2002年5月

日時 2002/5/30
銘柄 コートロティ97(タルデュ・ローラン)
産地 仏>コート・デュ・ローヌ>コート・ロティ
購入店 信濃屋
価格 セールで3本1万円(コートロティ×2、ヴァケラスV.V×1)
コメント

濃いガーネットでエッジは赤紫。香りは、火を入れたプラムやカシスなどの果実、ベーコン、スパイス、コーヒー、タール、燻香。味わいは思いのほかやさしくエレガントな果実味がアタックに感じられる。タンニンはなめらかで、中盤から後半にかけて張りのある酸が前面に出てくるが、酒質はあくまでなめらかで角がとれている。某所で飲んだ99ビンテージの凝縮感とは比べるべくもないが、これはこれで洗練された現代的なコートロティであり、なかなかすばらしいワインだと思う。3本1万なら上出来でしょう。感謝。【88】


日時 2002/5/28
銘柄 ニュイ・サンジュルジュ99(ミシェル・グロ)
産地 仏>ブルゴーニュ>NSG
購入店 いただきもの
コメント いただきもののミシェル・グロ。グロ一族って、 誰もが認める名門の作り手なのに、あまりメディアにとりあげられる機会がないのが不思議。このミシェル・グロしかり、A・Fグロしかり、グロ・フレールしかり。まあ、アンヌ・グロは最近結構騒がれているけど。
ミシェル・グロは今年からラベルのデザインが変わったが、個人的には前のものの方が落ち着いていて好きだった。

エッジに紫の残る濃いめのルビー。赤と黒の中間ぐらいの果実香、ダージリン、丁子などの乾いたスパイス、時間とともにほのかなコーヒーなどのニュアンス。味わいは透き通った酸のアタック。その後からやわらかな果実味がじんわりと広がり、タンニンは豊富だがなめらかで、スパイシーな中にも凛とした味わいを見せる。際立った個性や特徴があるわけではないが、そつなく、よく作られたたトラディショナルなピノ。今でもすでに飲めるが、数年寝かせることにより複雑さを増して、リキュールっぽい果実味が全開になりそうな期待がもてる。
ところで、このラベルの写真は新しく購入したデジカメつき携帯で撮影したものだけど、画質はまあこんなレベルです。
【87】

日時 2002/5/25
銘柄 コート・デュ・ローヌ・レ・ベック・ファン2000
        (タルデュ・ローラン) 
産地 仏>コートデュローヌ
購入店 かわばた酒店
価格 1980円
コメント

某ショップのHPによれば、この銘柄はタルデュ・ローランの日本限定キュベで、500ケース限りの生産だと書いてあるが、今月号の「ワインアドヴォケイト」には売価18ドルとちゃんと掲載されているし、生産数も3200ケースと書いてある。「コート・デュ・ローヌ・ギイ・ルイ」が樽熟なのに対して、こちらは熟成をステンレスタンクにしてコストダウンを図ったものだというが、USでの売価はどちらも18ドルである。う〜む、よくわからん。

樽を使っていない、ということで、味わいはいつものタルデュ・ローラン節とはちょっと異なり、ハーブっぽいフレーバーや厚みのある生っぽい黒系の果実味がとてもクリーンに感じられて、まるで濃縮ブドウジュースのような密度感がある。それでいてあくまで洗練された味わいを保っているところはさすが。タルデュ・ローランというと(ドミニク・ローランの印象のせいか)、新樽使用にばかり目が行くけれども、樽の要素がなくても、基本的な構成要素がきっちりと充実していることがこの作り手の強みなんだな、と納得させられるものがある。標準的には2500円前後で売られているようだが、今回のセール価格ぐらいで買えるのなら、デイリーワイン用にまとめて買い込みたいところだ。
【86→87】
2日目:まったく落ちないどころか、各要素がさらに溶け込んで、より好印象になった。オススメ。


日時 2002/5/23
銘柄 シャトー・ヌフ・デュ・パプ96
(シャトー・ド・ボーカステル)
産地 仏>コートデュローヌ>CNP
購入店 ウメムラ
価格 3990円
コメント

このボーカステルはラベル汚れということで安く購入したもの。ラベル汚れといっても噴きこぼれたあとではなくて、全体にうっすらと黒かびのような跡がついている。96年のローヌは一般には凡庸なビンテージといわれているが、さてシャトー・ヌフ・デュ・パプの代表的な作り手ボーカステルの出来は如何に?

