2003年12月

日時 2003/12/31
銘柄 エルベール・ボーフォール・ブリュット98
産地 仏>シャンパーニュ
購入店 信濃屋
価格 失念(3千円台前半)
感想 まだ要領がわからず夫婦でバタバタとしながらも子供二人を風呂に入れ終え、曙VSボブ・サップ戦と年越しそばを肴に飲もうとと思ったのが信濃屋で買っておいたこのシャンパーニュ。ところがそばを茹でている間に曙は早々と1ラウンドKO負け。計算が狂ったが、ともかくも一年間お疲れ様ということで。中程度のイエローで勢いのある豊かな気泡。カリンやちょっと軽めのビスケットなどのあまりみずみずしさはないが落ち着いた香り。口に含むと豊満な味わいで後半の味わいにややしつこさを感じるが、心地よい強めの炭酸が味わいを締めてくれる。やや全般に粗さを感じる味わいだけれども、まあ1年間お疲れ様でした、ということで。(なんのこっちゃ)。
日時 2003/12/31

信濃屋の有料試飲。
大晦日の試飲は昨年もかなりの品揃えだったが、今年もなかなか豪華なラインアップ。 DRCラターシュ99(4800円)を筆頭に、ラ・ロマネ88(1500円)、シュバリエモンラッシェMG80(700円)、モンラッシェMG(1500円、以上ブシャール・ペール・エ・フィス)、クリュッグ・クロ・デュ・メニル90&88(2300円)、Chディケム87(1000円)、ヴィルジーニ・ド・ヴァランドロー99(400円)。
全部試飲すれば値段も含めてちょっとしたワイン会並みになるところだが、子供連れで散歩の合間とあってはさすがにそうたくさんは飲めない。ということで選んだのは以下の銘柄。

感想

シュバリエ・モンラッシェ80(ブシャール・ペール・エ・フィス)

80年のブルというと、赤は時折見かけるが、白はもはやほとんど見ないように思う。「マイケルブロードベントのワイン・ヴィンテージ案内」によれば、80年のブル白のビンテージ評価は★★、WA誌の評点は75C(Cはtoo old or irregular in quality)。我々の購入候補にも挙がらないであろう年だが、名醸畑であるシュバリエの、しかも熟成が遅いといわれるマグナムボトルということであればそれなりに期待もかかる。
色は全般に黄金色がかった、まだまだ元気なイエロー。香りは、ドライなフルーツやヘーゼルナッツ、蜂蜜などに若干シェリーのニュアンスがまざる古酒っぽい雰囲気。味わいは酸がしっかりとしており、中盤に甘みが乗ってきてバランスよく熟成している。樽熟によるものなのか、フィニッシュにかなり渋みを感じる。きれいに熟成しているが、下のモンラッシェを飲んでしまうとちょっと影が薄くなるのは致し方ないですかね。
【89】

モンラッシェ82

同じく82白は、WA誌88C、マイケル・ブロードベント★★〜★★★★。なにはともあれモンラッシェである。色は上記のシュバリエと見分けのつかないような色調だが香りはかなり異なっていて、モワッとキノコのような熟成香の中からカマンベールのようなクリーミーな香りやモカっぽい香りが出てくる。味わいはふくらみがあってシュバリエより2回りぐらい豊満な印象。酸もしっかりしていて、とてもバランスよく熟成している。マグナムボトルということが大きいと思うが、まだ若々しく、すばらしい状態で、時間と共にさらに広がりと張りを増して、口の中で球体のように液体が広がる。有料試飲にもかかわらず、思わずもう1杯おかわりしたくなった。【93】

 

 

ラ・ロマネ88

当日は「ロマネコンティの隣のDRC」ということで、ラターシュを大々的に宣伝していたが、なんのこのラ・ロマネだって、ロマネ・コンティのとなりの畑だ。しかも88年で一杯あたりの価格も結構リーズナルブル。 ということで、あえてラ・ターシュでなくこちらをオーダーしてみた。
かなりオレンジがかった色調。香りはラズベリー系の赤い果実、イチジク、華やかなスパイス、小梅、紅茶、それにスーボワ香がほんのりと出始めている。味わいはやや過熟とすら感じる赤い果実味と酸とのハーモニーが印象的。酒質も十分な厚みがあり、口の中での豊かな表情がグランクリュの風格を示している。ただ、全体を皮膜のように覆うやや乾いたタンニンがまだ十分にこなれているとは言えないので、本当の意味での飲み頃の頂点はもう少し先という感もある。印象的なワインだけれども、立地と希少性と流通価格を思うと、期待したほどではないというのが正直なところ。そういう意味ではこの日のベストは前項の82モンラッシェでしたね。(もちろんこの日飲まなかった他銘柄は別として。)
【91】
日時 2003/12/29
  信濃屋の有料試飲。
感想

