2004年7月

日時 2004/7/31
銘柄 ルイロデレール・ブリュット・プルミエ
産地 仏>シャンパーニュ
購入店 みちのく岩手のワイン屋竹澤
価格 3380円
感想 ここのところすっかり1週間に一度の更新ペースになってしまったが、更新しようにも実際に週1本ペースでしかワインを飲んでいないのだからどうしようもない。(平日はビール。)ワイン会への参加も今年に入ってすっかりご無沙汰で、私のワインライフも一見すっかり落ち着いてしまったかのように見えるが、どっこいその裏で怒涛の02ブル購入を続けているので、ワイン関連の出費自体は全く削減されていないのがツライところ。さて、この日開けたのはクリスタルで有名なルイロデレールのブリュット。このところドメーヌもののシャンパーニュばかり開けていて、それはそれで面白いのだが、その反動もあってか、たまにはオーソドックスなものを飲んでみたくもなる。グラスに注ぐといつもながら豊かで細かな気泡に目を奪われる。いいですねえ、ヤッパリシャンバーニュは。(この点、安価なカヴァやヴァンムスーは相当よく出来たものでも気泡が粗い。)香りはかんきつ類やリンゴ、カリンなどの果実にでしゃばりすぎないイースト香がアクセントをあたえている。味わいも素直なもので、果実と酸のバランス、炭酸の利き具合などが実に自然で、味わいの中盤から後半にかけては適度にコクもあり、万人に好まれそうな安定感のある味わい。温度が上がると蜜っぽさが増してくるが、決して破綻しないバランスのよさを称えたい。私はメジャーどころのNVものでは、この銘柄とか、ドラモットとか、ポルロジェあたりが好みだ。あと、この銘柄、なんといってもラベルが格好いいですよね。シャンパーニュは、これぐらい押し出しがあって華やかなでなくちゃ。【88】ちなみにこのボトル、含み香にややコルク臭が感じられたが、まあご愛嬌で済むレベルだったのが救い。
日時 2004/7/25
銘柄 クレマン・ド・ロワール“モンムソー”
産地 仏>ロワール
購入店 タカムラ
価格 1200円(共同購入)
感想

この銘柄、なんでも「ANAのファーストクラスで出される」スパークリングだそうです。そんな謳い文句に釣られて共同購入に参加(3本購入)してる私もミーハーだなあと思いますが、これ位の価格でそれなりに美味しい泡ものに出会えると、我が家の夏場のビール比率も少しは下がるかもしれません。
グラスに注ぐと、5気圧のシャンパーニュに慣れてしまっている(こちらは3気圧)せいもあるのかもしれませんが、泡はおだやかで少し物足りない感じです。色調はやや黄緑がかかった中程度のイエロー。香りはカリンやグレープフルーツなどのさわやかな果実香に加えて白い花のミツやシャンピニオンっぽいファクターもあります。口に含むと、結構甘く、ジューシーで、味わいの後半には苦味も加わります。炭酸の勢いがイマイチなこともあって、ややキレが乏しい気がしますが、よく冷やして飲めば、お酒を飲みつけない方でも美味しいというような味になるのではないでしょうか。到着当日にさっそくあけてしまったこともあり、若干暴れていた印象もありますが、1200円という価格を思えばまあ十分でしょう。
ちなみに、「ファーストクラスで採用」というのは、「ファーストクラスのウエルカムドリンク」で出されているというのが真相のようです。ファーストクラスなどには乗ったこともない私ですが、そういえば、どこぞのエアーのビジネスクラスで飲んだスパークリングもこんな味わいでした。
【84】

日時 2004/7/19
銘柄 J・ラサール・プレファレンス・ブリュット
産地 仏>シャンパーニュ
購入店 ウメムラワインセラー
価格 3380円
感想

暑い日が続きますね。こう暑いと平日はビールですませてしまいがちですが、一日中家でのんびりした休日の晩ぐらいはと、久しぶりにシャンパーニュを開けてみました。輝きのある黄金色の色調で、気泡は豊かというより、激しいという位の勢い。香りはリンゴやカリン、トースト、バターなど爽やかというよりはコッテリ系を予期させるものです。口に含むと案の定コクがあって、熟成感のある重厚な味わい。こういう味わいを好む向きも多そうですが、個人的には蜜のような果実味にややシツコさを感じてしまいます。ということで、冷蔵庫で30分ほど冷やしたら締まりが出てきて飲みやすくなりました。あまり好みの銘柄ではなかったけれども、夏場の休日に泡モノを、それもまだ日の沈む前からいただくのはゴージャスな気分になって、たまにはいいですね。
【87】

日時 2004/7/17
銘柄 信濃屋の有料試飲。それにしても、自分はつくづくビョーキだなあと思う。今回のアイテムはジョルジュ・ルーミエの村名シャンボールミュジニーとボンヌマールの飲み比べなのだが、私がRWG誌のテイスティングでミュジニー以外の全銘柄をテイスティングさせたもらったのはほんの数ヶ月前のことである。それでもこうして近所でルーミエを試飲できるチャンスがあると聞くと、ついのこのこ出かけてしまう。クソ暑かろうが、同一銘柄だろうが、有料だろうがである。
なお、今回は夕刻に行ったので、試飲したボトルは抜栓後5時間程度経過している。それとグラスがINAOのテイスティンググラスでなくリーデルグラスであることがRWGのテイスティングと大きく異なった点だ。

シャンボールミュジニー01 (ジョルジュ・ルーミエ)

