2004年5月

日時 2004/5/30
銘柄 フランソワ・スコンデ・ブリュット
産地 仏>シャンパーニュ
購入店 ウメムラワインセラー
価格 3780円
感想 まだ5月だというのに、週末のこの日は日中30度を超える真夏日。最初は赤を飲もうと思っていた私だが、誘惑に負けてまた泡を開けることに。麦わら色がかった濃いめのイエローで、気泡は非常に力強い。香りは黄桃やリンゴ、軽く焼いたトーストや黄色い花、それにやや熟成したニュアンスも感じる。飲んでみるとコッテリ系で厚みがあり、酸はしっかりあって、後半にかけて蜜のような甘みが出てくる。フィニッシュは苦味が加わってやや煩雑な印象。力強くグラマラスな味わいのシャンパーニュだが、正直あまり好きでない方向。もっと繊細でフレッシュなものが個人的には好みです。
【87】
日時 2004/5/27
銘柄 エリザベート・アヴリル・ブリュット
産地 仏>シャンパーニュ
購入店 ウメムラワインセラー
価格 3480円
感想

ワインと料理の相性、いわゆる「マリアージュ」についてはかなり無頓着な私だが、それでも日常の和食系の夕食の相方にコッテリしたシャルドネや濃厚な赤は敬遠したくなるし、家で飲むときは一本のボトルを2〜3日に亘って飲むので、初日はよくても翌日はどうにもあわなかったりと、結構悩ましい場面にも出会う。 その点、泡物は守備範囲が広くて、翌日の保存性も(シャンパンストッパーさえしていれば)意外なほど良好なので重宝する存在だ。最近はRM(レコルタンマニュピュラン)ものが出回っているおかげで3千円くらいのレンジでチョイスの幅も広がり、我が家でもこれから夏場に向かって、泡ものの割合がぐんと増えていきそうな勢いである。ということで、今日のエリザベートアヴリル。第一印象、「甘い」。甘いといっても、出来のよくない泡ものにありがちな、フィニッシュにしつこく残る甘みでなく、健全な果実味の凝縮感による好ましいもの。細かな泡と豊かな酸が味わいを引き締め、白い花やイースト、カリンなどの香りも豊かで、コストパフォーマンスに優れた華やかなシャンパーニュという印象。3千円台前半の価格は頑張っている方だと思うが、欲を言えばこの位の銘柄が2千円台でいろいろ選べると、我々の食卓にとってもっと身近になりそうなものなんだけど…。あと、この銘柄、もう一点難を言うと、どうにも垢抜けないラベルは改善の余地ありではないかと(^^;。
【89】

日時 2004/5/21
  コルトンシャルルマーニュ93(ジャン・クロード・ペラン)
 

信濃屋の有料試飲。相変わらず子供を中心に物事が回っている我が家では、週末といってもなかなかひとりでワイン会とかワイン屋巡りとかをできる状況にはなりにくい。そんな中、唯一近所の信濃屋で行われる試飲だけが土日の楽しみになっている。
この日は↓のワインが目当てだったのだが、結論から言うと、こちらのコルトンシャルルマーニュの方が数段印象がよかった。ミネラルやナッツに加えて、キノコや麝香を思わせるような心地よい熟成香。味わいはミネラリーかつナッティで厚みがあり、酸もしっかり。私が思い抱いているコルトンシャルルマーニュのイメージ通りのワイン。93年のブル白は一般に評価の低い年だが、不作年ゆえ熟成も早のかもしれない。とにかく、今飲んで美味しいという意味で↓とは対照的な銘柄。ちなみにラベルの写真がなにやら不自然だが、実はこれはワインクーラーでボトル本体はその中。水に濡れてラベルがはがれてしまったので、ワインクーラーに貼ったということらしい。(^^; グラス700円。【92】

   
銘柄 クロ・ド・タール97
産地

ネゴシアンのモメサンが所有する由緒正しき単独畑がこのクロ・ド・タール。ソムリエ試験では必須の項目だが、実力に関してはマニアの間では「ダメグランクリュ」のひとつとして名を挙げられることもあるようだ。とはいえ、個人的にはわりと良い思い出のある銘柄だし、このところ名声を取り戻しつつあるとも聞いている。早飲み向きといわれ、近年評価を上げている97ビンテージでもあればと、それなりに期待をして臨んだ。
色調は濃いめだが、すごく濃いというほどでもないルビー。カシスやラズベリー、オレンジの皮などの赤と黒の中間的な果実香、ミネラル、紅茶、それにかすかにジビエのニュアンスがアクセントを添える。味わいはクラシックなピノノワールというべきものなのだが、肉付きにやや乏しく、皮膜のように全体を覆うタンニンとフィニッシュに強めに出る酸、それに比べて引っ込みがちな果実味がまるで不協和音を奏でるかのようで、今はかなり厳しい表情しかみせてくれない。おそらくもうしばらく寝かせた方がよいのだろうし、この日の印象にしても抜栓後相応の時間が経ったものであればまた違ったのだろう。ということで、この先化けるときには化けそうだが、反面その時期的な「スイートスポット」は狭そうでもある。とりあえずこれを飲んで、我が家に寝かせている95年はあと5年は待とうと思った。
【88】