色はエッジがやや杏色っぽくなった濃い目のガーネット。香りは腐葉土香、ジビエ、なめした革、アジアのスパイス、ブラックベリーなど、まさに臭さと紙一重の、それでいてなぜか心地よい芳香。味わってみると、酒質はここのところ98、99年を飲みなれていた身にはかなり痩せて感じられ、酸がピリピリと舌を刺激するのに戸惑いを覚える。それでも時間とともにオレンジっぽい甘い果実味が前面に出てきて、バランスもかなり改善されるが、トータルとしての酒質の険しさは否めない。値段を考えれば、これはこれでオッケーと思う反面、改めて、98、99年の偉大さに思いを馳せたくなるのも事実。これらのビンテージが比較的安価で手に入れられる今って実はとても貴重な機会なのかもしれない。 【85→86】
…と書いたけど、翌日の方が果実味に甘味が出てバランスもよくなり、明らかに印象が良くなったので、点数を上方修正した。今飲むより、もう少し寝かせた方が良いのでしょうね。


日時 2002/5/20
銘柄 プイイ・フュッセ・レ・クロ99(J・A・フェレ)
産地 仏>ブルゴーニュ>マコ地区
購入店 いただきもの
コメント 月曜日は本来ならば禁酒日なんだけど、夕食のクリームシチューに合わせてなんとなくシャルドネを開けたい気分になったので、 いただきもののこのワインをチョイスしてみた。
J・A・フェレは、小規模ながら、徹底的な低収量と老樹のみからの醸造によってこの地区で最良のひとりと目される作り手。1月に98ビンテージの同銘柄を飲んだときもなかなか好印象だったが、今回は99年である。
色は照りのあるイエローゴールドで、かすかに黄緑のニュアンス。香りは黄桃、洋ナシ、ミネラル、バニラ。味わいは厚みのある果実味がミネラリーな風味を伴って口中に広がる。酸はよく言えばチャーミング、悪く言えば張りがなく、そのため全般にまったりとした酒質に感じられる。素性の良さは感じられるのだけど、なんとなく、ピンぼけの写真のようなもどかしさ。98年の方が印象がよかったけど、まあボトル差もあるし、1本ずつ飲んだ限りではなんとも言えませんな。【85】

日時 2002/5/19
銘柄 Ch. パルメ67
産地 仏>ボルドー>メドック3級>カントナック村
購入店 やまや赤坂店で購入後2年半セラー保管
価格 13800円(当時)
コメント 今日は赤ん坊のお宮参り。本来ならもっと早く行くべきものだったんだけど、先月原因不明の発熱で1週間近く入院したりしたため、大事をとって、この時期まで予定を引き延ばしたもの。大安で天気も良いということで、この日、府中市の大国魂神社は激コミ状態。祈祷と写真撮影を済ませて帰るともう夕刻という一日がかりのイベントだったが、無事お参りもすませたということで、夕食時にお祝いもかねて上記のワインを開けてみた。67年のボルドーは一般にはプアなビンテージだが、この年のパルメは出来が良いと言われている。思えば(最近はすっかりご無沙汰だけど)この頃はやまやでよく購入していたものだ。

濃いめのオレンジガーネットで、エッジはレンガの色調。香りは麦わら、干草、醤油、老酒、カシスなどのドライフルーツ。味わいはかなりマディラっぽいフレーバーが支配的だが、完全にイカレているというほどではない。厚みのあるなめらかな酒質で、当初ギスギスとしていた酸は時間とともに落ち着き、時間とともにドライフルーツのような果実の甘味が出てくる。ただ、全般にデリカシーのない醤油っぽいフレーバーが幅を利かせているのと、乾いたタンニンがいまだにフィニッシュに残るのが残念。
なんだか、まっとうに育たずに途中でグレてしまった不良息子という感じのワイン。 あまり祝祭気分に応えてくれるものではなかったけれども、こういう、先のないワインがセラーを占拠しつづけるのも馬鹿馬鹿しいので、この時期に飲んでしまったのは正解かも。
ちなみにこのワイン、リコルク物で、購入当時、キャップシールはピカピカだった。
【83】