ムルソー99(アルベール・グリヴォー)
やや黄緑の残る濃いめのイエロー。香りは柑橘系のさわやかな果実香が主体で、ミネラル、白い花、ほんのりとオークなどが感じられる。味わいは香りから受ける印象よりもオークのフレーバーを強く、バニリーな中にもミネラル感が感じられる心地よいもの。全般にややスリムな構成に感じられたが、これは温度がかなり低めだったのが大きいかも。もう1〜2度温度が上がれば、もっと桃のような香りとかふくよかな果実味が出てきたのではと、ちょっと消化不良の試飲だった。とはいえ一杯400円ですからね、贅沢は言えないけど。【88】

エシェゾー99(DRC)

本日のメインイベントはこちら。実は大晦日に99ラターシュの試飲もあるのだが、1杯4800円と聞いて参加しようかどうしようか迷っている。おそらく実力は疑いないところなのだろうけれども、時期的にガチガチでないかとか…。
それで、前座というわけでもないが、この日行われていたエシェゾーを試飲して決めることにしたのだ。
濃厚なルビーでエッジはややピンク色がかかっている。香りはやや閉じ気味で、ブラックベリーやブラックチェリー、丁子、八角、それにやや還元的なジビエっぽいニュアンス。う〜む、ちょっと眠りに入っている時期かな、という香り。案の定味わいも閉じ気味で、堅くはないのだが、膨大なタンニンが口中を覆う。果実味はよく熟した印象でギュッと凝縮されているし、酸もしなやかな感じなのだけど、現時点ではかなり渋みが前面に感じられる。これはさすがに早飲みの私でも根を上げる長期熟成タイプ。まあ、抜栓後もっと時間が経っていればもっとこなれたのでしょうけど(ちなみにこの日飲んだものは抜栓後1時間経過)、お持ちの方は、じっと我慢が正解でしょうね。
【90】

…ということで99ラ・ターシュはまた別の機会に、ということにしました。
日時 2003/12/27
銘柄 ヴォーヌロマネ98(シャルロパン・パリゾ)
産地 仏>ブルゴーニュ
コメント

世の中はクリスマスだが、我が家はカミサンと子供が実家に帰省中。私はといえば自分の実家に行って鍋などご馳走になってきた。ところが実家へはクルマで往復となるから、アルコールはご法度。翌25日こそはと思っていたら、会社の帰りが遅くなってワインを開るヒマもなし。ということで、結局今年は2日ともワインなしのサビしいクリスマスだったのでした。閑話休題。さて、この日はシャルロパン・パリゾ。このところ私が贔屓にしているブルの作り手は、このパリゾとジョルジュ・ミュニュレ、ロベール・アルヌー、フーリエあたり(ルーミエやルソー、ヴォギュエは挙げるまでもなし。デュジャック、メオカミュゼ、ユベールリニエはやや脱落気味か。ルロア、DRC、両デュガはそもそも縁がない)なのだが、なかでもパリゾには注目している。フィリップ・シャルロパン・パリゾ。名前の響きもイイし、アンリ・ジャイエが絶賛しているという(噂の真偽はともかく)エピソードもイイ。それにダサさと紙一重のシンプルなラベルもとりあえず格好イイ。ということでこの日は98のヴォーヌロマネ。色は濃厚なルビーで、オレンジのニュアンスはほとんど見られない。香りは厚みのある黒い果実のコンフィ、スパイス、深煎りのローストなど、この作り手らしいもの。味わいも、厚みのある果実味とキメの細かい、それでいてしっかりしたタンニンがあって、緻密さを感じる味わい。凝縮感があってオークの効いたモダンな作りというだけだなく、なんというか果実の純度の高さを感じるんですよね、この人のワインって。恵まれた年ではないし、村名だけど、相変わらずいい仕事してると思わせるボトルでした。【89】