日時 2004/5/20
銘柄 ジブリー・クロ・デュ・セリエ・オー・モワンヌ2002
(ドメーヌ・ジョブロ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 尾張一宮河野酒店/ラック
価格 2950円
感想 初の02ブル赤に挑戦。ジョブロはコートシャロネーズ地区のバリュー銘柄として名高い作り手。色は濃いルビーでエッジは紫色。香りはまだ初期的な、乾いたスパイスや燻製肉のような香りが中心だが、時間とともに、スミレやカシスなどの健全なアロマが開いてくる。口に含むと、濃縮感のある果実味のアタック。酸がややピリピリとしているのと、抽出が強めなのかフィニッシュにかなり苦味を感じる点が難点だが、、ふくよかなボディとジャミーで甘い果実味はフランスというより新世界のピノを彷彿とさせる。当たり年といわれる02年だが、実のところこのつくり手の過去のビンテージを毎年飲んできたわけでないので、どの程度良いのかよくわからない。(逆説的に言えば、02のジョブロならもっとインパクトがあるものと思っていた。)子供の生まれ年ということもあってとても気になる02のブルだが、ビンテージに関する評価はまだ保留ですね。
【88】
翌日:コンフィチュールっぽい甘い香りに変化。味わいはこなれてやわらかくなったが、やっぱり酸にピリピリ感が残る。う〜ん、なんだろう、このピリピリした感じは?
日時 2004/5/18
  取引先の接待を仰せつかったので、私の独断で会場を麹町「オーグードゥジュール」 に決定、当日は以下の2本のワインを持ち込んだ。 前にも書いたように接待の席にワインを持ち込むというと、なんだか自己犠牲の精神のように も聞こえるが、実態としては自分も楽しんでいるわけだし、職場で最近うるさくチェックされる接待費も安く上がるので個人的にはむしろ歓迎である。もっとも料理は一番安いコースでワインは持ち込みという、店にとってはイヤな客だったのだろうけど。
ちなみに今回は事前に店に預けておく余裕がなく、結局家から新橋のオフィス に持参して、そこからさらに麹町まで運搬となったわけで、残念ながら味わいにもその影響が出ていたように思えた。
銘柄 シュナンブール2000 (マルセル・ダイス)
産地 仏>アルザス
購入店 NOISY原酒店/12800円
品種名をラベルに表記するのが通常のアルザスにおいて、極めて異例とも言える、数種類の葡萄の混醸により畑名のみを記載するグランクリュ銘柄。。作り手のマルセル・ダイスはアルザスの革命児として、以前ワイナート誌でも大々的に取り上げられていた。 かなり濃厚なイエローでかすかに黄緑がかっている。香りは非常に クリーンなイメージのグレープフルーツやミネラル、アカシア、フルーツ ケーキなどの香り。 口に含むとまずその「甘さ」にに驚く。凝縮された果実由来の甘さで、 イヤミではないが、コースの魚料理にあわせるには、ややキツイ面なきにしもあらず。ボディは厚くふくよかだが、酸にやや神経質さを感じたのは、当日運搬のハンデ だろうか? いずれにしてもその名声からするとちょっと本来の実力ではなかったのかな、と思わせるボトル。(劣化という意味ではなく、当日持込みという意味で。) ちなみにラベルは掛け値なしに素敵です。
【90?】
 
