ようやく春めいてきましたね。公私ともどもいろいろと建てこんでいる我が家だけれども、まあ日曜日ぐらいは良いワインを開けようと思って89フィジャックをチョイス。ちなみにこのボトル、やけに購入価格が安いと思われるかもしれないが、リリース直後に買ったものではなくて、わりと最近(といっても2〜3年前だが)の東急本店の4〜6割引きセールの時に購入したものだったりする。
濃い目のガーネットで、エッジにははっきりとオレンジの色調。ブラックベリーやカシスなどのリキュール的な香り、丁子や甘草などのスパイス、土、それに木質的な香り。抜栓直後の味わいはは思いのほか厳しく、痩せぎすの酒躯と全般にどうにもタニックなのに閉口した。
ところがこれで終わらないところがさすがというべきで、食事も終わってひと風呂浴びて、3時間ぐらい経過したころにもう一度飲んでみると、まず香りからしてバラや香水のような心地よいニュアンスが加わり、味わいもプラムっぽいフレーバーが増しクリーミーでやわらかなテクスチャーに変化、フィジャックらしいしなやかでエレガントな味わいを楽しませてくれた。侮りがたしフィジャック、というところか。かなりスロースターターなのが玉にキズだけれども。
【90】
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