日時 2003/12/23
銘柄 プイイ・フュッセ01(ギュファン・エナン)
産地 仏>ブルゴーニュ
コメント ブルゴーニュの白についてのビンテージ評価というのは、あまり一般的でないというか、赤ほど語られないように思うが、結構赤とは対照的な年が多い。(詳しくは世のビンテージチャートなどを参照されたし。)01年はどうかというと、赤は生産者によってかなりバラツキがあるものの、総じてイマイチ。しかし、白は酸の強さが良い方向に作用して、かなり出来がよいものが多いように思う。この日はギュファン・エナンの01プイイ・フュッセ。黄金がかった濃い目のイエロー。温度によって表情を変える香りは、黄桃、パイナップルのようなコッテリ系かと思いきや、少し冷やすとグレープフルーツや柑橘類のような爽やかなニュアンスも出てくる。それに加えて品のよいバニラ香とミネラル、フローラルな香り。味わいは厚みがあって豊かで、素直に美味しいといえるもの。酸もかなりしっかりとしているので、鈍重にならず、緊張感を維持した酒質が見事。少し低めの温度で飲んでやると酸がイキイキとしてまるでバタールモンラッシェのような味わいを見せてくれる。さすがギュファンエナン、何度か飲んでいるが、相変わらずお見事とかいいようのないプイイフュッセだ。WA誌では「マコン・ピエールクロ・ル・シャビーニュ」に毎年高得点を連発しているが、個人的にはこちらの方が数段上手だと思う。(って値段もそうとう高いのだが。)
【91】
日時 2003/12/21
銘柄 ラドワ・プリミエクリュ・ラ・コルヴェ96(アンドレ・ヌダン)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 うきうきワインの玉手箱
価格 2480円
コメント 最近、95、96、97年あたりのブルゴーニュの熟成度合いに大変興味がある。97年はともかく、95,96あたりはおそらくコートドールのグランクリュやプリミエはまだ飲むには早かろうというのはわかる。ではマイナーアペラシオンや村名あたりあたりならどうだろうか。まあ、たとえ飲み頃には早かったとしても、毒を喰らうわけじゃないし、はたまたま「ワインに失礼」みたいな奇麗事を言うつもりもないので、あまり話を難しくするつもりはないんですけどね。
そんなことを思いながら「うきうき〜」のHPを眺めていたら、この年代の村名を何本か見つけたので早速購入してみた。しかもどれも3千円以下と安価。今回開けたラドワなどは、1級でしかも96年でこの値段である。ということで実力のほどは?
色調。濃いガーネットで、オレンジは見えないがエッジはかなり透明感が強くなっている。香り。熟成モードに入っていて、土やジビエ肉、スパイス、うっすらとスーボワなどが香る中に、少しだけヒネたニュアンスを感じる。口に含むと、伸びやかで豊かな酸はあるが、果実味がたっぷりとしているので飲みにくさは感じない。コートドニュイのワインのような構造がない分、今美味しく飲めるし、1級ということもあってか、果実感が充実(凝縮というほどではないが)しているのもいい。ややフィニッシュにタンニンが残るあたり、もう少し置きたい気もするが、一方であまり寝かせると醤油とか消し炭みたいなヒネた方向に向かっていきそうな気もするので、今開けたのは正解だったかもしれない。結局のところ「ラドワの子はラドワ」という気もしないでもないが、いずれにしても2500円なら全く文句なしです、ハイ。近々、続編としてヴォルネイ96とかサントーバン95も登場予定。(^^;【87】
日時 2003/12/18
銘柄 レチナイオ95(サンジェルバーシオ)
産地 イタリア>トスカーナ
購入店 土浦鈴木屋
価格 失念(3千円台だったかと…)
コメント 実家で、下のワインに続いて甘口のヴィンサントを開けてみたが、これはハズレ。色調は健全なアンバーながら、香りに紅茶アメやウーロン茶、シナモン、ミントなどに加えて、なんともいえない消し炭のような臭いがまざっている。口に含むと、なんというか果実のみずみずしさがなくて、角砂糖を溶かしたかのようにただひたすらに甘い。スッとするような独特のニュアンスこそ残っているものの、これが実力とは到底思えませんね。同時に2本買ったうち、すでに飲んだ1本は美味しかった記憶があるので、このボトルはきっとコンディション不良だったのでしょう。しっかし、甘口でこれほど酷い味わいというのも珍しい。それはそうと、実家では最近、弟が勝手に私のセラーのボトルを引っ張り出して飲んだりしているらしい。もちろん弟は銘柄の高い安いは全くわからない。これって私にとっては無差別テロに等しい行為だ。頼むからヤメて欲しい。(^^;【?】
日時 2003/12/17
銘柄 サンジョゼフ・V.V98(タルデュ・ローラン)
産地 仏>コートデュローヌ
購入店 小田急ハルク
価格 4000円(のところを3割引きで購入)
感想 久しぶりに実家で晩飯を食べた際に、セラーから引っ張り出してきたボトル。濃厚なガーネットでエッジはピンク色。ブラックベリー、ブラックチェリー、八角、焼き栗、それに燻香。味わいは濃縮感があり、よい意味でジューシーな果実味をしっかりした酸ときめこまかいなめらかなタンニンが受け止めている。ややオレンジの皮のニュアンスをともなった果実味とか、酸が心もち前面に出たバランスなど、以前某誌でテイスティングした98の各作り手のコートロティに通じる特徴(あくまで私の印象だが)があり、モダンな中にも骨太なところのある作りには好感が持てる。マニアの間ではあんまり評判のよろしくないタルデュ・ローランだが、このボトルを一緒に飲んだ母と弟(フツーの人)が「美味しい、美味しい」と絶賛していた事だけは申し添えておきましょう。(^ー^)
【89】
日時 2003/12/16
銘柄 シャンボールミュジニー・レ・サンティエ01
(R・グロフィエ)
産地 仏>ブルゴーニュ
購入店 いただきもの
感想 2001年のグロフィエのプリミエクリュをいただく。初日はかなり初期的還元的な香りと堅い味わいだったが、二日目になってグンと花開いた。ダークチェリーやカシス、スミレ、オーク、それにミネラルなどの華麗で土臭くならない香り。口に含むとしっかりした酸のバックボーンがあって、99年や2000年と比べると、かなり酸中心のバランスという感じがするが、果実味がきちんとあるので単なる酸っぱいワインになっていない。ミネラリーで凛とした酒躯や土やジビエっぽい方向にいかないきれいな香りなど、シャンボールミュジニーらしさ満載で、モダンな仕上がりはさすがグロフィエというべきか。名は体をあらわす、ではないが、すました感じの小洒落たラベル通りのワインだった。
【89】