日時 |
2003/8/17 |
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盆休みということで、かもしださん宅を訪問。思いがけずスゴイワインを飲ませていただいただけでなく、コンディションについてもまたまた考えさせられる一日でありました。 |
銘柄 |
ムルソー・レ・ナルヴォー90
(ドメーヌ・ドーヴネ)
このボトルは、「ワイン通ドットコム」で落札した後、ワイン会用に大事にとっておいたものだが、その後持ち寄る等もないまま、時ばかりが経過してしまった。さすがにそろそろ飲まないとヤバイのではないかと思い、今回持参したわけだが…。
柑橘系果実、ミネラル、ナッツなどにまざって、香りにかなりシェリーのニュアンスが感じられる。味わいは香りから想像するよりは健全で、クリアで伸びのある酸が印象的なれど、全体にややボリューム感や張りに乏しく、同時に落札した90のピュリニーモンラッシェ・フォラティエールがかな〜り素晴らしかったことを考えると、このボトルはやはり万全でなかったのかなとも思う。それなりに古いビンテージの白で、流通を経て何人もの手に渡っているようなボトルはコンディションをキープするのが難しいのだろうなあ、と考えさせられてしまった。【90?】
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銘柄 |
シャサーニュ・モンラッシェ
・グランリュショット76
(ポール・ピヨ)
N氏持参の白は、ネゴシアンものだが、蔵出しということで、 上記銘柄とは好対照。ん〜、イイですねえ。モカっぽい香りが満開。バターやナッツっぽいフレーバーがあってコッテリとした酒躯なんだけれども、熟成した白ワインにありがちなじゃこうやキノコなどの香りが過度にならず、もちろんシェリーや酸化したニュアンスもなく、香り味ともに実にクリーンな熟成を遂げている。フィニッシュにはマロン系の菓子のような甘み。ただ、76年と言う年代から想像するほどの古酒っぽさはなく、ブラインドだともっと若いビンテージだと答えそう。蔵元のセラーではかなり低めの温度で保存されていたのかもしれない。前回の56バタールに続いて、またまたよい白古酒をいただきました。【93】 |
銘柄 |
シャンベルタン97(アルマン・ルソー)
ホストテイスティングしたかもしださんが、ううむと唸っている。状態が思わしくない、熱を浴びているのではないかと。どれどれと飲ませていただいたが、ご本人が仰るほどではなく、かなりご謙遜が入っていたように思われた。凝縮した赤い果実のコンポートやオレンジピール、紅茶、枯葉などのやや線は細いがクラシックな香り。口に含むと旨み感が強く、酸も伸びやかで、十分美味しいと言える味わい。このボトルをレストランで出されてつき返す人はたぶんいないだろうと思う。ただし、味わいの後半ににややイガイガした印象があり、全般に線が細く、シャンベルタンらしいスケール感も感じられないなど、言われてみると本来の実力ではない感がなきにしもあらずだが…。【91?】
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銘柄 |
コルトン・ルナルド96(ドメーヌ・ルロワ)
…ということで、かもしださんがセラーから持ってきた2本目はルロワ赤キャップ、しかもフランスのショップからの直送ルートによるもの。いやあ、これにはマイりました、ハイ。前銘柄のコンディションだって言うほど悪くは無いと書いたが、このボトルと比べてしまうともう後戻りはできない。とにかくすべてのエッジが丸く、クリーンで雑味が一切無い。作り手云々以前に状態の違いがこんなに印象を変えるのかというのをあらためて思い知らされた。96年の赤キャップということで、香りなどまだ閉じ気味ではあったが、今の時点でも飲み手を拒絶するようないかめしさはなく、みなぎるような力を秘めながらも、あらゆる要素が精緻に整えられているため、味わいはどこまでもスマート。やはりルロワはすばらしい。しかもほとんどハンドキャリー同様のボトルとなれば、言う事ないですなあ。【96】 |