銘柄 Ch.クリネ93
産地 仏>ボルドー
購入店 信濃屋/9800円
感想 2000年の6月に信濃屋の試飲で93クリネを飲んだのだが、そのときのあまりのすばらしさに感動して後日買いこんだのがこのボトル。しかし、今回は「夢よもう一度」とはいかなかったようで。 色調はオレンジがかなり入ったガーネット。香りはスーボワや土っぽさが かなり前面に出ていて以前飲んだものに比べるとだいぶ熟成を感じる。 決定的に違ったのが味わい。果実の凝縮度にやや乏しく、そのわりに 酸が目立ち、フィニッシュにはタンニンが支配的になる、どうにもバランス の悪い感じなのである。 以前飲んだときから4年で急激に下ったとはあまり思えないので、ボトル差か、もしくは当日運搬によるものせいだったのかもしれない。 香りはすばらしかったんですけどねぇ。
【89?】
日時 2004/5/15
銘柄 ピュリニーモンラッシェ・レ・シャン・ガン89
(ルモワスネ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ウメムラワインセラー/AMZ
価格 7980円
感想 夕食にボンゴレビアンコを作ろうと、アサリを買ってきたはいいが、いざ白ワインで蒸す段になって冷蔵庫にあると思っていた残り物の白のボトルがないことに気が付いた。そんじゃまあ、ということでセラーから取り出してきたのがこのルモワスネ。89のシャンガンでアサリの白ワイン蒸しとはなんだがヤケになっている感じだが、早晩開けようと思っていたボトルだし、飲むためだけに開けたとしてもどのみちひとりでは余らせてしまうので、料理に使っても蛮行に及んでいるという思いはない。(←負け惜しみとも言う)
で、ボンゴレの出来具合の方は置いておいて、肝心のワインの方はといえば…。
輝きのある色調の黄金色がかったイエロー。香りは当初閉じこもっていたが、時間とともに桃の缶詰や白い花、ミネラル、ヘーゼルナッツ、カモンベールチーズなどの要素が出てくる。しかし、熟成したワインにありがちなキノコのようなニュアンスはなく、どこまでもクリーンな香りだ。口に含むと、それほど酒肉は厚くはないし、濃縮感が際立つわけではないが、クリーミーでナッツのようなニュアンスもあり、伸びやかな酸とあいまって、実に上品なシャルドネに仕上がっている。カモンベールのような風味を感じさせる甘く調和のとれたフィニッシュなどからはそれなりに年輪を感じっせるものの、全般にはあまり古い白ということを意識させない味わい。
それにしても、ルモワスネの蔵出しオールドビンテージはときどき驚くほど若々しいものに出会うが、このシャンガンもまさにその部類。一説にはセラーの温度が相当低めにキープされていて、そのため熟成も遅いのだという話があるが、本当のところはどうなんでしょうね。
【88】
日時 2004/5/14
銘柄 マディラン・シャトー・ブースカッセV.V96
(アラン・ブリュモン)
産地 仏>南西地方>マディラン
購入店 ファインワインクラブ/アルカン
価格 失念
感想

実家のサイレントカーブの中を整理していて見つけ出したボトル。何本かまとめて購入したものだが、記録をみると3年ほど前に一度飲んでいた。ラベルに無残な二本の筋が見えるが、これは噴いたものではなく、何かの拍子に汚してしまったもの。アランブリュモンのマディランといえば、「モンテュス」が有名だが、モンテュスが砂利質の土壌から出来るブドウを使用しているのに対して、このブースカッセは粘土石灰質の土壌だとか。安価なワインとはいえ、家のセラーで静かに3年寝かされていたこともあり、結構期待して開けたのだが…。
…ブショネ、でしょうか。 う〜む悩ましいところ。プラムやカシスなどの果実、腐葉土、動物的な香り、スパイスなどにまじって、なんともコルキーなニュアンスを感じる。口に含むと酸が高めで果実味もしっかりしているのだが、口中の含み香にもかなりコルクっぽい臭いが…。これがボルドーやブルゴーニュならブショネと判断するところなんだけど、拙コラムの「ブショネ香」で書いたように、粘土質土壌でできたある種のワインに私はまれにこのようなコルキーな臭いを感じることがある。96年のマディランということでもあるし…。実際、ブショネのワインにありがちな「つまったような感じ」がなく、きれいに香りが発散しているし、気にしなければ気にならないレベルであるし…。なんてことを考えながら飲んでいたら、いつのまにかボトル半分以上開けてしまっていた。
【84?】
追記:2日後に飲んでみると、香り全体がすっかり弱くなっている中で、コルク臭だけがやたらと健在。ということで、エラソーなこと書きましたが、やっぱりこのボトル、ブショネだったようで…。(^^;