日時 2002/5/18
銘柄 アレクサンダーヴァレー・カベルネソーヴィニヨン96
(シルバーオーク)
産地 米>カリフォルニア>ソノマ
購入店 東急本店
価格 7800円
コメント やっと、週末。ということで、ちょっと良いワインをチョイスしてみた。色はエッジが紫色の濃いめのガーネット。香りは樽香がかなり支配的。濃厚なバニラエッセンス、樹液、ミント、杉の木、カシス。凝縮感はそれほどでないが、非常になめらかなタンニンが印象的で、果実味はみずみずしく口の中に広がり、しなやかな酸がバランスを整える。力まかせなところがなく、それでいて決して薄いわけでない、秀逸なバランスがあって、なめらかでエレガントなテクスチャーが見事。今まさに美味しく飲めるカベルネだ。ただ、難をいえば、ちょっとオークのフレーバーが勝ちすぎているような…。
と書いたが、翌日にはよりバランスよく、オークの突出感もなくなり、二日に亘ってすばらしい味わいを楽しめた。
【90→91】
感想 シルバーオークが生産する銘柄には、アレクサンダーヴァレーとナパヴァレーの2種類がある。アレクサンダーヴァレーはカベルネ100%で、新樽比率50%。生産量は4万ケース。ナパヴァレーはカベルネにカベルネフランとプティヴェルドがブレンドされ、新樽100%で熟成される。生産量は1万ケース。米国内での人気は非常に高く、これだけの生産量があっても市場ではなかなか見かけることができないとか。「柔らかくて、出荷と同時に飲みごろを迎える」ワイン作りをめざしているとのことだが、飲んでみるとまさにそのとおりの外向的で親しみやすい味わいを実現している。

日時 2002/5/16
銘柄 シャブリ・ヴァイヨンV.V97
(J・ドーヴィサ)
産地 仏>ブルゴーニュ>シャブリ1級
購入店 ワインの店いとう
価格 失念(2千円台後半)
コメント J・ドーヴィサは、かのルネ・ドーヴィサの義理の息子。濃いめのイエローで全般にややグリーンがかっている。香りは洋ナシ、白桃、花蜜、ミネラル、バニラ。味わいは甘く蜜のような果実味がある一方で、バニラっぽいフレーバーがまだかなり幅を利かせている。それらを受け止めるべき酸はかなり大人しめで、全体の構造はややフラットというか浅薄な印象がぬぐえない。若くして美味しく飲めるし、3000円以下という値段を考えれば十分上等なワインだというべきだけれども。それにしてもこの作り手、新樽比率10%というわりには、結構樽のニュアンスを感じるのが不思議。
【85】
感想  
日時 2002/5/14
銘柄 サッセート99
(アジエンダ・アグリコーラ・カデル・ヴィスポ)
産地 イタリア>トスカーナ州
購入店 小山酒店
価格 2280円
コメント 濃いガーネットでエッジは紫。しっかりしたジョンブがアルコールの高さを物語っている。香りは複雑ではないが、健康的なハーブ香や、ブルーベリー、カシスなどのジャム、スパイス、それにほのかにオークが感じられる。味わいはやわらかくふくらみのある果実味をやや高めで陽気な酸が支えている印象。タンニンはよく熟して甘く、今でも美味しく飲めるが、フィニッシュに残るややジャムっぽいフレーバーが個人的にはちょっと。まあしかし、いかにも日照条件に恵まれたよく熟したブドウから作られたという雰囲気満点だし、これで2000円台前半ということを考えれば、コストパフォーマンスは高いといえるだろう。【84】
感想 新進気鋭のワイナリー「カ・デル・ヴィスポ」が昨年リリースしたばか りのフラッグシップ「サッセート」。 粘土質に砂の土壌がまざる畑から作られるこのワインのセパージュはメルロ100%。醸造長のロベルト・ヴィスピ氏は、南仏のスーパーヴァンドペイ「マス・ド・ドーマス・ガサ ック」で修行を積んだとか。年間生産量は、約8,000本 。バリックにて18ヶ月間熟成 。新樽50%。
特に何が優れているというわけでもないが、ソツなく作られていて、コストパフォーマンスの高い銘柄だ。初日はややジャムっぽいしつこさが目立ったが、明日あたりもっと落ち着きそうな気もするので、もう一度試してみたい。
翌日:香りはすっかり失せてしまったが、果実味のしつこさがなくなり、よりまろやかな味わいになった。

日時 2002/5/12
銘柄 バアン・デュ・オーブリオン98
購入店 いただきもの
コメント

バーン・デュ・オーブリオンは、Ch.オーブリオンのセカンド。ラトゥールやラスカズのセカンドほど名が知られていないが、セカンドワインの中では、最も評価の高い銘柄のひとつだ。

色はエッジに紫がかった濃いガーネット。香りは閉じている中から、ブラックベリーや八角などのスパイス、土っぽいニュアンスなど。味わいは、凝縮した果実味の第一印象。タンニンはシルキーで、酸も伸びやかであり、なめらかで非常にバランスのよい味わい。セカンドということを抜きにしても、メドックの格付けクラスに十分該当する品質だ。
抜栓当初はかなり硬かったので、久しぶりにデキャンティングなぞしたら、1時間もするとみちがえるようなバランスのよさを見せた。下手な格付け下位シャトーのものを買うならこちらの方がよいかも。って、値段もそれなりだけど…。
【88】


