニュをビールにたとえれば、こちらは発泡酒という感じでしょうか。あと後半にかなり苦味が加わるのが気になります。あっさりしてるのはかまいませんが、であればもう少しジューシーさが欲しいところです。抜栓当初、ちょっと雑巾のような雑臭があったのもマイナスですね。1000円という価格はスパークリングワインとしてはボトルラインでしょうし、そういう視点でみれば、人工的でドギツイ甘みや悪酔いしそうなアルコールの浮いた感じもなく、よくまとまっている部類なのかもしれませんが‥。【80】

日時 2004/8/4
  会社の同僚と久しぶりにCWG(カリフォルニアワインガーデン)へ。
銘柄 キスラー・シャルドネ・ダットンランチ99
感想 久しぶりに飲むキスラーでしたが、やはり只者じゃないですね。まだ若いこともあって樽香が強烈なんですが、それに負けない果実感があり、酸も綺麗です。樽が強烈と書きましたが、新世界の安価なものにありがちなドギツいバニラっぽいものでなく、いかにも良い樽を使っているなあという、軽くトーストした感じの上品なもの。この樽香は、(これまた久しく飲んでいない)ドーヴネのそれに近い感じもします。時間とともに黄桃やバター、ナッツなどの香ばしい香りも出てきて、味わいはよりふくよかで丸くなってきます。ブルゴーニュでいえば、上位の作り手によるバタールモンラッシェという感じでしょうか。やはりキスラーはいいですね。私の好みの味です。【93】
 
銘柄 Ch.ムートンロトシルト88
感想 私が持ち込んだものなんですが、当日運搬のハンデもあってか、やや疲れたムートンでした。実際のビンテージより年をとっている印象があって、ブラインドで年数を答えろといわれると、80年代前半(83とか)と答えたかもしれません。黒い土や皮革、甘草、などかなり熟成を感じる香り。味わいはかなりタンニンがこなれて透明感のある酒質になっています。酸、タンニンのバランスは良好になっていますが、以前も感じた余韻のあっけなさはこのビンテージの特徴なんでしょうか。最近こういう機会でもないとなかなかボルドー1級を開けることはないのですが、それでもなんだかんだで我が家の80年代のストックも残り少なくなってきました。ムートンですと、あとは86と89が1本ずつ残っているだけ。おそらくこの先、お相伴に預かるこはあっても、自分で再び80年代のムートンを買うことはないだろうと思うと、感慨深いものがあるこの日の88ムートンでした。
【91】