日時 2004/5/7
銘柄 ロエロ・アルネイス‘レチット’
(モンキエロ カルボーネ) 
産地 イタリア>ピエモンテ
購入店 オステリア・ウーヴァ・ラーラにて
価格 850円(グラス)
感想 GWの5連休もあっというまに終わってしまったが、2日出社すればもう週末ということで気分は楽だ。週末のこの日はかっての同僚たちと新宿のルミネ7F「オステリア・ウーヴァ・ラーラ」で旧交を温めた。この店、最近改装されたとかで、駅の真上というロケーションを感じさせない落ち着いた雰囲気はなかなかの穴場です。ワインは数種類あるグラスワインの中から「抜栓してから一番時間の経っていないものを。」というイヤミな注文の仕方をしたのだが、それで出てきた銘柄がこのロエロ・アルネイスだった。(※なぜこんな注文の仕方をしたかといえば、入店した際カウンターにコルク栓がささった中身の少ないボトルたちが無造作に並べられていて、おそらくほとんどのアイテムが前日かもしくはそれ以前の抜栓と思われたからだ。)ロエロ・アルネイスはピエモンテ州のDOC。ちなみにアルネイス種は品種の名前、ロエロはこの地区の名称である。作り手のモノキエロ・カルボーネはこの地区で実力派として知られており、オーナーはエノロゴとしても著名。なお、レチット(Recit)というのはラベルの鳥の名前のことらしい。 黄桃などの果実やフローラルな香りが中心の複雑ではないが心地よい香り。味わいはふくよかな果実を心地よい酸味が支えるクセのない素直なもの。正直さほど自己主張のあるタイプのワインではないし、単体でテイスティングしてもそれほど印象に残ることはなさそうな味わいだが、イタめしにはこの手の白ワインがよく合うから不思議だ。
【83】
日時 2004/5/4
銘柄 プイイフュッセ・オ・メテルティエール2000
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 銀座屋酒店
価格 3600円
感想 ワインの状態についてはいろいろなところで話したり書いたりしているけれども、「1+1=2」的にいかないもどかしさを常に感じている。例えばこのコーディエ。初日からやや酸化した雰囲気があり、酸がかなり緩めなことも手伝って、2日目にはビニールのようなニュアンスが強くなってかなり残念な味わいになってしまった。劣化というほどではないものの状態が万全ではなかった。そう片付けてしまうのは簡単だが、このボトルは、2月に開けたこのボトルと一緒に購入したもの。生産者も同じなら輸入元も購入店も同じ(しかも購入店については信頼しているところのひとつ)なのにこの極端な差はどうしたものか?まったくもって悩ましいことです…。状態のことを抜きにすれば、果実味の充実感とか、非凡なものは感じるんですけどねぇ。【?】
日時 2004/5/3
銘柄 ムルソー99(コント・ラフォン)
感想

子供の熱はだいぶ下がってきたが、まだ微熱がある感じなので、外に連れ出すわけにはいかない。ということで、この日も食材を買いにいくついでにしつこく信濃屋の有料試飲に立ち寄ってみた。
前日前々日はコシュデュリだったが、この日のアイテムはコント・ラフォンのムルソー。ただ、コント・ラフォンの場合、村名にしても畑名(クロドラバールとかデジレとか…)のつかないただのムルソーというのは、なんだか「廉価版」というイメージがあって、あまり食指が動かない。では本当の実力はいかがなものか。畑名つきより大きく劣るものなのか、それとも大して違わないのか。有料試飲の場は、そういうことを確かめられるので有益です。
濃いめのイエローで、やや黄緑が残る程度。香りは柑橘類や白い花のあと、ハチミツや氷砂糖のような独特の甘いニュアンスが出てくる。口に含んだ第一印象は「甘い」。もちろん甘口ワインではないので、熟した果実やアルコールから来る甘さが主体なんだろうけど、アタックではかなりこの甘みの突出感がある。もっとも酸は酸でしっかりとあって溌剌としており、コシュデュリのそれより現時点ではエッジが厳しい印象。1級など上位銘柄のようなグラマラスな酒躯はさすがにないが、ミネラリーで活き活きとした味わいはさすがで、一般の村名と同列に語られるレベルではないのは確かだ。今回は水平試飲をしたわけではないのでエラソーなことは言えないが、イメージ的にはクロドラバールよりは一段劣るが、デジレあたりとはほとんど変わらない、そんなレベルではあるまいか。張り詰めた酸が緩むまで少し寝かせれば、さらに良好な味わいを期待できるだろう。【89】

