2004年4月

日時 2004/4/30
銘柄 テヌータ・デ・トリノーロ98
産地 伊>トスカーナ
購入店 ヴァンシュールヴァン
価格 14000円位
感想 気がつけばもう4月も終わり。2004年も三分の一を過ぎたことになる。仕事も家の事も相変わらずバタついているが、なにはともあれ明日から5連休。ひと区切りにという意味合いも込めて、気合の入ったワインを開けてみた。99年がワイナート誌で最高点を獲得して一気に市場から姿を消し、2000年2001年は2万円以上のプライスがつくなど、最近はすっかり高嶺の花になってしまったテヌータデトリノーロ。しかしファーストリリースの97年、そしてこの98年あたりはまだ比較的容易に入手できるし、価格も1万5千円以下に留まっている。(といっても庶民には十分すぎるほど高額だが。)
濃厚なルビーでエッジはきれいなピンク。香りがすごい。濃縮されたブラックベリーやカシス、花のエッセンスやバニラ、シナモン、バルサムなどがグラスにあふれかえる。味わいはタンニンがまだまだ旺盛。キメは細かく酒質はなめらかだが、果実味がややおとなしめなこともあり、中盤のグリップに物足りなさが残る。1万5千円のワインとしては正直期待値に達しておらず、もっと他の選択肢が浮上してこようが、このモンスター銘柄の黎明期の試行錯誤を知るという点では意味がある1本ともいえる。(…と優等生的にまとめてみる。(^^;)
【90→92】
…と書いたが、このボトル、翌日になると果実味が前面に出てきて、圧倒的によくなった。 一日で飲みきらなくてよかった。(^^;

日時 2004/4/27
銘柄 プイイフュッセ・レ・クレイ2002
(ダニエル・バロー)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ワインショップいとう/ラック
価格 3500円
感想 ibecchiさんの影響もあって、このところ毎年何本か買って飲んでいるダニエルバローだが、02年はたしかにひと味違う。黄色い花やトロピカルフルーツ、ミネラルなどの華やかな香り。口に含むと果実の凝縮感がハンパでなく、トロトロとしたオイリーなテクスチャーが見事。酸は緩くはないが、個人的にはもう少し張りがあったほうが好みだったりする。例年この銘柄をリリースしたてに飲むと、初日は結構酸がキツくて、2日目ぐらいになってようやく飲みやすくなるのだが、このボトルは開けてすぐ満開という感じで美味しく飲めるのが意外だった。ただ、そういう意味では、この年のボトルはあまり長く熟成はしないかもしれない。
【91】

日時 2004/4/26
銘柄 Ch.ポンテカネ2001
産地 仏>ボルドー
購入店 東急/ラック
感想 久々のボルドー。01年の評価はWA誌などでは99年などと同等レベルのようだが、個人的には99年よりもイケてない気がする。
99ビンテージはスケールや凝縮感にはやや欠けるものの、チャーミングにバランスがとれた精妙なワインが結構あったように思うが、01年については酸が突出気味で肉づきに欠けるワインが多かったように思う。
この日飲んだポンテカネは、そんな01年の中では酒肉が厚く、ガ
ッチリした構造があって、印象のよい部類に入る1本だ。黒い果実や中国系のスパイス、それに土っぽさや杉の木のようなニュアンスもあってとても 正統的なボルドー左岸という香り。ややデリカシーに欠けるものの雄雄しい果実味とタンニンが期待値どおりのボルドーを満喫させてくれる味わい。なんとなく垢抜けない印象の強かったポンテカネだが、最近のビンテージはかなりよいのではなかろうか。【90】

日時 2004/4/5
銘柄 マコン・ピエールクロ・ル・シャヴィーニュ99
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 記録なし。一体どこで買ったんだか…(^^; /AMZ
感想 このサイトにも何度となく登場しているギュファン・エナンのマコン・シャヴィーニュだが、この銘柄はやはり早めに飲んだほうがいいようだ。黄緑がかった濃いめのイエロー。黄桃、パイナップル、黄色い花、それにバニラやヨーグルトなどのミルキーなニュアンス。味わいは果実味が充実しているものの、それを支えるべき酸が緩いといいたくなる一歩手前ぐらいのバランスで、リリース当初に感じたような骨格感がかなり後退しているように思う。まだ寝かせておくことはできるだろうし、実際過去にも10年程度熟成したものも飲んだことがあるが、幾星霜を経ることによって壮麗な熟成を遂げるというよりはだんだんと儚げな感じになりそうな感じで、初期のみずみずしい果実味やマッシブな構造を犠牲にするまでのものかというとちょっとどうかと思う。美味しいですけどね。【89】
翌日:初日より味わいにしっかり感が出て好印象になった。抜栓後冷蔵庫に保存していて、温度が低めだったのがよかったのかもしれない。
4日後:あさりの白ワイン蒸しに使ったら、実に美味しく仕上がった。って、それがどこまでこのワインのおかげなのかはわかりませんが…(^^;
日時 2004/4/2
銘柄 ボーヌ・グレーブ‘アンファン・ジェズ’97
(ブシャール・ペール・エフィス)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 ワインビッド
価格 30ドル
感想 「幼子イエス」の名を冠するこの銘柄は、ブシャールの中でも別格的な銘柄であり、ボーヌというAOCを代表する1本でもあると思うのだが、正直私の周囲でこの銘柄を買いあさっているとかこの銘柄(またはこの作り手)に心酔しているという話を聞いたことがない。あまり人気の出ない理由として、そもそもボーヌというAOCのイメージにコート・ド・ニュイのAOCのようなカリスマ感がないこと、ブシャールという作り手(ネゴシアン)がそれほど国内で評判を勝ち得ていないことなどがあろうが、個人的には流通価格がちょっと高すぎやしないかと思う。正価ベースで1万円、実際の流通価格にしても7〜8000円前後からという値段は、ニュイの1級クラスはおろかちょっとした特級並みであり、あまりにライバルが多すぎるように思うのだ。 しかし、このボトルのように30ドルプラスアルファ(手数料や送料で実際は5000円前後か)で入手できるなら、話は全然別。97年とほどよく熟成している頃合でもあり、期待を込めて抜栓してみた。色あいは オーソドックスな色調のガーネット。香りはカシスやブルーベリー、オレンジピール、シナモン、ミネラルなどに加えて、なんというかセメントや漆喰のような独特のニュアンスがある。味わいはふくよかな果実味が心地よく、力任せにならずにそれでいて目の詰まったような酒質が秀逸。うまく言葉にできないのがもどかしいが、あきらかにニュイのワインとは異なる個性があって、さすがはコートドボーヌ地区を代表するワインだと妙に納得した。【91】
関係ないが、左の写真は我が家のバルコニーから見える桜。今週末はまさに満開で夜桜が綺麗だった。