2001年10月27日(土)

この日はJordanさんのお招きを受けて、表参道のフレンチ「ア・テスエ」へ。参加者はJordanさん、えりかさん、世田谷太郎ご夫妻、それにshuz&shuz妻。ワインはすべてJordan氏より。私自身は、ニーヨンもカーゼ・バッセも、そしてもちろんモラガも初めてなので、どんなワインなのか、楽しみ。

銘柄 ブラン・ド・ブラン 85
(Franck Bonville)
感想 やや麦わら色がかった濃いめのイエロー。おだやかで細かい気泡。熟したリンゴ、クロワッサン、それにハチミツっぽい甘い香り。味わいの第一印象はなめらかで、適度なコクがあり、中盤に蜜のような果実味が広がる。酸はしなやかで、キメ細かい泡の刺激が心地よく、雪が溶けてゆくようなフィニッシュ。私の知らない作り手だけど、状態もよくすばらしい銘柄だ。
【87】
銘柄 シャサーニュ・モンラッシュ・クロ・サンジャン97
(M・ニーヨン)
感想 黄緑がかった中程度のイエロー。トップノーズにキノコやじゃこうっぽい熟成香が見られるが、時間とともに、グレープフルーツや白桃、バニラなどが出てくる。味わいは独特。透明感のある果実味はネットリとすらしていて、酸はヤスリで研いだようななめらかさがある。全般に樽のフレーバーが強いんだけど、それがイヤミにならずにただならぬ気品を漂わせているのと、柑橘系っぽいフレッシュな要素が犠牲になってないところがいい。これは私の好きなタイプ。
【88】
銘柄 モラガ93
感想 これは非常に珍しい銘柄。ロサンゼルス郊外の高級住宅街ベル・エアー地区に2.8haの畑を持ち、ワインはフレンチオーク100%で熟成され、ボルドーっぽいキャラクターと熟成能力を持つとか。
エッジにややオレンジの見える濃いガーネット。カシスやダークベリーのジャム状の果実、プラム、スパイス、タバコ、それに時間とともにロースト香やバラのような甘い香りが出てくる。味わいは豊かでジャミーな果実味のアタック。タンニンはなめらかでややまったりした味わいながら、酸がしっかりしているため全体の構成はダルにならず、秀逸なバランスを保っている。カベルネ主体らしいが、味わいはポムロールっぽい雰囲気。熟成のスピードは同時期のボルドーよりはやや早いようだ。フィニッシュにはジャムっぽい果実のフレーバーが長く口中に残り、印象的な余韻の長さをみせる。
【92】
銘柄 ブルネロ・ディ・モンタルチーノ・ソルデーラ・リゼルバ93
(カーゼ・バッセ)
感想 カーゼ・バッセは偏屈で知られる?ジャンフランコ・ソルデーラ氏が所有するブドウ園。約7haの畑から作られるブルネロは年産わずか1万6000本。リゼルバは良年にしか作られない。スロヴェニア産の大樽で4〜5年熟成させ、清澄処理も濾過処理もしないで瓶詰めされる。
エッジにオレンジがかった濃いめのガーネット。香りはカシスやブラックチェリーのジャム、スミレ、甘草などのスパイス、枯葉。味わいはよく熟した果実味の強烈なフレーバーに驚かされる。酸が一貫してしっかりしていて、タンニンはきめ細かく溶け込んでいる。フィニッシュには甘く濃縮した果実味とやや乾いたタンニンが残る。いかにもクラシックなイタリアの銘醸モノらしい味わいで、熟成途上という印象。 【90】
銘柄 ブルネロ・ディ・モンタルチーノ・ソルデーラ82
(カーゼ・バッセ)
感想 どこかで読んだ覚えがあるんだけど、82ビンテージというのは、カーゼ・バッセのブルネロの初ビンテージじゃなかろうか。とにかくこんなに古いカーゼ・バッセを飲めるなんて滅多にない機会だ。
オレンジがかった濃いめのガーネット。香りはカシスや赤系果実のドライフルーツ、オレンジの皮、枯葉、黒蜜、それにコーヒーっぽいニュアンスも。味わいは甘く濃縮した果実味がじんわりと口中に広がり、豊かな酸となめらかに溶け込んだタンニンとが見事な調和をみせる。フィニッシュには甘い果実味が残り、心地よく長い余韻を形成する。 余分な要素をそぎ落としてきれいに熟成したワインだが、枯淡の境地というところまで行っておらず、まだまだ熟成しそうな印象。前銘柄とは約10年の開きはあるが、明確なキャラクターの共通点が感じられた。
【92】
Jordanさん、ごちそうさまでした。えりかさん、世田谷ご夫妻、いろいろとありがとうございました。m(_ _)m