日時 2004/5/2
  ムルソー99(コシュデュリ)
  二日連続で信濃屋の有料試飲。濃いめのイエローでかすかに黄緑がかっている。トップノーズに特徴的なシャンピニオンやバニラの入り混じった香りがあり、その奥にレモンやグレープフルーツ、ミネラルなどが閉じこもっているのは前日飲んだ2000年と一緒。アタックの心地よい広がりはおそらく2000年より上をいく感じで、豊かな酸に支えられた、オーキーでクリーミーなテクスチャーは相変わらずさすがと感じさせる。中盤以降がやや先細りになってしまうのと、オークに由来すると思われるタンニンがフィニッシュにかけての心地よさをスポイルしているなど、2000年より劣る面もあるが、総合的にはほぼ同レベルか、もしくはこちらの方がやや上か。いずれにしても優劣以前にどちらもコシュデュリ節が前面に出たすばらしいシャルドネであることは疑いない。…がしかし!。店頭に書いてあった23400円という価格は論外でしょ。それだけ出すなら、ソゼのバタールやルフレーヴのシュバリエ・モンラッシェ買いますがな。【91】
   
銘柄 ガイア・ド・ロクサレル2002
産地

ガイアといっても、イタリアのGAJAとは関係ないらしい。こちらはスペインはペネデス産のソーヴィヨンブラウン。ラベルがなんとなくイタリアっぽくてまぎらわしい。なお、このボトルは有料試飲ではなく、無料で試飲できるアイテムだったのだが、「たまたま」私がいるときに新しいボトルに入れ替えられていたので、ためしに飲んでみた。
かなり濃い色調のイエローだが、まだ新しいためか全般にグリーンがかっている。香りは独特で、ハーブ、メロン、シトラス、ライチなど。口に含むと密度感のある厚みのある酒質が面白いが、いかんせん酸が相対的に緩めでのっぺりとした印象。ソーヴィニヨンブランの基準としてはあまりよろしくないボトルかもしれないが、これはこれで独特の個性があって面白いと思った。なにはともあれ、ボトル1本がコシュデュリ1杯(30cc)の試飲より安い(1100円)という現実にはいろいろと考えさせられるものがある。
【83】

日時 2004/5/1
 

世はGWだが、我が家は元々予定が無かったことに加えて、上の子が風邪で発熱。休みだというのにほとんど身の自由が利かない日々となってしまった。 そんな中でなんとか小一時間ほどの「自由時間」を作って行ってみたのが近所の信濃屋の有料試飲。最近以前ほどの勢いを感じない信濃屋のワイン館だが、なんのかんの言っても近所にこういうショップがあるのはありがたいことです。

銘柄 コルトンシャルルマーニュ2001
(ブリューノクレール)
感想 あまり見かけないブリューノ・クレールのコルトンシャルルマーニュ。ハーブやライチ、シトラス、白い花などの若々しい香りに加えて強烈なミネラル香。味わいは意外にスリムで、上品な透き通った酸により、酒質は縦方向に広がるイメージ。まるで良質なソーヴィニヨンブランを思わせるような、爽やかで清楚な柑橘系主体の味わいで、それでいてきっちりとした構造があり、オークが決してでしゃばらないところや味わいの印象がボッテリとしていないところが素敵。これがきっと時間の経過と共に妖艶に変貌してゆくのだろうが、今の時点では、同時に飲んだコシュデュリのような知名度と味わいの「判り易さ」がないところが販売上の悩ましさかもしれない。一杯800円。
【92】
 
銘柄 ムルソー2000(コシュデュリ)
感想 やや黄緑がかった濃いめのイエロー。注ぎたては還元的な状態でやや「臭い」ニュアンスがあるが、グラスを回すと消えてゆく。バニラ、シャンピニオン、ミネラル、その奥から熟した青リンゴなどやレモンなどの柑橘系の果実。味わいはクリーミーで艶やかな一方で、ピンと張ったような酸が液体に緊張感をもtらしている。若いコシュデュリを飲むといつも、ひとつ間違えば下品になりそうな強いオークと特徴的な青リンゴやレモンのような果実との絶妙な取り合わせに感心する。別の飲み物に例えるとレモネードですかね。(ちなみにコーヒー牛乳はシュバルブラン。)一杯1200円。
【91】
 
銘柄 ジュブレイシャンベルタン2002
(ラ・ジブリオット)
感想

クロード・デュガの子供たちがはじめた話題になったネゴシアン。実はこのボトルは前日の試飲アイテムの残りということで、グラスも200円という破格?のプライスだった。
中程度のルビーの色調。ラズベリーやダークチェリーのジャムっぽい果実や紅茶などの比較的シンプルな香り。味わいはとりたてて凝縮感があるとか果実の鮮度が高いとかいうわけではないが(その意味でクロードデュガのイメージを期待すると裏切られる)抽出の具合がちょうどよく、酸もクリーンで、中庸を得た心地よい味わいではある。 わりとベタッとした果実がよくも悪くも印象的。1日経過しているので、これが実力かはなんとも言えないがまあ参考程度にということで…。【87?】