日時 2002/5/10
銘柄 ジュブレイ・シャンベルタン2000
(クロード・デュガ)
産地 仏>ブルゴーニュ>ジュブレイシャンベルタン村
購入店 優心美酒SHIMURA
価格 8400円
コメント エッジに紫がかった濃いルビーで、全体に黒味がかっている。香りはカシスやブラックチェリーなどの果実、中国のスパイス、バニラ、ミネラル。口に含むと、濃厚でやわらかい果実味と、しょっぱいぐらいのミネラル感。みずみずしく豊かな広がりときめ細かなタンニンによる羽毛のようなテクスチャーは魅力的だが、アルコールがやや浮いたような印象があるのと、じんわりとした酸が伸びやかさと質感を欠き、そのため全体的に今ひとつシャキッとしていないというか、構造にやや弱さを感じるのが難点。この日の味わいは、率直に言って、私の期待や8000円台という市場価格に応えているとは言えない。
ただし、このボトル、香りに当初なんとなく生臭いようなニュアンスがあったり、味わいも旨み系の成分がやや強調されていたりと、ちょっと本来のコンディションでなかった気がする。
【87?】
感想 実は、今回のデュガがイマイチだったのは、宅配便で到着してからあまり休ませずに飲んだのに加えて、その間、私の過ちでセラーに入れてなかった(包装紙でくるまれていたので他の安いワインと間違えていた)など、こちらの状態管理に非があった可能性もある。もっとも、運悪く日中30度近くまでまで気温が上がった日があったとはいえ、通常この時期に1週間程度常温に置いたくらいで、味が目に見えて劣化するとは考えずらいのだけど…。
遠からず、同時に購入したもう1本(こちらはちゃんとセラーに入っている)を試してみたいと思う。

日時 2002/5/8
銘柄 エルミタージュ98
(アルベール・ベル)
産地 仏>コート・デュ・ローヌ>エルミタージュ
購入店 ウメムラ
価格 4880円
コメント ドメーヌ・アルベール・ベルは当主のベル氏が息子とともに90年にタン・レルミタージュの協同組合を脱退して始めた比較的新しいワイナリー。クローズ・エルミタージュがメインだが、エルミタージュにも3.7エーカーの地所を持つ。 色はエッジが紫がかった濃いルビー。香りはボルドーのようなブラックベリーやカシスのシロップ漬け、墨、丁子、八角などのスパイス、控えめだがそれとわかるオーク。味わいは口当たりがよくやわらかい果実味を豊かな酸が支えており、タンニンもおだやかめで、凝縮された印象ではないが、おだやかでバランスのよい酒質を愉しめる。欲をいえば、もう少し力強さが欲しい気もするが、予想していたよりもずっと洗練された完成度の高いエルミタージュだった。
【90】

日時 2002/5/4
銘柄 シャトー・ヌフ・デュ・パプ・クロー・ド・マ・メール99
(ドメーヌ・デュ・ペール・パプ)
産地 仏>コート・デュ・ローヌ>CNP
購入店 ウメムラ
価格 3180円
コメント

濃いガーネットでエッジはピンク色のグラデ。香りはダークチェリーやカシスのジャム、ハーブ、黒コショウや甘草などのスパイス。口に含めば、たっぷりした豊かで甘い果実味のアタック。タンニンはおだやかでやわらかく、酸はしっかりと味わいを下支えしている。力強さとか凝縮感に秀でたわけではないが、アルコール度が高く、豊かでグラマラスな味わいがあって、今時点でも素直に美味しいといえるヌフ・パプだ。【88】

感想 ドメーヌ・デュ・ペール・パプは1864年が起源のこの地区では比較的「新しい」ドメーヌ。その所有地はこのAOCの中でも特に恵まれた区画のひとつだとか。ワインは伝統的な製法で作られ、除梗はされず、タンクとフードルで8〜14ヶ月すごしたあとブレンド。新樽は使用しない。特に個性的だとか目立つ点があるというわけでないけど、バランスよくまとまっていて、万人に愛されそうな銘柄。なにも予定のない連休の中日、のんびりと過ごした晩の友にふさわしいようなワインだった。ウメムラさんのオススメ銘柄は前回の「シャトー・ド・サンコーム」のときもそうだったけど、クセのない穏やかな銘柄が多いですね。

日時 2002/5/2
銘柄

先日、三軒茶屋のワインバー『味倶楽部くらりす』にてアンリ・ジャイエの村名ヴォーヌ・ロマネを飲んだ際、リストに、同じ93年のクロ・パラントゥーが4万円で出ているのを発見、どうしてもこれを飲んでみたかったので、唐突に何人かにお声がけをさせていただいた。結局お集まりいただいたのは、うえはらさん、シャンベルタンさん、yohさん、rouge-mayさん、のへさん、まーやんさんという「濃ゆい」メンツ。さてさて、ジャイエの93クロパラのお味は如何に?

