日時 |
2004/6/19 |
|
伊勢丹のセールの帰りに久しぶりに東急の有料試飲カウンターに立ち寄り。 |
銘柄 |
クロ・ヴージョ・グランモーペルチュイ02
(アンヌ・グロ) |
感想 |
この銘柄については毎年どこかで飲んでいるが、99年はすばらしかったものの、00、01年あたりは「まあまあ」という線にとどまっていたという印象がある。では02年はどうか。結論を先に言えば、99年並みかあるいはそれ以上にイイです。グラスに注がれた色調からしてすばらしい。濃厚でありながら透明感を失わない、美しいルビーでまだ瑞々しい紫色のエッジ。香りは相当にスバイシーで、黒というよりはむしろ赤系寄りの果実香、スミレ、それに初期的な赤身肉などが主体。今はともかく、時間とともにすばらしい芳香に成長しそうな、そんな初期的な香りだ。味わいは濃縮感がありながらも、透明でクリーンな果実味が実に心地よく、もちろんタンニンはまだ手ごわいが質感が高いため飲みづらいといようようなことはなく、しっかりした酸が後半の表情をひときわ豊かにしている。華美にならない絶妙なオークのかけ具合など、モダンさを失わない中にも、クラシックなすばらしいピノノワールに仕上がっている。例年に比べてずいぶん値段もあがってしまったけど、ズバリ「買い」でしょう。
【92】
|
|
|
銘柄 |
ジュブレイ・シャンベルタン02
(クロード・デュガ) |
感想 |
今やもっとも高価な村名となったクロード・デュガのジュブレイシャンベルタン。かっては5000円前後で買えたのに、と試飲も溜息混じりになる。一緒に飲んだアンヌ・グロよりもさらに濃いルビーの色調。香りがまた凄くて、猛烈に凝縮した銘柄にたまに感じる揮発性のセメダインやシンナーのようなニュアンスがトップノーズにあり、その後からカシス、ブラックベリー、オレンジピール、ミネラルなどが続いて出てくる。味わいは全般にやや乾いたタンニンが感じられるものの、この作り手特有のジューシーで充実した果実がそれを補ってあまりあり、伸びやかな酸がそれを支えて、今でもすでに美味しく飲めてしまうバランスのよさがある。ただ、この作り手に関して言えば、02年が際立って印象深いかというと、00年や01年も十分すぎるほどのレベルだったので、まあ例年通りプラスアルファ、というところかな、という気もする。値段も値段ですしねぇ。【90+】
|
|
|
銘柄 |
ジュブレイ・シャンベルタン・クール・ド・ロワ02
(ベルナール・デュガ・ピィ) |
感想 |
ベルナール・デュガ・ピィ。クロードの従兄弟ということを差し置いても、最近はむしろこの作り手の方がマニアの熱狂度は高いのではあるまいか。個人的にもセラーに揃えたいと思っている作り手の一人だ。(ただしプライスと入手難が‥)底が見えないほど濃いルビー。閉じ気味な中にも、ブラックベリーやカシスに加えてモワッとくる葉巻や甘草などのニュアンス。味わいは一にも二にも果実味の分厚さと凝縮感がすばらしく、酸やタンニンも豊かなのだが、あまりにも豊かな果実味が他の要素をマスキングしているかのような印象を受ける。一応村名だが、世間の扱いは村名を超えたレベルとの認識で一致しているし、実際Aグロのクロヴジョと並べて飲んでもほとんどひけをとらない存在感がある。ちなみに私の印象では、アタックの力強さや果実の充実度ではA・グロよりこちらの方が上。ただ、やはり中盤から後半にかけてのバランスとか、余韻の美しさとか、そういう部分ではクロヴジョの方にグランクリュのグランクリュたる所以を感じるのだけれども。(比べること自体がナンセンスということは十分理解した上での話。)ちなみにこのデュガピィの東急の価格は奇しくもAグロのクロヴジョと同じ15kだとか。ちょっと前に比べるとまさに「倍」ですなぁ。
【91】
|
|
まあしかし、なんですね。02のブルはやはり良さそうですね。
グロフィエやルイ・ラトゥールの試飲でやや「?」を感じたのですが、この3本はその疑念を晴らしてくれるのに十分な内容でした。 |