輝きのある濃いルビーでエッジはピンクの色調。カシス、ダークチェリーなどの果実、オレンジの皮、紅茶、ミネラル、回すと中国系のスパイス。味わいは甘く旨み感たっぷりの果実味があり、酸がしっかりとそれを支える。後半にやや乾いたタンニンが目立つが、それは時間が解決してくれそうだ。トータルとしては(例年のことながら)ケチのつけようがないほどよくまとまっていて、村名としては非常にレベルが高いと感心させられることしきり。 デュガやルジェ、ヴォギュエなど、比肩しうると思われる生産者の村名はすでに1万円近いプライスがついていることを思うと、ルーミエのこの村名は実にCPが高いのではなかろうか。(って、他の銘柄が異常だという話もあるが‥)【90】

ボンヌ・マール01(ジョルジュ・ルーミエ)


前述の村名とそれほど見分けのつかない色調。香りはより凝縮感があって果実香も黒系を強く感じる。カシス、ブラックチェリー、ミネラル、紅茶、それに質のよさそうなオーク。 村名シャンボールミュジニーと比べると、ボンヌマールは香り自体の厚みというか、クルマでいうところのトルク感が一回り違うような印象。味わいはテクスチャーが極めてなめらかで、力任せなところはなく、果実の厚みがあるため、相対的に酸もより角がとれて丸く感じる。フィニッシュにかけてやや収斂性と苦み。そして特筆すべき余韻と含み香の豊かさ。村名を激賞したばかりでこう書くのもなんだが、さすがにグランクリュは果実の厚みや密度感、各要素の質感などが1ランク上。といっても、1ランクというところがミソで、本来ならプリミエクリュを間に挟んで2ランクでなければならないはずだが、そこまでの差は感じられなかった。もちろんこのボンヌマールがよくないという意味ではなく、村名がよく出来ているという意味でだが。ちなみにボンヌマールの市場価格は2万円前後と村名の約3倍。ボンヌマールを1本買うか、村名を3本買うか、悩ましい選択だ。え?私だったら?両方買っちゃいます。(^^;【92】

いやいや、ルーミエはやっぱりイイですね。試飲終了後、帰り道のサミットで買い物をしたりしながらのんびり歩いて帰ったのだけど、その約30分ぐらいの間中ずっと、口の中にずっと心地よい旨み感が反芻していた。
日時 2004/7/10
銘柄 ヴォーヌロマネ・レ・バロー99(アンヌ・グロ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 小田急ハルク
価格 4200円
感想

小田急ハルクの閉店3割引セールで購入した畑名つきヴォーヌロマネ。99年のAグロについては幸いな事にこのほかクロヴージョやリシュブールもリーズナブルな価格で購入出来たのだが、02年については未だリシュブールを確保できず。見かけたとしても3万を超える価格ではさすがに及び腰になってしまう。03ボルドープリムールのトンデモ価格に隠れてそれほど話題に上らないが、02ブルの高騰ぶりも結構ツライものがあります。
さて、この99ヴォーヌロマネ。濃いルビーで、リリース直後と比べると全般に鮮やかさが後退して落ち着いた色調になっている。香りは赤と黒の中間位の果実香、オレンジの皮、スパイス、土、遅れてオーク。味わいは酸がジリジリと強めでひとつ間違うと「スッパイワイン」という一言で片付けられかねないキワドさがあるが、ギリギリのところでクリーンな果実味とのバランスがとれており、豊富なタンニンも酒躯の中に溶け込んでいて飲みづらさはない。翌日の方がバランスがとれた感があったので、今飲むのなら少し早めに抜栓したほうがよいかも。購入価格を思えばむろん不満はないのだが、たとえばこのボトルを飲んで、(娘のビンテージということで買いあさっている)02年の同銘柄をまとめ買いしようというような気持ちは残念ながら沸いて来なかった。贔屓の作り手の一人ということで、私の飲む前の期待が大き過ぎたのかもしれないが、クロヴジョあたりのすばらしさを思うと、もう1ランク上を期待したくなってしまう。今回は安く買えたとはいえ、市場価格は全般に高めだし。
【88】

日時 2004/7/3
銘柄 クロ・ヴジョ89(ジョルジュ・ミュニュレ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ワインビッド
価格 70ドル
感想

昨年の10月から11月にかけてワインビッドで「安古ブル」ばかり1ケースほど落札したことは前にも書いた。「安古」の名の通り、ほとんどが30ドル前後までのボトルだったのだが、中には今回開けるミュニュレのようなそこそこ高額なボトルも含まれていて、それらは最後の楽しみにとってある。(ちなみにこの時落札したものはこのボトルを含めて残りあと4本。)コンディションもわりと良好なものが多かったため、なかなか割の良い買い物だったと思っているのだが、さて、この89クロ・ヴジョはどんなもんだろうか?
コルクがやや沈んでいるものの、噴きこぼれは無く、抜栓してみると、コルクはほどよく湿って重たくなっている。グラスに注ぐとパァッと華やかな香りがあふれてきて、状態に大きな問題のないことを確信させてくれた。濃厚なルビーでエッジは綺麗なオレンジ色。香りはカシスやブラックチェリー、甘草、バニラ、湿った黒土、枯葉など、実に心地よいもので、時間とともにジビエや黒胡椒のニュアンスが加わる。味わいはたっぷりした豊かな酒躯にややクリーミーなニュアンスが加わり、チャーミングな酸がそれらを支えて、口の中でバランスのよい広がりがある。 後半にややタンニンがギスギスと感じられるのが珠にキズなれど、トータルの印象はほぼ期待値どおりと言ってよいレベルだった。茶箪笥で埃をかぶっているリーデルのソムリエシリーズのグラスを引っ張り出してきて使おうという気分にさせてくれたピノはそういえば久しぶりだ。【93】