ベルナール・デュガ・ピィ。名前から推察されるように、クロード・デュガの従兄弟だが、その名声と入手難はクロード・デュガに勝るとも劣らない。というか、最近はパーカーさんなどはデュガピの方を高く評価しているそうな。私も小田急ハルクのセールのたびに狙っていたのだが、入手できたのは、せいぜい村名クラスまで。シャルムシャンベルタン、マジ・シャンベルタン、それに半樽しか作られないというシャンベルタンなどは、目にすることも滅多にない(その意味で某誌でこの作り手を水平テイスティングできたのはよい経験だったが、日常の食卓では飲めるはずもなく…)。ドロリとした濃厚な色調。リキュール状の黒系果実に加えて、黒オリーブやユーカリ、墨などをイメージする香り。口に含むと、意外なほど「軽い」酒質に驚く。色や香りからもっと重たい味わいをイメージしがちだが、シルクのようなタンニンのおかげで、密度感がありながらも、決して鈍重にならない味わいを保っているところはさすがだ。村名とはいえ、1万円前後の値段のついている銘柄だけのことはある。
【90】
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