コメント

ミッシェル・マイヤール・ブリュット・レゼルヴ87

よく熟したフルーツとトースト、濃厚な蜂蜜のような甘い香りにキノコのようなやや熟成したニュアンス。口に含むと、炭酸の勢いは弱いが、濃縮感があって力強く、後半に甘味が広がる。もう少し供出温度が低いとよかったのだけど。9000円。【89】



シャブリ・グランクリュ・レ・クロ95
(ドーヴィサ)

まだ硬く、閉じた香りの中に、洋ナシなどの果実と白い花、それにキリリとしたミネラル。丸く角のとれた、それでいてしっかりした酸と、濃厚な果実味のバランスもよく、テクスチャーの質感が非常に高い。高めの温度でもバランスを崩さないところはさすが。 10000円。【91】



ヴォーヌ・ロマネ・クロ・パラントゥー93
(アンリ・ジャイエ)

そしてついに、今日のメイン。エッジがややはかなくなった濃厚なルビーの色調。 香りは…、トーンの高い、ゴムや紙粘土のようなノーズが。うう、こ、これは…ブショネでは?
少し時間をおいても、ブショネ香は消えるどころがますます強く感じられるようになる。今まで出会った中でも、これはかなり「典型的な」ブショネだ。味わいは、調和のとれた美しいフィニシュなど、只ならぬものがあったし、熱を浴びた形跡もなく状態もよかった。それだけにブショネが返す返す残念。代えてもらおうにも、これが最後の一本ということで、それもかなわない。
合掌。【--】



シャンベルタン94(アルマン・ルソー)

店の人が、申し訳ないと代わりに出してくれた銘柄。凝縮された赤系果実のリキュールっぽい香りにややミルキーなオークやなめした革のようなニュアンス。味わいはバランスがよくエレガントだが、以前飲んだ同年のクロ・ド・ベーズのような力強さと凝縮感はなく、インパクトに欠ける気がした。ボトル差か、それともクロパラのショックが抜けきれていなかったのか…
【90?】

ソライア90

もう一本いきましょか、ということで頼んだのがこの銘柄。28000円は絶対額としては高いが、現在の市場価格を考えるとわりとリーズナブルといえる。 カシスやブラックチェリーをシロップに漬け込んだような果実香、オリエンタルスパイス、墨、木質。
味わいはとにかく力強い。 凝縮された果実味、しなやかで高めの酸、そしてまだまだ手ごわいタンニン。非常に大柄なワインで、12年経た今でも、飲み頃にはまだ早い印象。イタリアのカベルネのスゴさを再認識させられる1本。
【94】

結局、クロパラの料金の請求はなし。お店にとっても我々にとっても手痛い一本だったが、参加者の方々の心遣いあ店側の配慮などにより、終わってみれば、それはそれで楽しく過ごさせていただいた一夜だった。


日時 2002/5/1
銘柄 ムルソー・グーテドール98
(アラン・コシュ・ビゾー)
産地 仏>ブルゴーニュ>ムルソー村1級
購入店 ヴァン・シュール・ヴァン
コメント アラン・コシュ・ビゾー(ビズアールとも表記する)は、あのコシュ・デュリの親戚筋で、ムルソーを本拠地としているドメーヌ。生産量が少ないせいか、日本では知名度が低いが、実力派として知られる作り手だ。ちなみにこのグットドールの平均樹齢は65年とか。
濃いめのイエローでやや黄緑のニュアンス。香りは熟したグレープフルーツ、スモーク、ミネラル、バニラ。味わいは酸がしっかりしていて、柑橘系果実のみずみずしいアタックがある。温度が上がると、酸は丸く角のとれたなめらかな印象になり、果実はより濃密に厚みを感じさせるようになって、オークの適度なミルキーなフレーバーとあいまってバランスもよくなってくる。中盤のふくらみも十分あり、フィニッシュにはオークに加えてやや苦味が加わる。樽の使い加減が心地よく、トロみがありながらも柑橘系のみずみずしい果実味を残しているなど、私の好みのタイプの白だ。
【89】